科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

STAP細胞

笹井氏自死の波紋

あまりに衝撃的なことに言葉もありません。心よりご冥福をお祈りいたします。労災との指摘も一部であります。研究不正問題の追求は続けていく必要がありますが、「罪は憎んで人を憎まず」を心していかなければならないと思います。自死報道のあり方にも一石…

日本学術会議が声明など

7月27日に放送されたNHKスペシャルは、独自資料を用いてSTAP細胞論文の問題点を明らかにする番組でした。すでにネット上などでは言われていることがほとんどでしたが、独自の取材など説得力があり、一般向けとしてはよかったのかなと思います。この問題のウ…

早稲田大学の学位調査報告

早稲田大学は小保方晴子氏の博士論文の調査を発表しました。学位取り消さずに、様々な反応がありました。●STAP論文:疑義のデータ削除…ネイチャー投稿時 http://mainichi.jp/select/news/20140721k0000m040122000c.html●小保方氏の研究室、写真を公開 理…

論文撤回理由の混乱

ネイチャーの論文撤回理由で混乱がありました。片瀬久美子氏のブログで理由が分かりましたが…Nature誌のSTAP細胞論文取り下げ告知文に関する経緯について http://d.hatena.ne.jp/warbler/20140710/1404987809●【STAP論文】 撤回理由書、共著者の合意なく…

 Nature論文撤回、小保方氏検証実験参加

論文は正式に取り下げられました。また、小保方氏が「STAP現象の検証計画」に参加することに強い批判が起こっています。●小保方研究ユニットリーダーが参加する「STAP現象の検証計画」の進め方 http://www.riken.jp/pr/topics/2014/20140704_1/●高橋政代プロ…

論文いよいよ撤回

Natureの論文がいよいよ撤回されるようです。●英科学誌ネイチャーとは 影響力は世界トップ http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG29009_Z20C14A6NN1000/●STAP論文、ネイチャーが撤回 週内にも http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG29004_Z20C14A6MM…

若山氏の会見

今週は若山照彦山梨大教授の会見がありました。STAP細胞とされる細胞の由来に疑問が呈され、もはやSTAP細胞の存在は風前のともしびです。CDBに保全されているSTAP関連細胞株に関する検証について http://www.riken.jp/pr/topics/2014/20140616_2/●S…

理研CDB解体へ?

2014年6月13日、「研究不正再発防止のための提言書」 http://www3.riken.jp/stap/j/d7document15.pdfとCDB自己点検の検証について http://www3.riken.jp/stap/j/c13document14.pdfが公表されました。「研究不正再発防止のための提言書」は理研CDBの解体にま…

論文すべて撤回へ

Nature論文は撤回へ。また理研報告書案も明らかになっています。●STAP発表「過度に注目集め不適切」…検証委 http://www.yomiuri.co.jp/science/20140605-OYT1T50152.html●STAP論文、笹井氏の責任指摘 理研報告書案 http://www.nikkei.com/arti…

論文撤回へ

論文撤回の方向です。●小保方氏側、STAP論文2本のうち1本撤回へ http://www.asahi.com/articles/ASG5X6DT6G5XULBJ012.html●小保方氏、STAP論文1本「撤回に反対せず」 http://www.yomiuri.co.jp/science/20140528-OYT1T50131.html●STAP細胞:論…

あらたな疑義など

新たな疑義が出ています。また、毎日新聞のスクープ、マウス購入記録の問題も話題になっています。●第8回 研究不正再発防止のための改革委員会開催 http://www.riken.jp/pr/topics/2014/20140523_1/●STAP 未公表の新たな疑義 http://www3.nhk.or.jp/news…

委員の疑義など

まだまだ続いている騒動。報道は事件の背景に向かいつつある印象です。●元調査委員の研究論文の疑義に関する予備調査結果について http://www.riken.jp/pr/topics/2014/20140513_1/●第7回 研究不正再発防止のための改革委員会開催 http://www.riken.jp/pr/to…

再審査せずの波紋

理化学研究所が、小保方晴子博士側の不服申し立てに対し、再調査せず、の決定を しました。研究論文の疑義に関する調査委員会による調査結果に対する不服申立ての審査結 果について http://www.riken.jp/pr/topics/2014/20140508_1/かなり長い報告書を読みま…

STAP細胞ピックアップ5月5日まで

ちょっとアップが遅くなりましたが、掲載します。多くの研究者に疑義が見つかっています。不正とまでは言えませんが、少なくともQRP(Questionable Research Practice)であるといえるでしょう。科学コミュニティはこれを言いがかりとして切り捨てず、向かい…

 説得力のある不服申立てに関する審査の結果の報告

理研が「研究論文の疑義に関する調査委員会による調査結果に対する不服申立ての審査結果について」を公表しました。かなり長文でしたが、一読いたしました。感想としては、非常に説得力があるように感じました。小保方博士側の不服申立てに、かなり明快な回…

