科学・政策と社会ニュースクリップ

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安倍政権の科学技術政策を振り返る

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         No.979 2022年7月13日号 巻頭言
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【巻頭言】
★安倍政権の科学技術政策を振り返る

2022年7月6日〜7月13日
カセイケン代表 榎木英介

 まだショックが治まりません。

日本学術会議会長談話「安倍晋三内閣総理大臣に対する銃撃事件について」(PDF形式:105KB)
https://www.scj.go.jp/ja/head/pdf/20220709.pdf

 先週金曜日に発生した安倍晋三元首相銃撃事件。民主国家で政治家が白昼堂々殺害されるという事件の衝撃は、世界にも広がりました。

 犯人の背景についていろいろ報道もされていますが、ここでは触れません。

 殺害を肯定することは一切できないということははっきりと言っておきたいと思います。

 一方で批判を一切許さないというのもおかしい話ですし、逆に功績に触れるのもいけないというのも問題があります。人には功罪があるのは当然です。

 SNSではその辺りがぐちゃぐちゃになっている感じがして、残念です。

 ここでは、追悼の意味も込めて、安倍政権の科学技術政策を考えてみます。

 すでに安倍首相退陣の時にこのメルマガでも触れています。

https://clip.kaseiken.info/entry/2020/09/01/204145

 最初の安倍政権のことは上記記事では触れませんでしたが、同じ高校出身の黒川清氏をアドバイザーにして「イノベーション25」を作ったことは記憶にあります。
https://www.cao.go.jp/innovation/

基調講演
「長期戦略指針『イノベーション25』これからの日本と世界」
https://www.jst.go.jp/crds/sympo/gies2007/symposium/materials/summary/Summary_Kurokawa_ja.pdf

 この「イノベーション」へのこだわりが、2012年からの2度目の安倍政権に引き継がれたということでしょうか。

 この「イノベーション」とは何か。イノベーション25には以下のように記されています。

イノベーションとは、技術の革新にとどまらず、これまでとは全く違った新たな考え方、 仕組みを取り入れて、新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすことである。

 そして安倍政権末期の2020年、科学技術基本法は科学技術・イノベーション基本法に改正されました。

https://www8.cao.go.jp/cstp/cst/kihonhou/mokuji.html

 総合科学技術会議も頻回に開催され、科学技術政策に関心が高かったのは間違いないところです。

 しかし、問題は「司令塔機能の強化」によるトップダウン

ImPACT
https://www8.cao.go.jp/cstp/sentan/about-kakushin.html

PRISM
https://www8.cao.go.jp/cstp/prism/index.html

SIP
https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/index.html

ムーンショット
https://www8.cao.go.jp/cstp/moonshot/index.html

 といったトップダウン、課題解決型の大型予算がいくつも走りましたが、国立大学の運営費交付金の配分にインセンティブを設けるなど、大学や研究機関、そして研究者が常に競争にさらされ、疲弊していきました。

 総合科学技術会議(のちに総合科学技術・イノベーション会議)の議員も産業界寄りの人が多く、基礎研究を中心とした現場の声を聴くという感じではなかったように思います。

 決してトップダウンが全て悪いというわけではありませんが、もう少し裾野を広げる方向にも目配りしていたらと思わざるを得ません。

 産業政策の下部構造としての科学技術政策ですね。それはそれで一つの方向だとは思いますが、途上国型の開発重視の科学技術という感じでした。

 デュアルユース研究に関しては、防衛設備庁の

安全保障技術研究推進制度
https://www.mod.go.jp/atla/funding.html

 が開始されたことが大きいですね。これに伴い、日本学術会議が声明を出し、さらに任命拒否問題につながっていったことが記憶に新しいところです。

 任命拒否もそうですが、「反日的」とされる研究に対する批判といった、アカデミアの自律に手を突っ込んできた、あるいは時に乱暴な非難が起こるようになったのも、トップダウン重視の間接的影響のように思います。

 こうした流れの中に今の日本の研究が置かれた状況があるわけです。もちろん、必ずしも安倍首相だけがイニシアチブをとったわけではありません。その辺りはしっかりと区別していくべきではありますが、全否定でも全肯定でもないリアルで地に足のついた評価が不可欠だと思います。

Mass layoff looms for Japanese researchers
https://www.science.org/content/article/mass-layoff-looms-japanese-researchers

 サイエンス誌が理研などの雇い止め問題を取り上げました。私(榎木)のコメントも出ています。

日本の研究者雇い止め「深刻」/『サイエンス』誌が報道/田村智子議員の質問を紹介
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik22/2022-07-13/2022071314_01_0.html

 こうした中、日本学術会議が幹事会声明を出しました。

日本学術会議幹事会声明「有期雇用研究者・大学教員等のいわゆる「雇止め」問題の解決を目指して」(PDF形式:263KB)
https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-25-kanji-3.pdf

