科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

「サイエンス・コミュニケーター」の課題

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★発行部数 2,556部(2月23日現在)
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     ◆◇◆  Science Communication News ◆◇◆
         No.910 2021年2月23日号 巻頭言
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【巻頭言】
★「サイエンス・コミュニケーター」の課題
2021年2月16日〜2月23日
カセイケン代表 榎木英介

 この15年ほど、科学コミュニケーションは注目されると同時に批判も受けてきました。

 私達がカセイケンの前身であるNPO法人サイエンス・コミュニケーションをたちあげたのが2003年。そのころは、科学コミュニケーションとは何か、説明しないと理解してもらえませんでした。

 このNPO法人は、私のように研究者のキャリアパスを考えてきた人間と、岩波書店の「科学」編集者だった林衛氏、そしてSTS科学技術社会論)に関わっていた文化人類学の春日匠氏、民間企業出身のT氏、アカデミアでポジションを得ていたD氏などが集まってできました。それぞれの出自が合わさったユニークな団体だったと思います。

 2005年に北大、東大、早稲田大が科学コミュニケーションに関する講座を開講します。この3校はそれぞれ特徴があって、ざっくりいうと(あくまでざっくりですが)、在野の科学コミュニケーターを育てる北大、科学者の科学コミュニケーション能力を高める東大、科学ジャーナリズムを担う人材を作る早大という感じでした。

 私たちはそれぞれの講座の関係者とのコミュニケーションを取りつつも独立して、科学コミュニケーションのあり方を考え、実践してきました。

 その後NPO法人サイエンス・コミュニケーションは分裂し、私達は任意団体サイエンス・サポート・アソシエーションを作ります。法人格を持たないので、単なるネット上のグループでした。アウトリーチ的な科学コミュニケーションの実践よりは、科学技術政策ウォッチや若手研究者のキャリアパス問題に重点を置いた活動が主体となりました。

 その中で出たのが「博士漂流時代」です。

 こうしたなか、2011年、東日本大震災が起こります。

 震災や原発事故を前に、北大などが育成した「サイエンスコミュニケーター」は全く役立っていないという批判を受けることになります。とくに低線量被曝の問題で割れた意見のなかで、厳しい批判を受けたわけです。

 あれから10年。新型コロナウイルスの感染拡大において科学コミュニケーションが再び脚光を浴びることになります。

★詫摩雅子×川端裕人 リスク対策の鍵・科学コミュニケーションの体制整備を急げ
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20210222-00010000-chuokou-pol

震災や原発事故の時はサイエンス自体が割れてしまって、一般には専門家に見える中で喧嘩っぱやい人たちがむしろ科学不信を広げてしまった。でもコロナでは少なくともコアな専門家たちも、未来館のようなボトムアップの側も、その轍を踏まなかった。それは長い目で見て、一つの希望の種です。

 新型コロナウイルスの科学コミュニケーションにおいて、早稲田大学の科学コミュニケーション教育を担った田中幹人さんが内部に入ったことは、ある種の連続性を感じます。

 一方で、震災でも今回の新型コロナウイルスでも、情報発信をするのは専門家ばかりで、「サイエンス・コミュニケーター」の存在感がない、という意見もあります。低線量被曝、HPVウイルスのワクチン問題も含め、厳しい論争の現場に「サイエンス・コミュニケーター」が入っていかないではないか、という不満の声が聞こえます。

外岡秀俊の「コロナ 21世紀の問い」(34)科学ジャーナリスト尾関章さんと考える「科学報道」の落とし穴
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20210220-00000002-jct-soci
https://news.yahoo.co.jp/articles/1204bec7dcd32dd3c75396bcf225c4c421c8b949

 科学報道に対する研究者サイドの不満もよく聞きます。科学をわかっていない、正しい情報を伝えていない、不安を煽っている…。

 博士号を持ったジャーナリストが必要だ、という声も聞きます。

 ただ、震災当初から思っているのですが、未来館にしても「サイエンス・コミュニケーター」と呼ばれる職は有期雇用の不安定な職が多く、あるいは在野やボランティアも多いわけです。

 仕事の内容もアウトリーチが中心であり、クライシスコミュニケーションやリスクコミュニケーションの専門家ではありません。

 そういう状況で、殺害予告さえ受けるような意見の分かれる「トランスサイエンス」、激しいコミュニケーションの場面に乗り込んでいかないと不満を述べるのはあまりに酷ではないでしょうか。

 博士号を持ったジャーナリストが必要と言っても、報道機関はメンバーシップ型雇用が多く、新聞社では科学部の力は弱いわけです。ではフリーランスになればよい、と言われそうですが、今フリーランスで生活していくことがどれだけ大変か、私は実際フリーランスになりましたので、よく分かります。マネタイズの問題があるわけです。

 口ではいくらでもいいこと言えますが、コミットもせず、具体的にどうするかを欠いたままの批判は、あまり建設的ではありません。

 金も地位も評価も与える気がないのに、成果だけ求めるというのは都合がよすぎやしないかと思います。

 記者の方のなかには、研究歴を持った修士号取得者などはいますが、メンバーシップ型の雇用のなかで、十分に能力を発揮することができず、また、出身の指導教員から敵扱いされるという苦しい状態になっている方もいます。

 「ダメ出し」だけでなく、よい事例を評価する「ポジ出し」だって必要なのではないでしょうか。

 記者の方のなかには、仕事のかたわら博士号を取得する人がいます。

 また、一部の分野では、報道関係者と研究者や医療関係者との懇談などを行なっているグループがあります。

研究者と市民の災害科学情報コミュニケーション
-特に学術とメディアの連携による社会発信に着目して-
https://irides.tohoku.ac.jp/media/files/earthquake/nankai_trough/IRIDeS_NankaiTroughReport_Apr2018_05.pdf

一般社団法人 メディカルジャーナリズム勉強会
https://medicaljournalism.jp

 こうしたいわば「身銭を切る」活動も重要ではないかと思います。

 また、サイエンス・コミュニケーターも報道も、研究者に都合のよいことだけを流す「広報」とは別物です。

 ときに厳しい批判だってあり得るわけで、そういう状況のときに「飼い犬に手を噛まれる」と思ったとしたら、それは違っていると言わざるを得ません。

★科学認識をめぐる論争とその裁定プロセスの問題について
https://blog.talktank.net/2021/02/blog-post.html

 意見が分かれる論争での合意を得るというのは、非常に難しい問題ですが、名誉を損なったり、心身に危険を及ぼすといった行為は言語道断です。SNS、とくにTwitter上ではどうしても厳しい言い合いになります。

 相互の尊厳は尊重した上で、それでも合意点を見つけていくことを諦めないでやっていきたいと思います。

鳥インフルエンザH5N8型 世界初のトリ→ヒト感染確認 ロシア
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210221/k10012878851000.html

鳥インフル「ヒトへの感染限定的も感染防止徹底図る」官房長官
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210222/k10012880151000.html

鳥インフルエンザH5N8型、初のヒト感染 ロシアがWHOに報告
https://jp.reuters.com/article/health-birdflu-russia-idJPKBN2AL0O7

鳥インフルH5N8亜型、ヒトへの感染を初確認。養鶏場の職員、軽い症状で全員回復(ロシア)
https://m.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6033074fc5b67c32961e9ea9

 気になるニュースです。今のところ、ヒトヒト感染はまだないようですが、警戒は怠らないようにしたいと思います。

★「次期科学技術・イノベーション基本計画」の注目ポイントはここだ!
https://newswitch.jp/p/26038

DX・脱炭素が柱 6期科技計画、研究力高まるか
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGG142UN0U1A210C2000000/

