科学・政策と社会ニュースクリップ

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大岡裁きと法治国家〜日本学術会議問題から考える

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         No.894 2020年11月3日号 巻頭言
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【巻頭言】
大岡裁き法治国家日本学術会議問題から考える
2020年10月27日~2020年11月3日
カセイケン代表 榎木英介

 日本学術会議の問題ですが、国会で論戦が行われています。

 日本学術会議側も記者会見を行っています。

日本学術会議の活動と運営について(記者会見要旨)
日本学術会議幹事会 令和2年10月29日
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/kanji/pdf25/siryo302-kaikenyoshi.pdf

日本学術会議
第25期 幹事会 記者会見資料
令和2年10月29日(木)16:30~
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/kanji/pdf25/siryo302-kaikenshiryo.pdf

 以下メルマガ本体にはピックアップしなかった記事です。

#排除する政治~学術会議問題を考える:「このままでは理系も手を突っ込まれる」佐倉統・東京大大学院教授
https://mainichi.jp/articles/20201030/k00/00m/010/139000c

【完全解説】学術会議の任命拒否は、何がそれほど問題なのか?
https://newspicks.com/news/5353352

【証言】なぜ私は「任命拒否」に反論し続けるのか?
https://newspicks.com/news/5356034

 私は日本学術会議が研究者のキャリア問題の解決にあまり熱心でなかったことから、任命拒否問題は重大な問題と思いつつも、同時並行で学術会議の問題も議論しないといけないなあと思っていました。

 しかし、千人計画参加者への苛烈なバッシングなど、学術会議の問題から派生した理解しがたい低レベルの誹謗中傷や、繰り返されるフェイクニュースに触れるにつれて、これは同時並行は出来ない、まずは任命拒否問題を解決しないといけないと思っています。

★(多事奏論)日中の科学力 優れた研究者、なぜ中国へ 吉岡桂子
https://www.asahi.com/articles/DA3S14678206.html

「本当は日本で働きたい…」中国「千人計画」参加者の本音 ノーベル賞・本庶教授も日本の現状に警鐘
https://news.yahoo.co.jp/articles/7834f57f078b9cb0d320d21885d265fe0bbc8094

 千人計画問題がいまだあらぬ方向にくすぶっています。

 日本学術会議が中国の研究機関と提携→中国は研究がすべて軍事につながる→日本学術会議が中国の軍事研究に協力→中国に渡った日本研究者は売国奴、みたいな、いわば風が吹けば風呂屋が儲かるみいな話です。

 STAP細胞事件のとき、STAP細胞なりSTAP現象なりがあれば研究不正が帳消しになると思っていた人が多くいました。

 目的が正しければ、超法規的措置は許される(研究不正は法律の問題ではないのですが)では、法治国家とは言えません。

 とはいえ、法より情の大岡裁き喝采を叫ぶ人が一定数いる現実のなかで、解決策を考えていかなければならず、そのためには問題の切り分けが重要です。

日本学術会議問題、6名追加任命へ。菅首相の決定的な国会答弁
https://note.com/ishtarist/n/nff2051f4e363

 新型コロナウイルス関連。

新型コロナウイルス感染症対策分科会
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/yusikisyakaigi.html#3

第13回資料
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/corona13.pdf

クラスター対策の更なる強化についての分科会から政府への提言
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/teigen_13.pdf

検査体制の基本的な考え戦略
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/kensa_senryaku_13.pdf

新型コロナウイルス感染症対策分科会 大都市の歓楽街における感染拡大防止対策 ワーキンググループ (第4回)
日時:令和2年 10 月 27 日(火) 10時00分~12時00分
場所:合同庁舎8号館1階講堂
議事次第
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/kanrakugai_wg_4.pdf

コロナ対策分科会、大都市「夜の街」対策の効果議論
https://www.sankei.com/life/news/201029/lif2010290007-n1.html

菅総理は第44回新型コロナウイルス感染症対策本部を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202010/30corona.html

新型コロナウイルス感染症対策本部(第 44 回)
議事次第
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/th_siryou/sidai_r021030.pdf

 欧州や、日本国内でも北海道などの感染状況などをみれば、警戒を緩めてはいけない状況ですが、街に出ると警戒が緩んでいる印象をうけます。

 この状況はまだ何年も続くと言われ、我々はまだ序盤にいるのです。

★オンライン授業は「悪」なのか 対面授業5割未満の大学名公表の波紋
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20201102-00000004-mai-life

★コロナ注目論文、集中引用 11本は1000回以上も
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65703830Q0A031C2TJM000/

★‘Every minute counts.’ This immunologist rapidly reshaped her lab to tackle COVID-19
https://www.sciencemag.org/news/2020/10/every-minute-counts-immunologist-rapidly-reshaped-her-lab-tackle-covid-19

★第13回 選択する未来2.0
https://www5.cao.go.jp/keizai2/keizai-syakai/future2/20201021/agenda.html

