科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

ドイツに学べ、スタートアップ都市

2019年3月26日~2019年4月2日

 4月になりました。異動された方、就職された方もいらっしゃると思います。

 新元号の発表もありました。本メルマガでは西暦表記をしているので、影響はありません。

★科技政策 省庁の垣根越え検証、予算データを分析
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43076510Z20C19A3TJM000/

 根拠に基づく政策。もちろん重要ですし、私たちのようなウォッチングする団体も根拠に基づいてウォッチしていかないといけません。

★根深い演繹型思考が背景 迷走する政府主導の大学改革
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43069690Z20C19A3CK8000/

 苅谷剛彦オックスフォード大学教授は、教育政策を例に、「未来志向の印象論に基づく政策提言」が

その目標が達成できたかどうかも判定もできない。そこで求められる資質を具体的
に確定することが、論理的にも時間的にも実践的にも不可能だからである。それでも、
過去の実績の表現である現実の観察と、そこからの帰納を欠いたまま、政策は立案
されていく。

 と述べています。

 根拠に基づく科学技術政策が、こうした「印象論」の政策提言が乱立する状況を変えていくことができるでしょうか。

★破壊的技術に1000億円 「選択と集中」どう機能
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43119030Z20C19A3EA6000/

 ムーンショットは印象論を乗り越えていくことができるでしょうか。

★政府、ベンチャー集中支援へ「拠点都市」を選定 巨大投資企業誘致も
https://mainichi.jp/articles/20190328/k00/00m/040/279000c

政府、「スタートアップ集積都市」整備へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43068420Z20C19A3EAF000/

 スタートアップ都市はシリコンバレーを念頭に置いているようですが、「科学都市
つくばや特区など、過去の分析をしっかりと行ってほしいと思います。

★ドイツの高等教育機関における教員:日本はドイツに学べるか[Discussion Paper No.168]の公表について
http://www.nistep.go.jp/archives/40259

 アメリカはモデルになり得ない、むしろ欧州、とくにドイツに学ぶべきという声があります。私自身もドイツは一つのモデルになりうるかも、と思うところがありますが、ドイツを考える上で重要な文章です。

国立国会図書館、調査と情報「諸外国の大学授業料と奨学金【第 2 版】」を公開
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=11180

 諸外国との比較は重要です。ただし鵜呑みは禁物です。

★Career Guide: Germany
https://www.nature.com/articles/d41586-019-00909-0

 Natureはドイツ特集。

★理数系人材の産業界での活躍に向けた意見交換会の報告書『数理資本主義の時代~数学パワーが世界を変える~』を取りまとめました
https://www.meti.go.jp/press/2018/03/20190326005/20190326005.html

 経産省。AI人材が必要とのこと。

★政府、AI人材年25万人育成へ 全大学生に初級教育
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42932250W9A320C1SHA000/

AI活用人材、年間25万人育成へ…政府目標
https://www.yomiuri.co.jp/science/20190329-OYT1T50152/

AI人材の育成、教員確保が壁 「年25万人」政府戦略
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43090470Z20C19A3EA3000/

 AI人材は必要なのは論を待たないですが、これも印象論ではなく、具体的な策への落とし込みが重要です。

★大学ランキング
https://japanuniversityrankings.jp/rankings/

【図で理解】THE世界大学ランキング日本版2019ダイジェスト
https://japanuniversityrankings.jp/topics/00096/

世界大学ランキング日本版、京都大学が初の単独トップ
https://univ-journal.jp/25304/

大学ランク日本版 京大1位
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190328-OYT1T50078/

 気にしちゃいけないと言いながらきになるランキング。日本版ですが、京大がトップに。

安倍総理は平成31年度予算についての会見を行いました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201903/27kaiken.html

平成31年度予算
https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2019/index.htm

 予算は拡大の一途をたどっています。過去のお金の使い方をしっかりと分析することが必要です。

専門職大学専門職短期大学制度がスタート~2019年4月に新しいタイプの大学が55年ぶりに誕生~
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/03/1414877.htm

★「国立大学法人等施設の長寿命化に向けて」の取りまとめについて
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/047/gaiyou/1414792.htm

★地域科学技術イノベーションの新たな推進方策について ~地方創生に不可欠な「起爆剤」としての科学技術イノベーション
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu16/010/houkoku/1414442.htm