 ちょっと遅いし、これからやります、という声明ではありますが、是非これからしっかりと取り組んでいただけたらと思います。

「科学技術立国」(5) 榎木英介・一般社団法人科学・政策と社会研究室代表理事 2022.7.13
https://youtu.be/rlwXp1LfJfM

 雇い止め問題に関しては、昨日(7月13日)日本記者クラブでお話しさせていただきました。よろしければご覧ください。

 この問題を曖昧なまま放置してはいけません。立場を問わず、解決を目指して動いていきましょう。

揺らぐ「科学技術立国」 不安定雇用の若手研究者が増加 参院選でも振興策が論点に:東京新聞 TOKYO Web
https://www.tokyo-np.co.jp/amp/article/187902

「科学技術立国」掲げるのに研究者の雇用不安定 「学生に勧められない」:中日新聞Web
https://www.chunichi.co.jp/article/503520

中国に流出する日本の頭脳、研究環境求め 人材・資金難で大学は疲弊(京都新聞) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/0f3262eab5dfcbfb63777eef070addf09da4a008

中国へ、米国へ…流出する頭脳、資金力なく見放される日本
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00478/062900004/

 参院選終了。直前にはYahoo!ニュース個人に記事を書いて各党の政策を比較しました。

参院選直前~各党の科学技術政策は?(榎木英介) - 個人 - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/enokieisuke/20220709-00304734

 昨日の日本記者クラブの会見で、どうして各党とも研究者支援をいうのに実現しないのか、という質問を受けました。

 それは研究者支援という大きな部分では一致しても、誰を支援するかで意見が分かれるからではないかと思います。

 しかしながら、合意の形成の余地はあるわけで、希望の光の一筋だと思います。

<社説>研究論文の不正 学術界は再発防止急げ:北海道新聞 どうしん電子版
https://www.hokkaido-np.co.jp/sp/article/702618

記者の目:福井大教授の学術論文「偽装」疑い 査読不正防ぐ国の指針を=鳥井真平(東京科学環境部) | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20220706/ddm/005/070/005000c

 鳥井記者のスクープで査読偽装が広く認知されるようになりました。

 アカデミアの自律に期待したいところですが…。

御嶽山噴火で夫亡くした女性 気象庁に「責任感も力もなかった」(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/e7aeac3a61b9e9c9f375383715f6fef4ad52a88e

 気象庁の判断が問われた裁判。火山の専門家の育成や、気象庁の予算といった部分の問題でもあり、科学が問われた裁判でもあります。

佐賀県みやき町におけるヒアリの確認について
https://www.env.go.jp/press/press_00224.html

本件は、中国南沙港を出港し、博多港で陸揚げされ、陸路で佐賀県みやき町の事業者敷地に搬入されたコンテナ内において、ヒアリ約100個体が発見されたものです。なお、荷下ろし中に作業員2名に刺傷被害がありましたが、健康上の支障は生じていません。

 とのことです。刺された作業員の方々がご無事でなによりです。

【ザ・インタビュー】理系人間よ、メディアに来たれ 同志社大助教 桝太一さん著『桝太一が聞く 科学の伝え方』
https://www.sankei.com/article/20220710-LE2IBJORNFPHZDR73BOKRQNN3U/

 桝さんが科学コミュニケーションに軸足を置いたことは大きく、まさに「マス」対象に声が届きやすいでしょう。

小学6年生の「将来就きたい職業」 | kuraray
https://www.kuraray.co.jp/news/2022/220707

小6「将来就きたい職業」 1位は「スポーツ選手」 男女とも人気上昇 =クラレ調べ=
https://ict-enews.net/2022/07/11kuraray/

 研究者もそこそこ上位に。

Bullying in science: largest-ever national survey reveals bleak reality
https://www.nature.com/articles/d41586-022-01837-2

 アカデミアのいじめ問題を取り上げた調査。女性、大学院生が被害に遭っています。この問題の直視を。

Inclusion doesn’t lower standards
https://www.science.org/doi/10.1126/science.add7259

 サイエンス誌の巻頭言。

Biden reveals Webb telescope’s reach with first picture of thousands of galaxies
https://www.science.org/content/article/biden-reveals-webb-telescopes-reach-with-first-picture-of-thousands-of-galaxies

 大統領自らが歴史的研究成果を発表。

Draft bill would ban CDC, NIH from funding lab research in China
https://www.science.org/content/article/draft-bill-would-ban-cdc-nih-funding-lab-research-china

 中国との関係に苦慮するアメリカ。

Scientific conferences mull relocating over abortion access
https://www.nature.com/articles/d41586-022-01884-9

 先ほどの判決の余波。

Memo to Boris Johnson’s successor: tell the truth, respect evidence and restore trust
https://www.nature.com/articles/d41586-022-01894-7

 ジョンソン首相辞任表明。そのイギリスですが、EUとの離別で研究環境が悪化。

EU Cancels Funding for UK Researchers in Ongoing Brexit Fallout
https://www.the-scientist.com/news-opinion/eu-cancels-funding-for-uk-researchers-in-ongoing-brexit-fallout-70200

Why the party is over for Britain’s Research Excellence Framework
https://www.nature.com/articles/d41586-022-01881-y

We built a science institute from scratch
https://www.nature.com/articles/d41586-022-01902-w

Russia’s war in Ukraine forces Arctic climate projects to pivot
https://www.nature.com/articles/d41586-022-01868-9

 戦争は続いています。研究への影響もじわじわと。

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[SciCom News] No.979 2022年7月13日号 巻頭言
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頭脳流出の論点、参院選