議事

(1)EBPMと教育政策、雇用・労働と人材育成について
(2)意見交換

政府調査データとEBPM: コロナ禍における教育政策を中心に
苅谷剛彦 オックスフォード大学社会学科・現代日本研究所教授
2020年10月21日 @有識者懇談会「選択する未来2.0」
https://www5.cao.go.jp/keizai2/keizai-syakai/future2/20201021/shiryou1.pdf

★第14回 選択する未来2.0
https://www5.cao.go.jp/keizai2/keizai-syakai/future2/20201023/agenda.html

議事

(1)ポストコロナの人材像と働き方、STEAM教育・人材育成について
(2)意見交換

★「モバイル市場の公正な競争環境の整備に向けたアクション・プラン」の公表(総務省
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban03_02000673.html

 携帯電話料金の値下げは、菅首相の大きな関心事です。

★文科大臣「高専卒給与を大卒並みに」 産業界に要望
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65566850Y0A021C2X12000/

 近年存在感が高まる高専

★新卒者等の採用維持・促進に向けて、田村厚生労働大臣・坂本一億総活躍担当大臣・萩生田文部科学大臣・長坂経済産業副大臣が、経済団体に対し協力要請をしました
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000193580_00006.html

★「令和元年地球温暖化影響調査レポート」の公表について
https://www.maff.go.jp/j/press/seisan/kankyo/201030.html

★【APEC食料安保政策対話】強じんで持続可能なフードシステムの確保に向けた協力を強化
https://www.maff.go.jp/j/press/kokusai/kikou/201027.html

★Who are science’s frequent flyers? Climate researchers
https://www.nature.com/articles/d41586-020-03000-1

 なかなか皮肉なことではあります。

菅総理は第42回地球温暖化対策推進本部を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202010/30ondanka.html

地球温暖化対策推進本部について
https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/202011/2_a.html

 カーボンニュートラルも菅政権の重要課題ですが、具体策が重要です。

★みんな天文学者に 小学生「クレーター見つけた」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65232440Q0A021C2000000/

 シチズンサイエンス。

★非英語圏の研究者にとっては英語が大きな障壁。研究者らが考える解決策(記事紹介)
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=12355

 この記事をツイートしたところ、それなりに反響が…。日本人が背負った言語的不利益に思いを馳せる話題ということでしょう。

★The discredited doctor hailed by the anti-vaccine movement
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02989-9

★脳、目、肝臓…本物に近づく「ミニ臓器」 体内に移植も
http://www.asahi.com/articles/ASNBV3Q0GNBMULBJ00G.html

Lab-grown brains and the debate over consciousness
https://www.nature.com/articles/d41586-020-03033-6

Can lab-grown brains become conscious?
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02986-y

 培養臓器、とくに脳が意識を持つのか、もったとして倫理的な課題は何か、議論していく必要があります。

★Trump catalyzed the March for Science. Where is it now?
https://www.sciencemag.org/news/2020/10/trump-catalyzed-march-science-where-it-now

トランプ氏、コロナ対策チームのファウチ博士解任示唆 「選挙後まで時間くれ」
https://mainichi.jp/articles/20201102/k00/00m/030/158000c

技術分野での“中国排除”が加速する米国、大統領選を経てどうなる?
https://wired.jp/2020/11/03/crack-down-china-except-silicon-valley/

It's just louder this time
https://science.sciencemag.org/content/370/6516/503.full

The next-generation bots interfering with the US election
https://www.nature.com/articles/d41586-020-03034-5

 このメルマガ執筆中はまさに大統領選挙投票中。来週に結果は出ているでしょうか。それとも法廷闘争に?

★Support U.S. research during COVID-19
https://science.sciencemag.org/content/370/6516/539.2

 複数の研究者の連名の投稿、

★Qian Xuesen: The man the US deported - who then helped China into space
https://www.bbc.com/news/stories-54695598

 アメリカで宇宙開発に従事した中国人研究者が中国の宇宙開発を主導。

 人材の流動化と活用、そして安全保障の難しさを感じます。

★‘Myopic’ funding cuts may force Mexican scientists to leave major international organizations
https://www.sciencemag.org/news/2020/10/myopic-funding-cuts-may-force-mexican-scientists-leave-major-international

 National Council of Science and Technology (CONACYT)が複数の学会に対し、国際学会への参加料を支払わないと通告し、問題に。

★My colleagues treat me badly. I wish I could tell my Ph.D. adviser
https://www.sciencemag.org/careers/2020/10/my-colleagues-treat-me-badly-i-wish-i-could-tell-my-phd-adviser

The things I wish I could say
https://science.sciencemag.org/content/370/6516/630.full

 身につまされる話です。同僚から侮辱的な言葉を投げかけられたとき、指導教員はサポーティブでしょうか。

★「基礎研究=金にならない」は誤解 価値評価の仕組みを
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65647280Q0A031C2TJM000/

 小林信一さんがポスドク問題について触れています。

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“Science Communication News”
[SciCom News] No.894 2020年11月3日号 巻頭言
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リニアモデルと「千人計画」バッシング

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【巻頭言】
★リニアモデルと「千人計画」バッシング
2020年10月20日~2020年10月27日
カセイケン代表 榎木英介

