科学・政策と社会ニュースクリップ

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東大が総長選考の経緯を公表 京大「JIP論文」通報者の雇い止め PHPの重大脆弱性

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    No.1200 2026年10月27日(発行11月1日)巻頭言
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【巻頭言】 東大が総長選考の経緯を公表 京大「JIP論文」通報者の雇い止め PHPの重大脆弱性
カセイケン代表 榎木英介

 今週の記事ピックアップです。最初の2つはメルマガ本誌発行後の話題です。

【東大が総長選考の経緯を公表】

総長選考の選考経緯に関する資料の公表について(東京大学) https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/press/z1303_00008.html

東京大学のガバナンス改革に関する資料について(東京大学) https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/z0508_00142.html

東大総長選 選考会議が詳しい選考の経緯を公表(NHK) https://news.web.nhk/newsweb/na/nd-20261030de68783

東大総長選考、藤垣氏は「15人中14人が承認」 新たな文書を発表(朝日新聞) https://news.yahoo.co.jp/articles/ba23f308728748a0965a299db9ee0e341cd6b7ff

東大、2位候補を次期総長に選出した経緯公表 最終投票「15人中14人が承認」(テレビ朝日系) https://news.yahoo.co.jp/articles/bbb5b5f4379a962692eb63f168d87b8a0cf25f11

【総長選考2026】選考会議が選考プロセスを説明 藤垣教授、委員16人の投票で2回とも最多 2回目投票で12票(東大新聞オンライン) https://www.todaishimbun.org/setsumei_20261030/

「東大に高い説明責任」 関文科相、学長選考の検証巡り(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD232270T21C26A0000000/

<主張>東京大 象牙の塔に立てこもるな(産経新聞) https://www.sankei.com/article/20261026-JWBUMVYSKVJLRFLDDXXDG7XMYM/

 先週お伝えした文科省の検証要請を受け、東京大学が10月30日に総長選考の経緯を説明する11ページの文書を公表しました。選考・監察会議の委員16人による無記名投票を2回行い、藤垣氏がどちらも最多得票(2回目は16票中12票)、最終的に議長を除く15人中14人が承認したとしています。

 ただ、意向投票で1107票対553票という大差の1位だった染谷氏を選ばなかった理由について、具体的な説明はなかったと報じられています。手続きの正当性は示されたが、判断の中身は示されていない、という形です。議長のコメントでは、10月27日に教職員有志から再度の質問が出ており、回答文書を作成中であること、文科省の検証にも協力することが示されました。

 同じ30日には、医学系研究科・附属病院の一連の不祥事を受けたガバナンス改革の第二四半期の進捗も公表されています。総長選考の説明とガバナンス改革の実行が、同時に問われる状況です。

【京大「JIP論文」通報者の雇い止め】

京都大学教授による研究活動上の不正行為(改ざん)の認定について(文部科学省) https://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/fusei/1360847_00059.html

京大「JIP論文」通報者雇い止めが国会へ――文科相が制度見直しの検討を明言、問われる大学の自浄能力(スローニュース) https://slownews.com/n/n5e8c66b62292

【スクープ】京大教授"出世論文"改ざんの舞台裏 告発した研究員は3カ月後に雇い止めを告げられた(スローニュース) https://slownews.com/n/nd5b94ac91248

京都大論文不正で告発者が雇い止め?泉健太衆院議員が文部科学委員会で指摘 「全国研究者に動揺と疑念」(京都新聞) https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1817107

 10月28日の衆議院文部科学委員会で、泉健太議員が京大「JIP論文」の通報者が雇い止めに遭った問題を取り上げました。通報の約3か月後に雇い止めを通知されたことを紹介し、文科省や各大学のガイドラインが通報者の不利益を防ぐ内容になっていないとして、見直しを求めています。

 関芳弘文科相は、通報者が安心して通報できる環境は極めて重要だとして、制度上の課題も踏まえた対応を検討すると答えました。京都大学は3月に小田裕香子教授による改ざん1件を認定して公表していますが、通報者への不利益取り扱いの調査は終わっていないと指摘されています。

 研究公正の仕組みは、内部からの通報にほぼ全面的に依存しています。その通報者が職を失うようでは、制度そのものが成り立ちません。今回の件が国会で取り上げられ、文科相が制度見直しに言及したことの意味は小さくないと思います。

【PHPの重大脆弱性】

プログラミング言語「PHP」に重大欠陥 ネット社会のもろさ浮き彫り(Science Portal) https://scienceportal.jst.go.jp/stories/20261026_s01/

【まとめてわかる】PHPとは?何が起きた?影響は?悪用されると…(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBQ2JPXVBQULLI00LM.html

オープンAI「PHPの欠陥は2カ月前に発見」 防御準備と発表(毎日新聞) https://mainichi.jp/articles/20261022/k00/00m/020/055000c

PHPの脆弱性公開から半日で「攻撃」数百万件 公開前から試行も(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBQ3515VBQUTIL01TM.html

情報管理の不手際続き「非常に危険」 修正プログラム公開前に漏洩、意図的も PHP欠陥(産経新聞) https://www.sankei.com/article/20261024-BYJCVT6JNNJZLP3RVZEM57JGEU/

政府サイト一部停止、ウィキペディアも影響 PHP対応追われる各国(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBQ2WF8VBQUHBI00MM.html

PHPの脆弱性対応に伴うすべてのサービス・コンテンツの公開再開について(文部科学省) https://www.mext.go.jp/a_menu/mext_00007.html

PHP並みの脆弱性「まだ出てくる」 米クラウドフレアCEOが予告(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN23C8Y0T21C26A0000000/

PHPの脆弱性 世界を揺るがす重大な危機だ(読売新聞社説) https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20261022-GYT1T00388/

[社説]PHPの警鐘を次の脆弱性対策に生かせ(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK227W10S6A021C2000000/

 PHPに重大な脆弱性が見つかり、世界中でサイトが停止しました。文科省を含む日本の政府サイトも一時公開を止め、ウィキペディアにも影響が出ています。

 注目したいのは、この欠陥をAIが発見したという点です。オープンAIは2カ月前に発見して防御の準備をしていたと発表しました。一方で、修正プログラムの公開前に情報が漏れ、公開から半日で数百万件の攻撃が試みられています。意図的な漏洩の可能性も指摘されました。

 AIが脆弱性を見つける速度と、人間が修正を配布する速度の差が、そのまま危険になる。クラウドフレアのCEOは同じ規模の脆弱性が「まだ出てくる」と予告しています。研究機関のシステムも例外ではありません。

【相次ぐサイバー攻撃と能動的サイバー防御】

高市総理は第1回サイバーセキュリティに関する関係閣僚会議を開催しました(首相官邸) https://www.kantei.go.jp/jp/105/actions/202610/26kaigi_cyber.html

サイバー攻撃元の無害化措置、高市早苗首相「戦略的に実行」(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA264L30W6A021C2000000/

能動的サイバー防御とは? 警察・自衛隊が攻撃側に侵入し「無害化」(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBS2381VBSUTIL005M.html

GMOに79億円要求 サイバー攻撃者の脅迫文を公開、支払いは拒否(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBV3FWKVBVULFA01CM.html

佐川急便サイトに不正アクセス 個人情報最大5323万件流出か(毎日新聞) https://mainichi.jp/articles/20261023/k00/00m/020/359000c

大阪公立大のシステム障害、NECの再委託先へのサイバー攻撃が原因(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBP15NCVBPPTIL00MM.html

大阪大学で約7万8000人分の個人情報漏えい 学生の氏名やメールアドレスなど(TBS NEWS DIG) https://news.yahoo.co.jp/articles/c1e9a87ff16a84a1064f02993769a8b9c7d46cf9

技術者1人に求人29社、セキュリティー人材不足 情報漏洩の背景?(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBS2V4MVBSULFA013M.html

経産省が11月に「ホワイトハッカー」専門チーム 不正アクセス対応(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBR0DD9VBRULFA003M.html

(社説)サイバー攻撃 官民で総力挙げ対策を(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/DA3S16572516.html

 GMOへの79億円の要求、佐川急便の5323万件、大阪公立大、大阪大。被害が相次ぐなか、政府は10月26日に初のサイバーセキュリティ関係閣僚会議を開き、高市首相は攻撃元の無害化措置を「戦略的に実行」すると述べました。

 大阪公立大の障害は、NECの再委託先が攻撃を受けたことが原因でした。自前の守りを固めても、委託の先の先から入られる。この構図は多くの大学に当てはまります。セキュリティ技術者は1人に29社の求人という売り手市場で、大学が人を確保するのは容易ではありません。

【科学技術投資60兆円と戦略17分野】

国の科学技術投資「5年で60兆円に」 小野田紀美科学技術相が表明(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA171U30X10C26A3000000/

政府の科学技術投資、目標60兆円へ「裏技」模索 演出より質を(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD2761G0X20C26A4000000/

科学技術投資、何を増やす? イノベーション創出に重点(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD151FN0V10C26A9000000/