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【巻頭言】
★頭脳流出の論点、参院選

2022年6月29日〜7月5日
カセイケン代表 榎木英介

 選挙が迫ってきました。

 私たちカセイケンはJAASと共同で、今回も政策アンケートを送っています。

第26回参議院議員選挙科学技術政策アンケートを日本科学振興協会(JAAS)と共同で行います
https://www.kaseiken.org/election2021-p1/

 回答があり次第お伝えしますが、ちょっと例年より反応が鈍そうです。

第26回参議院議員選挙科学技術政策アンケート 各党の解答
https://www.kaseiken.org/election2022-2/

 報道でも科学技術政策に関する記事がちらほら出ており、以前より関心が高まっているようにも思います。

揺らぐ「科学技術立国」 不安定雇用の若手研究者が増加 参院選でも振興策が論点に:東京新聞 TOKYO Web
https://www.tokyo-np.co.jp/article/187902

 JAASの馬場さんが取り上げれ荒れています。他にも以下のような記事が。

研究職、改善進まない労働環境 パワハラ被害の訴え届かず <参院選・暮らしどこへ> | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS
https://kahoku.news/articles/20220703khn000013.html

研究力低下、「選択と集中」は大失敗 山極前京大総長「多少ばらまきでも」 参院選2022 現状の課題「焦点」|主要|地域のニュース|京都新聞
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/824592

疲弊する大学、低迷する日本の研究力 資金偏り、現場しわ寄せと頭脳流出 参院選2022 現状の課題「焦点」|社会|地域のニュース|京都新聞
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/824578

[サイエンス Report]科学技術政策の課題 3氏に聞く : 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/science/20220702-OYT8T50046/

 関心が高まっているとしたら嬉しいことです。ともかく、私たちのアンケートにもどうかご回答を。

〈成長の未来図〉知で越える危機(1)高度人材、国境越え争奪:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62317890V00C22A7MM8000/

高度人材、国境越え争奪 ロシア「頭脳流出」30万人超:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCA273EQ0X20C22A5000000/

 頭脳流出、brain drainの問題。日経はさらに、若者が海を渡らないと嘆いています。

〈成長の未来図〉知で越える危機(2)「エラスムス世代」留学で鍛錬:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62357660W2A700C2MM8000/

 しかし、バブル期などによく企業や官公庁からの紐付きで留学した人がいましたが、本当にそれは「外向き志向」だったのでしょうか。

 そして今、日本の環境の悪化に背中を押され、切実な思いで海外に出る研究者が出ています。

中国へ渡る日本人研究者、そこから見えた日本の大問題
https://www.asahi.com/articles/ASQ713TBDQ6XULZU00T.html

 ところが、そういう若手たちを売国奴、スパイとバッシングしているのは、私たち日本の社会です。

 外に出ろ出ろ言っておきながら、出たら叩く。

 外国に行って「異能」を身に付けた人材など、予定調和の「メンバーシップ型」からしたら撹乱要因。国内の人材にとって、自分の仕事を奪う可能性のある人材を優遇しない組織が多いのが現状です。

 それは、国内の「異国」大学院に行って博士号を取得した人材が大学街で評価されないのと同じです。

 「内向き志向」を作り出したのは誰か。

 何でも精神論に落とし込まず、リアルな現実を見る目が必要です。

小林内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年6月21日 - 内閣府
https://www.cao.go.jp/minister/2111_t_kobayashi/kaiken/20220621kaiken.html

小林内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年6月17日 - 内閣府
https://www.cao.go.jp/minister/2111_t_kobayashi/kaiken/20220617kaiken.html

 大臣の会見です。6月17日にはJAASに、21日には理研の雇い止めに言及しています。

 政府が雇い止め問題に介入する意図は乏しいそうです。

科学技術・学術審議会 大学研究力強化委員会(第5回) 配布資料
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu32/siryo/000017833_00003.html

議題

大学研究力強化に向けた取組 (1. 世界と伍する研究大学の実現に向けた大学ファンドの創設 2. 地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ 3. 大学の強みや特色を伸ばす取組の強化(大学研究力関係))

 大学ファンドのあり方について議論がはじまっています。

資料2:「日本学術会議のより良い役割発揮に向けて」に掲げた具体的な取組事項の進捗状況(PDF形式:793KB)
https://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/kanji/pdf25/siryo327-yakuwari220629.pdf

 日本学術会議

同志社大学 桝太一さんが『学研の科学』の"特別研究員"に! | 学研プラス公式ブログ https://gkp-koushiki.gakken.jp/2022/07/05/49090/

桝太一氏、7日創刊「学研の科学」特別研究員に「子ども世代の科学との接点について考えていく」(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/e8502ad7f6eeef1943c5cdb74639c57e5f93ab42

 一躍サイエンス・コミュニケーションのアイコンとなった桝さん。期待が高まっています。

投獄されたイラン人学者に支援の声を
https://www.natureasia.com/ja-jp/ndigest/v19/n7/%E6%8A%95%E7%8D%84%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3%E4%BA%BA%E5%AD%A6%E8%80%85%E3%81%AB%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%81%AE%E5%A3%B0%E3%82%92/114743