ミスコンダクトと責任ある研究活動の距離

昨日の記事で、小保方博士、山中伸弥教授、石井俊輔・理研上級研究員の行為は「地続き」であると書きました。 これに対して、以下のようなご意見をいただきました。こんにちわ。一連の問題で科学界が失った社会的信頼は計り知れず榎木先生にお願いしたいのは…

石井委員長の疑義

4月28日にメルマガに掲載した記事です。さすがにSTAP関連の記事も下火になってきた感がありますが、ここで新たな疑義が 沸き起こりました。研究者コミュニティの構造的な問題が明らかになってきているよう に思います。小保方晴子のSTAP細胞論文の疑惑 http:…

笹井芳樹博士会見

今週の大きな出来事は、STAP論文の共著者である笹井芳樹博士の記者会見があったことです。感想は以下に書きました。 http://d.hatena.ne.jp/scicom/20140416/p1小保方晴子のSTAP細胞論文の疑惑 http://stapcells.blogspot.jp/★STAP細胞論文に関する笹井芳樹…

オーサーシップ再考

4月16日の笹井芳樹博士の会見をきっかけに、論文の著者、オーサーシップとは何かを考えています。藤田保健衛生大学の宮川剛教授とTwitterでしたり、その他多くの方々のご意見などを伺うことで、オーサーシップの問題点を理解しつつあります。論文の著者に…

笹井博士会見感想

以下感想です。 論文作成の途中から加わった、論文の著者になるつもりはなかったが、なってくれと言われてなった、という説明が、あたかも、友達が写真送ったからと言ってグランプリを獲得したアイドルのように白々しく聞こえたが、人の内面なのでわからない…

小保方博士会見〜社会現象化する「STAP現象」

本人の会見でウェブ上での議論もヒートアップしていますが、ここは冷静に、本人の人格的な部分には目を向けず、科学的な検証と構造問題に焦点をあてていきたいと思っています。SSA代表榎木のブログエントリーは以下 http://d.hatena.ne.jp/scicom/放牧ラボと…

特殊と普遍〜「小保方特殊論」を超えて

普段は1週間に一度しか更新しないこのブログも、連日のように更新しています。これもSTAP細胞の問題があるからです。私(榎木)への取材申し込みも殺到しており(東大医科研の上先生ほどではありませんが)、現在までに朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、夕刊フ…

放牧ラボとブロイラーラボ〜人材育成の流儀

昨日の記事で、大学院生が増えたにも関わらず教員が増えず、競争的環境で指導者も業績にならないから、院生が放置されているのではないか、と書きました。 放置されても、研究者として成功する人はいるので、結局は人による、ということなのでしょうが、実は…

未熟で自己流の研究者を生み出した構造

昨日(2014年4月9日)の小保方晴子博士の記者会見に関して、私もいくつか取材を受けました。 私の考えは以下です。 小保方博士が勇気を振り絞って自分の言葉で語ったのは高く評価する。理研に一方的に罪をなすりつけられたようになっているので、反論は権利…

「派」に分かれることの無意味

理研の最終報告以降、小保方氏と理研の全面対決がささやかれています。世論も「小保方派」のようなものが形成されているような感じです。研究者以外の友人は、小保方氏に同情的です。これも一方的に責任を小保方氏に押しつけた理研の罪だと思いますが、派に…

問われるのは論文のオーサーシップ

2014年4月1日、理化学研究所はSTAP細胞論文に関する最終調査報告を発表し、記者会見を行いました。研究論文(STAP細胞)の疑義に関する調査報告について(その2) メディアでさんざん取り上げられており、また、SNS上でもいろいろ述べられている話題ですが、…

疑問深まる

報道はやや沈静化した感はありますが、STAP細胞の実在についてはさらに疑問が深まりつつあります。●小保方晴子のSTAP細胞論文の疑惑 http://stapcells.blogspot.jp/●研究論文(STAP細胞)に関する情報等について http://www.riken.jp/pr/topics/2014/2014032…

研究不正と冤罪

STAP細胞騒動のさなか、大きなニュースが入ってきました。1966年に一家4人を殺害したとして死刑判決が確定した袴田巌さん(78)の再審が決定し、釈放されたというニュースです。 私は、袴田さんの釈放がこの時期になったことに、何らかの意味があるのでは…

研究者への倫理教育〜何をどうやって?

2014年3月28日付の日経新聞によると、STAP細胞の問題を受けて、文部科学省は大学院生に対する倫理教育を充実させることを決めたそうです。研究者・学生に倫理教育 文科省が義務化、STAP問題受け 研究論文の不正に絡む問題では、論文が正しいかどうかを審…

博士論文の意味〜博士号は「負のスティグマ」になるのか

STAP細胞事件は、STAP細胞の存在に疑問が呈される事態になっています。理研からの公式発表がない段階では、ニュース以上のことは論じられないので、ここでは述べません。 理研の調査がどうなろうとも、今回の事件で明らかになった問題があります。それは、博…