 先週Yahoo!ニュース個人に千人計画のことを書きましたが、いまだ誤解によるバッシングが続いています。

★「売国奴」「スパイ」千人計画でバッシングに。日本人研究者たちが鳴らす警鐘とは?
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/thousand-talents-plan-4

 中国への過剰な警戒感を持った人たちは、たとえ基礎研究であっても中国に関わると研究成果を抜き取られると思っており、「売国奴」となってしまいます。

 もちろん一部だと思いますが、ほとんど戦争状態にある国への態度です。

 その一部が過剰な行動をしていることが耳に入ってきました。詳しくは述べられませんが、非常に腹立たしいです。

★中国「千人計画」に参加する日本人研究者 “働けるなら日本で…”の本音
https://news.yahoo.co.jp/articles/8447ed4e99efee308bb4cee56bf06dd0c26116b3

 週刊新潮は千人計画スパイ説は変わらないような感じですが、次第に日本の研究環境の問題にフォーカスしてきました。

 新疆ウイグル自治区チベット、香港などへの締め付け、一帯一路によるアフリカ等の国の債務漬け問題、軍拡など、中国に警戒する声が高まっているのは理解します。

 ただ、もはや研究の中心地の一つになった中国を無視して研究はできないし、かつて日本に向けられた「基礎科学ただ乗り論」を考えると、中国が自国で金を出して他国の研究者を受け入れ基礎研究をしているのなら、それはある種科学コミュニティが望むことなのではないかと思います

 基礎科学とて軍事研究につながる、というのは、いわゆるリニアモデル的な発想かもしれません。基礎科学→応用科学→軍事、といったような単線的発想です。

 現在リニアモデルは古いとされています。

線形モデルの終焉について
http://www.21ppi.org/pdf/thesis/011212_05.pdf

1.0.2 イノベーション・プロセスのモデル
https://scirex-core.grips.ac.jp/1/1.0.2/main.pdf

 だとすると、天文学であるとか分子生物学であるといった分野まで軍事研究だ、というのは古い感覚なわけです。

 しかし、いつかは応用され役立ちます、という言説を、予算獲得でも、基礎科学の重要性をアピールする上でも強調しすぎたあまり、人々があらゆる研究が軍事につながる、といったリニアモデル的考えを持ってしまったとも言えると思います。

 これは大いなるジレンマと言えます。

 役立つことを強調しないと予算はこない、しかし、役立つことを強調しすぎたために、基礎科学を中国で行うことが売国奴だ、ということになってしまう…。

 このジレンマを解消するためにはどうすれば良いか…。難題です。

菅総理は第203回国会における菅内閣総理大臣所信表明演説を行いました
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2020/1026shoshinhyomei.html

 日本学術会議のことは触れられていませんが、「二〇五〇年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」といった年限を区切った具体的目標に言及しているのが目に引きます。ある種評価がしやすいとも言えます。

 アメリカでは大統領選とともに、連邦議会選挙が来週11月3日に迫ってきています。

★COVID and the US election: will the rise of mail-in voting affect the result?
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02979-x

Scientists strongly back Joe Biden for US president in Nature poll
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02963-5

【記者ブログ】科学者も参戦、「サイエンス票」の行方は
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65423850U0A021C2000000/

As U.S. election nears, researchers are following the trail of fake news
https://www.sciencemag.org/news/2020/10/us-election-nears-researchers-are-following-trail-fake-news

 科学票がバイデン氏に流れることが予想される中、科学にバックグラウンドを持つ候補の立候補もあり、その動向が注目されています。

★Candidates from STEM and Medical Fields in the National Elections
https://www.the-scientist.com/news-opinion/candidates-from-stem-and-medical-fields-in-the-national-elections-68038

 先週も書きましたが、こうした「サイエンティスト候補」のようなものは日本にはまだまだ少ないわけで、研究を中断して議会選挙に出るというアメリカの研究者の意識や動向は、私たちにとっても興味深いものです。

新型コロナウイルス感染症対策分科会(第12回)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/corona12.pdf

分科会から政府への提言
感染リスクが高まる「5つの場面」と「感染リスクを下げながら会食を楽しむ工夫」
令和2年10月23日(金)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/teigen_12_1.pdf

年末年始に関する分科会から政府への提言
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/teigen_12_2.pdf

クラスターの分析に関するヒアリング調査(都道府県・保健所)等の 結果と今後に向けた検討(概要)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/kongo_kento_12_1.pdf

クラスターの分析に関するヒアリング調査等の結果と今後に向けた検討
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/kongo_kento_12_2.pdf

 新型コロナウイルス(いつまで新型というのでしょうか)ですが、各地でクラスターが発生しており、感染者数は激増はしないものの燻り続けています。

 欧米ほか各国よりは少ない感染者数という面があると同時に、アジアの中では多いという面をどう評価するのか。

 映画「鬼滅の刃」のヒットは、日本の感染状況の低さを示したものでもありますが、この状態ではクラスターは出続ける可能性が高いわけです。

新型コロナウイルス感染症のワクチンの詳細についてを掲載しました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00179.html

