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マクナマラの誤謬と財務省

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     ◆◇◆  Science Communication News ◆◇◆
         No.1024 2023年6月7日号 巻頭言
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サイエンスアゴラ2023企画募集のご案内

科学技術振興機構JST)では、「科学」と「社会」の関係を深める目的で、様々な立場の人たち(市民、科学者・専門家、メディア、産業界、行政関係者など)が参加し対話するオープンフォーラム「サイエンスアゴラ」を2006年度より開催しています。

サイエンスアゴラ2023」はオンラインと実地開催で実施します。オンライン、実地開催いずれもこれまでと同様に「対話」を重視した企画を募集します。ご自身の研究や活動について市民の声を聞ける貴重な場としてサイエンスアゴラを活用してください。
特に実地開催では、未来のテクノロジーをふに感じられるような体験ができる企画や、視覚的インパクトで魅せる企画を歓迎します。ぜひ私たちと一緒に、来場される方に現地でしか味わえない感動をお届けしましょう!
研究者の皆さんも、次世代の皆さんも、ぜひぜひご応募ください!サイエンスアゴラ出展をご自身のスキル向上や将来のキャリアを拓くチャンスにつなげてください。また、他の出展者との出会いやアイデアの交換を通じて、未来を共に築きましょう!!

サイエンスアゴラ2023開催日程】
・オンライン開催:10月26日(木)~28日(土)
・実地開催:11月18日(土)~19日(日)
  実地開催会場:テレコムセンタービル他(東京・お台場 青海地区)
【出展企画募集 概要】
オンライン開催と実地開催の出展企画を募集しています。
応募締切:6月30日(金)正午
募集要項、応募申請書など詳細は次のURLよりご確認ください。
応募方法:https://www.jst.go.jp/sis/scienceagora/2023/entry.html

<お問い合わせ先> 
国立研究開発法人科学技術振興機構JST
社会技術研究開発センター
サイエンスアゴラ担当 agora@jst.go.jp

【巻頭言】
マクナマラの誤謬と財務省

2023年5月31日〜6月6日
カセイケン代表 榎木英介

 財務省は科学技術に手厳しく、インパクト論文が日本からなかなか出ないのは国際化が足りないからたと言っています。

歴史的転機における財政 : 財務省 https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20230529/zaiseia20230529.html

 たしかに国際共同論文が出るのは重要ではありますが、それ以前に日本の研究がガタガタになっているのはデータが示すとおりです。

 そんななか、中国に出ていく研究者も増えています。

日本の研究者、中国で基礎科学 大学でポスト・資金充実:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC29BB70Z20C23A5000000/

 財務省はどうしてこのような主張を繰り返すのでしょうか。

 財務省は省庁の中の省庁であり、東大法学部を出て国家公務員試験を最上位で受かったスーパーエリートが行くところでした。

 大変ブリリアントな頭脳を持っているとは思います。しかし、ブリリアントな頭脳が必ずしも良い解決策を考え出せるとは限らないのが現実社会です。

 先日、「マクナマラの誤謬」が話題となりました。

ベトナム戦争 マクナマラの誤謬(ごびゅう) - 映像の世紀バタフライエフェクト - NHK https://www.nhk.jp/p/butterfly/ts/9N81M92LXV/episode/te/Z18PZ1RJX9/

 私も見ましたが、ベスト・アンド・ブライテストであるマクナマラがどうしてベトナム戦争を泥沼化させたのか、考えさせられるものがありました。

アメリカを敗戦に追い込んだ「マクナマラの誤謬」とは? - GIGAZINE https://gigazine.net/news/20220203-mcnamara-fallacy/

には以下のように書かれています。

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「A:現実の定量的モデルが常に他のモデルよりも正確であると勝手に思い込むこと」「B:最も簡単に行うことができる定量的測定こそが最も適切だと考えてしまうこと」「C:定量的測定基準で使用されているもの以外の要因をなかったことにしたり、たいした影響はないと矮小化したりすること」の3点がマクナマラの犯した定量的誤謬として知られるようになりました。