科学・政策と社会ニュースクリップ

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THE大学ランキング、エビデンスに基づいた科学技術政策

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★発行部数 2,564部(9月8日現在)
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     ◆◇◆  Science Communication News ◆◇◆
         No.886 2020年9月8日号 巻頭言
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【巻頭言】
★THE大学ランキング、エビデンスに基づいた科学技術政策
2020年9月1日~2020年9月8日
カセイケン代表 榎木英介

 9月6日から7日にかけて日本に接近した台風10号は、接近時に若干弱まったものの、死者、行方不明者を出すなど被害をもたらしました。被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。

 新型コロナウイルス感染を避けるために、密な状態にならないようにしたため、定員が埋まってしまった避難所も出たようです。

 まだ台風シーズンのど真ん中です。今回の反省点を早急に次に生かしていかなければなりません。

 さて、自民党総裁選、立憲民主党、国民民主党の合併新党の代表選が行われています。

自民党総裁選特設サイト
https://www.jimin.jp/election/sousai20/

新党代表・党名選挙
https://www.dpfp.or.jp/leadership-election/2020
https://cdp-japan.jp/leadership-election-2020

 科学技術政策について、各党の候補者がどのような考えを持っているのか。

 私たちカセイケンでは、各候補者の事務所にアンケートを送付しました。

 回答がありましたらご紹介させていただきます。しばらくお待ちください。

エビデンスシステム(e-CSTI)を通じたEBPM等の推進及び公開サイトの立ち上げについて
https://www8.cao.go.jp/cstp/stmain/20200901_e-csti.html

 非常に重要なサイトが公開されました。

内閣府政策統括官(科学技術・イノベーション担当)では、大学等の研究機関における「研究」、「教育」、「資金獲得」に関するエビデンスを収集し、インプットとアウトプットの関係性を「見える化」するための各種分析機能を開発し、関係省庁や国立大学・研究開発法人等の関係機関に対して分析機能・データを共有するプラットフォームとしてe-CSTI(Evidence data platform constructed by Council for Science, Technology and Innovation)を構築いたしました。

 これを利用して作られた以下の資料は、専門分野へのニーズを可視化しており、博士号取得者のキャリア問題を考える上でも大きな資料となりうるものです。

産業界の業務および事業展開・成長に重要な専門知識分野
https://e-csti.go.jp/page/p4b2/

 これをさらに分析すると

産業界技術系の人材ニーズを最終学歴別(学士、修士、博士等)に見える化したところ、学士については情報、機械、電気分野における人材ニーズが高くなっている一方、博士については幅広い分野に人材ニーズが広がっていることが示され、また博士の中でも20代の若手については、産業界における処遇向上の動きが出現し始めています。このような、産業界人材ニーズの変化や若手博士人材に対する評価向上の動きを受け、産業界ニーズを踏まえた高度専門人材の育成・輩出の在り方の改善方策の検討が可能となります。

とのこと

 こうしたデータの活用は、科学技術政策を考える上でも重要と思われます。

★我ら天文系IT技術者、DX追い風に 活躍する博士
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63363600S0A900C2000000/

研究開発人材の強化によりさらなる成長へ。資生堂が博士・ポスドク人材の採用のため「OfferBox Ph.D.」を利用開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000041771.html

 これも上の分析を裏付けます。

★異業種3社に就職した博士号取得者の意識調査 「大学にはポストも魅力も不足? より良い研究環境求め一般企業へ」
https://sci-news.co.jp/topics/3875/

博士入社社員を対象とした アンケート集計結果
日本電信電話株式会社(NTT)、富士通株式会社、株式会社三菱ケミカルホールディングス
https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20200806/siryo3.pdf

 分野にもよるわけですが、博士への需要の拡大は望ましいことです

 しかし、氷河期世代博士の問題はまた別でしょう。

★THE世界大学ランキング2021―東大は36位維持、京大は11ランク上げて54位
https://japanuniversityrankings.jp/topics/00172/index.html

世界大学ランキング 東大は36位 中国 清華大学がアジアトップ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200907/k10012604511000.html

 恒例の大学ランキング。日本だと東大や京大など一部大学の動向に注目が集まりがちで、ランクアップを続けている京大は話題のようです。

 ただ、論点は多々あり、日本の他の大学の動向や諸外国の動向、そもそものランキングの妥当性含めいろいろな角度で見ていく必要があると思います。

 新型コロナウイルスです。

新型コロナウイルス感染症対策分科会(第8回)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/corona8.pdf

「Go To Eat キャンペーン事業」についての考え方
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/go_to_eat.pdf

 漸減傾向にあるような感じですが、警戒を緩めてはいけません。

★コロナ前より「健康」半数が実感 外出自粛中に生活習慣を改善
https://www.chunichi.co.jp/article/114052

明治安田生命「健康」に関するアンケート調査を実施!
〜ステイホーム・コロナ禍を機に健康に対する意識と行動が変化!〜
https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2020/pdf/20200902_01.pdf