新型コロナウイルス感染症のワクチンについて
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html

医療従事者への接種、「必要な情報順次示す」-コロナワクチン実施要領、厚労省健康課長が通知
https://www.cbnews.jp/news/entry/20201026171440

 ワクチン開発は各国で続いていますが、前のめりな姿勢や、ワクチンさえあればなんとかなるという意識には注意が必要です。

★WHOとその関係協力機関が実施している臨床試験の中間結果(レムデシビル)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00039.html

レムデシビルで厚労省が見解、米は22日正式承認と紹介-WHO試験は詳細な評価・検証を待つ
https://www.cbnews.jp/news/entry/20201023201732

 レムデシビルに関しては期待されたほどの効果がないとのことです。

★令和2年度の妊娠届出数の状況について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14095.html

 今年度の出生数は大幅に減ることが予想されます。「丙午」どころではありません。

★Why big pharma has abandoned antibiotics
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02884-3

 Natureは抗生薬に関する特集。

科研費パンフレット2020
https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/24_pamph/index.html

★「今後の若年者雇用に関する研究会報告書」を公表します
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14309.html

「コロナ禍などを契機に新たな就職氷河期世代を生み出さぬよう、若年者雇用の安定化に向けた支援」などについて触れられています。

★「令和2年版厚生労働白書」を公表します
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14223.html

★「農林水産省×環境省」連携合意について
https://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/kankyo/201023.html

「コロナ後の経済社会の再設計(Redesign)に向けた 「農林水産省×環境省」の連携強化に関する合意」とのこと。

★名古屋港におけるヒアリの確認について
https://www.env.go.jp/press/108582.html

 働きアリ70匹とのこと。警戒は怠ってはいけません。

★ 宇宙飛行士募集に関する発表について
https://www.jaxa.jp/press/2020/10/20201023-1_j.html

日本人宇宙飛行士を13年ぶり募集 来秋、月探査も視野
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65356710T21C20A0MM0000/

 アルテミス計画に関わるとのこと。

★Springer Nature社、MPDLとNatureジャーナルに関するTAを締結
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=12336

Nature journals announce first open-access agreement
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02959-1

Nature family of journals inks first open-access deal with an institution
https://www.sciencemag.org/news/2020/10/nature-family-journals-inks-first-open-access-deal-institution

Nature-Branded Journals Announce First Open-Access Deal
https://www.the-scientist.com/news-opinion/nature-branded-journals-announce-first-open-access-deal-68071

 先週紹介したSpringer Natureとマックスプランクデジタル図書館との転換契約または移行契約。

 SNSの反応を見ると、OA化する1論文当たりのコスト9,500ユーロというのがいくらなんでも高すぎるという声が聞かれました。

筑波大学の学長選考を考える会
https://www.2020tkbgakucho.net/

筑波大、永田学長が再任 任期上限撤廃、最長で11年に 教職員有志「認めない」
https://news.yahoo.co.jp/articles/cd797b50dd8accaf2ec5d78e8978a8e21a885f5d

筑波大学長に永田氏再任 任期制限撤廃で学内紛糾の末
https://www.asahi.com/articles/ASNBN6V6XNBNUJHB00T.html

筑波大学長に永田氏再任 教職員ら「不透明」と批判
https://www.chunichi.co.jp/article/140447

再任の筑波大学長「日本は任期短い」 学内くすぶる反発
https://www.asahi.com/articles/ASNBP729NNBPUJHB005.html

筑波大学長選の正当性訴え 批判に「いちゃもん」とも
https://www.chunichi.co.jp/article/140951

 東大の総長選挙とともに混乱している筑波大。

★Timeline: When Bad Research Changes Public Health Strategy
https://www.the-scientist.com/infographics/timeline-when-bad-research-changes-public-health-strategy-67971

★Physician Behind Surgisphere Scandal Switches Medical Licenses
https://www.the-scientist.com/news-opinion/physician-behind-surgisphere-scandal-switches-medical-licenses-68085

 The Scientist誌が熱心にサージスフィア社の不正問題を追っています。

★Set ambitious goals for biodiversity and sustainability
https://science.sciencemag.org/content/370/6515/411.summary

★AAAS 2021 Annual Meeting Program
https://science.sciencemag.org/content/370/6515/479

 来年2月の年次総会のプログラムが公開。完全オンライン化した年次総会がどうなるか、注目です。

Brexit’s back: the five issues that will shape science
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02920-2

 移行期間を経て、来年1月から完全にEUから離れるイギリス。研究への影響が懸念されています。

★Strict biodiversity laws prevent Indian scientists from sharing new microbes with the world
https://www.sciencemag.org/news/2020/10/strict-biodiversity-laws-prevent-indian-scientists-sharing-new-microbes-world

★Mexican Senate Votes to Cut Research Funding, Disaster Relief
https://www.the-scientist.com/news-opinion/mexican-senate-votes-to-cut-research-funding-disaster-relief-68079

 メキシコ。大統領が科学者を閉じた環境で浮世離れしていると批判。今の日本の日本学術会議に向けられる声と似ています…。

★Too intelligent for the life sciences in Brazil: how two female researchers fought back
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02978-y