 イラン国内で複数の研究者が投獄されています。

 学術会議も声明を出していましたが、非常に大きな問題です。

日本学術会議会長談話
「アフマドレザ・ジャラリ博士の状況に対する深刻な懸念について」
https://www.scj.go.jp/ja/head/pdf/20220518.pdf

出版料をだまし取る“ニセ学術誌”のリストが登場 本物と見分けがつかない詐欺サイト150以上を掲載(要約):Innovative Tech - ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/spv/2207/04/news037_0.html

 Retraction Watch

Ten Years of CRISPR
https://www.the-scientist.com/news-opinion/ten-years-of-crispr-70171

CRISPR, 10 Years On: Learning to Rewrite the Code of Life - The New York Times
https://www.nytimes.com/2022/06/27/science/crispr-gene-editing-10-years.html

 10年経ちました。

AIが自分自身について論文を書き、それが学術誌に投稿される : カラパイア
https://karapaia.com/archives/52314118.html

 研究者という職業が危機に晒されている?

Pentagon UFO study led by researcher who believes in the supernatural
https://www.science.org/content/article/pentagon-ufo-study-led-researcher-who-believes-supernatural

 アメリカのUFO問題がここしばらく話題ですが、率いているのが超科学信奉者ではないかとの懸念を述べています。

When should U.S. research be stamped ‘top secret’? NSF asks for a new look at the issue
https://www.science.org/content/article/when-should-u-s-research-be-stamped-top-secret-nsf-asks-new-look-issue

 中国との関係で、アメリカの科学の開放性が脅かされていると。日本も同じ問題に直面していると思います。

博士課程に進学しよう!
https://www.nagoya-u.ac.jp/info/upload_images/20220629_jimu.pdf

名古屋大学奨学金2倍 博士学生に年173万円、返済不要:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD293C90Z20C22A6000000/

名大が院生支援拡大 博士は9割対象に
https://www.chunichi.co.jp/article/498773

大学院生に出世払いの奨学金導入?名古屋大学は博士課程・年173万円返済不要
https://biz-journal.jp/2022/07/post_305289.html

 名古屋大。力入っています。

女性の科学分野へ貢献、軽視の理由は? 米大学が調査の重要性を指摘(Forbes JAPAN) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/f62a66faa579122a2655d456bd810174b2f00653

学部生の卒業研究は何のために行うのか 大学の性質から考える
http://allatanys.jp/blogs/17523/

 大学改革から取り残される学部生。研究者にならない人たちこそ、学術、科学を支える人たちになりうるのに、ちょっと軽視しすぎではないかと思います。アンチ学術の人を増やしているのではないかと懸念も抱きます。

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日本発「ゾンビ論文」の恐怖

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サイエンスアゴラ2022開催日程・テーマ
・オンライン開催:10月20日(木)~22日(土)
・実地開催:11月4日(金)~6日(日)
  会場 テレコムセンタービル他(お台場 青海地区)

・今年のテーマは「まぜて、こえて、つくりだそう」です。
誰もが暮らしやすい未来に必要なのは、自分だけでは気づけなかった、多様な問題意識や考え方でしょう。
今年のサイエンスアゴラは、集まった人々の知恵をまぜて、今ある枠組みや思い込みをこえて、よりよい未来をつくることに挑戦します。

●企画応募締切:6月30日(木)
募集要項など詳細は次のURLよりご確認ください。
応募方法:https://www.jst.go.jp/sis/scienceagora/2022/entry.html

<お問合せ先>
国立研究開発法人科学技術振興機構JST)「科学と社会」推進部 
サイエンスアゴラ事務局 E-mail:agora@jst.go.jp
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【巻頭言】
★日本発「ゾンビ論文」の恐怖

2022年6月22日〜29日
カセイケン代表 榎木英介

 最近ゾンビ映画をよく見ます。

 特に話題の「Kゾンビ:韓国ゾンビ」、「今、私たちの学校は…」はお気に入りの一つです。

 しかし、学術の世界にゾンビが出たとなると、笑ってすませることはできません。

‘Zombie papers’ just won’t die. Retracted papers by notorious fraudster still cited years later
https://www.science.org/content/article/zombie-papers-wont-die-retracted-papers-notorious-fraudster-still-cited-years-later

 これは私も何度も記事にするなど、最悪の研究不正として一部では知られる元弘前大の研究者S氏の論文が、撤回されたにもかかわらず引用され続けているという事実を指摘する記事です。一部では診療ガイドラインにさえ根拠として引用されているわけです。

 これらは「ゾンビ論文」と呼ばれています。撤回され「死んでいる」にもかかわらず、引用され続け影響を与え続けるということです。

 一部では撤回論文を注意喚起するなどこうした状況に対処する動きも出ていますが、長期にわたって科学コミュニティを混乱に陥れ、患者に害を与えるわけです。

 研究不正やQRP(疑念ある研究行為)は一部の人間のやることだから自分には関係ない、と無関心だったり、あるいは余計な手間が増えたと被害者ぶる人も多いですが、少なくとも関心を持って欲しいなと思います。

 論文出版直後に撤回されたSTAP細胞をはるかに上回る不正ですが、知っている人が少ないこの研究不正が、日本の研究に与える負の影響は計り知れないものがあります。

RETRACTED: Epigenetic modification of the oxytocin gene is associated with gray matter volume and trait empathy in mothers - ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0306453020304492