高市政権、戦略17分野を順序づけ 半導体・水素など事業段階で3分類(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA193BF0Z11C26A0000000/

(72)我が国の「重点科学技術分野」の力量は十分だろうか(JST研究開発戦略センター) https://www.jst.go.jp/crds/column/director-general-room/column72.html

 小野田紀美科学技術相が、5年で60兆円という科学技術投資の目標を表明しました。ただ日経は、目標達成のための「裏技」が模索されているとも報じています。数字の演出より中身が問われます。

 戦略17分野は事業段階で3つに分類され、順序づけが進んでいます。JSTの研究開発戦略センターは、重点分野とされた領域の日本の力量が本当に十分なのか、と問いかけています。

【財政審が高校の規模縮小と国立大授業料を提言】

財政制度分科会(令和8年10月22日開催)資料一覧(財務省) https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20261022zaiseia.html

高校、少子化で規模縮小を 財政審、無償化に多額の国費 「ダウンサイジングは不可避」(産経新聞) https://www.sankei.com/article/20261022-6H55CVJRBZLMLIJHOXECHULTVA/

国立大の授業料引き上げ促す 20年間すえ置き、財務省「見直しを」(朝日新聞) https://digital.asahi.com/articles/ASVBQ23G4VBQULFA00PM.html

教員の奨学金返済免除案「慎重な分析を」 文科省要求に財制審けん制(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2273O0S6A021C2000000/

 財政制度等審議会が、少子化を踏まえた高校の規模縮小は「不可避」とし、20年すえ置かれてきた国立大学の授業料の引き上げも促しました。教員の奨学金返済免除案にも慎重な分析を求めています。

 科学技術投資は60兆円へ、という話と、教育予算は絞る、という話が同じ時期に出てきます。どちらも財政の話ですが、向いている方向は逆です。

【iPS細胞の心筋シート、世界初の実用化】

クオリプスのiPS細胞心筋シート、世界初の実用化 心不全患者に移植(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC298F70Z20C26A9000000/

iPS治療「治験」から「治療」の段階へ 初の移植手術「実用化の第一歩」(産経新聞) https://www.sankei.com/article/20261021-66DHZ4CBTBMWRFQTLFICRP6X4E/

iPS製品、世界初移植で執刀医ら会見「深く息吸えるようになった」心臓病患者喜び(産経新聞) https://www.sankei.com/article/20261021-HYWRTNLU3JJLXE2RFKCNMDQ2T4/

山中伸弥教授「一生の運使い果たした」 iPS細胞20年の軌跡(毎日新聞) https://mainichi.jp/articles/20261022/k00/00m/310/312000c

臓器作りやすい「iPS細胞2.0」開発へ 脳梗塞や慢性腎不全に効果期待(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG0737K0X00C26A9000000/

 クオリプスのiPS細胞由来心筋シートが保険適用のもとで移植され、治験から治療の段階に入りました。患者本人が「深く息が吸えるようになった」と語っています。

 論文発表から20年での実用化です。山中伸弥教授は「一生の運を使い果たした」と振り返っていますが、ここから先は運ではなく、製造や品質管理、保険財政といった地道な話が続きます。

【文化勲章にそ合憲三氏と長田重一氏】

任天堂・宮本茂氏ら8人に文化勲章 「マリオ」生みの親 ノーベル賞のそ合憲三氏も(産経新聞) https://www.sankei.com/article/20261023-A6WSELNVWBK5XGUEAGZTLPD4ZU/

ノーベル賞・そ合さんに文化勲章 「運命の出会い」につまらせた言葉(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBQ3V1PVBQUTFL014M.html

「始まりは純粋な好奇心」 文化勲章に細胞死解明の長田重一さん(毎日新聞) https://mainichi.jp/articles/20261023/k00/00m/310/129000c

機構報 第1878号:第8回輝く女性研究者賞(ジュンアシダ賞)受賞者の決定について(JST) https://www.jst.go.jp/pr/info/info1878/index.html

輝く女性研究者賞に高木里奈さん 東大准教授、物性物理学(共同通信) https://news.yahoo.co.jp/articles/6b084e6510d3e93fe34fc40587e0e448bb7f3ef5

 ノーベル化学賞のそ合憲三氏と、細胞死を解明した長田重一氏が文化勲章を受章しました。長田氏の「始まりは純粋な好奇心」という言葉が印象に残ります。

 輝く女性研究者賞は東大物性研の高木里奈さんに決まりました。活躍推進賞を受けた岡山大学は、2009年に導入したウーマン・テニュア・トラック制が評価されています。

【シャモンダウイルス、初のヒト感染死】

フランス・リヨンでシャモンダウイルスに感染し男性死亡 ヒトへの感染確認は世界初(TBS NEWS DIG) https://news.yahoo.co.jp/articles/16dada75e302dad2083e964a076a4acb29ef9f59

希少なシャモンダウイルスに初の人の感染例:わかっていること(Nature) https://doi.org/10.1038/d41586-026-03416-1

最近発見された家畜ウイルスに関連する初の人の死亡例、欧州で(Science) https://www.science.org/content/article/first-human-death-linked-recently-discovered-livestock-virus-europe

コンゴでエボラ流行が猛威、ワクチン試験に大きな望みを託す(Science) https://www.science.org/content/article/ebola-epidemic-rages-congo-bets-high-stakes-hope-vaccine-trial

AIが設計したウイルスをヒトに投与 世界初、薬剤耐性菌患者に(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBP1QR9VBPUHBI00RM.html

 フランス・リヨンで、家畜のウイルスであるシャモンダウイルスにヒトが感染し、死亡しました。ヒトへの感染確認は世界初です。

 コンゴではエボラの流行が続き、ワクチン試験に望みが託されています。一方で、AIが設計したウイルス(バクテリオファージ)を薬剤耐性菌の患者に初めて投与したという報道もありました。ウイルスをめぐる話題が、脅威と治療の両面から同時に出てきています。

【研究不正(千葉商科大・福山市立大)】

最新情報:第三者委員会調査報告書の公表にあたって(千葉商科大学) https://www.cuc.ac.jp/news/2026/h0f6gu000000zmrq.html

福山市立大学 准教授の学会発表が教え子の卒論と酷似 処分も含め対応検討(中国新聞デジタル) https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/912723

収賄罪の元東大院教授に執行猶予判決(共同通信) https://news.yahoo.co.jp/articles/4635ddbe71b46b6a6ad7e751ad05ea02be3014e9

「説得AI」の論文を訂正 米サイエンス誌、主要結果は不変(中日新聞) https://www.chunichi.co.jp/article/1329015

生物学者デビッド・サバティーニ氏、名誉毀損訴訟で600万ドルを勝ち取る(Science) https://www.science.org/content/article/biologist-david-sabatini-wins-6-million-defamation-lawsuit

査読を研究の中核スキルとして教えるべき時だ(Nature) https://doi.org/10.1038/d41586-026-03200-1

 千葉商科大学が第三者委員会の調査報告書を公表し、福山市立大学では准教授の学会発表が教え子の卒論と酷似していたことが報じられました。東大の元院教授の収賄事件は執行猶予付きの有罪判決です。

 海外では、ハラスメント疑惑を報じられた生物学者サバティーニ氏が名誉毀損訴訟で600万ドルを勝ち取りました。告発と名誉毀損が表裏をなす状況は、国内の事例とも重なります。Natureは、査読を研究の中核スキルとして教えるべきだと論じています。

 サバティーニ氏の件はnote記事にまとめました。

mTORの発見者は何に「勝った」のか――サバティーニ判決が科学界に残した問い|榎木英介/インディペンデント(インディ)病理医/科学ジャーナリスト賞受賞者 https://note.com/enodon/n/nf46e6bea0351

【気温1.5度超過と生物多様性COP17】

世界の排出量の伸びは鈍化、だが世界は2℃の温暖化へ突き進む(Nature) https://doi.org/10.1038/d41586-026-03355-x

1.5度以内のシナリオ失う 米国離脱で温暖化予測悪化 国連が報告(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBQ2HVVVBQUTFL00FM.html

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第65回総会の結果について(環境省) https://www.env.go.jp/press/press_05725.html

今年のスーパーエルニーニョ、世界中で生態系に大打撃の恐れ(Science) https://www.science.org/content/article/year-s-super-el-nino-could-wreak-ecological-havoc-worldwide

欧州の夏の熱波、都市部で5万人超が死亡(Science) https://www.science.org/content/article/europe-s-summer-heat-wave-killed-more-50-000-people-urban-areas

[サイエンス Report]自然の状態測る 4指標…乱立手法を統一 生態系の回復度 数値化(読売新聞) https://www.yomiuri.co.jp/science/20261025-GYT8T00056/

 国連の報告で、1.5度以内に抑えるシナリオが失われたとされました。米国の離脱が予測を悪化させています。排出量の伸びは鈍化しているものの、世界は2度の温暖化へ向かっているというのがNatureの見立てです。