★総合科学技術・イノベーション会議(第51回)議事次第 - 総合科学技術・イノベーション会議
https://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihui051/haihu-051.html

★論文・特許のテキストデータを使った科学と技術の連関分析[DISCUSSION PAPER No.192]の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/46755

★Involve citizens in climate-policy modelling
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00283-w

九州大学高専に在籍しながら編入可能に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC187OT0Y1A210C2000000/

★‘All my art is curiosity-driven’: the garden studio where art and physics collide
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00399-z

★新たな調査により、研究者が選好する論文のバージョンに関する知見を得る
https://www.natureasia.com/ja-jp/info/press-releases/detail/8832

★グーグル、有名なAI研究者をまたも解雇「私は完全に消され、チームは奪われてしまった」
https://ledge.ai/google0222/

GoogleがAI倫理研究チームを率いるマーガレット・ミッチェル氏を解雇
https://jp.techcrunch.com/2021/02/20/2021-02-19-google-fires-top-ai-ethics-researcher-margaret-mitchell/

三重大学 | 医学部附属病院におけるパワハラ事案について
https://www.mie-u.ac.jp/topics/university/2021/02/post-876.html

三重大病院の元教授を再逮捕 「オノアクト」の使用装って診療報酬受け取った疑い
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20210217-00000018-nbnv-l24

元教授、診療報酬詐取容疑 三重大病院汚職、3回目の逮捕
https://www.chunichi.co.jp/article/203955

汚職パワハラ・一斉退職…三重大病院に日本麻酔科学会が緊急立ち入り
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20210219-00020662-cbcv-soci

 三重大学旭川医大など、医学部のガバナンスが問われる事態が連発しています。

★<今 教育を考える> 大学院生のメンタルヘルス問題 日本学術振興会特別研究員・横路佳幸さん
https://www.chunichi.co.jp/article/203249/

 研究室の問題を指摘しています。

−精神面の支援で当事者が声を上げづらい点は。
 大学院の特殊な構造があります。「指導教員と院生」の関係は「会社の上司と部下」より、はるかに強い上下関係です。教員の判断次第で学位を取得できるか決まります。取得できないと勤め先も見つかりにくい。「こいつはダメだ」と烙印(らくいん)を押されると思うと言い出せません。懸念なく、指導教員の支援をいつでも求められる環境づくりが必要です。大学運営業務なども重なって多忙な指導教員の労働環境の改善も欠かせません。

★「給料ゼロ」コロナ診療担う大学病院の深い闇 タダ働きを強いられる医師たちの切実な声
https://news.yahoo.co.jp/articles/ca9eb4d0ca9ec3ded2e89291024d8756a378e94a

★横浜国立大 不正行為の男性教授を懲戒解雇
https://news.yahoo.co.jp/articles/ed6297f0081337b19ffd4da9f90261e841af7a3d

横浜国立大が教授を懲戒解雇 不当な成績評価などで
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20210219-00000581-san-soci

「多様な国籍の学生を入学させたかった」留学生入試で他の教員の評価点改ざん
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20210220-00050092-yom-soci

★医学部不正入試問う曲、未解読のメッセージ 35歳男性、つかんだ幸せと残る疑問
https://this.kiji.is/734671323197259776?c=39546741839462401

 話題になった動画の方のインタビュー。

★(ご講演)世界大学ランキングと研究力を測る指標(小泉周)
https://www.ruconsortium.jp/site/tf/479.html

★A year of virtual science conferences: how are you managing?
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00447-8

★Mentors, don’t neglect scientific trainees. Treat them as you’d like to be treated
https://www.sciencemag.org/careers/2021/02/mentors-don-t-neglect-scientific-trainees-treat-them-you-d-be-treated

 良きメンターになることについて、日本では議論が足りないのかもしれませんね。

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“Science Communication News”
[SciCom News] No.910 2021年2月23日号 巻頭言
【発行者】一般社団法人科学・政策と社会研究室(担当 榎木英介)
【編集者】Science Communication News編集部
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政治とNPO

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★発行部数 2,561部(2月16日現在)
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     ◆◇◆  Science Communication News ◆◇◆
         No.909 2021年2月16日号 巻頭言
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【巻頭言】
★政治とNPO
2021年2月9日〜2月16日
カセイケン代表 榎木英介

 福島県沖の地震に遭われた皆様に対し、心よりお見舞い申し上げます。

政府、大学に被災受験生への追試要請 福島沖地震受け
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE152MU0V10C21A2000000/

地震 大学入試にも影響
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210214/1000060348.html

 大学受験シーズンであり、また、看護師国家試験などの試験も行われるなど、受験生にとっては影響が深刻です。

首相、原発「すべて正常」 「余震に備え」呼びかけ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE134F90T10C21A2000000/

 Twitterでは原発は10年前から異常のままではないかという指摘もありました。

コミナティ承認報道発表
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16734.html

 本メルマガ発行日である2月17日からワクチン接種が医療者から開始されます。

新型コロナワクチンについて
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html

新型コロナワクチンについて
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine.html

新型コロナワクチン接種についてのお知らせ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00218.html

新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(ワクチン部分抜粋)(令和3年2月12日)
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine_policy.html

 私はすでにワクチン接種の希望届けを出していますが、懸念があるのも分かります。不安や懸念を持つことを敵視することはよくないことと思っています。

 ワクチンを打つ人、打ちたくない人双方から、打たない人は信じられない、打つ人はおかしいと言った分断のことばが聞かれます。

 こうした分断が、福島第1原発事故以来ずっと続いていることを憂慮しています。

 PCR検査をめぐる殺伐とした言葉のやりとり、感染対策をめぐるやりとりなども同じです。ときに「人殺し」と言った激しい言葉が飛び交い、考え方が違う人と交流があるだけで敵陣営扱いする…。

 こういう時、会って話をするというのが重要だと思いますが、いまはそれも難しく、文字情報のやり取りで憎しみをたぎらせるような状態。

 間に立つことはできるのでしょうか。

コロナを克服するためにはリスク・コミュニケーションの建て直しが急務だ/吉川肇子氏(慶應義塾大学商学部教授)
https://news.yahoo.co.jp/articles/e322f677c4f45fd05bb95a789ee08748f8e9ca83

 政府のリスクコミュニケーションに問題があることはかねてより言われてきました。そしていまだ改善がなされていないように思います。

 リスクコミュニケーションが軽視されているのは、リスクコミュニケーターが安定した地位を提供されないことからもわかるという指摘もありました。

変死遺体132人、コロナ感染 1月に急増、自宅や施設で
https://www.chunichi.co.jp/article/201309

新型コロナ: コロナ陽性の変死事案、1月は最多132人 警察庁
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG128DS0S1A210C2000000/

コロナ関連死者の解剖による“死因”究明を 法医学者「亡くなった方から得た知識を生きていく方に還元したい」
https://news.nicovideo.jp/watch/nw8928749

 まさに死因不明社会(海堂尊氏)な状況で、解剖を含めた死因の究明システムの充実化が重要です。

遺体解剖は適切だったか ハンセン病療養所、実態調査へ
https://www.asahi.com/articles/ASP2B6QL8P24PPZB00C.html

 ハンセン病の療養所では解剖率が高く、故人の意思を無視した解剖が行われていたのではないかと言われています。

 これは調査が必要な憂慮すべき事態ですが、記事を読むと、どうも解剖という行為そのものが非人道的な行為と思われているのではないかと感じます。

 死がタブー視されている状況は大きな問題だと思います。この状況を改善できないかと思っています。これはカセイケンの活動というより、病理医としての仕事ではありますが…。

食料の無料配布に北大生の申し込みが殺到…「アルバイト減り厳しい」「1日1食の生活」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210209-OYT1T50079/

