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速報〜政策コンテスト〜「元気な日本復活特別枠要望」に関する評価(案)出る 文科省は低評価

〜政策コンテスト〜「元気な日本復活特別枠要望」に関する評価(案)

12月1日開催された元気な日本復活特別枠に関する評価会議にて公表された。

科学技術政策に関係する文科省の分はこちら。

事業番号 要望 要望額 評価 コメント
1905 「強い人材」育成のための大学の機能強化イニシアティブ 119,971 B(補正措置を含む) 教育・研究の基盤経費に一定の配慮が必要。ただし、その経費を相当に絞り込むとともに、要求・要望の削減による財源捻出が条件 行政刷新会議の指摘を踏まえた対応が必要
1906 成長を牽引する若手研究人材の総合育成・支援イニシアティブ 48,400 C 継続課題、既存受給者には一定の配慮が必要。ただし、要求・要望の削減による財源捻出が条件 行政刷新会議の指摘を踏まえた対応が必要
1907 元気な日本復活!2大イノベーション 78,800 B(補正措置を含む) 継続課題には一定の配慮が必要。ただし、要求・要望の削減による財源捻出が条件 行政刷新会議の指摘を踏まえた対応が必要
1908 我が国の強み・特色を活かした日本発「人材・技術」の世界展開 44,790 B(補正措置を含む) 継続課題には一定の配慮が必要。ただし、要求・要望の削減による財源捻出が条件 行政刷新会議の指摘を踏まえた対応が必要

 若手研究者関連は1906番。これがC評価となったわけだが、はたしてどのような影響が研究現場にあるのだろうか。

【若手研究人材の挑戦の原資をサポート(「量の先細り問題」の解決)】

多くの研究者の挑戦を支える「科学研究費補助金(若手の「チャレンジ」支援)」について、欧米並の採択率30%を目指すとともに、「基金化」により、研究者が年度に縛られることなく柔軟に使用でき、税金のムダも抑えられる効率的な研究費制度となるよう抜本的に制度改革【350億円】

優れた研究能力を有する博士課程修了者を支援する「特別研究員事業(PD)」の対象人数を拡充するとともに、外部資金を獲得できるようにすることや、共同研究・プロジェクト研究などに参加できるようにすることによって、新たな研究や幅広い研究活動が実施できるように改善【64億円】

特に優れた若手研究者に対し奨励金を給付する「特別奨励研究員事業」を創設【5億円(新規)】

明日の若手研究者である優秀な理系学生の意欲向上、才能伸長に向けて、学部段階における理数系人材育成に特化した優れた取組の支援(「理数学生育成支援事業」)や全国の理系学部生が研究成果を発表し、競い合う場(サイエンス・インカレ)の構築(これらを包括するプログラムとして、「理数学生育成プログラム」を創設【2億円(新規)】)

【若手研究人材の挑戦の原資をサポート( 「内向き思考」の打開)】(下線部が継続事業の拡充部)

若手研究者に、ハイレベルな国際共同研究に参画する機会を提供する「戦略的国際科学技術協力推進プログラム(重点共同研究型)」を、新たにASEAN+6諸国との連携による国際共同研究を開始するとともに、若手研究者の国際的な研究ネットワークの構築を積極的に支援するよう拡充【8億円】

若手研究者が派遣後のポストに対する不安を持たずに海外に挑んでいくことができるよう、所属組織との関係を保った、組織的・戦略的な海外派遣を支援する「頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣事業」を創設【20億円(新規)】

【若手研究人材を取り巻く環境をサポート】

公正に選抜された若手研究者が、安定的な職を得る前に自立的研究環境で経験を積む仕組みを普及・定着させ、キャリアパス整備を促進する「テニュアトラック普及・定着事業」を創設【27億円(新規)】

女性研究者が、安心して出産・子育て等と研究活動を両立できるような環境整備を促す「女性研究者研究活動支援事業」を創設【3億円(新規)】

若手研究者にとって研究に専念できる環境の整備や新たなキャリアパスの構築に向け、「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備」事業を創設【5億円(新規)】

「科学研究費補助金(若手の「チャレンジ」支援)」において、研究者の負担をなくし、研究活動の効率化を図るべく、基金化を要求(法律改正事項)(再掲)

【事業の目的】
・成長の原動力である若手研究人材を取り巻く状況が、今、危機に瀕している  (量の先細り問題、内向き思考、劣悪な環境)
・この閉塞状況を打破するため、「元気な日本の源」である若手研究人材育 成を総合的かつ体系的にサポート
・若手研究人材の新しい視点と柔軟な発想を最大限に活用
・再び我が国にかつての輝きを取り戻し、その輝きを国民の誇りと自信につなげ、明日への期待と希望に満ちた、世界に冠たる「元気な日本」の復活を実現する。
【想定している主な効果】
・若手研究者向けの科学研究費補助金の採択率3割(現在は約2割)を平成23年度に実現
ポスドクの約1割が研究に専念できるよう人件費を確保(平成23年度に実現)
・若手研究人材が長期間海外で武者修行する機会を今後10年で倍増
・若手研究者の研究活動時間を現状から3割増(平成29年度までに実現)
・若手新規採用教員の約2割が透明性の高い選抜を経て採用(平成27年度までに実現)