 欧州では今夏の熱波で都市部だけで5万人を超える死者が出ました。スーパーエルニーニョの生態系への影響も警戒されています。目標の達成可能性を論じる段階から、被害をどう受け止めるかの段階に移りつつあります。

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“Science Communication News”
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文科省が東大に総長選考の検証要請 MMX打ち上げ成功 防衛省ファンドに過去最多の応募

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    No.1199 2026年10月20日(発行10月20日)巻頭言
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【巻頭言】 文科省が東大に総長選考の検証要請 MMX打ち上げ成功 防衛省ファンドに過去最多の応募
カセイケン代表 榎木英介

 今週の記事ピックアップです。

 いつもは週末ごろにお送りしている巻頭言号ですが、今回は本誌とほぼ同時のお届けになりました。20日午前に文部科学省が東京大学に総長選考の検証を求めるという動きがあり、本誌の締め切りと重なったためです。速報性を優先しました。

【文科省が東大に総長選考の検証を要請】

【総長選考2026】文科省が総長選考の検証を要求 - 東大新聞オンライン https://www.todaishimbun.org/monkashouyoubou_20261020/

東大学長選、文科省が検証を要請(共同通信) - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/96d1552183846c0b2ebd8623ad3b7fd4275d8ece

東大総長選考「経緯の検証を」 文科省が大学側に依頼「説明足りぬ」(朝日新聞) - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/b0bca51bc14c4df7ef1f6688c961d1e8e2bb5e12

東大に学長選考の経緯検証を要請 文科相「十分な説明を」:東京新聞デジタル https://www.tokyo-np.co.jp/article/522725

東大の総長選めぐり 文部科学省が選考経緯の検証を要請 | NHKニュース https://news.web.nhk/newsweb/na/nd-20261020de62095

【総長選考2026】教職員有志523名、総長選考の経緯の説明を選考会議に要望 - 東大新聞オンライン https://www.todaishimbun.org/request_20261013/

東大の学長選出巡り要望書 教職員有志、詳細説明求める 文科相「重く受け止め対応を」:時事ドットコム https://www.jiji.com/jc/article?k=2026101600346&g=soc

東京大学の総長選考「藤垣氏は選考会議の最多の支持」 | NHKニュース https://news.web.nhk/newsweb/na/nd-20261017de60801

東大学長選、なぜ意向投票2位の候補が選出? 選考会議で「最多数の委員の支持」を得た経緯を説明 - J-CASTニュース https://www.j-cast.com/2026/10/19518558.html

東大総長選考の説明要求に東大は「協議・面接内容は保秘事項」と公開拒否 - アゴラ https://agora-web.jp/archives/261016133010.html

【総長選考2026】教職員組合が声明を発表 「問題の根は国立大学法人化に遡る」 - 東大新聞オンライン https://www.todaishimbun.org/union_20261018/

経緯説明求める職員の要望書「重要な問題提起」 東大学長選考で関文科相(産経新聞) https://www.sankei.com/article/20261016-R7V2KSJOB5PWVFUKHORRMXLLAI/

 20日、関芳弘文部科学大臣が記者会見で、高等教育局長名義の要望書を東大の監事と運営方針会議に提出したと発表しました。選考の経緯を検証し、説明責任を果たすよう求める内容です。文科省が個別の国立大学の学長選考についてこうした依頼を出すのは初めてです。

 経緯を振り返ると、9月の意向投票では染谷隆夫氏が1107票で過半数を獲得し、藤垣裕子氏は553票で2位でした。28日に選考・監察会議が藤垣氏の選出を発表。13日に教職員有志523名が説明を求める要望書を提出し、16日に国谷裕子議長名の回答が公表されましたが、協議や面接の内容は保秘事項として開示されませんでした。意向投票をどの程度重視したかは各委員により異なるという説明です。

 関文科相は「今なお選考の過程や理由について明確な説明がなされていないとの声も多く、遺憾だ」「説明責任を果たすことは東京大学のガバナンス改革の第一歩」と述べています。東大教職員組合は16日の声明で「問題の根は国立大学法人化に遡る」と指摘しました。

 ただ、国が個別大学の学長選考に介入する形になった点は、別の問題をはらみます。説明責任を求める声の正しさと、大学の自主性・自立性をどう両立させるのか。先に京大でも意向投票の結果が覆っており、法人化以降の学長選考の設計そのものが問われています。

【火星衛星探査機MMX、打ち上げ成功】

H3ロケット10号機打ち上げ成功 火星衛星探査機「MMX」を予定軌道に投入(産経新聞) https://www.sankei.com/article/20261020-5NHBXGDOD5PI5ENEDPFMPSGJQY/

火星衛星探査機「MMX」の打ち上げ成功、サンプルリターンに向け5年の長期ミッション…成功すれば世界初(読売新聞) https://www.yomiuri.co.jp/science/20261020-GYT1T00057/

MMX打ち上げ成功 火星衛星で世界初の試料採取へ、往復5年の旅(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBL2FZCVBLUTFL010M.html

JAXAが「H3」ロケット10号機を打ち上げ 火星衛星探査機「MMX」の軌道投入に成功(sorae) https://sorae.info/ssn/20261020-h3f10-mmx.html

MMXは553億円、宇宙探査の意義 「亡きわが子が星に」の思いも(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBL2V91VBLUTFL01DM.html

2年越し打ち上げMMXに安堵と重圧 バトンはロケットから探査機へ(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBN0QSRVBNUTFL003M.html

 先週お伝えしたMMXが、20日に打ち上げられ、予定軌道への投入に成功しました。H3ロケットは最も強力な24形態が使われています。

 火星の衛星フォボスから試料を持ち帰る往復5年のミッションで、成功すれば世界初です。事業費553億円という規模をどう受け止めるかも含め、これからの5年が本番です。

【防衛省の安全保障技術研究に過去最多560件の応募】

応募状況 採択課題|防衛装備庁 安全保障技術研究推進制度 https://www.mod.go.jp/atla/funding/kadai.html

令和8年度 新規採択研究課題(PDF)|防衛装備庁 https://www.mod.go.jp/atla/funding/kadai/r08kadai_1020.pdf

小泉防衛相「大学の姿勢が明らかに変化」防衛省の安全保障技術研究に過去最多560件応募(産経新聞) https://www.sankei.com/article/20261020-AMZT4CZ75RJXPN6IBO22SOOMT4/

防衛省ファンド、大学からの応募最多 名古屋大や大阪大など初採択(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBM3DBFVBMUTFL00CM.html

応募最多の防衛省ファンディング、どんな制度? 軍民両用研究を支援(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBM358XVBMUTFL01JM.html

防衛省の研究費に手を伸ばした教授 「学生さえ節約させてしまった」(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBJ0VVNVBJUTFL00FM.html

 防衛装備庁の安全保障技術研究推進制度に、過去最多の560件の応募がありました。名古屋大や大阪大が初めて採択されています。

 小泉防衛相は「大学の姿勢が明らかに変化した」と述べました。かつて日本学術会議が軍事研究への懸念を表明した制度に、研究費不足に悩む大学が向かっている。朝日新聞が伝える「学生さえ節約させてしまった」という教授の言葉に、その構図が表れています。学術会議が特殊法人に移行した時期と重なったことも、偶然とは思えません。

【「声の権利」判決とAIによる無断利用】

Adoさんの楽曲、歌ってないのに 声優ら声の無断利用防ぐ指針発表(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBH36DGVBHUCVL03PM.html

「声の権利」認める判決 AI時代の新たな規範に(毎日新聞社説) https://mainichi.jp/articles/20261007/ddm/005/070/107000c

(社説)声の権利 無断利用断つ仕組みを(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/DA3S16568273.html

<主張>「声の権利」で判決 AI模倣に法整備を急げ(産経新聞) https://www.sankei.com/article/20261014-TPXEFGSOHZITPLBYPEGVVCAWVQ/

 声優らが自分の声をAIに無断で使われたとして争った裁判で、「声の権利」を認める判決が出ました。声優らの団体は、無断利用を防ぐ指針を発表しています。

 各紙が相次いで社説を出したのは、この問題が研究者にとっても他人事ではないからでしょう。講演や講義の音声は公開されていることが多く、模倣の素材になりえます。

【AI規制を求める公開書簡と各国の動き】

An Open Letter on AI and Cybersecurity from the Scientific Community(公開書簡 公式サイト) https://ai-security-letter.org/

「AIのゴッドファーザー」ら科学者450人超、AIの封じ込め強化と国際機関の設立求め公開書簡(読売新聞) https://www.yomiuri.co.jp/science/20261015-GYT1T00130/

AI規制機関 設立提言 ヒントン氏ら 事故報告義務に(読売新聞) https://www.yomiuri.co.jp/science/20261016-GYT1T00068/

AIが意識をもたない3つの理由、そしておそらく今後ももたない理由(Nature) https://doi.org/10.1038/d41586-026-03313-7

AI使う科学研究「人間の制御が重要」 学術誌ネイチャー編集長(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG153UT0V11C26A0000000/

欧州科学技術倫理グループ、ニューロAIのガバナンスに新たなアプローチを提言(JST海外記事) https://www.jst.go.jp/crds/kaigaikiji/20261016-09.html