福井大教授の「査読偽装」認定 オランダの出版社、論文1本撤回 | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20220625/k00/00m/040/120000c

福井大教授らの論文、出版社が撤回 査読めぐり「明白な違反」認定
https://www.asahi.com/articles/ASQ6V5J9XQ6VPLBJ001.html

 毎日新聞の鳥井記者のスクープで知られた査読偽装。ついに一本の論文撤回となりました。

 こちらもまだまだ闇は深そうで、続報を待ちたいと思います。

科学振興のための草の根組織がついに日本でも誕生 - 高橋真理子|論座
https://webronza.asahi.com/science/articles/2022062600001.html

「対話する科学」新たな挑戦 「日本科学振興協会」が発足、初の民間普及団体
https://www.asahi.com/sp/articles/DA3S15337224.html

「日本の科学をもっと元気に」日本科学振興協会が初の大規模イベントを開催
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20220623-2375557/

 JAASの報道が続いています。キックオフは成功と言っていいのではないかと思います。今後の活動に期待します。

日本が結核「蔓延国」から、初めて「低蔓延国」入りへ…患者数が欧米並みに
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20220623-OYT1T50198/

 大阪はじめ関西で仕事をしていると、結核は本当に身近な疾患なのですが、ようやく低蔓延国に。さらに減少して欲しいと思いますし、関係者の努力をたたえたいと思います。

サル痘の緊急宣言を見送り WHO - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6430646

 気になるサル痘。緊急宣言は見送られましたが、警戒は怠るべきではない段階です。

(記者解説)原発事故、被害者賠償は 早期の救済へ国の指針見直し必須 編集委員南相馬支局長、大月規義
https://www.asahi.com/articles/DA3S15335833.html

 重要な指摘です。

第1回経済安全保障重要技術育成プログラムに係るプログラム会議 - 科学技術・イノベーション - 内閣府
https://www8.cao.go.jp/cstp/anzen_anshin/program/1kai/1kai.html

 経済安保が科学技術政策の中で議論され始めましたが、規制に行きすぎない効果的な対策が求められます。だから

大学でスパイ対策啓発 愛知県警、研究流出防止に 経済安保:地域ニュース : 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/local/chubu/news/20220627-OYTNT50000/

 この読売新聞の記事のように、基礎研究も千人計画も全て悪、留学生はスパイみたいな雑な解像度ではダメなのですが…。

大学院部会(第107回) 配付資料
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/004/gijiroku/1422801_00008.html

議題

大学設置基準の改正に伴う大学院設置基準等の改正 について
「総合知」の基本的考え方及び戦略的に推進する方策 中間とりまとめ報告 について
人文科学・社会科学系の大学院教育に関する方向性 中間とりまとめ について

「民間企業の研究活動に関する調査報告2021[NISTEP REPORT No.193]の公表について」
https://www.nistep.go.jp/archives/51937

研究開発者の新卒採用が増加…民間企業の研究活動調査(リセマム) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/563e1bbd7550459891cce222df559f871b553cc8

 恒例の重要な調査。結局博士を雇うより社員を博士にするというメンバーシップ型が研究開発を行う企業では強いようです…。

4大学、化学研究の新機構設立へ 世界トップの拠点目指し連携強化(共同通信) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/635efbd69348c70f0193ef01ecb84147494c3f7e
https://www.chunichi.co.jp/article/494982

Hijacked-journal tracker helps researchers to spot scam websites
https://www.nature.com/articles/d41586-022-01666-3

 撤回論文監視でお馴染みの理トラクションウォッチが、「ハイヤックジャーナルトラッカー」を立ち上げ。

The Retraction Watch Hijacked Journal Checker
https://retractionwatch.com/the-retraction-watch-hijacked-journal-checker/

How science can tackle inequality
https://www.nature.com/articles/d41586-022-01721-z

 Natureの特集。科学が貧困問題解決にどう貢献できるか。こうした課題を日本のアカデミアももっと取り上げるべきだと思ったりもします。

The US Supreme Court abortion verdict is a tragedy. This is how research organizations can help
https://www.nature.com/articles/d41586-022-01760-6

After Roe v. Wade: US researchers warn of what’s to come
https://www.nature.com/articles/d41586-022-01775-z

 中絶問題。科学にも影響をあたえます。

U.S. universities fight Senate innovation bill targeting foreign gifts to faculty
https://www.science.org/content/article/u-s-universities-fight-senate-innovation-bill-targeting-foreign-gifts-faculty

Democrats lobby for high-tech immigration reforms in innovation bill before Congress
https://www.science.org/content/article/democrats-lobby-high-tech-immigration-reforms-innovation-bill-congress

Biden Nominates New Science Advisor | The Scientist Magazine®
https://www.the-scientist.com/news-opinion/biden-nominates-new-science-advisor-70161

 サイエンスアドバイザー決まる。

U.K. set to abandon Europe’s top science funding program, go it alone
https://www.science.org/content/article/u-k-set-abandon-europe-s-top-science-funding-program-go-it-alone

