新しい公共を作る市民キャビネットの発足については以前触れたが、このたび、科学・技術と社会部会が発足した。
私が参加している2団体(サイエンス・サポート・アソシエーションおよびNPO法人サイエンス・コミュニケーション)も参加することになった。
残念ながら現段階では参加団体が10に満たない。いろいろな団体に加入を呼びかけたが、そもそも科学技術NPO(任意団体を含む)が少ないこと、政治に絡むことをあまりよしとしないこと、民主党によりすぎているのではないかという批判などで、なかなか参加団体を増やすことができなかった。
事業仕分け以来、科学技術政策も市民に開かれつつあり、科学コミュニケーションも含めた科学・技術関連の活動をしている団体も、政治の動きに無縁ではいられない。
民主党に寄りすぎているという点は、新しい公共という概念を提案したのが鳩山首相なので、そう見られても仕方ない面もあるが、もちろんNPO法人は特定の政党を支援してはいけないので、政党や政治に意見は言うが、下請け団体になるわけではない。
それぞれの活動の中で感じた問題点などを、政策の現場に伝えるというのは、とても重要なことだと思っている。政治を他人事と思わず、当事者として関わっていくことが、NPOや市民一人一人に求められている。
関心のある多くの団体の参加を希望している。
なお、新しい公共に関して、以下の本を読んだ。鈴木寛氏の考えが理解できた。
- 作者: 寺脇研,鈴木寛
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事業仕分けが始まって、文部科学省の予算や事業もいろいろと厳しい意見をいただいています。この事業仕分けには賛否両論あり、色々と言われているようですが、私はとても良いことだと思っています。国民がようやく予算の立案に参加できたわけですから、それ自体は画期的です。
問題なのは「仕分けで切られた」というそこで議論が止まってしまうところです「仕分け」が議論のスタートであるべきなのです。私は、文部科学省のホームページで仕分け結果に対する意見募集を始め、15万通のメールが来ました。こうした意見のやり取り、議論の深化がどうしても必要で、それこそが国民参加の政治、市民による政治の実現なのです。