欧州委、KIDS法案を発表 未成年者のSNSとAIチャットボット利用を制限(JST海外記事) https://www.jst.go.jp/crds/kaigaikiji/20261016-30.html

米AI自主規制 企業任せでは安全を守れない(読売新聞社説) https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20261017-GYT1T00337/

 10月13日、ヒントン氏とベンジオ氏を含む400人を超える科学者が、34か国から公開書簡に署名しました。サイバー能力を持つフロンティアモデルを既定で外部ネットワークから物理的に切り離すこと、そして封じ込めの基準を定め、封じ込めの失敗を記録・追跡する国際機関を設けることを求めています。「複数の組織が、AIモデルが不十分なサンドボックスを突破して外部組織のシステムを侵害した事例を公表している」という書き出しです。

 欧州委員会は未成年者のSNSとAIチャットボット利用を制限するKIDS法案を発表し、科学技術倫理グループはニューロAIのガバナンスを提言しました。企業の自主規制に委ねる米国の方式とは対照的です。Nature編集長の「AIを使う科学研究では人間の制御が重要」という発言も、同じ流れのなかにあります。

【核のごみ文献調査、常陸大宮市で開始】

茨城・常陸大宮市での「核のごみ」文献調査が開始、5例目 国が認可(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBH1V5NVBHULFA00NM.html

核のごみ文献調査 東京 小笠原村で交付金の使途議論へ(NHK) https://news.web.nhk/newsweb/na/nd-20261014de59446

鳥取県が島根原発で計画のプルサーマル発電について安全対策の徹底などを盛り込んだ意見書を提出(日本海テレビ) https://news.yahoo.co.jp/articles/e191d68ea119701c8b05d3554704a3531d7ad971

柏崎刈羽原発、営業運転から半年 東電所長「何もかも万全ではない」(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBJ0BMJVBJOXIE009M.html

イタリア上院、原子力発電再導入に向けた政府への委任法案を最終承認(ジェトロ) https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/10/46a461db34ba77a6.html

 先週お伝えした常陸大宮市の受け入れ表明を受け、国が文献調査を認可しました。全国で5例目、本州では初めてです。小笠原村では交付金の使途の議論が始まっています。

 一方、イタリア上院は原発の再導入に向けた委任法案を最終承認しました。脱原発から40年を経ての方向転換です。

【緊急地震速報の誤発表】

マグニチュード9.9に急上昇、緊急地震速報の誤報に疑問 専門家「普通は起こらない」(産経新聞) https://www.sankei.com/article/20261016-4ITQDYQI2ZKPRPKPCVWBKVMBHQ/

緊急地震速報取り消し 遠方データ用いない誤報防止機能、正常に動作せず(産経新聞) https://www.sankei.com/article/20261017-EH2NCD27XRP6RASWQJQQFECCHA/

地震速報誤発表 萎縮せずに精度を磨きたい(読売新聞社説) https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20261017-GYT1T00338/

[社説]地震速報に理解深めて行動を(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK195SQ0Z11C26A0000000/

国内111の活火山 現状を取りまとめへ 想定される噴火の規模評価 政府調査委が定例会合(産経新聞) https://www.sankei.com/article/20261019-CTTSH63WOVMNBAUJS34LCTG4T4/

 緊急地震速報でマグニチュードが9.9に急上昇する誤発表があり、遠方のデータを使わない誤報防止機能が正常に動作していませんでした。

 読売は「萎縮せずに精度を磨きたい」、日経は「理解深めて行動を」と、ともに速報を萎縮させない論調です。確実性を求めすぎれば速報の意味が失われるという、予測科学に共通の難しさがあります。

【生物多様性COP17開幕】

生物多様性条約第17回締約国会議(CBD-COP17)、カルタヘナ議定書第12回締約国会合(CP-MOP12)及び名古屋議定書第6回締約国会合(NP-MOP6)の開催について(環境省) https://www.env.go.jp/press/press_05695.html

生態系保全 進捗評価へ…COP17 アルメニアで開幕(読売新聞) https://www.yomiuri.co.jp/science/20261020-GYT1T00041/

生物多様性COP17開催へ 国際目標の進展不足、加速へ合意なるか(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBJ2HSGVBJUTFL00XM.html

造礁サンゴ44%が絶滅危機 温暖化が主因、IUCN分析(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD156AZ0V11C26A0000000/

世界は主要な保全目標に、科学者の想定より近づいている(Nature) https://doi.org/10.1038/d41586-026-03307-5

自然の喪失を食い止めるには、その原因となる要因を変える必要がある(Science論説) https://doi.org/10.1126/science.aen0122

生物多様性の何がそんなに大切なのか くらしにも差し迫っている危機(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVBJ2JKQVBJUTFL01XM.html

 生物多様性条約の第17回締約国会議が、アルメニアで開幕しました。2030年までの国際目標は進展が不足しており、加速への合意ができるかが焦点です。

 IUCNの分析では造礁サンゴの44%が絶滅の危機にあるとされました。一方でNatureは「科学者の想定より保全目標に近づいている」とも伝えています。評価が割れるところに、この分野の難しさが出ています。

【うるう秒の廃止決定】

「うるう秒」来年5月20日廃止を決定…国際度量衡総会、時刻のずれを最大1時間まで許容する「うるう時」導入へ(読売新聞) https://www.yomiuri.co.jp/science/20261015-GYT1T00476/

うるう秒、来年5月に廃止 国際度量衡総会で決定 通信網や情報システムの障害防止へ(産経新聞) https://www.sankei.com/article/20261015-JRKF2Y3L5VKTNAJWQPKOEFZJ3I/

うるう秒廃止、来年5月から「うるう時」導入を決議 国際度量衡総会(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVB71PSXVB7UTFL002M.html

うるう秒廃止、過去27回実施されてきたが…デジタル社会の重要インフラに障害発生のリスク(読売新聞) https://www.yomiuri.co.jp/science/20261016-GYT1T00058/

世界の計時機関、破滅的な「負のうるう秒」を避けるため時刻調整の方法を一新(Nature) https://doi.org/10.1038/d41586-026-03329-z

 国際度量衡総会が、うるう秒を来年5月20日に廃止し、ずれが最大1時間に達するまで調整しない「うるう時」を導入することを決めました。

 これまで27回実施されてきたうるう秒は、通信網や情報システムの障害の原因になってきました。地球の自転に合わせるという天文学の論理より、デジタル社会の安定を優先した決定といえます。

【北海道大学の研究費不正とアカハラ続報】

新着情報: 研究費の不正使用に関する調査結果について(北海道大学) https://www.hokudai.ac.jp/news/2026/10/94-1.html

北海道大教授、研究費960万円不正使用 助成を重複計上 必要ない図書購入も(北海道新聞) https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1388746/

北海道大アカハラ問題 教職員組合、学長に要求書 事実説明や謝罪求める(北海道新聞) https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1391130/

情報開示文書の公開「事故状況及び改善結果の報告について」(北海道大学教職員組合 事務部班) https://luhu.sakura.ne.jp/wp/archives/506

研究活動上の不正行為に関する調査結果について(愛知学院大学) https://www.agu.ac.jp/topics/news/entry-1346.html

愛知学院大学の禅研究所で論文盗用 文字認識ソフトで書き写す不正行為「大胆かつ悪質」(中日新聞) https://www.chunichi.co.jp/article/1326076

国家R&D不正209件、返還決定額は研究費総額の1.35%どまり(digitaltoday) https://www.digitaltoday.co.kr/jp/view/115771/national-rd-misconduct-209-cases-recovery-decisions-1-point-35-percent

 北海道大学が、医学研究院の教授による約960万円の研究費不正使用を公表しました。複数の財団の助成金を重複計上し、必要のない図書も購入していたとされます。

 先週お伝えしたアカハラ問題では、教職員組合が学長に事実説明と謝罪を求める要求書を出しました。愛知学院大学では、文字認識ソフトを使って先行研究を書き写す「大胆かつ悪質」な盗用が認定されています。韓国では国家R&Dの不正209件に対し、返還決定額が研究費総額の1.35%にとどまるという報道もありました。

【iPS細胞20周年】

iPS細胞20周年特集 第1回 予想を超えて広がったiPS細胞の20年(京都大学iPS細胞研究所) https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/newsletter/261013-000001.html

iPS細胞20周年特集 第2回 患者さんに治療を届けるための仕組みをつくる(京都大学iPS細胞研究所) https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/newsletter/261014-000000.html

iPS細胞20周年特集 第3回 iPS細胞ストックが拓いた再生医療(京都大学iPS細胞研究所) https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/newsletter/261015-000001.html

米ブラックストーンCEO、京大・山中教授のiPS研究に3億円追加寄付(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB084UT0Y6A001C2000000/

[先端人]iPS細胞由来のパーキンソン病新薬 日本で生産 品質安定化…住友ファーマ 木村徹社長(読売新聞) https://www.yomiuri.co.jp/science/20261018-GYT8T00055/

