※Science Communication Newsは科学技術政策や科学技術コミュニケーションの動向を
ウォッチするメールマガジンで、毎週1回程度配信されます。
※詳しくは以下のサイトをごらんください。
http://www.kaseiken.org/活動/
※購読の登録、解除も上記サイトよりお願いします。こちらで代行はいたしませんので
※ご了承ください。
※以下でも随時情報を提供しています。
はてなブックマーク http://b.hatena.ne.jp/scicom/
twitter http://twitter.com/kaseikenorg
科学・政策と社会ニュースクリップ https://clip.kaseiken.info/
Yahoo!ニュース個人 https://news.yahoo.co.jp/byline/enokieisuke/
★発行部数 2,515部(10月20日現在)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆◇◆ Science Communication News ◆◇◆
No.943 2021年10月20日号 巻頭言
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【巻頭言】
★ノーベルウイークが終わり、選挙戦始まる
2021年10月13日〜10月20日
カセイケン代表 榎木英介
カセイケン代表榎木は10月18日にNHKの「視点・論点」に出演しました。
お話しした内容の文字起こし版です。
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/455693.html
また、共同通信に寄稿しました。一部の地方紙には掲載されているようです。
日本の科学とノーベル賞 地に足着けた科学政策を 科学・政策と社会研究室代表理事・榎木 英介
https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/108463
オリジナリティあふれることを言っているわけではなく、今まで述べてきたことを言っているだけではありますが、何かのきっかけになればと思います。
きっかけになるといえば総選挙です。
先週お伝えした通り、各党から公約が出ました。それをもとに公約の比較をしてくださっている方々がいます。
https://twitter.com/satorumuro/status/1450404810205761538?s=21
各政党の学生向け公約まとめ。授業料や奨学金制度はどうなる?【#衆院選2021】
https://news.yahoo.co.jp/articles/7b2684e6151d35567732c01708c26a9f5f0564a2
様々な観点から政策を比較し、それに基づいて投票する。そして公約が実行されたかをしっかり見ていく、こうしたサイクルが回れば、と常々思っています。
そして今回も、私たちカセイケンでは政党アンケート調査を行うことにしました。
第49回衆議院議員選挙科学技術政策アンケートを日本版AAAS設立準備委員会と共同で行います
https://www.kaseiken.org/g-election2021/
このアンケートですが、皆様も投票ができます。政党からの回答と皆様のご意見を比較することも行いますので、お気軽に御投票いただけたらと思います。もちろん個人情報を取得することはありません。
ノーベルウイークに続いて選挙という流れは、科学技術政策をどうするか考える上で良い機会だと思います。
さて今週の気になる記事ピックアップです。
真鍋淑郎氏を「日本人」と称賛することの違和感 見過ごしてはならない国籍はく奪問題
https://news.yahoo.co.jp/articles/a0300b0e561761c2d2910e2bad1b30cdabe6bea1
真鍋氏「頭脳流出」が警鐘 人材ひき付ける環境急務:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD117QB0R11C21A0000000/
人材引き付ける環境が急務:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO76632630U1A011C2M11300/
流石にノーベル賞の熱も下がってきましたが、様々な論点が語られています。一過性のお祭りも重要ですが、最も重要なのは日頃の行動です。
Scientists under attack and weird viruses - the week in infographics
https://www.nature.com/articles/d41586-021-02817-8
‘I hope you die’: how the COVID pandemic unleashed attacks on scientists
https://www.nature.com/articles/d41586-021-02741-x
COVID scientists in the public eye need protection from threats
https://www.nature.com/articles/d41586-021-02757-3
Coronapod: the COVID scientists facing violent threats
https://www.nature.com/articles/d41586-021-02852-5
日本でも専門家が脅迫されるケースが相次いでいますが、これは世界的のようです。
初期のロックダウン遅れ「重大な失敗」 英下院のコロナ検証報告書
https://www.asahi.com/articles/ASPBF2Q0QPBFUHBI002.html
こうした検証を忖度なく行うことが極めて重要で、日本だと会計検査院になるでしょうか。
その会計検査院の指摘が、大学を揺るがしたようです。もちろんそれだけではなさそうな感じもしますが、分かりません。
〈独自〉研究費不正問題の京大霊長類研が解散へ
https://news.yahoo.co.jp/articles/d7f1859b4b2c61e42eb6e9a6bedd10cb9ca9407c
https://www.sankei.com/article/20211014-KLAZL2N64ZKB3CBT4DKDM7L64A/
京大霊長類研が解体へ…「ヒトとは何か」解明目指し、国内外の研究をリード
https://www.yomiuri.co.jp/science/20211015-OYT1T50096/
Kyoto University to close leading primate center over misuse of construction funds
https://www.science.org/content/article/kyoto-university-close-leading-primate-center-over-misuse-construction-funds