 科学技術イノベーションを地方創生に使っていこうという提案。

★JSPS-CSIA REPORT 2018(3)
出産・育児による研究中断を経験した若手研究者支援への取り組み
-「特別研究員ーRPD(RestartPostdoctoral Fellowship)」の現状と推移-
https://www.jsps.go.jp/j-csia/data/h30/JSPS-CSIA_REPORT_2018_3.pdf

 学振RPDの報告書。

「RPD採用終了後5年を経過すると、7割以上 が常勤の研究職に就くことが出来ている」

 とのことです。

★医師の働き方改革に関する検討会 報告書
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04273.html

勤務医にドクターストップ 残業月100時間で面接義務
https://www.asahi.com/articles/ASM3T55PVM3TULBJ00R.html

年1860時間上限の残業、面接指導など義務化へ-医師の働き方改革検討会が報告書まとめる
https://www.cbnews.jp/news/entry/20190328200812

残業上限なお「過労死認定の倍」 医師の働き方改革、勤務継続に不安も
https://mainichi.jp/articles/20190328/k00/00m/040/247000c

医師残業「月155時間」…研修医ら 24年度から上限
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190329-OYT1T50082/

 過労死、自死する医師が年間100人程度いると言われているなか、果たして効果があるのでしょうか。

★「知的財産推進計画2019」の策定に向けた意見募集の結果について
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/chitekizaisan2019/index.html

東京大学地震研究所の古文書、市民参加ですべて解読
https://univ-journal.jp/25238/

★在来種→外来種→? タンポポ勢力図の変化 市民参加の調査始まる
https://mainichi.jp/articles/20190330/k00/00m/040/096000c

 市民科学の事例2つ。

★As Elsevier Falters, Wiley Succeeds in Open-Access Deal Making
https://www.the-scientist.com/news-opinion/as-elsevier-falters-wiley-succeeds-in-open-access-deal-making-65664

 エルゼビアとワイリーは違うと。

★研究活動上の不正行為に係る調査結果について(2019年3月26日)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/events_news/office/kenkyu-suishin/kenkyu-suishin/news/2018/190326_1.html

地震研究の京大教授が論文不正 京大が図の改ざん、盗用を認定
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2019/03/20190327_01.html

京大教授 熊本地震の論文で改ざんや盗用か 大学は処分検討
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190326/k10011861971000.html

「ミス数えきれず」 会見で大学側おわび 京都大不正
https://mainichi.jp/articles/20190326/k00/00m/040/377000c

相次ぐ論文不正 背景に研究費獲得への焦りか 京都大不正
https://mainichi.jp/articles/20190326/k00/00m/040/329000c
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190326-00000085-mai-soci

[サイエンスReport]地震論文 相次ぐ不正…「早い者勝ち」成果焦りか
https://www.yomiuri.co.jp/science/20190330-OYT8T50048/

京大教授の熊本地震論文に改ざんや盗用 京大が調査結果
https://www.asahi.com/articles/ASM3T7TSHM3TPLBJ00H.html

熊本地震論文で不正、撤回を勧告 京大
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42952160W9A320C1000000/

 研究不正の事例がまた出てきました。地震学の例です。

★東北大元総長の論文3本を撤回 写真を不適切に使い回し
https://www.asahi.com/articles/ASM3T6GJJM3TULBJ016.html

「写真やグラフ使い回し」元東北大学長の論文撤回
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190327-OYT1T50282/

 こちらは以前から批判されていた東北大元総長の事例。

★「職員の処分等」及び「教員における手当の不正受給等」について
https://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/topics/2019/03/0329_01

阪大教授が9200万円不正受給 自宅は架空、出張は「私的な旅行」
https://mainichi.jp/articles/20190329/k00/00m/040/297000c

阪大教授が9000万円を不正使用 教授側は「事実誤認」と反論
https://www.sankei.com/west/news/190329/wst1903290031-n1.html

 阪大では不正受給事例が。

 こうした繰り返される事例をしっかりとみていかなければいけませんが、簡単ではありません。

★HPVワクチン名誉毀損、出版社などに330万円の支払いを命じる 東京地裁
https://www.bengo4.com/c_7/n_9425/

HPVワクチン「捏造」報道の名誉毀損訴訟 村中璃子氏らが全面敗訴
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/ikeda-muranaka-hanketsu