 新型コロナウイルスの健康に与える影響はなかなか解釈が難しく、医療機関への受診控えが、一体どのような影響を与えるのか、まだまだ読めません。

 上述のように生活習慣が改善されることによる効果の影響が、新型コロナウイルスそのものの影響をどのように相殺したのか、という論点はあるでしょう。

 医師誘発需要のような無駄な医療が削がれたのではないかという声もあります。

 まだ渦中であり、評価を決める段階ではありませんが、だからと言って、「新型コロナはただの風邪」などと言って軽視すべきではないのは当然です。

★U of Illinois Returns to School with 20,000 Saliva Tests Per Day
https://www.the-scientist.com/news-opinion/u-of-illinois-returns-to-school-with-20-000-saliva-tests-per-day-67890

Updated: COVID-19 Outbreaks Occur as Students Return to Campus
https://www.the-scientist.com/news-opinion/covid-19-outbreaks-occur-as-students-return-to-campus-67830

Reopening schools during COVID-19
https://science.sciencemag.org/content/369/6508/1146

Back to School
https://www.the-scientist.com/editorial/back-to-school-67885

 大学をオープンすると感染者が増えてしまうという厳しい状況。学生たちには非常に厳しい状況が続きます。

★As the pandemic erodes grad student mental health, academics sound the alarm
https://www.sciencemag.org/careers/2020/09/pandemic-erodes-grad-student-mental-health-academics-sound-alarm

 パンデミック下の学生のメンタルヘルスの問題も深刻です。

★Science and Policy Collide During the Pandemic
https://www.the-scientist.com/careers/science-and-policy-collide-during-the-pandemic-67882

 新型コロナウイルス下における政治と科学者の関係は、決して日本だけの問題ではありません。まだまだ続く政治と科学者の関係。どうすれば良いでしょうか。記事は以下のポイントを示します。

1. Do your homework.
2. Get to the point, but don’t oversimplify.
3. Keep in mind that policymakers’ expertise differs from that of scientists.
4. Be persistent.
5. Remember that not all policymakers are politicians, and vice versa.

★「豚熱」終息せず 日本は“清浄国”の認定取り消される
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200904/k10012599301000.html

 こちらも大きな問題。

★官民協働による新たな地域科学技術施策に関する調査
https://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/chiiki/mext_00002.html

★質保証システム部会(第3回) 配付資料
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/049/siryo/1422495_00002.html

我が国の高等教育の質保証システムの在り方について

★第11回科学技術予測調査におけるバックキャストとフォーキャストの比較分析[DISCUSSION PAPER No.188]の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/45522

★第36回(令和2年)国際生物学賞の受賞者決定
篠崎 一雄 博士
理化学研究所環境資源科学研究センター特別顧問)
https://www.jsps.go.jp/j-biol/36_awardee.html

モーリシャス沿岸における油流出事故に対する環境省専門家派遣決定
https://www.env.go.jp/press/108393.html

★Don’t be a prig in peer review
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02512-0

★"Tide of Lies"のその後:臨床研究の不正の影響は大きい
https://sites.google.com/site/integrity0lifesciences/comments/aftrermath

 非常に重要な論考です。基礎研究と異なり臨床研究での不正の影響は大きいわけですが、日本の研究機関の反応の鈍さが気になります。

★Henrietta Lacks: science must right a historical wrong
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02494-z

HeLa細胞のHenrietta Lacks氏生誕100年。遺族や本人に無断で細胞が使われたという大きな課題を残しています

★Special Issue
Democracy in the Balance

 サイエンスの特集。

In flux and under threat
https://science.sciencemag.org/content/369/6508/1174

Racial authoritarianism in U.S. democracy
https://science.sciencemag.org/content/369/6508/1176

Human-centered redistricting automation in the age of AI
https://science.sciencemag.org/content/369/6508/1179

Campaigns influence election outcomes less than you think
https://science.sciencemag.org/content/369/6508/1181

Diversity and prosocial behavior
https://science.sciencemag.org/content/369/6508/1183

Can democracy work for the poor?
https://science.sciencemag.org/content/369/6508/1188

Democracy’s backsliding in the international environment
https://science.sciencemag.org/content/369/6508/1192

False equivalencies: Online activism from left to right
https://science.sciencemag.org/content/369/6508/1197

★Foreign funding ‘controlling’ African research
https://www.scidev.net/global/funding/africa-science-focus/foreign-funding-controlling-african-research-1x.html

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“Science Communication News”
[SciCom News] No.886 2020年9月8日号 巻頭言
【発行者】一般社団法人科学・政策と社会研究室(担当 榎木英介)
【編集者】Science Communication News編集部
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