 完全にさよならEUですね。

中国、科学技術の人的資源が1億1234万1000人で世界一を維持
http://j.people.com.cn/n3/2022/0627/c95952-10115396.html

中国の科学技術の人的資源、億人規模以上 若年化の傾向が際立つ 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
https://www.afpbb.com/articles/-/3411690

 規模が違いますね。

科学コミュニティー:科学論文に著者と明記される女性研究者が男性研究者より少ない
http://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/14114

Women scientists don’t get authorship they should, new study suggests https://www.science.org/content/article/women-scientists-don-t-get-authorship-they-should-new-study-suggests

Women are Credited Less in Science than are Men
https://www.nature.com/articles/s41586-022-04966-w

Women scientists don’t get authorship they should, new study suggests
https://www.science.org/content/article/women-scientists-don-t-get-authorship-they-should-new-study-suggests

‘Ignored and not appreciated’: Women’s research contributions often go unrecognized
https://www.nature.com/articles/d41586-022-01725-9

 こうした状況にもかかわらず

「科学を信頼」…日本における信頼度は88%で過去最高|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社
https://newswitch.jp/p/32683

理系活躍 意識と実情に差:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62009150U2A620C2TY5000/

 無意識の偏見は強いですね。大きな課題です。

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“Science Communication News”
[SciCom News] No.977 2022年6月29日号 巻頭言
【発行】一般社団法人科学・政策と社会研究室
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参院選、雇い止め問題、日本の大学の「研究力」低下

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         No.976 2022年6月22日号 巻頭言
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サイエンスアゴラ2022開催日程・テーマ
・オンライン開催:10月20日(木)~22日(土)
・実地開催:11月4日(金)~6日(日)
  会場 テレコムセンタービル他(お台場 青海地区)

・今年のテーマは「まぜて、こえて、つくりだそう」です。
誰もが暮らしやすい未来に必要なのは、自分だけでは気づけなかった、多様な問題意識や考え方でしょう。
今年のサイエンスアゴラは、集まった人々の知恵をまぜて、今ある枠組みや思い込みをこえて、よりよい未来をつくることに挑戦します。

●企画応募締切:6月30日(木)
募集要項など詳細は次のURLよりご確認ください。
応募方法:https://www.jst.go.jp/sis/scienceagora/2022/entry.html

<お問合せ先>
国立研究開発法人科学技術振興機構JST)「科学と社会」推進部 
サイエンスアゴラ事務局 E-mail:agora@jst.go.jp
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【巻頭言】
参院選、雇い止め問題、日本の大学の「研究力」低下

2022年6月14日〜21
カセイケン代表 榎木英介

 参院選が公示され、選挙戦が始まります。

 今回もカセイケンではJAASと合同でアンケートを各政党に送ります。

 政治との関わり方は色々あって良いと思います。選挙はそのうちの一つでしかありません。もちろん大きなものですが。

 アドボカシーもロビイングもデモも。それぞれが生活を営む中、できることをすれば良いと思っています。

 私たちはこの関わり方を続けます。自ら政治家になるという方向は今のところ目指していません。ご期待いただくのは嬉しいですが…。

 以下主要各党の公約です。15の政党と政治団体が届けています。来週号では科学技術の部分を比較してみたいと思います。

自民党政策パンフレット
https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/pamphlet/202206_pamphlet.pdf

「日本を守る。」「未来を創る。」 高市政調会長参院選公約を発表  | お知らせ | ニュース | 自由民主党
https://www.jimin.jp/news/information/203808.html

参院選公約を決定 | お知らせ | ニュース | 自由民主党
https://www.jimin.jp/news/information/203765.html

公約・政策パンフレット | 重点政策 | 自由民主党
https://www.jimin.jp/policy/pamphlet/

重点政策 | 第49回衆議院選挙 特設サイト | 公明党
https://www.komei.or.jp/special/shuin49/policy/

立憲民主党 | もっと良い未来
https://elections2022.cdp-japan.jp/

日本維新の会 参議院議員選挙2022
https://o-ishin.jp/sangiin2022/

― 国民民主党が提案する政策5本柱 ―
給料を上げる。国を守る。
https://new-kokumin.jp/wp-content/uploads/2022/05/5796364b8461b73843646459dd0f9e09.pdf

2022参議院選挙政策│日本共産党の政策│日本共産党中央委員会
https://www.jcp.or.jp/web_policy/2022cat/

2022参議院選挙政策│2022参議院選挙政策│日本共産党の政策│日本共産党中央委員会
https://www.jcp.or.jp/web_policy/2022/06/2022-sanin.html

れいわ新選組 2021年 衆議院選挙 マニフェスト「れいわニューディール」 | れいわ新選組
https://reiwa-shinsengumi.com/reiwa_newdeal/

がんこに平和 くらしが一番~社民党参院選の公約とビジョンを発表~ - 社民党 SDP Japan
https://sdp.or.jp/sdp-paper/manifest-poster/

 労働契約法の「10年ルール」悪用により、雇い止めされる研究者が多数出そうな状況はなかなか動きが鈍いのが現状です。

 こうした中、理化学研究所の労組が救済を申し立てました。

理研、研究者600人雇い止め方針を撤回せず 労組が救済申し立て 今年3月以降100人近く去る
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202206/sp/0015402998.shtml