Japanese journalist found guilty of defamation in HPV vaccine case
https://www.sciencemag.org/news/2019/03/japanese-journalist-found-guilty-defamation-hpv-vaccine-case

Japanese court rules against journalist in HPV vaccine defamation case
https://www.sciencemag.org/news/2019/03/japanese-court-rules-against-journalist-hpv-vaccine-defamation-case

HPVワクチン名誉棄損訴訟判決 被害者は誰だ?
https://japan-indepth.jp/?p=44879

村中璃子氏敗訴 科学的にものすごく問題でも故意じゃなければ「捏造」とは言えない
https://blogos.com/outline/366835/

 名誉毀損は批判の行為がたとえ事実であっても該当してしまう可能性があります。非常に扱いが難しいわけで、そうなると、研究不正あるいは疑義がある事例を軽々しく語れなくなってしまいます。果たしてそれがよいことなのか…。

天文学と安全保障、学会声明が映す課題と希望
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42853650V20C19A3000000/

★Plagiarism detectors are a crutch, and a problem
https://www.nature.com/articles/d41586-019-00893-5

★就活支援企業社員が女子学生にセクハラ。個人情報も自宅も知られている恐怖
https://www.businessinsider.jp/post-187935

 学生たちが危険な目にあっています。

★National Academy of Sciences will vote on ejecting sexual harassers
https://www.sciencemag.org/news/2019/04/national-academy-sciences-will-vote-ejecting-sexual-harassers

★日本の再生医療「早期承認」に世界から批判
厳正な臨床試験もなくスピードと利益を優先し、患者の負担を強いている
https://webronza.asahi.com/science/articles/2019031800008.html

科学誌ネイチャー記事に違和感
再生医療学会で阪大の澤氏
https://this.kiji.is/481782729181086817

 Nature誌の批判に関して賛否が。

ピエール瀧さんを私がバッシングしない理由 深澤真紀さん、松本俊彦さん薬物報道を斬る(1)
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/fukasawa-matsumoto-1

薬物依存とどう向き合う(前編)「安易な出演作の配信中止は問題」
https://mainichi.jp/articles/20190327/k00/00m/040/369000c

薬物依存とどう向き合う(中編)「薬物問題、厳罰化で解決できない」
https://mainichi.jp/articles/20190327/k00/00m/040/376000c

 研究不正事例の扱いにもつながる部分があるのではないかと思ったりします。

★Opinion: The “Money Culture” in Academic Biomedical Research
A drive for revenue is damaging basic science.
https://www.the-scientist.com/news-opinion/opinion-the-money-culture-in-academic-biomedical-research-65678

★「次世代に遺伝するゲノム編集にモラトリアムを」
7カ国の科学者ら18人が『ネイチャー』で提唱
https://webronza.asahi.com/science/articles/2019032300001.html

 今度広島の大学に移られた粥川準二さん。

★米、月の南極へ5年以内に飛行士を 副大統領が発表
https://mainichi.jp/articles/20190327/k00/00m/030/063000c

NASAを批判、月に行かないと「組織変える」
https://www.yomiuri.co.jp/science/20190327-OYT1T50194/

NASA:大忙し 時間がない!月面着陸「5年以内」前倒し
https://mainichi.jp/articles/20190327/dde/007/030/046000c

 トランプ政権は副大統領もこんなことを言うのですね…。そして5年以内に月、と文字通りムーンショットです。

★What Thailand’s long-awaited election could mean for science
https://www.nature.com/articles/d41586-019-01003-1

 タイの科学政策。

★2019 Women, Minorities, and Persons with Disabilities Report goes live
https://www.nsf.gov/news/news_summ.jsp?cntn_id=297944

★「科学に懐疑的」世界で35%に
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO43103710Z20C19A3TJM000/

3M、世界14カ国で、科学に対する意識調査
懐疑論が高まる一方で、世界的課題の解決を、世界は科学に求めている」
科学への支援活動は十分とは言えず、3Mは世界規模で、科学への支持を呼びかける
https://multimedia.3m.com/mws/media/1669696O/news-release-20190322.pdf

 3Mの調査。懐疑論の高まりは厳しい状況ではありますが、課題解決を目指していく必要があります。