 京都大学iPS細胞研究所が、iPS細胞の論文発表から20年を迎えて特集を組んでいます。ストックの整備や治療を届ける仕組みづくりなど、基礎研究から臨床までの道筋が振り返られています。

 資金面では、米ブラックストーンのCEOが3億円を追加寄付しました。寄付に頼らざるをえない構図そのものも、考えさせられます。

【科学への信頼と基礎研究の価値】

取り残された人々の間で、科学への信頼が最も急速に低下している(SciDev.Net) https://www.scidev.net/global/news/trust-in-science-falls-fastest-among-those-left-behind/

税金の無駄と嘲笑された研究が世界を救う──基礎研究を讃える「ゴールデン・グース賞」2026年の受賞者(Forbes JAPAN) https://forbesjapan.com/articles/detail/106569

科学で失敗がタブー視される理由(Nature) https://doi.org/10.1038/d41586-026-03328-0

経験豊富な研究者は新人ほど「既成概念を打ち破らない」が、そのアイデアは長く生き残る(Nature) https://doi.org/10.1038/d41586-026-03339-x

カトリーナの教訓:アカデミアを一から再建するには(Nature) https://doi.org/10.1038/d41586-026-02623-0

中国の科学の驚異的な台頭と、それが世界にもたらす変化(Nature) https://doi.org/10.1038/d41586-026-03222-9

 科学への信頼の低下が、社会から取り残された人々の間で最も急速に進んでいるという調査結果が出ました。科学コミュニケーションが誰に届いていないのかを突きつける内容です。

 一方でAAASは、一見すると無駄に見えた基礎研究を表彰するゴールデン・グース賞を発表しました。2026年は、手術なしで腫瘍を破壊するヒストトリプシー、衛星データによる停電マッピング、こぼれたコーヒーの滴から導かれた物理学の3件です。無駄と嘲笑された研究が社会を支えるという物語は、基礎研究を守る側にとって強い武器になります。

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“Science Communication News”
[SciCom News] No.1199 2026年10月20日(発行10月20日)巻頭言
【発行】一般社団法人科学・政策と社会研究室
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岡崎恒子さん死去 医師研究者の減少 京大タテカン裁判が確定

Science Communication Newsは科学技術政策や科学技術コミュニケーションの動向を
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★発行部数 2367部(10月13日現在)
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     ◆◇◆  Science Communication News ◆◇◆
    No.1198 2026年10月13日(発行10月14日)巻頭言
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【巻頭言】 岡崎恒子さん死去 医師研究者の減少 京大タテカン裁判が確定
カセイケン代表 榎木英介

 今週の記事ピックアップです。

 今回は、メルマガに掲載しきれなかった記事が若干多かったため、通常より早めに巻頭言号をお届けします。漏れていた記事は、末尾の【追加記事】にまとめました。

 以前はピックアップ号もほぼ同時にお送りしていたので、もとにもとった感じではります。通常号と巻頭言号の発行日を離すことで、一週間を待たずに最新情報をお伝えできた部分もありますが、今後の運用方法は考えていきたいと思います。

【岡崎恒子さん死去】

DNAの小さな断片「岡崎フラグメント」発見の岡崎恒子さん死去、93歳 名古屋大学初の女性教授(中日新聞) https://www.chunichi.co.jp/article/1322874

夫と二人三脚で分子生物学の礎を築く…名古屋大初の女性教授・岡崎恒子さん死去 遺伝情報複製の鍵握る“岡崎フラグメント”を発見(東海テレビ) https://news.yahoo.co.jp/articles/c65f4a0c97d833225d36e759169eef7055b35813

岡崎恒子さん死去 名古屋大初の女性教授(東京新聞) https://www.tokyo-np.co.jp/article/520690

 名古屋大特別教授の岡崎恒子さんが、9月22日に消化管出血のため亡くなりました。93歳でした。東海国立大学機構と藤田医科大学が10月9日に公表しています。

 夫の令治さんとともに1967年にDNA複製時にできる小さな断片「岡崎フラグメント」を発見し、高校の生物の教科書に載るほどの業績を残しました。

 令治さんが44歳で亡くなった後も、2人の子を育てながら研究を引き継ぎ、1983年に名古屋大初の女性教授となり、2021年に文化勲章を受章しています。

 その歩みは、しばしば「超人」の物語として語られます。けれども、そのように語ることが、同じ条件を満たせない多くの研究者を切り捨てる口実になってはいないか。そう考えてnoteに書きました。

岡崎恒子さんを悼む――「超人」でなくても研究を続けられる世界へ(榎木英介・note) https://note.com/enodon/n/n23c1cfbe88bd

【東大総長選の続報】

次期総長予定者の藤垣裕子教授が会見(東京大学) https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/z1304_00196.html

東大次期学長選考巡り、有志が要望書(共同通信) https://news.yahoo.co.jp/articles/a9bff53617c8be603c4111cb403111ca98033341

【総長選考2026】教職員有志523名、総長選考の経緯の説明を選考会議に要望(東大新聞オンライン) https://www.todaishimbun.org/request_20261013/

 先週は意向投票で2位だった藤垣裕子氏の選出をお伝えしましたが、その後、教職員有志523名が選考会議に経緯の説明を求める要望書を出しました。

 藤垣氏は会見で抱負を語っています。選考会議が説明責任をどう果たすかが、引き続き問われます。

【アカハラ告発をめぐる提訴】

「アカハラ告発は名誉毀損」京大・岸政彦教授が立命館大大学院時代の元教え子を提訴(Yahoo!ニュース) https://news.yahoo.co.jp/articles/6ba3ad117323393f2aec55846ad69dc38bee4c34

北大のアカハラ 悪弊を改める姿勢見えぬ(毎日新聞社説) https://mainichi.jp/articles/20261011/ddm/005/070/096000c

 京都大学の岸政彦教授が、SNSでアカデミック・ハラスメント被害を告発した立命館大大学院時代の元教え子を、名誉毀損で提訴しました。

 前号でお伝えした北海道大学の組織的アカハラ認定について、毎日新聞が社説で「悪弊を改める姿勢見えぬ」と批判しています。

 告発された側、告発した側、どちらの方向からも、声を上げることの代償が重くなっています。

【京大タテカン裁判、最高裁で確定】

京大タテカン裁判上告棄却を受けての声明(京都大学職員組合) https://www.kyodai-union.gr.jp/tatekan-32/

「歴史的事実が否定された」京大タテカン裁判、最高裁で敗訴…刑法学者・高山佳奈子教授が訴える司法の危機(弁護士ドットコム) https://www.bengo4.com/c_18/n_21037/

タテカン 職組の上告棄却 判決確定 職組「極めて不当な判断」(京都大学新聞) https://www.kyoto-up.org/archives/13603

 京都大学職員組合が大学と京都市を訴えたタテカン裁判で、最高裁が9月9日付で上告を棄却し、組合の敗訴が確定しました。

 職員組合副委員長の高山佳奈子教授は「裁判所は憲法判断を避けるために嘘の事実認定をしている」と批判しています。表現の自由と大学の自治に関わる論点が、司法の場では扱われないまま終わりました。

【徳島大の論文捏造・盗用】

教員の処分について(国立大学法人 徳島大学) https://www.tokushima-u.ac.jp/docs/74732.html

徳島大学が講師と教授を懲戒処分 捏造や盗用、学術論文の不正問題を受け(徳島新聞) https://www.topics.or.jp/articles/-/1505997

論文の捏造・盗用で講師を停職 徳島大学が処分発表(JRT四国放送) https://news.yahoo.co.jp/articles/fb6649df344e7338a6c791f1e240c06f4a213f02

 徳島大学が、大学院社会産業理工学研究部の院生らによる論文7本の不正を受け、指導教員だった講師を停職3か月、教授を戒告としました。

 報道によると、論文4本にWikipediaと同じ文章があり、盗用と認定されています。大学は「教育を徹底し再発防止に努める」としています。

【大学・研究機関へのサイバー攻撃が続く】

不正アクセスによる情報漏えい等の事案を踏まえた対応について(注意喚起)(総務省) https://www.soumu.go.jp/menu_kyotsuu/important/kinkyu02_000678.html

不正アクセスによる情報漏えい等の事案を踏まえた対応について(公開アプリの解析情報を悪用した攻撃への注意喚起)(総務省) https://www.soumu.go.jp/menu_kyotsuu/important/kinkyu02_000680.html

琉球大学産学官連携Webサイトの改ざんによる不正な外部サイトの表示について(琉球大学) https://www.u-ryukyu.ac.jp/news/97745/

サイバー攻撃を受けた大阪公立大が授業再開 臨時ネットワークを構築(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVB92CQJVB9PTIL007M.html

富山県立大にまた不正アクセス 学生のMicrosoft 365アカウントから1092件の迷惑メール(ITmedia NEWS) https://news.yahoo.co.jp/articles/8973b87bc9d1045190aa5d7b67dbcb8867b49c20

