科学・政策と社会ニュースクリップ

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政治とNPO

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★発行部数 2,561部(2月16日現在)
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     ◆◇◆  Science Communication News ◆◇◆
         No.909 2021年2月16日号 巻頭言
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【巻頭言】
★政治とNPO
2021年2月9日〜2月16日
カセイケン代表 榎木英介

 福島県沖の地震に遭われた皆様に対し、心よりお見舞い申し上げます。

政府、大学に被災受験生への追試要請 福島沖地震受け
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE152MU0V10C21A2000000/

地震 大学入試にも影響
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210214/1000060348.html

 大学受験シーズンであり、また、看護師国家試験などの試験も行われるなど、受験生にとっては影響が深刻です。

首相、原発「すべて正常」 「余震に備え」呼びかけ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE134F90T10C21A2000000/

 Twitterでは原発は10年前から異常のままではないかという指摘もありました。

コミナティ承認報道発表
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16734.html

 本メルマガ発行日である2月17日からワクチン接種が医療者から開始されます。

新型コロナワクチンについて
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html

新型コロナワクチンについて
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine.html

新型コロナワクチン接種についてのお知らせ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00218.html

新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(ワクチン部分抜粋)(令和3年2月12日)
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine_policy.html

 私はすでにワクチン接種の希望届けを出していますが、懸念があるのも分かります。不安や懸念を持つことを敵視することはよくないことと思っています。

 ワクチンを打つ人、打ちたくない人双方から、打たない人は信じられない、打つ人はおかしいと言った分断のことばが聞かれます。

 こうした分断が、福島第1原発事故以来ずっと続いていることを憂慮しています。

 PCR検査をめぐる殺伐とした言葉のやりとり、感染対策をめぐるやりとりなども同じです。ときに「人殺し」と言った激しい言葉が飛び交い、考え方が違う人と交流があるだけで敵陣営扱いする…。

 こういう時、会って話をするというのが重要だと思いますが、いまはそれも難しく、文字情報のやり取りで憎しみをたぎらせるような状態。

 間に立つことはできるのでしょうか。

コロナを克服するためにはリスク・コミュニケーションの建て直しが急務だ/吉川肇子氏(慶應義塾大学商学部教授)
https://news.yahoo.co.jp/articles/e322f677c4f45fd05bb95a789ee08748f8e9ca83

 政府のリスクコミュニケーションに問題があることはかねてより言われてきました。そしていまだ改善がなされていないように思います。

 リスクコミュニケーションが軽視されているのは、リスクコミュニケーターが安定した地位を提供されないことからもわかるという指摘もありました。

変死遺体132人、コロナ感染 1月に急増、自宅や施設で
https://www.chunichi.co.jp/article/201309

新型コロナ: コロナ陽性の変死事案、1月は最多132人 警察庁
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG128DS0S1A210C2000000/

コロナ関連死者の解剖による“死因”究明を 法医学者「亡くなった方から得た知識を生きていく方に還元したい」
https://news.nicovideo.jp/watch/nw8928749

 まさに死因不明社会(海堂尊氏)な状況で、解剖を含めた死因の究明システムの充実化が重要です。

遺体解剖は適切だったか ハンセン病療養所、実態調査へ
https://www.asahi.com/articles/ASP2B6QL8P24PPZB00C.html

 ハンセン病の療養所では解剖率が高く、故人の意思を無視した解剖が行われていたのではないかと言われています。

 これは調査が必要な憂慮すべき事態ですが、記事を読むと、どうも解剖という行為そのものが非人道的な行為と思われているのではないかと感じます。

 死がタブー視されている状況は大きな問題だと思います。この状況を改善できないかと思っています。これはカセイケンの活動というより、病理医としての仕事ではありますが…。

食料の無料配布に北大生の申し込みが殺到…「アルバイト減り厳しい」「1日1食の生活」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210209-OYT1T50079/

生活困窮学生に北大で食料配布
https://digital.asahi.com/sp/articles/CMTW2102100100001.html

PCR資材不足、今後の検査に暗雲 影響は大学にも
https://www.asahi.com/amp/articles/ASP2F6QBNP28IIPE027.html

 学生やさまざまな研究の現場にも新型コロナウイルスの影響が出ています。

 ただ、言いたいのは、コロナ対策を厳しくしたからこうなった、コロナはただの風邪、対策など必要ない、という極論に走るべきではないということです。

 先に分断が進んでいることを書きましたが、知人の中にも新型コロナ対策など必要ない、若者などはコロナで死なないが自殺で死んでいる、医者が人殺しと言っている人がいます。

 コロナ対策か経済のどちらを取るのかと迫るのではなく、どちらも取れないのかと思います。人殺しと罵り合うのではない「第3の道」を探れないのか…。過激な言葉を聞くたびに思わざるを得ません。

Second Person Dies in Latest Ebola Outbreak in DRC
https://www.the-scientist.com/news-opinion/second-person-dies-in-latest-ebola-outbreak-in-drc-68444