生活困窮学生に北大で食料配布
https://digital.asahi.com/sp/articles/CMTW2102100100001.html

PCR資材不足、今後の検査に暗雲 影響は大学にも
https://www.asahi.com/amp/articles/ASP2F6QBNP28IIPE027.html

 学生やさまざまな研究の現場にも新型コロナウイルスの影響が出ています。

 ただ、言いたいのは、コロナ対策を厳しくしたからこうなった、コロナはただの風邪、対策など必要ない、という極論に走るべきではないということです。

 先に分断が進んでいることを書きましたが、知人の中にも新型コロナ対策など必要ない、若者などはコロナで死なないが自殺で死んでいる、医者が人殺しと言っている人がいます。

 コロナ対策か経済のどちらを取るのかと迫るのではなく、どちらも取れないのかと思います。人殺しと罵り合うのではない「第3の道」を探れないのか…。過激な言葉を聞くたびに思わざるを得ません。

Second Person Dies in Latest Ebola Outbreak in DRC
https://www.the-scientist.com/news-opinion/second-person-dies-in-latest-ebola-outbreak-in-drc-68444

エボラ出血熱ギニアで8人感染 コンゴと2地域同時流行の恐れ
https://www.chunichi.co.jp/article/202249

 エボラ出血熱の広がり、気になります。

我が国の学術情報流通における課題への対応について(審議まとめ)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu29/001/mext_00650.html

萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和3年2月12日)
https://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/mext_00137.html

 日本版AAAS設立準備委員会について触れています。

日本版AAAS設立準備委員会、JAAS設立のための委員会の発足を発表
https://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=12537

 ほか井上科学技術担当大臣も日本版AAASに言及しました。

 政治との関係はこれから構築していくことになりますが、NPO法人になるので、特定の政党を推したり、あるいは反対したり、選挙活動をすることは禁止されます。政策提言は可能です。

NPO法人の政治活動等に関する規定
https://www.npo-homepage.go.jp/qa/seido-gaiyou/seijikatsudou

 ただ、逆に言えば、ミッションを達成する為にはあらゆる政党の力を「使う」ことができるということであり、特定の政党の議員になるより有利な部分もあります。

 「是々非々」という言葉は、ときに軟弱、時に敵対勢力に力を貸すのか、と批判されることもありますが、分断を超える可能性を秘めた「第3の道」でもあると思っています。

 理念をカタチにする為に、しっかりとした組織を作っていくことができたらと思います。

中央教育審議会大学分科会(第159回)配布資料
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/siryo/1422495_00010.html

議題

質保証システム部会の審議の状況について
「全国学生調査」の本格実施に向けた検討状況について
魅力ある地方大学の在り方について
教育と研究を両輪とする高等教育の在り方について
その他

特許発明の奨励は大学の基礎研究を阻害するのか?[DISCUSSION PAPER No.191]の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/46645

累積的な出願経験数と論文数との長期的な関係が一定程度補完的なものであることなどが示唆されました。

博士課程の教育プログラムへの満足度等に関する調査-2020年における博士人材データベース(JGRAD)ウェブアンケート調査- [調査資料-302]の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/46670

プレプリントの利活用と認識に関する調査[調査資料-301]の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/46661

農業や食の分野のデジタル変革に向けて取り組むべき課題についてご意見を募集します
https://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/joho/210212.html

焦点:政府・自民、学術会議改革 「文系減」要求、弱体化狙い 議論先行に会員反発
https://mainichi.jp/articles/20210211/ddm/002/010/137000c

記者の目:日本学術会議問題の核心 人文・社会軽視は逆行=池田知広(東京科学環境部)
https://mainichi.jp/articles/20210212/ddm/005/070/010000c

政府は五輪組織委には監督権を持ち、日本学術会議には監督権がない件
https://note.com/nabeteru1q78/n/n27f426503ac4

 日本学術会議と日本版AAASの関係は、決して敵対するものではなく、役割が異なります。

 だれでも希望すれば入れる開かれた組織である日本版AAAS。その分ガバナンス、マネジメントは民間企業や学会以上に大変な部分もあります。それは私たちはサイコムジャパン時代に嫌というほど経験しています。

 その失敗を日本版AAASには生かしたいと思っています。

「第6期科学技術・イノベーション基本計画」(答申素案)への意見
http://www.keidanren.or.jp/policy/2021/014.html

 パブコメは先週締め切りでした。経団連の意見です。

Illicit centipede raises thorny question: Should journals have refused to publish a paper about it?
https://www.sciencemag.org/news/2021/02/illicit-centipede-raises-thorny-question-should-journals-have-refused-publish-paper

Illicit centipede spurs taxonomy journal debate
https://science.sciencemag.org/content/371/6530/66

 違法に採取された生物の論文は出版が許されるかという議論が起きています。

★「本学の見解と異なることを言わない学生を指定する」 大学側の取材対応に疑問
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/503493

 情報によれば京大なのではないかと言われています。もしそうなら京大の自由な校風は失われてしまったのかと思わざるを得ません。

【独自】留学生らの出身組織確認、私大4割が実施せず…軍事技術の流出懸念
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210213-OYT1T50177/

高学歴のエリート技術系社員『俺が開発した情報! そうだ! 中国に売ろう』
https://news.nifty.com/article/world/worldall/12137-963890/

日本は隙だらけ、中国の技術盗用が止まらない(2021年2月12日)
https://news.biglobe.ne.jp/international/0212/jbp_210212_1366001784.html

 中国への技術流出が安全保障や知的財産の危機を招いていると言われており、その対処は急務です。

 しかし、「軍事にも使えるかもしれない」程度の緩い認識でデュアルユースを考えることは行き過ぎではないかと思います。

 緩急、メリハリある対策を求めますが…。

★米国の中国パージは危うい 多様な人材流入の妨げに
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK082H40Y1A200C2000000/

 アメリカとて一本調子で中国に対応しているわけではなく、難しい問題を抱えています。

 国という枠組みと科学・技術の関係は、これからも微妙な関係で行かざるを得ないということでしょう。

国立循環器病研究センター 元室長の執筆論文2編で特定不正行為を認定 「JANP study」の根拠論文も
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=70574

第113回先進医療技術審査部会 資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16688.html

先進医療Bの取下げについて
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/000737555.pdf

 取り下げされた「JANP study」。調査委員長を務められた阪大仲野先生が感想を書かれています。

一件落着[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(340)]
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=16538

「たいがいどんな仕事でも、落着したら何らかの達成感があるものですが、研究不正の調査では、ほとんど感じることができませんでした。

 研究不正調査を健全な研究活動実現のために活かせないものかと思います。

Human Genome Project - Nature’s editor-in-chief reflects 20 years on
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00377-5

 ヒトゲノムプロジェクト20周年でnatureが特集を。

OECD iLibrary | The design and implementation of mission-oriented innovation policies: A new systemic policy approach to address societal challenges
https://www.oecd-ilibrary.org/fr/science-and-technology/the-design-and-implementation-of-mission-oriented-innovation-policies_3f6c76a4-en

「恐怖の7分間」 NASAの火星探査車、19日着陸へ
http://www.asahi.com/articles/ASP2D427WP2DULBJ009.html

中国の火星探査機「天問1号」、周回軌道に投入成功…5月に軟着陸目指す
https://www.yomiuri.co.jp/science/20210210-OYT1T50251/

UAE探査機、火星軌道到達
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO69031280Q1A210C2FFJ000/

UAEの探査機「ホープ」が火星到着、2117年の火星都市建設に向けた第一歩に
https://news.nicovideo.jp/watch/nw8929974

UAE火星探査機、周回軌道に 中東初、大気データ収集
https://www.sankei.com/smp/life/news/210210/lif2102100015-s1.html