「雇い止め撤回の要求に回答先送り」 理研労組が救済申し立て
https://www.asahi.com/articles/ASQ6N766CQ6NULBH005.html

雇い止めで救済申し立て 理化学研究所労働組合
https://www.tokyo-np.co.jp/article/184563

雇い止めで救済申し立て 理化学研究所労働組合
https://kahoku.news/articles/knp2022062001000715.html

 Twitter理研労が明らかにしたところによると、チームリーダーの方が研究を断念し、外資系企業に移るそうです。

https://twitter.com/riken_union/status/1538730790246567938?s=21&t=5io3tcF6L_W2aRu-bK1uCQ

 人材の流動化を否定はしませんが、スムーズに人が流れていません。いわば流動化の「目詰まり」が起きていて、外部資金を得られるほどの実力があっても行き場を失っています。

 これでは外資、外国に人材が流れるのは当たり前であり、売国奴、無責任と罵っても何もなりません。

 こういうことを書くと、アメリカ流の「明日からオマエはクビだ」的解雇自由を唱える人が現れますが、アメリカ以外の国でそこまで解雇自由な国はありませんし、当のアメリカが分断と影響力低下に直面しつつあるのはどう考えればいいのでしょうか。

 理研の話に戻りますが、結局五神新理事長もこの問題には冷淡で、問題解決に前向きな姿勢がみられません。

 理研はわずか2ヶ月程度で既に自力で100ほどの人が次の職を見つけているそうです。少し安心はしました。

 とはいえ、簡単に職を得られない人は多いと思われます。

 研究が途絶える問題と、職がなくなってしまう問題の2つの問題がありますが、どちらも早急に、そして言葉だけでなく行動でなんとかしていかなければなりません。

 カセイケン代表の榎木は、7月13日水曜日の午後に日本記者クラブで講演をさせていただくことになりました。

 当然この問題含め、研究人材のあり方について語ることができればと思っています。

留学生数、5年後にコロナ前水準の回復目指す…目安は外国人31万人・日本人12万人
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220621-OYT1T50118/

 国際交流を促す方向と、経済安保がらみで、外国に行くことも外国人材を受け入れることも批判を浴びるというチグハグな状況です。

 選挙前、中国を中心にこのあたりが意図的に問題にされはじめています。

「中国の資金援助は助かる」と日本人研究者…破格の待遇で世界の人材を集める「千人計画」の恐ろしい目的 日米欧による"科学技術の競争"とは狙いがまったく違う
https://president.jp/articles/amp/57786

 前国家安全保障局長の北村滋氏の著書の一部が記事になっています。

 著書自体は少し前出版で、私も一読していますが、この時期にこうした記事が出たことに意図を感じます。

 「右」の票が欲しい政治家はこうしたデマを流すでしょうし、そうでなくても票を気にしてこのあたりに触れない政治家もいるでしょう。

 こうした記事には要注意です。

Nature Index 2022 Annual Tablesでは、中国の研究機関が圧倒的な存在感を示す | Nature Portfolio https://www.natureasia.com/ja-jp/info/press-releases/detail/8922

Nature Index Annual Tables 2022: China’s research spending pays off https://www.nature.com/articles/d41586-022-01669-0

世界の大学・研究所の「研究力」、トップ10に中国4機関がランク入り…日本は東大の14位が最高 : 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/science/20220621-OYT1T50074/

 日本の「研究力」下落は当たり前すぎてもはやニュース価値はないのかもしれません。

 選択と集中してなかったらもっと下落していた、解雇自由がない日本でこれだけの実力あるのだからなかなかだといった発言も聞かれます。

 それは違うと多くは思っていると思いますが、こうした言説にはきちんと反論していかないといけません。

 ある対策をしても効果がない時、対策が問題ではなく、対策以外に問題があるとされてしまうのはままあることですから。

What causes Long Covid? Here are the three leading theories
https://www.science.org/content/article/what-causes-long-covid-three-leading-theories

How common is long COVID? Why studies give different answers
https://www.nature.com/articles/d41586-022-01702-2

 コロナ後遺症はメカニズムの解明途上です。

岸田総理は第93回新型コロナウイルス感染症対策本部を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202206/17corona.html

新型コロナウイルス感染症対策本部(第 93 回)
議事次第
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/th_siryou/sidai_r040617.pdf

コロナなど感染症対策 司令塔・病床確保になお課題:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA14BWM0U2A610C2000000/

 日本版○○というのは色々ありますが、今度は日本版CDCです。実効性ある組織になってほしいですが…。

新型コロナ対策 有識者会議が報告書 “病床確保の措置不十分”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220615/k10013672371000.html

尾身氏「聴取たった7分」のコロナ検証報告書 「お手盛り」批判も - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20220615/k00/00m/040/338000c

司令塔機能の強化、デジタル化の推進求める コロナ検証有識者会議
https://www.asahi.com/articles/ASQ6H5JTMQ6HUTFL009.html

 有識者会議の報告書は上記の議事次第にもでていますが、もとはこちら。

新型コロナウイルス感染症へのこれまでの取組を踏まえた 次の感染症危機に向けた中長期的な課題について
2022年6月15日 新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/coronavirus_yushiki/pdf/corona_kadai.pdf