エボラ出血熱ギニアで8人感染 コンゴと2地域同時流行の恐れ
https://www.chunichi.co.jp/article/202249

 エボラ出血熱の広がり、気になります。

我が国の学術情報流通における課題への対応について(審議まとめ)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu29/001/mext_00650.html

萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和3年2月12日)
https://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/mext_00137.html

 日本版AAAS設立準備委員会について触れています。

日本版AAAS設立準備委員会、JAAS設立のための委員会の発足を発表
https://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=12537

 ほか井上科学技術担当大臣も日本版AAASに言及しました。

 政治との関係はこれから構築していくことになりますが、NPO法人になるので、特定の政党を推したり、あるいは反対したり、選挙活動をすることは禁止されます。政策提言は可能です。

NPO法人の政治活動等に関する規定
https://www.npo-homepage.go.jp/qa/seido-gaiyou/seijikatsudou

 ただ、逆に言えば、ミッションを達成する為にはあらゆる政党の力を「使う」ことができるということであり、特定の政党の議員になるより有利な部分もあります。

 「是々非々」という言葉は、ときに軟弱、時に敵対勢力に力を貸すのか、と批判されることもありますが、分断を超える可能性を秘めた「第3の道」でもあると思っています。

 理念をカタチにする為に、しっかりとした組織を作っていくことができたらと思います。

中央教育審議会大学分科会(第159回)配布資料
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/siryo/1422495_00010.html

議題

質保証システム部会の審議の状況について
「全国学生調査」の本格実施に向けた検討状況について
魅力ある地方大学の在り方について
教育と研究を両輪とする高等教育の在り方について
その他

特許発明の奨励は大学の基礎研究を阻害するのか?[DISCUSSION PAPER No.191]の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/46645

累積的な出願経験数と論文数との長期的な関係が一定程度補完的なものであることなどが示唆されました。

博士課程の教育プログラムへの満足度等に関する調査-2020年における博士人材データベース(JGRAD)ウェブアンケート調査- [調査資料-302]の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/46670

プレプリントの利活用と認識に関する調査[調査資料-301]の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/46661

農業や食の分野のデジタル変革に向けて取り組むべき課題についてご意見を募集します
https://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/joho/210212.html

焦点:政府・自民、学術会議改革 「文系減」要求、弱体化狙い 議論先行に会員反発
https://mainichi.jp/articles/20210211/ddm/002/010/137000c

記者の目:日本学術会議問題の核心 人文・社会軽視は逆行=池田知広(東京科学環境部)
https://mainichi.jp/articles/20210212/ddm/005/070/010000c

政府は五輪組織委には監督権を持ち、日本学術会議には監督権がない件
https://note.com/nabeteru1q78/n/n27f426503ac4

 日本学術会議と日本版AAASの関係は、決して敵対するものではなく、役割が異なります。

 だれでも希望すれば入れる開かれた組織である日本版AAAS。その分ガバナンス、マネジメントは民間企業や学会以上に大変な部分もあります。それは私たちはサイコムジャパン時代に嫌というほど経験しています。

 その失敗を日本版AAASには生かしたいと思っています。

「第6期科学技術・イノベーション基本計画」(答申素案)への意見
http://www.keidanren.or.jp/policy/2021/014.html

 パブコメは先週締め切りでした。経団連の意見です。

Illicit centipede raises thorny question: Should journals have refused to publish a paper about it?
https://www.sciencemag.org/news/2021/02/illicit-centipede-raises-thorny-question-should-journals-have-refused-publish-paper

Illicit centipede spurs taxonomy journal debate
https://science.sciencemag.org/content/371/6530/66

 違法に採取された生物の論文は出版が許されるかという議論が起きています。

★「本学の見解と異なることを言わない学生を指定する」 大学側の取材対応に疑問
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/503493

 情報によれば京大なのではないかと言われています。もしそうなら京大の自由な校風は失われてしまったのかと思わざるを得ません。

【独自】留学生らの出身組織確認、私大4割が実施せず…軍事技術の流出懸念
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210213-OYT1T50177/

高学歴のエリート技術系社員『俺が開発した情報! そうだ! 中国に売ろう』
https://news.nifty.com/article/world/worldall/12137-963890/

日本は隙だらけ、中国の技術盗用が止まらない(2021年2月12日)
https://news.biglobe.ne.jp/international/0212/jbp_210212_1366001784.html

 中国への技術流出が安全保障や知的財産の危機を招いていると言われており、その対処は急務です。

 しかし、「軍事にも使えるかもしれない」程度の緩い認識でデュアルユースを考えることは行き過ぎではないかと思います。

 緩急、メリハリある対策を求めますが…。

★米国の中国パージは危うい 多様な人材流入の妨げに
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK082H40Y1A200C2000000/

 アメリカとて一本調子で中国に対応しているわけではなく、難しい問題を抱えています。

 国という枠組みと科学・技術の関係は、これからも微妙な関係で行かざるを得ないということでしょう。

国立循環器病研究センター 元室長の執筆論文2編で特定不正行為を認定 「JANP study」の根拠論文も
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=70574