中東初の火星探査機、UAEの「ホープ」が火星周回軌道投入に成功
https://www.yomiuri.co.jp/science/20210210-OYT1T50070/

UAEの探査機「ホープ」が火星到着、2117年の火星都市建設に向けた第一歩に
https://news.mynavi.jp/article/20210212-1726134/

 3つの国の探査機が相次いで火星へ。

宇宙探査史において「2021年2月」は、火星探査の歴史的瞬間として刻まれる
https://wired.jp/2021/02/05/februarys-gonna-be-a-big-month-for-mars/

わずか2週間のうちに3カ国の探査機が相次いで火星に到着する出来事は、宇宙探査史における新たな歴史的瞬間である。

2021年の火星探査、どうなっとんかなー?(最新探査機編)
https://news.yahoo.co.jp/articles/8bbb7a9a63582d7044c899d57932b27223869e47

L’Oréal-UNESCO For Women in Science Awards honour five women researchers in mathematics, astrophysics, chemistry and informatics
https://en.unesco.org/news/loreal-unesco-women-science-awards-honour-five-women-researchers-mathematics-astrophysics

第23回ロレアルーユネスコ女性科学賞 優れた女性科学者5人が受賞 自然科学・数学・コンピューターサイエンスにおける先駆的研究を評価
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000099.000004813.html

UNESCO research shows women career scientists still face gender bias
https://en.unesco.org/news/unesco-research-shows-women-career-scientists-still-face-gender-bias

科学分野の男女格差、富裕国で顕著 ユネスコ報告書
https://www.afpbb.com/articles/-/3331529
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6384963

Gender bias stymies women’s careers in STEM - UN
https://www.scidev.net/global/news/gender-bias-stymies-womens-careers-in-stem-un/

日本のジェンダーギャップと「科学における女性と女児の国際デー」
https://wired.jp/membership/2021/02/13/sz-editors-letter-69/

Pay gap widens between female and male scientists in North America
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00387-3

Pandemic hit academic mothers hard, data show
https://science.sciencemag.org/content/371/6530/660

Pandemic hit academic mothers especially hard, new data confirm
https://www.sciencemag.org/careers/2021/02/pandemic-hit-academic-mothers-especially-hard-new-data-confirm

(耕論)日本は「学歴階級社会」? 山邊鈴さん、水本哲弥さん、中村高康さん
https://digital.asahi.com/sp/articles/DA3S14797875.html

日本は学歴階級社会?使いがちな「私ができたんだから」
https://www.asahi.com/articles/ASP2D3J6RP21UPQJ00L.html

見上げてごらん:無意識の怖さ=永山悦子
https://mainichi.jp/articles/20210215/dde/012/070/008000c

氷河期の統計、実態映さず 内定率高く出る調査に注意
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO69134890W1A210C2EAC000/

元ゼミ生が語る、立花隆の「伝説の東大講義」をいま読み直す意味( 緑 慎也)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/80053

 何度か書いてきましたが、私は修士課程2年生の時に、仕掛け人の松田良一先生に頼まれてこの講義のTAをしました。

 そこで社会への情報発信に目覚め、今に至ります。

 このメルマガも広い意味で立花隆さんのおかげかもしれません。

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“Science Communication News”
[SciCom News] No.909 2021年2月16日号 巻頭言
【発行者】一般社団法人科学・政策と社会研究室(担当 榎木英介)
【編集者】Science Communication News編集部
【E-Mail】 office@kaseiken.org
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第6期計画と「毒まんじゅう」

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★発行部数 2,561部(2月10日現在)
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     ◆◇◆  Science Communication News ◆◇◆
         No.908 2021年2月9日号 巻頭言
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【巻頭言】
★第6期計画と「毒まんじゅう
2021年2月2日〜2月9日
カセイケン代表 榎木英介

 告知です。最近流行りのクラブハウスで、このメルマガの内容をゆるく語る企画を立てました。

榎木のサイコムニュース増刊号#001
https://www.joinclubhouse.com/event/myyYJp0G

 日本時間23時から一時間ほど。初めての試みなので、どうなるか分かりませんが、とりあえずやってみます。お時間がある方はぜひ。

 意見募集は本日(2月10日)までです。

「第6期科学技術・イノベーション基本計画」答申素案についての意見募集
https://www8.cao.go.jp/cstp/stmain/20210120.html

 パブコメがどこまで反映されるかは不透明だなあといつも思っていますが、とにかく意見を言うことが重要です。クラブハウスの企画でも、基本計画を取り上げようかなと思っています(変更の可能性あり)。

氷河期世代にコロナの寒風 失職、再就職ままならず
https://news.yahoo.co.jp/articles/af681fdf536cbd075d9dd663fbb4502b26a8b302

不安定な雇用で長い年月を過ごし、能力があるのに下を向いてしまった人も多い。この世代の困難さに、コロナが追い打ちをかけている

 第6期計画では若手重視が強く押し出されており、それは非常に素晴らしいと思っていますが、若手が若手でなくなった時、そして、すでに若手ではない、私の同世代の人たちのことはもはや計画の対象ではなくなったのかなという印象です。

 ちなみに素案で「若手」という言葉は29回出てきます。

 もちろん、中堅以上の研究者の支援や、研究データ管理、利活用にURAやシニア人材、ポスドクを参加させる、リカレント教育といった記載はありますが、やや乏しい印象です。

 この辺り、決して文科省だけで解ける問題ではないので、政府頼みだけではなく、日本版AAASや私たちカセイケンも、民間非営利の立場でぜひ頑張っていきたいと思います。

【優秀な若手を活かせ】ポスドク支援の課題を考える
https://www.todaishimbun.org/postdoctoral20210208/

このような支援の実施は重要ではあるが、予算に関しては問題点もあると、北野教授は指摘する。「文科省や企業など、外部からの予算で支援を実施すると、予算がなくなった際に支援が続くかどうか不透明です。大学裁量の予算でも支援することが持続性を保つことになります」

 北野秋男教授(日本大学)の発言ですが、この種の予算の問題点を指摘しています。

 私は文科省ポスドクキャリア事業の評価委員をしていましたが、5年の支援が終わると事業自体が消滅してしまう大学などもありました。もちろん、カリキュラム化するなどその後も継続した大学は多かったのですが。

 これは今でもそうです。

科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設事業 公募情報
https://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/fellowship/1419245_00002.htm

 支給対象学生1人当たり200~250万円/年を支払う事業で、まさに第6期計画の方向性に合致したものですが、以下のように書かれています。

※補助事業によるフェローシップ支援対象は令和7年度の博士後期課程進学者まで。
※補助事業期間終了後には各機関は自立的運営を確立することが前提となります。

 補助事業が終了したのちにどうなるかが不透明で、これは若手が若手でなくなった時と類似した構造になっています。

 こういう事業の乱立を「毒まんじゅう」と揶揄する声があります。食べているうちは美味しいけど、後から毒がまわる、あるいは毒なしでは生きていけない状態になるということでしょうか。

 資金を投入することは重要ですが、構造にまで目を向けないといけません。

 上述の北野教授はこんなことも言っています。

各大学や学会、国、企業などが主体となり、横断的なネットワークの構築を行う必要もあるでしょう

 まさにこれこそ、日本版AAASの目指すことでもあります。

起業家、精神面の「受け皿」必要 家入一真
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ097E00Z01C20A2000000/

「挑戦ばかりを促し、日本では挑戦が少ないと嘆くのは筋違いだ。」

 このあたり、研究者でも同じなのではないかと思います。挑戦を煽るのはいいですが、それだけではない部分にいかに目配せするか。これが私達にも求められている大きな役割だと思っています。