UK Biobankデータ不正流通事件から情報・データ管理のあり方を検討-京大ほか(QLifePro) https://www.qlifepro.com/news/20261009/uk-biobank.html

 先週お伝えした大阪公立大学と日本原子力機構に続き、琉球大学と富山県立大学でも被害が明らかになりました。総務省は10月に入って2度の注意喚起を出しています。

 大阪公立大学は臨時ネットワークを構築して授業を再開しました。研究データそのものが人質になりうる状況で、大学のセキュリティ投資が追いついていません。京大などは、UK Biobankのデータ不正流通事件を手がかりに、研究データ管理のあり方を検討しています。

【OpenAIが数学のプレプリント700本を公開】

OpenAIが数学のプレプリント700本をオンライン公開:数学者は猛反発(Nature) https://doi.org/10.1038/d41586-026-03196-8

動画:OpenAIが大量に公開した数学論文をどう見るか(Science) https://www.science.org/content/article/watch-what-s-deal-openai-s-massive-dump-math-papers

OpenAIが大量公開した新たな証明のうち、最も注目すべき主張(Scientific American) https://www.scientificamerican.com/article/the-most-exciting-claims-from-openais-heap-of-new-proofs/

研究数学のためのAIが到来した(Science) https://doi.org/10.1126/science.ael6628

AIは多くの数学の問題を解いたが、数学そのものを解いたわけではない(Science) https://doi.org/10.1126/science.ael8339

AIが数学の難題解く時代に数学者24人が集結…「博士号授与する時は対面で審査すべき」(Yahoo!ニュース) https://news.yahoo.co.jp/articles/71b30f3089662bc6538aaccf992b4d045ab6f5b6

 OpenAIが数学のプレプリント700本を一挙に公開し、数学者から強い反発が起きています。査読を経ないまま大量の「証明」が流れ込む事態に、分野としてどう対応するかが問われています。

 数学者24人が集まった議論では、博士号の審査を対面で行うべきだという提案まで出ました。AIが解いたのは問題であって数学そのものではない、という指摘も出ています。

【ロシアのペスト研究所で研究員が死亡】

シベリアの研究所でペストによる死亡の可能性、科学者が困惑(Science) https://www.science.org/content/article/possible-plague-death-siberian-lab-baffles-scientists

ペスト騒ぎ:科学者が知っていること、ロシアが語らないこと(Nature) https://doi.org/10.1038/d41586-026-03215-8

ロシア「ペスト研究所」で女性研究員が謎の死、肺ペスト感染?浮上する「事故隠蔽」疑惑、約200人が隔離(東洋経済オンライン) https://toyokeizai.net/articles/-/960487?display=b

露研究所勤務の女性「ペスト検出されず」露側がWHOに報告、死因は特定されず(産経新聞) https://www.sankei.com/article/20261011-BL6YEVGI5RMUXISS7C6XNCCDQ4/

 シベリアの高度感染症研究拠点で若手の女性研究員が亡くなり、肺ペスト感染と事故隠蔽の疑惑が浮上しました。約200人が隔離される事態になっています。

 ロシア側はWHOに「ペストは検出されなかった」と報告しましたが、死因は特定されていません。バイオセーフティの透明性が問われる事案です。

【米国の留学生規制強化】

米学生ビザの就労申請に1100万円 留学生就職難しく、政府が規制案(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN07CJI0X01C26A0000000/

米国、留学生の大学院研究に10万ドルの課金を提案(Nature) https://doi.org/10.1038/d41586-026-02921-7

「完全な壊滅」:NSFはいかに社会科学研究を骨抜きにしたか(Science) https://www.science.org/content/article/complete-devastation-how-nsf-gutted-its-social-sciences-research

NIH、2026年度は若手研究者向けの支援を増やすも、新規採択は全体で減少(Science) https://www.science.org/content/article/nih-ends-2026-boost-early-career-researchers-new-awards-are-down-overall

11月の中間選挙でも、トランプ政権に苦しむ科学者の救いにはならないかもしれない(Science) https://www.science.org/content/article/november-elections-may-bring-little-relief-scientists-beleaguered-trump

 米国で、留学生の就労申請に1100万円相当、大学院での研究に10万ドルを課す規制案が出ています。留学先としての米国の地位を揺るがしかねない内容です。

 NSFは社会科学研究を大幅に縮小し、NIHは若手支援を増やしたものの新規採択は全体で減りました。Scienceは11月の中間選挙でも状況は好転しないかもしれないと見ています。

【火星衛星探査機MMX、10月20日打ち上げへ】

大胆な宇宙の「強奪作戦」:謎の火星の衛星のかけらを持ち帰る(Science) https://www.science.org/content/article/audacious-space-heist-japan-aims-bring-home-bits-martian-moon

【特集】フォボス強奪作戦――日本のMMXが火星の謎の衛星から試料を持ち帰る(Science) https://doi.org/10.1126/science.aen0163

火星衛星探査機「MMX」の管制室公開、遠隔操作で着地や試料採取…10月20日に打ち上げ予定(読売新聞) https://www.yomiuri.co.jp/science/20260924-GYT1T00340/

 火星の衛星フォボスから試料を持ち帰るMMXが、10月20日に打ち上げられる予定です。Scienceが特集を組み、日本のミッションを「強奪作戦」と呼んで紹介しています。

 管制室も公開されました。遠隔操作で着地と試料採取を行う、難度の高いミッションです。

【医学部定員と大学設置認可】

令和8年9月末申請の大学等の設置認可の諮問について(文部科学省) https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/daigaku/toushin/attach/1422587_00004.html

令和9年度からの私立大学医学部の収容定員の増加に係る学則変更認可申請一覧(文部科学省) https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/daigaku/toushin/1415261_00002.html

私立23大学、2027年度医学部定員の臨時増員を申請 希望数は計314人(月刊私塾界) https://www.shijyukukai.jp/2026/10/30985

2040年を見据えた高等教育改革の方向性について~大学等の機能強化と量的規模適正化~(文部科学省) https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/bp/1410626_00003.htm

 文科省が10月9日、2027年度からの私立大学医学部の定員増加申請を公表しました。23校が計314人の臨時増員を希望しています。

 2027年度は臨時定員の枠組みを1年延長し、医学部総定員を9393人とする方針です。一方で高等教育全体は「量的規模適正化」に向かっており、医学部だけが別の論理で動いている印象を受けます。

【ポスドクと若手研究者の処遇】

ノーベル賞の発表の裏側で「ポスドクの月額給与はいくら?」30万円台が最も多い範囲に(LIMO) https://limo.media/articles/-/141487

博士課程の給与は? 欧州で大きな格差がデータで明らかに(Nature) https://doi.org/10.1038/d41586-026-03181-1

学業・研究と育児を両立させるには 大学院で2人出産した識者に聞く(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVB91SCNVB9OXIE03CM.html

 2021年度のポスドク等は延べ13657人、平均年齢38.0歳、月額給与は30万円以上40万円未満が33.2%でした。ノーベル賞の華やかな報道の裏で、研究を支える層の処遇はこの水準にとどまっています。

 テニュアを得る前の大学院生やポスドク、非常勤講師といった不安定な時期に、出産や育児が重なります。岡崎恒子さんの歩みを「超人」の物語として消費せず、制度の問題として考えたいところです。

医師を学術界に引き留めよ――彼らがいなければ医療研究は損なわれる(Nature) https://doi.org/10.1038/d41586-026-03225-6

 研究に従事する医師の割合が世界的に急減している。米国では1980年代の約5%から約1.5%へ、英国や日本でも若手を中心に著しい低下が続いています。

 臨床現場での重い負担や研究資金の不安定さ、給与格差が大きな要因です。

 医師免許を持った研究者が「絶滅危惧種」だと言われて久しいですが、解決策が見えません。

 記事では研究時間と資金の保障、明確なキャリアパス構築など、各国政府や大学による喫緊の支援強化が不可欠としています。

 私自身医師免許を持った研究者を目指して医学部に学士編入しただけに、このあたり良くわかります。

 結局挫折してしまい今があります。掛け声だけでは解決しない問題です。

【追加記事】

 先週号(No.1198)の収集から漏れていた記事です。本誌には掲載されていません。

ノーベル賞:そ合さん、東京理科大の栄誉教授に(毎日新聞) https://mainichi.jp/univ/articles/20261014/ddm/041/040/096000c

ノーベル賞そ合さん、栄誉教授に(京都新聞) https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1807083

ノーベル化学賞・そ合憲三名誉教授「宇宙物質の分析に期待」(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG0821Y0Y6A001C2000000/

そ合氏ノーベル賞 生命起源に迫る反応、発見 物質の自己増殖、創薬に期待(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/DA3S16562443.html

九大で客員教授だったノーベル賞のそ合さん 「若手研究者の励みに」招聘した名誉教授も喜び(西日本新聞) https://www.nishinippon.co.jp/item/1546561/

【南極の素粒子観測にノーベル賞】石原教授(富士宮市出身)、元ボスの受賞に…(静岡新聞DIGITAL) https://news.at-s.com/article/2070980

