科学・政策と社会ニュースクリップ

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日本生態学会での発表資料

 日にちは前後するが、3月19日、日本生態学会で講演させていただいた。

 翌日にあった科学技術担当大臣での発表で言いきれなかったことを取り入れた発表になった。

 以下資料。

 質問で、税制が変わらないと、NPOを職業としてやっていくのは難しいのではないか、と指摘された。

 それはその通りなのだが、科学が社会と関わる方法は、なにも職業だけでない。ボランティア、副業なども含まれる。

 たとえば意に沿わない職業に就いたとしても、余暇などで科学に関わるのだって重要だし、むしろ、生活者としてNPOに関わることが重要な場合だってある。

 だから、ぜひ税制が変わるまで待つのではなく(そうなったほうがいいのだけれど)、今すぐに、一歩踏み出してほしい。

 講演のあと、以下の本を読んだが、わが意を得たりと思った。

P101より

工藤 NPOで働く人を増やすというのは、まさにボランティアだったり、常勤とは限らないかたちのいろいろな形態での参加があるということですね。

武田 それでもいいですし、週に一日だけ常勤でやるという人でもいい。あるいは家族の中で分業していてもいいわけです。誰かが稼いできて、誰かが自分の好きなボランティアをやるというのでももちろん構わない。どういう仕組みでも構わないと思います。あるいは、それこそ労働市場が理想的な自由な状態であれば、三年間は一生懸命働いて、一年間はNPOの活動に専念するのだってかまわない。それだけの評価ができる機能的な仕組みは、今の労働市場にはないので、それをワークシェアのような工夫で作りだすしかない。
 とりあえず、右手で稼ぎながら、左手ではNPOに参加するというような形態しか今考えられないのですが、でも、それが広がっていったときに、いくらでも公共の仕事に参加できる選択肢は広がると思う。

研究経験のある人が、多彩な活動をし、問題に取り組み、市民を巻き込み、「強い市民社会」を作ることに関わっていけば、科学と社会の関係が大きく変わっていくのではないかと考えている。