104歳の男性が“巣ごもり”中に「水問題」の博士論文を完成
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/284972

 最高齢?素晴らしい。これこそリカレント教育と言いますか。

 費用対効果を持ち込むと、リカレント教育は無駄、ということになってしまいます。若い人に教育して、長く活躍してもらわないと損、というように。

 そうではないんだ、と強く言いたいです。効率、費用対効果を追求したら、人間など無駄、となりかねないのでは、と思います。

 前号でお伝えした日本版AAASですが、その後も報道が相次いでいます。

【プレスリリース 】日本版AAAS設立準備委員会が正式発足
https://jaas.group/pressrelease-launch-20210201/

若手研究者ら、科学普及のNPO法人設立へ…注目論文減少や理科離れに危機感
https://www.yomiuri.co.jp/science/20210206-OYT1T50126/

「対話通じて科学技術振興」日本版AAAS設立準備委発足
https://sci-news.co.jp/topics/4623/

若手研究者ら、科学普及のNPO法人設立へ…注目論文減少や理科離れに危機感
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20210206-00050126-yom-sci

 科学新聞は一面で大きくとりあげており、注目と期待の高さが分かります。

 一部で日本学術会議の対抗組織という紹介のされ方がなされましたが、それは本意ではなく、科学アカデミーと分野横断的草の根NPONGO)とは役割が違います。

 日本版AAASの肝は、誰でも条件なく入れるNPOであるということです。研究者の利益を代弁する組織ではありません。科学振興イコール研究者振興では必ずしもないからです。

 その辺りはまだ同床異夢な部分ではありますが、徐々に実現できればと思います。

 今回の日本版AAASの設立の動きは、研究者サイドから出てきたもので、科学コミュニケーションや理科教育関係の方々の関与がまだまだ弱いのが現状です。

 科学コミュニケーションに関わる方々にも、日本版AAASを設立したいという動きが以前よりあるので、なんとか合流なり連携なりができないものかと思います。

 とにかく、6月にNPO法人設立と公にしたので、組織づくりは急ぎたいと思っています。

 個人のノートに少し書きましたが、組織、特に非営利組織の経営は営利組織と異なる部分があり、なかなか難しい部分もあります。

https://note.com/enodon/n/n1ecb88f5f7cf

 集まった皆さんの思いを形にできる強い組織づくりが私のやりたいことであり、日本版AAASでは、まずは自らの主張は封印して、組織を作り回していくことに力を注ぎたいと思っています。やりたいことは母体のカセイケンの方でしっかりとやっていきます。小回りの効く、小さな組織の利点を生かして。

 書きながら思ったのですが、法人としての日本版AAASは、設立後しばらくは、動きたい皆さんのバックアップ組織として、財政面、法的な面等で支えていくといった形になるのかなと思います。宿木と言いますか。

 さて、日本版AAASのモデル、本家AAASは現在年次総会開催中(2月11日まで)で、今年はオンラインでやっています。日本からも参加できるので、ぜひ。

https://meetings.aaas.org

パンデミックを予見した漫画家が驚くほどのリアルさを実現できた理由(朱戸 アオ,佐倉 統)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/79612

信州大、2学部試験中止 共通テストのみで判定
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO68802370T00C21A2CR8000/

More than 17,000 jobs lost at Australian universities during Covid pandemic
https://www.theguardian.com/australia-news/2021/feb/03/more-than-17000-jobs-lost-at-australian-universities-during-covid-pandemic

 オーストラリア。厳しい状況になっています。

JSTムーンショット新目標検討21チームを決定
https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20210208_n01/

 既報ですが、まとまった記事。

「始動 Next Innovator 2020(グローバル起業家等育成プログラム)」のシリコンバレー・プログラム選抜メンバーが決定しました
https://www.meti.go.jp/press/2020/02/20210208001/20210208001.html

「デジタル産業の創出に向けた研究会」を立ち上げます
https://www.meti.go.jp/press/2020/02/20210204003/20210204003.html

人工衛星の中に宇宙寺院 世界遺産の京都の寺が計画
http://www.asahi.com/articles/ASP283TTYP28PLZB007.html

 新たな時代の宗教。銀河英雄伝説の「地球教」ではないですが、宇宙時代に宗教もアップデートされつつあるのかなと思います。

10兆円大学ファンド、低金利下の運用にジレンマ-収益か安定か
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-02-08/QNZPCYT0AFB801

大学ファンド法批判/参院文科委 吉良議員が質問
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2021-02-04/2021020402_02_1.html

 大学ファンドについては賛否あり、議論が続いています。期待はしますが、期待ほどかどうか。

隣席の東北大学長に「お前、漱石は読んだか」と言われ…北大学長「生意気な男だと思った」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20210205-00050138-yom-sci

北大と東北大の学長は同級生!対談で知る素顔
https://toyokeizai.net/articles/-/410448

 二つの旧帝大の学長が同級生だったという話。札幌南高校の優秀さが伝わるエピソードですが、人材の多様性という観点から見ると、今後はもっと多様な人材が学長になってほしいなと思います。

早稲田大学“医学部”誕生が現実味を帯びてきた…東京女子医大は経営難で学費1200万円値上げ
https://biz-journal.jp/2021/02/post_206313.html

 私は早稲田大学に1年間通ったこともあり、稲門医師会という早稲田大を経て医学部に入り直し医師になった人の会に入れてもらっています。医学部を持つ慶應大学に対する早稲田の医学部への希求熱は強いものがあり、今後の大学再編と絡んで注目していきたい話題です。

九大教授の急死を労災認定 損害賠償求め、妻ら法人提訴
https://digital.asahi.com/sp/articles/ASP2465X7P24UTIL03J.html

男性の専門分野は理系で、当時は研究に加え、週5コマ(計7時間半)の授業と論文作成の指導をしていた。九大と中国・韓国の大学の双方で学生が学位を取得できるようにするプログラムの運営にも携わり、中国や韓国に日帰り出張することもあったという。

 大学教員の過労死。この辺り、研究支援人材の活用等も含め真剣に考えないといけません。

名古屋大の元院生が研究論文で画像改ざん 教授の処分検討
https://www.chunichi.co.jp/article/197615

研究活動上の不正行為に関する調査結果について | 大学からのお知らせ
http://www.nagoya-u.ac.jp/info/20210205_news.html

Hundreds of ‘predatory’ journals indexed on leading scholarly database
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00239-0

 捕食(ハゲタカ)ジャーナルの「汚染」、浸透はじわじわときています。

「イケメン大卒者の精子」が“売り切れ”続出─パンデミックで枯渇する精子バンク
https://courrier.jp/news/archives/231659/

 露骨な優生思想です。新たな生命倫理問題を提示しているようにも思います。

グーグル、著名なAI研究者の解雇に反発 2名が辞職「疲れ果ててしまった」 | Ledge.ai
https://ledge.ai/google0208/

社会学者を科学行政中枢に登用したバイデン政権 - 細田満和子
https://webronza.asahi.com/science/articles/2021013100001.html

Biden has assembled a stellar science team - now they must pull together
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00184-y

いでよ、女性STEM人材 技術革新の恩恵広く社会へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGG313QS0R30C21A1000000/

シュプリンガー・ネイチャー・グループ、大学生・院生計2人に150万円の奨学金
https://ict-enews.net/2021/02/09springernature/

シュプリンガー・ネイチャー・グループが学問の継続のために経済的な支援を必要とする日本の大学生・大学院生を対象にチャリティー資金を提供
https://www.natureasia.com/ja-jp/info/press-releases/detail/8830

★The future of grant proposals is video
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00341-3

スペースXの大型宇宙船、打ち上げ実験で着陸時に再び爆発
https://jp.reuters.com/article/space-exploration-spacex-idJPKBN2A3052