10億円を超える研究費不正使用。擁護する声もありますが、2006年の早稲田大学M教授事件以降、21世紀も随分経って続いた業者との不適切な関係…。解体はさておき、何らかの対策は急務だったと思います。
研究活動上の不正行為に係る調査結果について
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news/2021-10-15-0
京都大、霊長類研究所の元教授の4論文 捏造と認定
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6407088
京大、霊長類研究所元教授の論文4本を捏造と判断 記載の実験がなし
https://www.asahi.com/articles/ASPBH65TTPBHPLBJ002.html
京大、霊長類研元教授の論文捏造を認定 4本で実験の事実なく
https://www.chunichi.co.jp/article/348408
続いて出てきた研究不正の問題。
「附置研究所」としての独立性が、問題行為の温床となったということでしょうか。
博士課程の出願者に問題を示唆 京大院教授
https://news.yahoo.co.jp/articles/351ecf2427ffe36ebf89821ed18b0673d2c94073
こちらはグレーゾーンの問題で、内部進学者の方が有利というのは以前から言われてきましたが、こうした行為の積み重ねが、大学院で違う大学に移るという流動性を阻害してきたことにもつながるわけで、研究費不正使用と同様、昔はOKだったなどと言い訳できるものではありません。
As COVAX disappoints, countries turn to home-grown jabs
https://www.scidev.net/global/features/as-covax-disappoints-countries-turn-to-home-grown-jabs/
新型コロナワクチンが、自国優先主義を露骨に可視化しました…。
WHO unveils candidates for new panel to restart study of the pandemic’s origins
https://www.science.org/content/article/who-unveils-candidates-new-panel-restart-study-pandemic-s-origins
WHO names researchers to reboot outbreak origin investigations
https://www.nature.com/articles/d41586-021-02813-y
政治的な問題もあり、微妙な起源の問題…。公正な調査が行われることを期待します。
寄生虫「エキノコックス」、愛知県で犬の感染相次ぐ 人体に入ると重い肝機能障害
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1415703
SNS上では大きな話題になりました。ただ、過剰な反応は問題です。北海道の例もあり、冷静な対応が必要です。
アフガニスタン:全土でポリオ予防接種が再開~タリバンも支援を決断【プレスリリース】
https://www.unicef.or.jp/news/2021/0203.html
https://www.jiji.com/jc/article?k=000001826.000005176&g=prt
House-to-house polio vaccination to resume in Afghanistan
https://www.science.org/content/article/house-house-polio-vaccination-resume-afghanistan
かつてタリバンはワクチン接種を阻害したと言われていますが、良い方向に向かっているようです。タリバンの「世俗化」とでも言いますか、現実的な対応に期待せざるを得ない状況ではあります。
How three refugee scientists kept their research hopes alive
https://www.nature.com/articles/d41586-021-02850-7
難民になっても研究を続ける研究者たち。こうした方々の苦難を世界のアカデミアは支援していく必要があるように思います。
大学院部会(第102回) 配付資料
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/004/gijiroku/1422801_00002.html
佐久間淳一 名古屋大学副総長が、「人文系大学院の課題と対策」というプレゼンをされたようです。
https://www.mext.go.jp/content/20210930-mxt_daigakuc03-000018480_2.pdf
大学自らが改革に取り組まなければならないのは当然で、 教員の意識改革も必要だが、大学だけで解決できる問題でもない。 理系で博士前期課程への進学が当たり前になったのは、 産業界の後押しがあってこそ。 こういう人材なら欲しいといった提案を 社会や産業界からもいただけるとありがたい。
学部4年、大学院5年という枠組み自体が 時代に合わなくなっている面もある。 学制についても、大局的観点からの議論が必要ではないか。
全国イノベーション調査2020年調査統計報告 [NISTEP REPORT No.192] の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/48615
四日市港におけるヒアリの確認について
https://www.env.go.jp/press/110107.html
ヒアリの確認が相次いでいます。
地域貢献 地方国立大が躍進
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO76776020Z11C21A0TCN000/
INTERVIEW 地方大学はどうする? 平田オリザ・芸術文化観光専門職大学学長
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20211026/se1/00m/020/056000c
地方大のあり方をどうするかは大きな課題です。選択と集中では溢れてしまう問題ですね。
トップクラスの研究者を育成、立命館大が立ち上げた新アカデミーの全容
https://newswitch.jp/p/29227
日本学術会議会長談話「国際学術会議(ISC)の理事会役員選挙における日本人役員の選出について」(PDF形式:194KB)
https://www.scj.go.jp/ja/head/pdf/211015-2.pdf
国際学術会議会長に小谷氏
https://mainichi.jp/articles/20211016/ddm/012/040/115000c
国際機関の長に日本人研究者が就任。
How I wrote a pop-science book
https://www.nature.com/articles/d41586-021-02835-6