★Troubles escalate at Ecuador’s dream research university
https://www.sciencemag.org/news/2020/10/troubles-escalate-ecuadors-dream-research-university

 財政問題に揺れる「夢の大学」。

★Wheat Blast Arrives in Zambia, First Time in Africa
https://www.the-scientist.com/news-opinion/wheat-blast-arrives-in-zambia-first-time-in-africa-68055

★なぜ、海洋微生物学者が人材ベンチャーを作ったのか
https://prtimes.jp/story/detail/zxgZgeTJMeB

★How to get more women and people of colour into graduate school - and keep them there
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02940-y

★How LGBT+ scientists would like to be included and welcomed in STEM workplaces
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02949-3

★The unsung heroes of the Nobel-winning hepatitis C discovery
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02932-y

 ノーベル賞に名を連ねなかった科学者の物語。三人枠はいつもこうした物語を生みます。

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“Science Communication News”
[SciCom News] No.893 2020年10月27日号 巻頭言
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歴史的転換点か破綻か〜岐路に立つ日本の科学

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         No.892 2020年10月20日号 巻頭言
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【巻頭言】
★歴史的転換点か破綻か〜岐路に立つ日本の科学
2020年10月13日~2020年10月20日
カセイケン代表 榎木英介

 日本学術会議の問題があらぬ方向に飛び火しています。先週もお伝えした中国に渡った若手研究者へのバッシングです。

 日本学術会議が中国の機関と提携を結んでいたということから、学術会議が中国の千人計画に協力しているとなり、それが千人計画に参加した若手の研究者が軍事研究に協力しているとなり、バッシングが起こっています。

 中国と日本がある種の緊張関係にあるのは事実です。とはいえ、あまりに飛躍しすぎているわけで、Yahoo!ニュース個人に記事を書きました。

★正しく恐れよ「千人計画」
https://news.yahoo.co.jp/byline/enokieisuke/20201019-00203031/

 坊主憎けりゃ袈裟まで憎いとばかりに、無関係な若手研究者を叩くのは何の意味もありません。

★「日本全体が“千人計画”に協力していたようなもの。学術会議を悪者にしても解決しない」海外流出を防ぐため、研究環境の改善が急務
https://blogos.com/article/491087/

 これは私(榎木)も出演していましたが、若手を冷遇し、職がなければ外国に行けとさえ言っていた日本の問題を直視しなければ何の解決もありません。

 グローバル化を叫んでいた人たち、若者の内向き志向を嘆いていた人たちは、全力でバッシングに遭っている若手研究者を擁護しなければなりません。

★ニューズウイーク日本版
特集:科学後退国 ニッポン
https://www.newsweekjapan.jp/magazine/295993.php

 榎木の名前もチラッと出てきます。

★「卓越」研究者でも定職なし 博士離れ加速
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65059250V11C20A0TJM000/

 こちらにも榎木のコメントが掲載されています。

 こうした状況こそ、若手が海を渡ることを背中から押しているわけで、若手を引っ張った中国だけを責めるわけにはいきません。

 学術会議の問題も含め、研究者といいますか、知識人バッシングのようなことが続いています。

 確かに研究者の中には不遜で他人を見下し、国が金を出すのが当然、飢えた人から食べ物を奪って、自分は有益だから生き残る、お前らは死ね、と平然と言い放ちそうな人がウヨウヨいます。

 正直ノブレスオブリージュのノの字もなさそうなこういう人に私は腹立って仕方ないのですが、そういう不快な人を「飼っておく」余裕がなくなったことが、バッシングの背景にあるように思います。

 何度か書いていますが、基礎研究は財政的に余裕のある国しかできませんし、あらゆる分野の基礎研究者が揃っている国はほんの一握りです。

 日本はなんとかそうした国の一つだったわけですが、もう無理と国も国民も判断しつつあるのかもしれません。

 さてどうすればいいか…。

★Tired of science being ignored? Get political
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02854-9

★Candidates from STEM and Medical Fields in the National Elections
https://www.the-scientist.com/news-opinion/candidates-from-stem-and-medical-fields-in-the-national-elections-68038

In New York, chemist Nancy Goroff is battling a Trump loyalist for a seat in Congress
https://www.sciencemag.org/news/2020/10/new-york-chemist-nancy-goroff-battling-trump-loyalist-seat-congress

Scientists and science are on the ballot
https://science.sciencemag.org/content/370/6514/283

★Why Nature supports Joe Biden for US president
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02852-x

What if Biden wins?
https://science.sciencemag.org/content/370/6514/284

★‘Very disappointed.’ Trump’s science adviser has left U.S. researchers wanting more
https://www.sciencemag.org/news/2020/10/very-disappointed-trump-s-science-adviser-has-left-us-researchers-wanting-more