新型宇宙船の試験飛行でまた爆発 「データは取れた」
https://digital.asahi.com/sp/articles/ASP236QSFP23ULBJ00H.html

 スペースXのマスク氏ですが、学位などいらないと言っています。学位の意味が問われる時代です。博士号取得者のキャリアパスを考える上で、学位不要論は吉なのか凶なのか考えさせられます。

子どもたちは「主にYouTubeRedditで教育を受けてきた」 - イーロン・マスク氏、"教育"を語る
https://www.google.co.jp/amp/s/www.businessinsider.jp/amp/post-228957

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“Science Communication News”
[SciCom News] No.908 2021年2月9日号 巻頭言
【発行者】一般社団法人科学・政策と社会研究室(担当 榎木英介)
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日本版AAASへの期待

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★発行部数 2,561部(2月2日現在)
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         No.907 2021年2月2日号 巻頭言
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【巻頭言】
★日本版AAASへの期待
2021年1月26日〜2月2日
カセイケン代表 榎木英介

 私たちカセイケンのメンバーも参加しています日本版AAAS準備委員会が正式に発足し、メディアでも報道されました。

★日本の科学を元気に! 「日本版AAAS」にかける若手研究者の思い
https://mainichi.jp/articles/20210131/k00/00m/040/064000c.amp

「日本の科学を元気にする普及団体を」 若手らが設立へ
http://www.asahi.com/articles/ASP213HH2P1PULBJ00K.html

日本版の科学振興団体が6月にも発足へ
https://www.chunichi.co.jp/article/195206

 詳細は公式ページをご覧ください。

https://jaas.group/

 プレスリリースはこちら。

【プレスリリース 】日本版AAAS設立準備委員会が正式発足
https://jaas.group/pressrelease-launch-20210201/

 日本版AAASについては、私たちも2000年代半ばくらいから設立を模索しており、あれこれ活動もしましたが、NPO法人サイエンス・コミュニケーションの分裂とそこからの脱退、メンバーのライフステージの変化などからペンディングになっていました。

 そこに新たな動きが生まれ、私たちにもお声がけがあり参加した次第です。

 日本版のAAASのような組織の重要性については、私たちをフォローしてくださっている方々なら言わずもがなですが、今回の動きを成功させる鍵は、私自身はバックオフィスにあると思っています。

 私たち自身のNPO法人の分裂などからも分かる通り、この種の活動は常に分裂や乗っ取り等の危機に晒されます。

 会計業務、財務なども当然重要で、そこらあたりをしっかりしないと瓦解してしまう可能性を、私たちは身をもって知りました。

 何かをやりたいという人はたくさんいるのですが、このあたりのバックオフィスが弱い活動はたくさんあります。

 かつてJSTで科学コミュニケーションの助成金の評価委員をしていましたが、バックオフィスが弱くて、助成してもお金の管理ができないという団体は多かった印象です。

 バックオフィスの重要性は、東浩紀氏の話題の書「ゲンロン戦記」にも書かれており、関係者必読です。
https://www.chuko.co.jp/special/genron/

 ちなみに私は結構初期からゲンロンの会員です。ほかにもシノドスの会員にもなっており、マネタイズも含めたこうした組織のあり方に興味があります。

シノドス
https://synodos.jp/

専門知が異様に軽視される日本にアカデミック・ジャーナリズムを=シノドス芹沢一也代表
https://www.weekly-economist.com/20180403netmedia-synodos/

 とはいえ、こうした組織とは規模が違ったりするので、むしろ学会運営の方が近いかもしれません。

 学会の場合、運営代行の会社があり、そこがいろいろやってくれます。

 ただ、そうだとしても丸投げは問題なわけで、運営の手綱はきちんと握っておかなければなりません。

 営利企業や学会など、構成員のための中間団体は、誰のための組織か比較的明確です。

 しかしNPO法人は、公益のための団体なので、運営はかなり難しいことを理解しておかなければなりません。

 私益ではなくミッション、志で人を惹きつけ続けるのは非常に難しいのです。

 私たちとしては、かつての失敗経験も含め、その辺りのバックオフィスから組織を支えることが重要だと思っています。

 口先であれこれ言う人は多いですが、実際にコミットする人はごく少数。今回の動きは、ダメ出しではなくポジ出しで育て、実のあるものにしていきたいと思います。

★学術界のプレカリアートポスドク
https://go.nature.com/3cxOrgz

 nature記事の翻訳。本家AAASのように、研究者のキャリア問題も活動の射程に入ります。

★海外からも最悪国呼ばわり。博士号取得者を冷遇する日本のひずみ
https://www.google.co.jp/amp/s/www.mag2.com/p/news/484682/amp

 こうした状況の改善も当然です。

★大学国際競争力強化へ 10兆円規模の基金で研究支援 改正法成立
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210128/k10012838321000.html

JST法の一部を改正する法律案の成立/大学ファンド創設で若手研究者の安定した研究環境の確保を
https://www.mext.go.jp/b_menu/activity/detail/2021/20210129.html

★ 国立研究開発法人科学技術振興機構法の一部を改正する法律案:参議院
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/204/meisai/m204080204005.htm

 若手研究者の支援問題も重要です。より良いものにするために、意見が言える団体に育てたいです。

★来客数予測システム、老舗食堂がAI使い開発…「科学技術立国」復活予感の現場
https://www.yomiuri.co.jp/science/20210127-OYT1T50077/

 豊田長康氏のインタビュー。読売新聞は政治部や社会部は千人計画に関して不正確な記事を書いていますが、科学部は研究者の置かれた状況をよくわかっています。

★若手の自由で挑戦的な研究を、最長10年間支援する「創発的研究支援事業」第1期生252名を採択
https://www.mext.go.jp/b_menu/activity/detail/2021/20210202.html

 2000人から252名の若手が選ばれました。日本の千人計画だ、という声もありましたが、採択率はこの種の他のものよりは高く、若手優遇を評価する声も。

 一方で人文社会科学系が少ないので、分野の偏りを指摘する意見もあります。

★第3次補正予算
https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2020/fy2020.html#3hosei

 1月28日に成立。概要。

https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2020/hosei021215b.pdf

 新型コロナウイルス対策ほか、

ポスト5G・Beyond5G(6G)研究開発支援〔1,400億円〕
カーボンニュートラルに向けた革新的な技術開発支援のための基金の創設〔20,000億円〕

 など。

新型コロナウイルス感染症対策分科会第23回資料
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/corona23.pdf

緊急事態宣言下での対策の徹底・強化についての提言
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/taisakunotettei_kyouka_teigen.pdf

新型コロナウイルス感染症対策本部(第 54 回)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/th_siryou/sidai_r030202.pdf

第22回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年2月1日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00216.html

 緊急事態宣言は栃木県以外延長されました。まだまだ医療が逼迫する状況です。

 ワクチンはもうすぐですが、しっかりと対策をやり続けていくしか道はありません。

★コロナ「変異種」表記やめて 日本感染症学会がマスコミに要望「変異株と呼称すべき」
https://news.yahoo.co.jp/articles/e9daf250a234f3e3e143bfd388e376fdaab938c1

【重要】変異「種」の誤用について(報道機関 各位)
https://www.kansensho.or.jp/modules/news/index.php?content_id=221

 用語の正しい使い方は重要です。

★コロナ対策を軌道に乗せるのは陰謀論との戦いそのものである。|倉本圭造|note
https://note.com/keizokuramoto/n/n780dcbadfd7c

 立場の違う人たちの激しい言葉のやりとりに辟易してましたが、こう言う意見があるのはホッとします。こういうのも生ぬるいとか、敵に魂を売るのかとなってしまうのかもしれませんが…。