第113回先進医療技術審査部会 資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16688.html

先進医療Bの取下げについて
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/000737555.pdf

 取り下げされた「JANP study」。調査委員長を務められた阪大仲野先生が感想を書かれています。

一件落着[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(340)]
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=16538

「たいがいどんな仕事でも、落着したら何らかの達成感があるものですが、研究不正の調査では、ほとんど感じることができませんでした。

 研究不正調査を健全な研究活動実現のために活かせないものかと思います。

Human Genome Project - Nature’s editor-in-chief reflects 20 years on
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00377-5

 ヒトゲノムプロジェクト20周年でnatureが特集を。

OECD iLibrary | The design and implementation of mission-oriented innovation policies: A new systemic policy approach to address societal challenges
https://www.oecd-ilibrary.org/fr/science-and-technology/the-design-and-implementation-of-mission-oriented-innovation-policies_3f6c76a4-en

「恐怖の7分間」 NASAの火星探査車、19日着陸へ
http://www.asahi.com/articles/ASP2D427WP2DULBJ009.html

中国の火星探査機「天問1号」、周回軌道に投入成功…5月に軟着陸目指す
https://www.yomiuri.co.jp/science/20210210-OYT1T50251/

UAE探査機、火星軌道到達
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO69031280Q1A210C2FFJ000/

UAEの探査機「ホープ」が火星到着、2117年の火星都市建設に向けた第一歩に
https://news.nicovideo.jp/watch/nw8929974

UAE火星探査機、周回軌道に 中東初、大気データ収集
https://www.sankei.com/smp/life/news/210210/lif2102100015-s1.html

中東初の火星探査機、UAEの「ホープ」が火星周回軌道投入に成功
https://www.yomiuri.co.jp/science/20210210-OYT1T50070/

UAEの探査機「ホープ」が火星到着、2117年の火星都市建設に向けた第一歩に
https://news.mynavi.jp/article/20210212-1726134/

 3つの国の探査機が相次いで火星へ。

宇宙探査史において「2021年2月」は、火星探査の歴史的瞬間として刻まれる
https://wired.jp/2021/02/05/februarys-gonna-be-a-big-month-for-mars/

わずか2週間のうちに3カ国の探査機が相次いで火星に到着する出来事は、宇宙探査史における新たな歴史的瞬間である。

2021年の火星探査、どうなっとんかなー?(最新探査機編)
https://news.yahoo.co.jp/articles/8bbb7a9a63582d7044c899d57932b27223869e47

L’Oréal-UNESCO For Women in Science Awards honour five women researchers in mathematics, astrophysics, chemistry and informatics
https://en.unesco.org/news/loreal-unesco-women-science-awards-honour-five-women-researchers-mathematics-astrophysics

第23回ロレアルーユネスコ女性科学賞 優れた女性科学者5人が受賞 自然科学・数学・コンピューターサイエンスにおける先駆的研究を評価
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000099.000004813.html

UNESCO research shows women career scientists still face gender bias
https://en.unesco.org/news/unesco-research-shows-women-career-scientists-still-face-gender-bias

科学分野の男女格差、富裕国で顕著 ユネスコ報告書
https://www.afpbb.com/articles/-/3331529
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6384963

Gender bias stymies women’s careers in STEM - UN
https://www.scidev.net/global/news/gender-bias-stymies-womens-careers-in-stem-un/

日本のジェンダーギャップと「科学における女性と女児の国際デー」
https://wired.jp/membership/2021/02/13/sz-editors-letter-69/

Pay gap widens between female and male scientists in North America
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00387-3

Pandemic hit academic mothers hard, data show
https://science.sciencemag.org/content/371/6530/660

Pandemic hit academic mothers especially hard, new data confirm
https://www.sciencemag.org/careers/2021/02/pandemic-hit-academic-mothers-especially-hard-new-data-confirm

(耕論)日本は「学歴階級社会」? 山邊鈴さん、水本哲弥さん、中村高康さん
https://digital.asahi.com/sp/articles/DA3S14797875.html

日本は学歴階級社会?使いがちな「私ができたんだから」
https://www.asahi.com/articles/ASP2D3J6RP21UPQJ00L.html

見上げてごらん:無意識の怖さ=永山悦子
https://mainichi.jp/articles/20210215/dde/012/070/008000c

氷河期の統計、実態映さず 内定率高く出る調査に注意
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO69134890W1A210C2EAC000/

元ゼミ生が語る、立花隆の「伝説の東大講義」をいま読み直す意味( 緑 慎也)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/80053

 何度か書いてきましたが、私は修士課程2年生の時に、仕掛け人の松田良一先生に頼まれてこの講義のTAをしました。

 そこで社会への情報発信に目覚め、今に至ります。

 このメルマガも広い意味で立花隆さんのおかげかもしれません。

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“Science Communication News”
[SciCom News] No.909 2021年2月16日号 巻頭言
【発行者】一般社団法人科学・政策と社会研究室(担当 榎木英介)
【編集者】Science Communication News編集部
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