Speed and American elections
https://science.sciencemag.org/content/370/6514/267

 アメリカのトランプ政権の科学軽視は、Nature誌がバイデン支持を表明するほど深刻な状態になっています。

 そして、今回も研究者が大統領選と同時に行われる議会選挙に出馬しています。

 学術会議をめぐる動きの中に、まだ自らが政治家になろうとする研究者は目立っていません。

 思えば全米科学振興協会は、研究者が自らの存在価値をアピールしないと潰されてしまうという危機感から生まれたと聞いています。

 今日本の研究者は、存続の危機という始めての経験に直面しているのかもしれません。

 今回の学術会議への政治介入が、日本の科学コミュニティをどのような方向に向かわせるのか。歴史的転換点になったと後世の科学史家から言われるのか。

 私たちも当事者としての意識を持ちながらしっかりと見ていきたいと思います。

★When Scientists Become Political Dissenters
https://www.scientificamerican.com/article/when-scientists-become-political-dissenters/

 トルコ、ロシア、パレスチナ…。政治の敵とみなされた科学者たち。

シュプリンガー・ネイチャーとドイツMPDLが、Nature を対象に含む転換契約に初めて合意
https://www.natureasia.com/ja-jp/info/press-releases/detail/8814

 ご案内いただきました。重要な契約です。

今回のMPDLとの転換契約は、4年間にわたるものであり、参加機関に所属する著者は、Nature およびNature関連リサーチ誌への掲載を認められた研究論文を、費用の負担なしに直ちにオープンアクセス(OA)で出版することが可能になります。また、参加機関は、既存ならびに今後創刊されるNature関連レビュー誌およびNature関連誌を含むNature のポートフォリオを全て閲覧することができます。

 今後こうした大規模な提携が加速していくように思います。

★Researchers face hurdles to evaluate, synthesize COVID-19 evidence at top speed
https://www.sciencemag.org/news/2020/10/researchers-face-hurdles-evaluate-synthesize-covid-19-evidence-top-speed

★現在の感染状況に対する分科会から政府への提言 令和2年10月15日(木)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/seifu_teigen_11.pdf

新型コロナ “増加要因と減少要因がきっ抗” 政府の分科会
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201015/k10012665681000.html

新型コロナウイルス感染症対策分科会(第11回)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/corona11.pdf

★偏見・差別とプライバシーに関するワーキンググループ
令和2年10月16日
第3回資料(議事次第)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/wg_h_3.pdf

【資料1】(日本病院協会・相模原中央病院)偏見・差別とプライバシーに関するWG資料
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/wg_h_3_1.pdf

【資料2】(日本看護協会)医療現場における差別・偏見の実態、課題と対応策等日本看護協会
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/wg_h_3_2.pdf

【資料3】(全国老人福祉施設協議会新型コロナウイルス感染症に伴う偏見・差別への対応について
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/wg_h_3_3.pdf

【資料4】日本弁護士連合会資料
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/wg_h_3_4.pdf

【資料5】(立正大淞南高校)メガクラスター発生時の偏見・差別対策とプライバシー保護の取り組みについて
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/wg_h_3_5.pdf

【資料6】(三重県)偏見・差別の実態と取組等に関する調査
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/wg_h_3_6.pdf

【資料7】(法務省法務省の人権擁護機関における人権相談等の取組について
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/wg_h_3_7.pdf

【資料8-1】(文部科学省新型コロナウイルス関連の差別についてて
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/wg_h_3_8.pdf

【資料8-2】(文部科学省)201016差別・偏見啓発動画
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/wg_h_3_9.pdf

 差別の問題は非常に重要な課題です。

新型コロナウイルス感染症対策分科会 大都市の歓楽街における感染拡大防止対策 ワーキンググループ (第3回)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/kanrakugai_wg_3.pdf

★新技術の活用による新たな日常の構築に向けて
https://www8.cao.go.jp/cstp/201009shingijutu.html

令和2年度「国立大学イノベーション創出環境強化事業」の選定結果について
https://www8.cao.go.jp/cstp/stmain/20201019daigaku.html

★「第6期基本計画に盛る政策目的 各種指標に分解して進捗管理」CSTIが方針
https://sci-news.co.jp/topics/3981/

★科学技術・学術審議会(第64回)配布資料
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu0/shiryo/mext_00003.html

議題

次期科学技術・イノベーション基本計画について
最近の科学技術・学術の動向について
各分科会等の報告について
その他

★「科学技術・イノベーション基本計画」策定に向けて
http://www.keidanren.or.jp/policy/2020/099.html

 第6期科学技術・イノベーション基本計画に関する議論が進んでいます。

★来年度概算要求 科学技術関連は約4兆6458億円
https://sci-news.co.jp/topics/3967/

菅総理は第1回成長戦略会議を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202010/16seicho.html

政府 新たに「成長戦略会議」設置 元金融アナリストら8人任命
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201016/k10012666151000.html

新設の成長戦略会議、年末に中間取りまとめ-政府
https://www.cbnews.jp/news/entry/20201019142849

「日本のインターネットの父」慶大の村井純教授が内閣官房参与に デジタル政策分野を担当
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2010/13/news142.html

★第2回輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)受賞者の決定と表彰式開催について
https://www.jst.go.jp/pr/info/info1458/index.html

★ニュース「第2回『輝く女性研究者賞』に理研・坂井氏と東工大・星野氏」
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2020/10/20201015_01.html