 対話によって立場の違いを乗り越えることを諦めてはいけないなと思います。

手ごわい問題は、対話で解決する ~アパルトヘイトを解決に導いたファシリテーターの物語~
https://www.humanvalue.co.jp/wwd/publishing/solve-tough-prob/

第3の案 成功者の選択
https://fce-publishing.co.jp/book/p863940185/

★議事次第 令和3年1月28日 - 総合科学技術・イノベーション会議 - 内閣府
https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20210128.html

議題

1.ムーンショット新目標検討チームの公募状況について
2.科学技術振興機構研究開発戦略センターにおける最新の調査報告について
 ・リサーチトランスフォーメーション(RX)ポスト/withコロナ時代、これからの研究開発の姿へ向けて
 ・感染症研究プラットフォームの構築に関する提言

副大臣の人事について
https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/202102/1_p.html

 田野瀬文部科学副大臣が更迭されました。非常に残念な事態です。

★令和元年度 大学等における産学連携等実施状況について
https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/sangaku/1413730_00010.htm

中央教育審議会において「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して(答申)」を取りまとめいただきました
https://www.mext.go.jp/b_menu/activity/detail/2021/20210126.html

★「民間企業の研究活動に関する調査2020」(速報)の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/46590

また、2019 年度に博士課程修了者を採用した企業の割合は、 2011 年度以降の全期間のなかでも下から 3 番目に小さい割合となっている。一方、女性研究者の採用企業割合は、 微増となっている。

 社内で研究開発を実施していると回答した企業のうち資本金 1 億円以上の企業の調査。博士課程修了者を採用した企業が10.2%、ポスドク採用が1.1%。ともに前年より減少。

★バイオ小委員会 報告書「バイオテクノロジーが拓く『第五次産業革命』」を取りまとめました
https://www.meti.go.jp/press/2020/02/20210202001/20210202001.html

★京都・醍醐寺が宇宙に寺院開設へ 人工衛星に寺機能、8日に初の「宇宙法要」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20210201-00593163-kyt-l26

 銀河英雄伝説の「地球教」ではないですが、時代によって宗教も変わっていくのは当然なのかもしれません。

★「知的財産推進計画2021」の策定に向けた意見募集
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/pdf/suishin2021_iken_boshu.pdf

★第307回幹事会後の記者会見資料(令和3年1月28日)
>日本学術会議幹事会声明「日本学術会議会員任命問題の解決を求めます」(PDF形式:278KB)
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/kanji/pdf25/siryo307-ninmei.pdf

>学術フォーラム「危機の時代におけるアカデミーと未来」(PDF形式:783KB)
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/kanji/pdf25/siryo307-s-0227.pdf

>(参考)学協会声明一覧(PDF形式:383KB)
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/kanji/pdf25/siryo307-gakukyokai.pdf

学術会議は独立か あり方の議論、6人任命棚上げのまま
https://www.asahi.com/articles/ASP1Y6HC4P1RULBJ007.html

学術会議VS官邸 「1行空白」の名簿、任命拒否の伏線
https://www.asahi.com/amp/articles/ASP1P4561P15UTFK01B.html

任命拒否6人の再任命、加藤長官は否定「手続きは終了」
https://www.asahi.com/articles/ASP1Y45KVP1YUTFK006.html

政府・自民の「人文・社会科学系は多過ぎ」論は正しいか 「科学技術政策と矛盾」指摘も
https://mainichi.jp/articles/20210130/k00/00m/040/109000c

学術会議のあり方、どうする 4月までに自ら改革案、自民PT「独立を」
https://digital.asahi.com/sp/articles/DA3S14779671.html

 日本学術会議の問題。まだやってるの、と言う人もいますが、この問題は科学コミュニティの自律の問題であり、疎かにはできません。

★大学寄付金「賄賂」に医師戸惑い 三重大病院汚職事件
https://www.chunichi.co.jp/article/194616

 製薬メーカーとの利益相反問題は、これを機に見直す方向にいけばよいと思っています。

文科相旭川医大に苦言「冷静な対応を」 院長解任騒動
https://digital.asahi.com/sp/articles/ASP1V3HMTP1VUTIL002.html

 先週既報ですが、文科大臣も苦言を。

★研究所元職員による研究活動上の特定不正行為について
http://www.ncvc.go.jp/topics/20210130.html

研究活動上の特定不正行為と本院が実施している臨床研究との関連・対応について|お知らせ|大阪大学医学部附属病院
https://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/topics/detail.php?id=456

国循、がん論文2本に不正認定 肺治療の先進医療中止を決定
https://www.chunichi.co.jp/article/193833

不正論文もとに臨床研究、参加した患者に影響は?阪大
https://www.asahi.com/articles/ASP1Z7S9YP1ZPLBJ00C.html

「今回の会見では、これまでに臨床研究で「有害事象」が計10件あったことが明かされた。有害事象とは、脳梗塞(のうこうそく)など治療後に起きた望ましくない反応だ。

中略

脳梗塞は注射によるものではなく、がんの手術自体が原因と判断して、研究を続けていた。」

 有害事象があったかも含め、医師の研究者の研究倫理に問題があることが明らかになりました。

 一人の特異な人のせいにせず、仕組みや制度、構造を考え直さないといけません。

★「緊急告発」大学入学共通テストがニセ科学を前提としていいのか
https://news.yahoo.co.jp/articles/6ef7529f2f3208c50e48c6c9386514284a95d945

甘味料に「誤解与える」 共通テストの問題文で業界団体
https://www.asahi.com/articles/ASP1Y6DBDP1QUTFL00B.html

★『上座部仏教における聖典論の研究』に関する声明 - 大蔵出版 仏教学術書を中心とする出版社
https://www.daizoshuppan.jp/news/n39180.html

 「さる教授」のアカハラ

★Memorandum on Restoring Trust in Government Through Scientific Integrity and Evidence-Based Policymaking
https://www.whitehouse.gov/briefing-room/presidential-actions/2021/01/27/memorandum-on-restoring-trust-in-government-through-scientific-integrity-and-evidence-based-policymaking/

Biden orders sweeping review of government science integrity policies
https://www.sciencemag.org/news/2021/01/new-biden-scientific-integrity-policy

★Biden breaks new ground with science team picks
https://science.sciencemag.org/content/371/6528/452

 走り出したバイデン政権。議会を経ず大統領令連発に批判もありますが、ハネムーンの100日はお手並み拝見というところでしょうか。

★大学非常勤講師として、「人並み」に生きる―個人事業主という選択―
https://note.com/kyoiku_gakusya/n/nfcaf6b0067f9

 私も個人事業主ですが、こういう情報は非常に重要ですね。そろそろ確定申告のシーズンです。

★謎のYouTuber鈴木貫太郎さんに学ぶ「数学の愛し方」 - 伊藤隆太
https://webronza.asahi.com/science/articles/2021012800011.h

 在野の生き方。

★(あすを探る 科学技術)「正しく恐れる」が生む排除 内田麻理香
https://www.asahi.com/sp/articles/DA3S14779615.html

★『日本の学術予算は実は簡単に増やせる』という話|倉本圭造|note
https://note.com/keizokuramoto/n/ne499a284714f

★音声SNS「Clubhouse」で起きた女性への中傷を巡る激論と、プラットフォームの責務
https://wired.jp/2021/01/29/plaintext-where-are-the-adults-in-the-clubhouse/