なぜ世界は台湾を守るのか? 鈴木一人・東大教授が語るTSMCの圧倒的存在価値とラピダス成功の鍵(JBpress) https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/97187

 東京理科大学は10月8日付で、そ合憲三さんに栄誉教授の称号を授与しました。日経と朝日の詳報、九州大学客員教授時代を伝える西日本新聞の記事もあります。

 物理学賞では、ハルツェン氏のもとでポスドク時代を過ごした千葉大の石原安野教授が、静岡新聞のインタビューに答えています。経済安全保障では、鈴木一人・東大教授がTSMCとラピダスについて論じています。

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“Science Communication News”
[SciCom News] No.1198 2026年10月13日(発行10月14日)巻頭言
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ノーベル化学賞にそ合憲三氏 核のごみ調査・常陸大宮市が受け入れ 浜岡原発の不正

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    No.1197 2026年10月7日(発行10月12日)巻頭言
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【巻頭言】 ノーベル化学賞にそ合憲三氏 核のごみ調査・常陸大宮市が受け入れ 浜岡原発の不正
カセイケン代表 榎木英介

 今週の記事ピックアップです。

【ノーベル賞2026(化学賞にそ合憲三氏)】

The Nobel Prize(ノーベル財団公式) https://www.nobelprize.org/

そ合憲三氏のノーベル化学賞受賞について[文部科学大臣談話](文部科学省) https://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1421914_00002.html

本学そ合憲三名誉教授がノーベル化学賞に決定しました(東京理科大学) https://www.tus.ac.jp/today/archive/20261007_3541.html

ノーベル化学賞にそ合憲三氏 不斉自己触媒反応、生命起源の研究寄与(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG074NS0X01C26A0000000/

ノーベル化学賞に東京理科大のそ合憲三氏ら : 創薬への応用に期待(nippon.com) https://news.yahoo.co.jp/articles/954c0fef375aae0547303432ab77f6b25cdeb687

ノーベル化学賞に東京理科大学 そ合憲三名誉教授 会見で喜びの声(NHK) https://news.web.nhk/newsweb/na/nd-20261008de56220

ノーベル生理学・医学賞に「光遺伝学」の米独3氏 脳の働きを解明、日本人は受賞ならず(産経新聞) https://www.sankei.com/article/20261005-OCI7MEARDVJ5THFASEQILBNOTM/

光で神経細胞を制御する脳の「スイッチ」がノーベル生理学・医学賞を受賞:最新情報(Nature) https://www.nature.com/articles/d41586-026-03091-2

ノーベル物理学賞の業績「アイスキューブ実験」とは 南極の氷の下で「幽霊粒子」キャッチ 千葉大も参加(東京新聞) https://www.tokyo-np.co.jp/article/520054

 今年のノーベル化学賞は、東京理科大名誉教授のそ合憲三氏と、フランスのアンリ・カガン氏に決まりました。授賞理由は「不斉有機合成における非線形効果と自己触媒反応の発見」です。日本人の化学賞受賞は、昨年の北川進氏に続いて2年連続、10人目となります。

 しかし、そ合氏の「そ」が機種依存文字となって、すべて変更しないとメルマガが出せませんでした。すみません。

 生理学・医学賞は「光遺伝学」の米独3氏で、日本人の受賞はありませんでした。物理学賞はニュートリノ観測のアイスキューブ実験に関わるハルツェン氏らに贈られ、千葉大も実験に参加しています。

 ノーベル賞に関しては、今年もnoteに広報的な側面から二つ記事を書きました。

「うちの関係者です」が炎上するとき――アン・カーソンと「アレオレ」広報|榎木英介/インディペンデント(インディ)病理医/科学ジャーナリスト賞受賞者 https://note.com/enodon/n/n7c602a89ead7

「場末」から見たノーベル賞雑感――大学広報と「ゆかり」の力学|榎木英介/インディペンデント(インディ)病理医/科学ジャーナリスト賞受賞者 https://note.com/enodon/n/ne9b87238cf0c

【核のごみ文献調査(茨城・常陸大宮市)受け入れ表明】

特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律に基づく文献調査の茨城県常陸大宮市での実施について、申入れを行いました(経済産業省) https://www.meti.go.jp/press/2026/08/20260831004.html

「核のごみ」文献調査、茨城・常陸大宮市長が受け入れ表明 本州で初 https://www.asahi.com/articles/ASV9Z24FRV9ZUJHB009M.html

「核ごみ」調査受け入れに市民も賛否 「国から恩恵」「若者逃げる」 https://www.asahi.com/articles/ASV9Z2PTMV9ZUJHB013M.html

次の段階では「同意せず」 茨城県知事、常陸大宮市の「核ごみ」調査 https://www.asahi.com/articles/ASVB23HK4VB2UJHB00NM.html

核のごみ最終処分 国主導で調査地拡大 見えぬ最終絞り込みの道筋 https://www.asahi.com/articles/ASV9Z2TZLV9ZULFA00KM.html

(社説)核のごみ調査 なぜここか 説明尽くせ(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/DA3S16558361.html

 先週は市長が「懸念はほぼ解消」と発言したとお伝えしましたが、その後、文献調査の受け入れを表明しました。本州では初めてのケースです。

 一方、茨城県知事は、次の段階では同意しない考えを示しています。国主導で調査地が広がるなか、最終的な絞り込みの道筋は、まだ見えていません。

【浜岡原発データ不正・刑事告発】

中部電力株式会社に対して電気事業法に基づく報告を求めました(経済産業省) https://www.meti.go.jp/press/2026/09/20260929006.html

中部電力ミライズ株式会社から報告徴収命令に対する回答を受領し、同社に対して指導を行いました(経済産業省) https://www.meti.go.jp/press/2026/09/20260929004.html

内外の指摘を「無視」、固執した原発再稼働 検証・中部電データ不正 https://www.asahi.com/articles/ASV9Z1D46V9ZULFA01NM.html

規制委の弱点ついた中部電、周到な隠蔽工作 浜岡原発 残る最大の謎 https://www.asahi.com/articles/ASV9Z1PD9V9ZUTFL004M.html

浜岡原発データ不正問題で中部電力幹部らを刑事告発 偽計業務妨害の疑いで 大学教授ら(TBS NEWS DIG) https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2977100

中部電社長、辞任会見で謝罪 浜岡再申請の発言は「前のめりだった」 https://www.asahi.com/articles/ASV9Z32GLV9ZULFA024M.html

中部電新社長「信頼、マイナスから戻す」 浜岡原発地元を訪問、謝罪 https://www.asahi.com/articles/ASVB12GJGVB1UTPB006M.html

 浜岡原発のデータ不正について、検証記事が相次ぎました。内外の指摘を受けても再稼働に固執した経緯や、規制委の弱点をついた隠蔽工作の手口が、少しずつ明らかになっています。

 大学教授らが、中部電力の幹部らを偽計業務妨害の疑いで刑事告発しました。社長と会長は辞任し、新社長が就任しましたが、信頼の回復には時間がかかりそうです。

【東大・京大の学長選(意向投票を覆す選考)】

次期総長予定者の藤垣裕子教授が会見(東京大学) https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/z1304_00196.html

東大次期学長に投票で2位の藤垣裕子氏選出 関文科相、選考会議「説明責任果たすか注視」(産経新聞) https://www.sankei.com/article/20261006-JC7QJKYGS5PJ5GLPX54LOSFGEE/

東大総長選・意向投票で1位候補の落選は関連法人疑惑が影響か~選考会議・国谷氏は説明せず(石渡嶺司) https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/8140a440242a8af47a996e9ac66b929b4b49fc66

教育のいま:東大も京大も…学長選で意向投票覆す「なぜ」 大学の自治どこへ(毎日新聞) https://mainichi.jp/articles/20261005/k00/00m/040/271000c

京大学長選やり直し求め教授が座り込み 「デモクラシーさんへ」(毎日新聞) https://news.yahoo.co.jp/articles/7d8c4f60f69d5a361260f48f707c27a79cf14318

(社説)東大総長選考 もっと説明がほしい(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/DA3S16560038.html

[社説]東大の危機と新学長の重責(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK055P70V01C26A0000000/

<主張>東大がおかしい これでは国民が納得せぬ(産経新聞) https://www.sankei.com/article/20261005-D57SOB7DPFLGVKCX6D2GZ6GAOY/

 先週は藤垣裕子氏の選出をお伝えしましたが、その後、意向投票で1位だった候補が選ばれなかった経緯に注目が集まっています。関文科相も、選考会議が説明責任を果たすかを注視する考えを示しました。関連法人をめぐる疑惑が影響したのではないかとの見方も出ています。

 京大でも意向投票の結果が覆り、学長選のやり直しを求める教授が座り込みをしています。学長選考で意向投票をどう扱うかは、大学の自治に関わる問題です。

【STSフォーラム年次総会(京都)・「京都ビジョン」】

Annual Meeting 2026(NPO STSフォーラム) https://www.stsforum.org/kyoto2026/

STSフォーラム年次総会(第23回) 高市総理ビデオメッセージ(首相官邸) https://www.kantei.go.jp/jp/105/discourse/20261004message.html