★改訂 Society 5.0の実現に向けた規制・制度改革に関する提言
-2020年度経団連規制改革要望-
http://www.keidanren.or.jp/policy/2020/091.html

★主要政党の政策評価 2020
http://www.keidanren.or.jp/policy/2020/097.html

★21年卒での就職活動に難しさを感じた大学院生は56.4% =アカリク調べ=
https://ict-enews.net/2020/10/15acaric/

★悪循環から好循環へ若者の研究者離れを防ぐ
https://www.news24.jp/articles/2020/10/14/07741217.html

★今こそ「大学非常勤講師」の過酷な待遇の議論を
https://webronza.asahi.com/science/articles/2020101600003.html

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“Science Communication News”
[SciCom News] No.892 2020年10月20日号 巻頭言
【発行者】一般社団法人科学・政策と社会研究室(担当 榎木英介)
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学術会議問題 広がるフェイクニュース

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         No.891 2020年10月13日号 巻頭言
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【巻頭言】
★学術会議問題 広がるフェイクニュース
2020年10月6日~2020年10月13日
カセイケン代表 榎木英介

 半日発行が遅れました。ネット番組に出演しており対応が遅れました(後述)。

 日本学術会議の問題ですが、一見すると膠着状態に陥ったままに見えます。そんな中、自民党では学術会議の在り方の検討が始まります。

菅首相日本学術会議」自民でも十分議論するよう要請
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201013/k10012661571000.html

自民「学術会議」の在り方検討し直す作業チーム きょう初会合
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201014/k10012662231000.html

 すり替えだろうという批判は強いですし、見直しは任命問題が決着してからやるべきだと思いますが、これも「シナリオ」通りなのでしょうか…。

菅首相が学術会議人事で大ナタをふるった本当の理由
https://president.jp/articles/-/39529

 そしてあからさまなフェイクニュースの流通。

Fact・Check:誤り 日本学術会議、任命拒否された6人 「ツールで低評価」
https://mainichi.jp/articles/20201011/ddm/041/010/059000c

「学術会議会員になれば年金増える」はデマ 野党ヒアリング詳報その2
https://mainichi.jp/articles/20201006/k00/00m/010/320000c

アメリカ、イギリスの「学者団体には税金は投入されていない」は誤り。日本学術会議をめぐり、橋下徹氏の発言が拡散
https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/gakujutukaigi-fact-check-2

日本学術会議幹部が「北大総長室に押しかけ研究を辞退させた」は誤り。記事は訂正、しかし誤情報が拡散
https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/gakujutukaigi-fact-check-3

学術会議が「レジ袋有料化を提言」は誤り。ネットで拡散、実際は「海洋プラスチック」問題?
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/gakujutukaigi3

学術会議が「中国の千人計画に積極的に協力」とした自民・甘利議員、ブログをひっそり修正
https://news.yahoo.co.jp/articles/d31545462ead9252c25cea3786c5875ab78f6b08

 千人計画に関しては、推論に推論を重ねて関わった日本人研究者を叩く動きがあり、非常に問題だと思います。

日本学術会議 加藤長官「『千人計画』の支援は承知していない」
https://www.sankei.com/politics/news/201012/plt2010120004-n1.html

 ネット番組に出たのはこの千人計画についての解説で、ウェブ出演でした。スタジオの激論に言いたいことを言えなかったのが残念でした。

千人計画
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%83%E4%BA%BA%E8%A8%88%E7%94%BB

「千人計画」
https://spc.jst.go.jp/policy/talent_policy/callingback/callingback_05.html

 千人計画の懸念は、デュアルユースの問題だと思いますが、研究者が全てデュアルユース可能な研究をしているわけでは無く、基礎科学者も多くいます。

 要はシンガポール始め日本も沖縄科学技術大学院大学で行なっている、「研究力向上」を狙ったものだと思われます。

 それが大学などの研究機関のランキングを上げることにつながります。

 中国の大学のランキングをあげることが問題であるならば、日本も世界から人材を引き抜くなり流出をふせぐなりすればいいわけです。国際的人材獲得競争に敗れつつあることを他国のせいにしても何も変わりません。

 デュアルユース問題ですが、日本学術会議は大学の研究に対する声明を出しており、賛否いろいろあるものの、民間企業等の研究までは禁止していません。

 そもそも以下の声明を読まずに発言している人が多いようにも感じます。

軍事的安全保障研究に関する声明
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-23-s243.pdf

研究成果は、時に科学者の意図を離れて軍事目的に転用され、攻撃的な目的のためにも 使用されうるため、まずは研究の入り口で研究資金の出所等に関する慎重な判断が求められる。大学等の各研究機関は、施設・情報・知的財産等の管理責任を有し、国内外に開かれた自由な研究・教育環境を維持する責任を負うことから、軍事的安全保障研究と見なされる可能性のある研究について、その適切性を目的、方法、応用の妥当性の観点から技術 的・倫理的に審査する制度を設けるべきである。学協会等において、それぞれの学術分野 の性格に応じて、ガイドライン等を設定することも求められる

