以下のシンポジウムにパネリストとして登壇することになった。
近年、日本の科学技術関連予算は、増加の一途をたどっています。平成13年度以降、毎年4兆円台で推移しており、その4分の1を占める科学技術振興費も、平成21年度には平成元年比で3倍に増加、社会保障関係費(2.2倍)を上回る伸びを示しています。しかし、果たしてこれが真の科学技術の発展につながっているのでしょうか。
東京財団では、日本再建のため行革を推進する700人委員会(行革700人委員会)との共催、経済同友会の後援により、昨年11月の事業仕分けで話題となったスーパーコンピューターをめぐる状況を入口に、日本の科学技術政策のあるべき姿を考えるシンポジウムを下記のとおり開催いたします。是非、ご参加ください。
【日 時】2010年4月19日(月)15:00〜18:00
【会 場】日本財団ビル2階 大会議室(東京都港区赤坂1-2-2)
【テーマ】日本に科学技術政策はあるのか
【主催】東京財団、行革700人委員会
【後援】経済同友会
【プログラム】
趣旨説明:水野 清(行革700人委員会 代表世話人)
パネルディスカッション:
1.科学技術政策のありようを考える
2.スパコン騒動を検証する
3.司令塔としての「総合科学技術会議」のあり方
−国民に対するアカウンタビリティをどう考え、実現するか
4.実施機関としての大学・独立行政法人等の課題【パネリスト】
科学者:
榎木英介(NPO法人サイエンス・コミュニケーション理事、
サイエンス・サポート・アソシエーション代表、病理診断医)
金田康正(東京大学情報基盤センター教授)
中村桂子(JT生命誌研究館館長)
長谷川眞理子(総合研究大学院大学教授)
松井孝典(東京財団特別上席研究員、千葉工業大学惑星探査研究センター所長)学識者:
小林傳司(大阪大学コミュニケーションデザインセンター教授)
薬師寺泰蔵(政策研究大学院大学客員教授、世界平和研究所研究顧問)報道関係者:
上杉隆(ジャーナリスト)
文部科学省関連の科学技術予算の仕分けにかかわった方々と実際にお会いできる機会をいただいたことになる。
あのとき、私はインターネット中継で仕分け人の言葉に耳を傾けた。納得いく言葉もあれば、疑問に思う言葉もあった。
基本的には仕分けを評価している。
中村桂子さんはじめ、仕分け人の方々は、科学を軽視しているわけではない、使い方を効率よくしてほしい、無駄遣いをやめてほしいと言っただけだと繰り返し言われていた。それは理解している。
ただ、仕分け人がその職務に懸命に、真摯に取り組んだこととは無関係な問題があったと思っている。
それは、世間で言われているように、仕分け人が科学を知らなさすぎることではないと思っている。
問題は、逆に、科学を知った仕分け人がいたことではないか。
科学の仕分けに科学者がいるというのは、科学の分野間の勢力争いを、仕分け人本人の人格や高潔さとは無関係に想起させてしまうということだ。裁く側が利害がからんでいるということだ。
どんなにそんなの関係がないと言っても、そして本当に関係がなかったとしても、利害関係者に仕分けさせるという制度設計が問題なのではないだろうか。
仕分けという制度が真の市民参加の試みとなるためには、小林傳司先生が関わったworld wide viewsや、その他の市民参加の試みのように、仕分けはランダムに選んだ市民が関わるか、それが無理なら、国民から選ばれた国会議員がやるべきではないだろうか。
このあたりは、もし時間があれば問題提起してみたい。
なお、当日インターネット中継もされる模様。来場できない方はご覧いただきたい。