科学研究加速にAI 「京都ビジョン」17か国賛同(読売新聞) https://www.yomiuri.co.jp/science/20261006-GYT1T00054/

「研究者は暇じゃないと」山中伸弥さんらノーベル科学者が考える未来(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVB13TZ3VB1UTFL00KM.html

 京都で開かれたSTSフォーラム年次総会で、科学研究へのAI活用をうたう「京都ビジョン」に17か国が賛同しました。高市首相はビデオメッセージを寄せています。

 AIが科学の進め方を変えつつあるなか、日本がどのような役割を果たすのかが問われます。

【日米科学技術研究開発協力協定の延長】

日米科学技術研究開発協力協定の延長及び一部改正議定書の署名(令和8年10月2日)(外務省) https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/pressit_000001_04248.html

対日特使「生命科学など協力」(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGKKZO99014430Z20C26A9FF2000/

 日米の科学技術協力協定について、延長と一部改正の議定書が署名されました。

 日経は、対日特使が「生命科学など協力」と語ったと報じています。

【高市首相 所信表明演説・戦略17分野】

高市総理は第222回国会における所信表明演説を行いました(首相官邸) https://www.kantei.go.jp/jp/105/statement/2026/1005shoshinhyomei.html

高市戦略17分野、核融合「130兆円市場」争奪戦 AI時代で電力需要(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA041U10U6A800C2000000/

高市政権の戦略17分野「工学部の役割大」 津本浩平・東大工学部長(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG111K50R10C26A9000000/

 第222回国会で、高市首相が所信表明演説を行いました。

 日経は、戦略17分野のうち核融合を取り上げ、「130兆円市場」をめぐる競争を報じています。大学の側からは、工学部の役割への期待が語られています。

【AI安全・規制をめぐる動き】

AIの社会実装において、障害となる又は不十分な効果をもたらす規制・制度についての情報提供のお願い(内閣府 規制改革推進会議) https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/forms/261002_forms.html

古川デジタル相「AI法改正検討」 情報提供ない開発企業に懸念(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA025YS0S6A001C2000000/

米政府、OpenAIとアンソロピックを調査 AI暴走で安全性に懸念(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN30CV80Q6A930C2000000/

AI開発で自主規制強化へ トランプ氏とIT企業トップが協定に署名(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASV9Z05BVV9ZUHBI00BM.html

OpenAIなど米6社、実効性みえぬAI自主規制 開発減速に温度差(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN3008G0Q6A930C2000000/

[社説]米AI合意を国際的な安全策につなげよ(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK066HJ0W6A001C2000000/

<主張>暴走するAI 安全確保へ協調体制築け(産経新聞) https://www.sankei.com/article/20261002-4E6U75GFHVIKFFFET2EB2M3QOI/

 米国では、政府がOpenAIとアンソロピックを調査する一方、トランプ氏とIT企業トップが自主規制を強化する協定に署名しました。ただ、実効性や開発減速をめぐる温度差を指摘する報道もあります。

 日本でも、古川デジタル相がAI法の改正を検討する考えを示しました。規制改革推進会議は、AIの社会実装を妨げる規制・制度について情報提供を求めています。

【ヒトゲノム編集胚等取扱規制法】

ヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制について(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saisei_iryou/index_00019.html

関係法令、その他関係通知等(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76430.html

 7月に成立した「ヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制に関する法律」について、厚労省が10月5日に解説ページを立ち上げました。ヒトゲノム編集胚等の胎内移植は原則禁止で、作成や譲受け、輸入、使用にも規制がかかります。

 法律の施行は令和9年(2027年)7月24日です。取扱計画書の届出などが求められるため、研究現場への影響が注目されます。

【日本GHGセンター設立】

温室効果ガスに関する情報と知見を集約する「日本GHGセンター」を設立します(環境省) https://www.env.go.jp/press/press_05602.html

温室効果ガスの情報を集約・発信、JAXAや国立環境研が「日本GHGセンター」を設立(読売新聞) https://www.yomiuri.co.jp/science/20261001-GYT1T00311/

気候変動対策へ「日本GHGセンター」設立 温室効果ガスの情報集約(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASV9Z51Q7V9ZUTFL01GM.html

温暖化ガスの情報を集約し発信、国環研や東京大学など新センター設立(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG299M40Z20C26A9000000/

 JAXAや国立環境研究所、東京大学などが、温室効果ガスの情報や知見を集約・発信する「日本GHGセンター」を設立しました。

 観測データを気候変動対策につなげる拠点として、役割が期待されます。

【世界大学ランキング(THE 2027年版)】

World University Rankings 2027: results announced(Times Higher Education公式) https://www.timeshighereducation.com/news/world-university-rankings-2027-results-announced

World University Rankings(Times Higher Education公式・ランキング表) https://www.timeshighereducation.com/world-university-rankings

2026年世界大学ランキング、東大26→27位・京大61→62位に下落 英誌(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD304550Q6A930C2000000/

 英誌THEの世界大学ランキング2027年版で、東大は26位から27位、京大は61位から62位に順位を下げました。

 ランキングの見方には注意が必要ですが、日本の大学の国際的な位置づけが改めて問われます。

【大学・研究機関へのサイバー攻撃(大阪公立大・原子力機構)】

OMU エントランスページ(大阪公立大学の公式案内) https://e.omu.ac.jp/

大阪公立大学にランサム攻撃 個人情報、13万人流出恐れ(日本経済新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF057NR0V01C26A0000000/

大阪公立大システム障害 ランサムウエアによるサイバー攻撃か(NHK) https://news.web.nhk/newsweb/na/nd-20261005de54843

大阪公立大学で大規模なシステム障害 授業はすべて『終日休講』に(MBSニュース) https://news.yahoo.co.jp/articles/355c9dbb2f5475dc4059befad7d20609a5c620ea

日本原子力機構に不正アクセス 研究者の個人情報が漏えい(共同通信) https://news.yahoo.co.jp/articles/bd94c2c51e02d8fe9b171c15ed077c1bda7385ec

「原子力機構」の研究用原子炉サイトに不正アクセス、175人分の運転免許証など個人情報漏えい(読売新聞) https://www.yomiuri.co.jp/national/20261001-GYT1T00317/

 大阪公立大学がランサムウェアとみられるサイバー攻撃を受け、授業が終日休講になりました。13万人分の個人情報が流出した恐れがあると報じられています。

 日本原子力機構でも、研究者の個人情報が漏えいする不正アクセスがありました。現在さまざまな日本企業もサイバー攻撃を受け、深刻な状態となっていいます。

 研究機関のセキュリティ対策も急務です。

【研究不正(NIMS・金沢大・岡山大)】

研究活動上の不正行為に関する調査結果について(物質・材料研究機構) https://www.nims.go.jp/news/2026/09/202609290.html

金沢大が男性助教を懲戒処分 架空の研究費などの不正請求で(北陸中日新聞) https://www.chunichi.co.jp/article/1319852

研究費83万円不正受給 岡山大准教授を停職3カ月の懲戒処分 私的流用確認されず(産経新聞) https://www.sankei.com/article/20261005-QFSRC2OSUNNW5AMBJENOGLH444/

 NIMSは、元職員による捏造、改ざん、自己盗用の研究不正を認定し、調査結果を公表しました。

 研究費の不正使用では、金沢大の助教が出勤停止3か月、岡山大の准教授が停職3か月の懲戒処分を受けています。

【福島第一原発(デブリ・除染土)】

福島第一原発格納容器にロボットアーム、デブリ取り出しへ調査開始…今年度中に数グラム採取予定(読売新聞) https://www.yomiuri.co.jp/science/20261002-GYT1T00453/

福島第一原発、あすロボットアーム投入 デブリ3回目試験採取へ(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVB12RG3VB1UTFL011M.html

ALPS処理水に係る海域モニタリングの国際原子力機関(IAEA)との共同海洋試料採取等について(環境省) https://www.env.go.jp/press/press_05625.html

福島以外の除染土、8割超の自治体で処分見通し立たず 朝日新聞調べ https://www.asahi.com/articles/ASV9X2Q3LV9XUTFL00SM.html

居住区域で12月に初の避難指示解除 双葉町の帰還困難区域の2地区(朝日新聞) https://www.asahi.com/articles/ASVB22HQSVB2UGTB00FM.html

 福島第一原発2号機で、ロボットアームが格納容器内に投入され、燃料デブリの3回目の試験採取に向けた調査が始まりました。今年度中に数グラムの採取を予定しています。

 除染土については、福島県外の8割超の自治体で処分の見通しが立っていないとの、朝日新聞の調査結果が出ました。双葉町では、12月に居住区域で初の避難指示解除が行われます。

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“Science Communication News”
[SciCom News] No.1197 2026年10月7日(発行10月12日)巻頭言
【発行】一般社団法人科学・政策と社会研究室
【制作・編集】サイエンス・サポート・エージェンシー合同会社
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