 中国で研究したら全て軍に使われるというのは雑すぎるわけで、論文として公開されたものは世界に公知となります。

 また、先に世界大学ランキングに触れましたが、今や日本の東大より上位の中国の大学は多々あります。論文数、論文引用などでも、日本は中国の後塵を拝しています。

 後進国中国が先進国日本から何かを盗むという認識が、現実離れしているように感じます。

 安全保障の懸念は分かりますが、それは個別に対応すべきであり、アメリカの対中政策に関わるポッティンジャー大統領副補佐官でさえ、中国人留学生は歓迎であり、40万人の留学生のうち問題にするのは1%である、「外科的アプローチ」で脅威を取り除くと述べています。

U.S. targets only one percent of Chinese students over security-White House official
https://financialpost.com/pmn/business-pmn/u-s-targets-only-one-percent-of-chinese-students-over-security-white-house-official

 中国にいる日本人研究者はすべて売国奴などというレッテル貼りは、日本の国益に反していることは認識しておくべきだと思います。あくまで個別に対応すべきです。

 ともかく、雑な議論、誤解曲解が多すぎます。

★誤解だらけの日本学術会議
https://news.yahoo.co.jp/byline/enokieisuke/20201010-00201972/

 ヤフーニュースに榎木が書いた記事です。それなりに読まれていますが、フェイクニュースよりは少ないでしょう…。一旦拡散したフェイクニュースの影響は大きいですね…。

★Why Nature needs to cover politics now more than ever
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02797-1

日本学術会議の任命拒否問題、海外科学誌も注目 英ネイチャー、米サイエンス
https://www.chunichi.co.jp/article/135180

 ネイチャーなども学術会議の問題を報じていますが、外国が報じたからどうこう、というのはあまり好ましいものではないようにも思い複雑です…。

★学術会議問題は「学問の自由」が論点であるべきなのか?
https://wirelesswire.jp/2020/10/77680/

続・学術会議問題 手続きの合理性と学問の自由は別次元にある
https://wirelesswire.jp/2020/10/77712/

 村上陽一郎氏。氏の意見としては意外に思う人が多かったです…。

★Wear your mask, but think about deaf students
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02823-2

 重要な問題。

★学術会議の問題、安易な「民営化」が解決策にならないと言える理由
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/76358

 歴史を知ることが大切です。

日本学術会議問題~会員候補6人が選ばれなかった「複雑な理由」
https://news.1242.com/article/249031

ハンガリー大学改革は違法
EU裁「学問自由損なう」
https://this.kiji.is/686372860950070369

 学問の自由は世界でも問題に。

★チームNEXTステップ
https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/COVID-19/index.html

★新技術の活用による新たな日常の構築に向けて
https://www8.cao.go.jp/cstp/201009shingijutu.html

★「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~すべての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(中間まとめ)(令和2年10月 初等中等教育分科会)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/houkoku/1382996_00006.htm

国立大学法人の戦略的な経営実現に向けて~社会変革を駆動する真の経営体へ~ 中間とりまとめ(令和2年9月)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/105/mext_00531.html

新型コロナウイルス流行の研究活動への影響等に関する調査-博士人材データベース(JGRAD)におけるウェブアンケート調査- [調査資料-298]の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/45780

★科学技術イノベーション政策関連シンクタンクの専門家ワークショップによる研究開発領域抽出[調査資料-299]の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/45832

東京港ヒアリ700匹 幼虫、さなぎも発見
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64729070X01C20A0000000/

東京港大井ふ頭及び青海ふ頭におけるヒアリの確認について
https://www.env.go.jp/press/108535.html

★Research integrity: nine ways to move from talk to walk
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02847-8

 研究公正を達成するための方法。

★Sweden's gamble
https://science.sciencemag.org/content/370/6513/159.full

 何かと話題になるスウェーデンの新型コロナ政策。

★研究支える女性技術職員知って 阪大にネットワーク発足
https://www.asahi.com/articles/ASNB56X8ZNB3PTIL01G.html

 なぜ女性だけ?という声も一部にありましたが、注目です。

 科学コミュニティはこうした方々に十分目配せしてきたでしょうか?

★「大学院生にも給付型奨学金を」「国は科学を衰退させたいとしか思えない」、若手研究者の切実な声
https://news.yahoo.co.jp/byline/murohashiyuki/20201010-00202389/

 若手の生の声。悲痛です。

 科学コミュニティはこうした声に応えなければなりません。

★「正しい医療情報に拘る人」がわかってない本質
時と場合によって「正しさ」は変わってくる
https://toyokeizai.net/articles/-/378870

★このままでは日本からノーベル賞受賞者が出なくなる? 資金不足、人材流出、逸材を伸ばせない社会
https://times.abema.tv/news-article/8627993

 榎木が出演しました。

★小手先の政府とマスコミが科学技術立国壊す:大改革の担い手は無く、日本衰退は決定的
https://blogos.com/article/490694/

Japan’s government must seek out expert scientists
Yoshiyasu Takefuji
Keio University, Fujisawa, Japan.
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02813-4

 政策に科学者をうまく活用せよとの意見。

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