 にわかに流行り出したクラブハウス。私も登録はしましたが、どうなるか…。

★国策は学問を育てられるのか
https://shinsho-plus.shueisha.co.jp/column/jiyuunokiki/12941

外国ニュースか未整理状態でしたので、再送します。

【海外動向】
https://scirex.grips.ac.jp/topics/

【海外動向】科学技術イノベーション政策の科学 海外情報 (1月21日~1月27日)
https://scirex.grips.ac.jp/topics/archive/210128_2598.html

世界各国の科学技術に対する考え方をさぐる(2017~2020年分)
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20210128-00219120/

Water conflicts, science and the media
https://www.scidev.net/global/supported-content/water-conflicts-science-and-the-media/

宇宙人との遭遇、もう間近? 探査60年、中国も参入
http://www.asahi.com/articles/ASP213JPMP1GULBJ01F.html

Once again, physicists ask, how magnetic is the muon?
https://science.sciencemag.org/content/371/6528/450

Science, civics, and democracy
https://science.sciencemag.org/content/371/6528/442

Going beyond eloquent words
https://science.sciencemag.org/content/371/6528/443

Feeling the Foundation
https://www.the-scientist.com/editorial/feeling-the-foundation-68381

The Promise of Scientific Partnerships with People on the Spectrum
https://www.the-scientist.com/news-opinion/the-promise-of-scientific-partnerships-with-people-on-the-spectrum-68361

The quantum chocolatier
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00231-8

Seven technologies to watch in 2021
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00191-z

The bird librarian
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00179-9

Risk of being scooped drives scientists to shoddy methods
https://www.sciencemag.org/news/2021/01/risk-being-scooped-drives-scientists-shoddy-methods

アメリカ】

Memorandum on Restoring Trust in Government Through Scientific Integrity and Evidence-Based Policymaking
https://www.whitehouse.gov/briefing-room/presidential-actions/2021/01/27/memorandum-on-restoring-trust-in-government-through-scientific-integrity-and-evidence-based-policymaking/

Biden orders sweeping review of government science integrity policies
https://www.sciencemag.org/news/2021/01/new-biden-scientific-integrity-policy

Biden breaks new ground with science team picks
https://science.sciencemag.org/content/371/6528/452

Trump downplayed the cost of carbon. That’s about to change
https://science.sciencemag.org/content/371/6528/447

End of Trump’s ‘Muslim ban’ a relief to researchers, but obstacles remain
https://www.sciencemag.org/news/2021/01/end-trump-s-muslim-ban-relief-researchers-obstacles-remain

Ex–vaccine chief reflects on triumphs, failures, and Trump
https://science.sciencemag.org/content/371/6528/449

Parting Trump memo on U.S. research security seen as road map for Biden
https://www.sciencemag.org/news/2021/01/parting-trump-memo-us-research-security-seen-road-map-biden

‘The problem is greater than it’s ever been’: US universities urged to invest in mental-health resources
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00229-2

AAASがバイデン次期大統領への要望を発出
https://crds.jst.go.jp/dw/20210127/2021012725805/

「国家Q‐12教育パートナーシップ」キックオフイベントの開催
https://crds.jst.go.jp/dw/20210128/2021012825806/

「政府における信頼しうるAI利用の促進」に関する大統領令の発令
https://crds.jst.go.jp/dw/20210128/2021012825804/

米国のディキンソン陸軍大将が宇宙における米国の優位性維持の重要性を力説
https://crds.jst.go.jp/dw/20210129/2021012925945/

「科学的公正性と証拠に基づく政策立案による政府への信頼回復に関する大統領覚書」
https://crds.jst.go.jp/dw/20210129/2021012925949/

NIHが多様性と包摂性を強化するための大学教員採用プログラムに資金提供
https://crds.jst.go.jp/dw/20210201/2021020125807/

【イギリス】

歳出計画(Spending Review)で示されたBEISが果たすべき役割
https://crds.jst.go.jp/dw/20210126/2021012625624/

英国の研究開発への投資
https://crds.jst.go.jp/dw/20210128/2021012825829/

英国初の無人戦闘機の開発に3,000万ポンドの投資
https://crds.jst.go.jp/dw/20210129/2021012925941/

国連と英国が宇宙の持続可能性を促進するための協定に署名
https://crds.jst.go.jp/dw/20210129/2021012925942/

航空業界のグリーン化を支援する画期的な航空宇宙プロジェクトに8,460万ポンドの助成
https://crds.jst.go.jp/dw/20210129/2021012925943/

以下はリンクを辿ってください。
https://www-overseas-news.jsps.go.jp/2021/01/

【ニュース・イギリス】英国大学協会、高等教育における人種差別的嫌がらせの緊急対策を求める
【ニュース・イギリス】政府、大学入学資格取得後の大学入学制度の検討を計画
【ニュース・イギリス】大学卒業者の賃金を大学の質の指標とするのは性差別
【ニュース・イギリス】UKRI、博士課程学生に課程を修了するためにプロジェクトの調整を勧める
【ニュース・イギリス】未来の学習形態は組み合わせた形(Blended learning)
【ニュース・イギリス】IFSの報告書:コロナ禍により高等教育が重大な資金不足に直面(2)
【ニュース・イギリス】IFSの報告書:コロナ禍により高等教育が重大な資金不足に直面(1)
【ニュース・イギリス】60万人の留学生受け入れ目標、2030年までに達成可能(2)
【ニュース・イギリス】60万人の留学生受け入れ目標、2030年までに達成可能(1)

【中国】

China can help solve the debt and environmental crises
https://science.sciencemag.org/content/371/6528/468

中国で後を絶たない進学、受験を巡る詐欺 「ニセ大学」設立し入学金だまし取る手口も
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20210129-03328365-clc_toho-cn

カーボンニュートラル国家建設を推進
https://crds.jst.go.jp/dw/20210127/2021012725621/

中国全国の5G+工業インターネット建設項目1,100件を超過
https://crds.jst.go.jp/dw/20210201/2021020125619/

EU

バッテリー分野の第2回IPCEIに関するシェフチョビチ欧州副委員長のスピーチ
https://crds.jst.go.jp/dw/20210129/2021012925946/

欧州委員会(EC)が「グリーン消費誓約」イニシアチブを開始
https://crds.jst.go.jp/dw/20210129/2021012925947/

欧州委員会(EC)が人口高齢化への対応に関する議論を開始
https://crds.jst.go.jp/dw/20210129/2021012925948/

【ドイツ】

【ニュース・ドイツ】マイスター連邦教育研究省政務次官:機会の公平と多様性がヨーロッパの研究をより卓越に
https://bit.ly/3afqUOG

【フランス】

Covid-19 の流行に対処するワクチン戦略
https://crds.jst.go.jp/dw/20210126/2021012625653/

Hcéres 会長にティエリ・クーロン氏が任命される
https://crds.jst.go.jp/dw/20210127/2021012725857/

ANRのMRSEI助成手段は「欧州または国際的な科学ネットワークの構築」に焦点を当てる
https://crds.jst.go.jp/dw/20210129/2021012925944/

GAIA X サミット:将来の欧州クラウドに関する中間報告
https://crds.jst.go.jp/dw/20210201/2021020125873/

【オランダ】

Biopharma Looks to the Netherlands as European Hub
https://www.the-scientist.com/bio-business/biopharma-looks-to-the-netherlands-as-european-hub-68356

スウェーデン

Horizon Europe に関する戦略提案
https://crds.jst.go.jp/dw/20210126/2021012625675/

【アフリカ】

西アフリカの小さな国が、コロナ禍の支援金給付に衛星画像を駆使している
https://wired.jp/2021/02/02/clever-strategy-distribute-covid-aid-satellite-data/

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“Science Communication News”
[SciCom News] No.907 2021年2月2日号 巻頭言
【発行者】一般社団法人科学・政策と社会研究室(担当 榎木英介)
【編集者】Science Communication News編集部
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