ポピュラーサイエンス書は重要ですね。
Credit local authors fairly on international research papers
https://www.nature.com/articles/d41586-021-02831-w
オーサーシップ問題。
Consensus statement on measures to promote equitable authorship in the publication of research from international partnerships
https://associationofanaesthetists-publications.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/anae.15597
の著者の方のNature投書。
University offers to rehire professor acquitted of hiding China ties
https://www.science.org/content/article/university-offers-rehire-professor-acquitted-hiding-china-ties
スパイ容疑をかけられた研究者が復職へ。
ロスジェネ単身女性の老後 半数以上が生活保護レベル 自助手遅れ
https://www.asahi.com/articles/ASPBG3RZJPBFUPQJ00H.html
「正社員を守るため非正規が犠牲になった」多くの日本人が貧困に転落した"本当の理由"
https://news.yahoo.co.jp/articles/b7bad7804f6cca2dbc020bb64a68e89ad9d19a8f
80歳以上の新入社員も採用…日本で「定年廃止」相次ぐ
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c7fa84ae21b7704b9fd1249b1282d41de2b26de
これらの記事は、一旦「メンバー」になれば、気心も知れているし、雇い続けるけど、「メンバー」になるチャンスがなければどうしようもないという厳しい現実を示しているように思います。
人手確保へ「学費全額負担」 Amazonやウォルマート
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN15EOG0V10C21A9000000/
人材不足だとこうした「メンバー」へのサービスが充実化するということでしょうか。
付加価値生む人材乏しく 博士号取得、欧米の半分以下
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC118D70R11C21A0000000/
VCが理系博士の採用を拡充 主要50社、本社調査
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC115660R11C21A0000000/
分野によるということなのでしょうが、希望がある分野もあります。
博士学生の有給インターン支援 就職環境整備で研究推進
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE065VE0W1A900C2000000/
大学院は研究するところだろうと言われそうですが、こうした地道な施策は重要です。
Academics need feedback on interpersonal skills. Here’s how I learned to ask for it
https://www.science.org/content/article/academics-need-feedback-interpersonal-skills-here-s-how-i-learned-ask-it
Getting personal
https://www.science.org/doi/abs/10.1126/science.acx9301?af=R
Science’s Dance Your Ph.D. contest is now open, with an AI twist
https://www.science.org/content/article/cite-science-cite-s-dance-your-ph-d-contest-now-open-ai-twist
恒例のダンスコンテスト。
経済安保、公正な競争促進 北村前国家安保局長に聞く
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA10BW20Q1A910C2000000/
北村氏。警察官僚の発想だと、どうしても取り締まり、という方向になってしまうのでしょうか。
【誠のFACT】THE世界大学ランキング2021レビュー〜日本の大学、戦うか闘わざるか、それが問題だ
https://cactusglobal.com/jp/story/the-ranking-review-2021/
愛好家の標本がピンチ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211013/k10013302691000.html
在野の資産です。なんとかならないでしょうか。
10兆円大学ファンド、どう活用するか 有識者2氏に聞く
科学記者の目 編集委員 滝順一
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD160VV0W1A810C2000000/
【スクープ】英紙報道「岸田首相肝煎りの大学ファンド 採用できたのはたった一人」
https://news.yahoo.co.jp/articles/912b800381d6ea3746690fe4edee68d2a7b3804b
話題の大学ファンド。運用面はしっかりして欲しいと思います。
教授になったらセクハラやんだ 尊厳傷つけ、支配する理不尽
https://www.asahi.com/articles/ASPBH4412PB5UPQJ008.html
ハラスメント問題。アカデミアの一部はまだまだ意識が古すぎます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
“Science Communication News”
[SciCom News] No.943 2021年10月20日号 巻頭言
【発行】一般社団法人科学・政策と社会研究室
【制作・編集】サイエンス・サポート・エージェンシー合同会社
【E-Mail】 office@kaseiken.org
【Web Site】 https://www.kaseiken.org/
【Facebook】 http://www.facebook.com/kaseikenorg
メルマガの登録解除、イベント告知依頼などは以下のページからお願いします。
https://www.kaseiken.org/活動/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━