 検証は負の側面まできっちりとみていかなければなりませんが…。

専門家「群発地震の一環」「地盤緩い地域で震度大きく」…石川で震度6弱 : 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/science/20220619-OYT1T50117/

 能登半島で続く地震。警戒が必要です。

最高裁、国の責任認めない判断 福島原発事故の避難者訴訟
https://www.sankei.com/article/20220617-G7DXMX43UFNQJMU5JHRQO2NM5E/

 この判決に批判が噴出しています。

G7科学技術大臣会合 - 科学技術・イノベーション策 - 内閣府
https://www8.cao.go.jp/cstp/kokusaiteki/g7_2022/2022.html

末松大臣が日本経済団体連合会と懇談
https://www.mext.go.jp/b_menu/activity/detail/2022/20220616.html

専門人材、処遇で重視を 十倉経団連会長に要請―末松文科相時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022061600482&g=soc

 なんか「オマエのせいだ」になっているような気もしますが…。

「我が国の大学の研究活動における研究マネジメントの状況に関する分析」[DISCUSSION PAPER No. 208]の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/51926

大学ファンド活用で「2050年に東大抜く」 早大総長再選の田中氏
https://www.asahi.com/articles/ASQ6K6TZBQ6KUSPT00K.html

10兆円ファンド検討の農工大学長「大学の大きさではなく信念大事」
https://www.asahi.com/articles/ASQ6N6HHJQ6MULBH001.html

 大学ファンドを積極的に活用しようとする大学が出てきていますが、毒饅頭を解毒できるでしょうか…。

研究倫理ガイドラインの制定および、研究倫理審査委員会の運営を開始 ~倫理的・科学的に社会から受容される健全な研究開発の推進強化へ~
https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=27708

Why Won't Academia Let Go of 'Publish or Perish'?
https://undark.org/2022/06/16/why-wont-academia-let-go-of-publish-or-perish/

目標の3倍、3千万円達成 奥州・国立天文台水沢観測所CF | 岩手日報 IWATE NIPPO
https://www.iwate-np.co.jp/article/2022/6/19/118388/amp

国立天文台 水沢VLBI観測所 進むブラックホール研究にご支援を。 - クラウドファンディング READYFOR
https://readyfor.jp/projects/naoj-mizusawa

 壮挙だと思いますが、国の研究機関がクラファンでよいのかというモヤモヤがつきまといます。

学際・超学際研究における研究公正に関する調査の報告書を掲載 - RISTEX 社会技術研究開発センター
https://www.jst.go.jp/ristex/info/topics/20220617_01.html

出張先で異性の学生と繰り返し同宿 早大教員をアカハラで処分
https://mainichi.jp/articles/20220617/k00/00m/040/162000c

アカハラで停職6カ月〉「自宅や研究室で性行為を…」早稲田大学“女性准教授”が男子学生に訴えられた
https://bunshun.jp/articles/-/55289

 女性の教員が男性に、ということですが、男女に関係なく権力を濫用した行為は許し難いと思います。

Predatory Journals That Publish Shoddy Research Put People's Lives at Risk
https://www.scientificamerican.com/article/predatory-journals-that-publish-shoddy-research-put-people-rsquo-s-lives-at-risk/

 捕食ジャーナル問題。

Research must do no harm: new guidance addresses all studies relating to people
https://www.nature.com/articles/d41586-022-01607-0

 nature社説。研究対象の保護は極めて重要です。

NIH launches grant program aimed at closing the funding rate gap between Black and white investigators
https://www.science.org/content/article/nih-launches-grant-program-aimed-closing-funding-rate-gap-between-black-and-white


「STEM目指す女子への偏見ない」日本が世界1位。現実とギャップ(BUSINESS INSIDER JAPAN) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/2cd84a7da99dce991316a27defcf3f1b0beff9b7

 無意識の偏見問題。バイアスフリーということはないのですから、自覚が必要です。

New study details many ways scientists from minority groups are disadvantaged in STEM | Science | AAAS
https://www.science.org/content/article/new-study-details-many-ways-scientists-minority-groups-are-disadvantaged-stem

「日本の科学を、もっと元気に」、JAASキックオフ
https://sp.m3.com/news/open/iryoishin/1052457

科学関係者組織「日本科学振興協会(JAAS)」、初の大規模イベントは集客好調:日経バイオテクONLINE
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/column/16/020100064/061800009/

日本の科学を「元気に」、若手らNPO法人 研究力の回復めざす:朝日新聞デジタル
https://digital.asahi.com/sp/articles/DA3S15328467.html

「科学を元気に」若手研究者ら団体設立 環境改善の声、政治に届ける(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/782fce840a30f0735b54b0844339033cf7aedc50

 JAASのキックオフイベントが開催。

憂楽帳:博士アイドル | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20220620/dde/041/070/013000c

ジャニーズ2人目の大学院進学者 7 MEN 侍・本高克樹が目指す“自分像”
https://dot.asahi.com/wa/2022061000034.html

 博士をアイドルにするという方向と、アイドルが博士課程に進学するかもしれないという方向。奇しくも博士とアイドルが話題に。

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[SciCom News] No.976 2022年6月22日号 巻頭言
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