科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

参院選2019 各党科学技術関連公約抜粋

以下各党の政策から科学技術に関するものをコピーしました。科学技術といっても幅が広いので、なるべく特定の分野によらない振興策や人材育成などに絞っています。

(2019年7月19日修正)
国民民主党の政策に政策INDEX 2019
https://www.dpfp.or.jp/election2019/policiesからの分を追加しました。


自民党
令和元年政策パンフレット PDF形式(1.88MB)
https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/pamphlet/20190607_pamphlet.pdf

令和元年政策BANK PDF形式(1.4MB)
https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/pamphlet/20190607_bank.pdf

自民党
https://special.jimin.jp/political_promise/

「Society5.0」の実現 2020 年までを「生産性革命・集中投資期間」とし て、大胆な税制、予算、規制改革などあらゆる施策 を総動員し、ロボット・IoT・人工知能(AI)等の イノベーションを取り込むことで、「Society5.0」 の実現を目指します。

バイオエコノミーの推進 バイオ(合成生物学等)とデジタルの融合により、 高付加価値製品(バイオ医薬・機能性食品・革新バ イオ素材・燃料等)の創生を可能とする、バイオエ コノミーを推進していきます。

イノベーション・エコシステム」の早期確立
資源大国でもなければ人口大国でもないわが国 は、イノベーションを通じて付加価値を創造し続け るエコシステム(生態系)を構築する必要がありま す。知的資産がイノベーションの源泉であることか ら、知財立国を基盤としつつも、21 世紀型のイノベ ーションに対応するため、価値をデザインするとい う認識と発想が必要です。これらを踏まえながら、 イノベーションが自律的かつ持続的に生まれ続け ていくような環境(いわば生態系)としてのイノベ ーション・エコシステムの確立と価値デザイン社会 の実現を目指します。
イノベーション・エコシステムの構築には、多様 なシーズが次々と生まれ、それをニーズとつなげて マネタイズ(収益化)すること、さらに世界のルー ル作りを通じて市場を席巻することと、ニーズの変 化に対応し機敏かつ柔軟に対応することが重要で す。このため、産業界や大学が、危機意識、チャレ ンジ、デザイン、オープンイノベーションなどの観 点から、意識改革と行動変革を起こすことに加え、 イノベーション創出のためのプラットフォーム・場 づくりや人材の育成などの取組みが必要です。「知 的財産推進計画 2019」に基づき、尖った才能を持つ 人材の育成などの個々の主体の強化とチャレンジ を促す取組み、個性・アイデアが出会う場としての プラットフォームの整備などの個性の融合を通じ た新結合を加速する取組み、価値の実現に必要な共 感が生まれやすい環境の整備などを進めます。 知財の創造・保護・活用を国家戦略としてサポー トするため、まずは、研究開発の成果物が知的財産 権として国内外で迅速かつ安定的に保護されるよ う、特許庁の審査体制をさらに整備・強化し、IoT 等の新技術や急増する外国語文献への対応、地域の 中小企業等を対象とする出張面接審査・テレビ面接 審査等の充実を図りつつ、「審査の迅速化・高度化」 を進め、別の国においても早期に審査が受けられる 環境整備も併せて進めます。 また、不正競争防止法におけるデータの不正取得 の禁止等を踏まえ、法の適切な運用環境を整備する ため、ガイドラインの内容や不正競争防止法に関す る普及・啓発などの必要な措置を講じます。 さらに、中小・ベンチャー企業のための知財活用 の促進や、地理的表示(GI)や優れた植物品種の登 録などの知財活用を通じた「攻めの農林水産業」を 進めるとともに、大学等の研究機関が専門的知識と 経験を有する知財人材を十分に確保できる支援体 制を整備します。 併せて、イノベーションの中核となる人材を育て るために、企業や大学の経営をデザイン(構想)す ることのできる人材の育成や、初等中等教育から創 造性を育むための知財創造教育の充実に努めます。
コンテンツ分野においては、デジタルデータの流 通が社会を飛躍的に変化させつつあることを踏ま え、デジタルアーカイブジャパンの構築を推進しま す。関係省庁の司令塔として CITF(コンテンツ・イ ンテグレーション・タスクフォース(仮称))を新 たに設置し、官民の取組みを統合的に推進します。 これにより様々なジャンルのコンテンツを連携強 化させ、プラットフォーム対応の倍増を図ります。
また、Society5.0 社会の到来を見据え、ブロックチェーンなど、新たな技術を積極的に活用しながら、 クリエイターに適切に対価が還元されるコンテン ツの管理・流通の仕組み作りを進めます。 さらに、コンテンツとの連携による地域の魅力発 信を推進することで、地域経済の活性化・地方創生 を推進します。 加えて、e スポーツなど成長の兆しの見える新産 業の振興、将来性が期待できる先端技術の開発、 AI・ロボット・8K パブリックビューイングなど先端 技術の統合実装等、「コンテンツ×テクノロジープ ロジェクト(仮称)」を推進し、新たな分野での成 長を創ります。 これらと併せ、知的財産推進計画 2019 に基づき、 インターネット上の海賊版被害への総合的かつ実 効的な対策など模倣品・海賊版対策を一層強化しま す。

(教育におけるエンパワーメントと STEM人材を支 援します)
女子中高生に対する理数科教育の強化や研究、指導を通じて、理数系への関心と学力を高めるととも に、本人はもとより保護者・教員に対しロールモデ ルや多様なキャリアの可能性に関する情報提供を 充実します。女性研究者のライフイベントに配慮し た、研究資金、雇用形態、人事制度等の柔軟な運用 を進めます。出産・子育てと学業や研究の両立が図 られるよう、「全ての大学に保育所を」を目標に、 さらなる保育施設の整備を進めます。

科学技術イノベーションの活性化
新たな技術革新を活用して経済成長と社会的課 題の解決の両立を目指す「Society 5.0」の実現は、 成長戦略の次なる最大のチャレンジであり、官民を あげた科学技術イノベーションの活性化が不可欠 です。総合科学技術・イノベーション会議と、経済 財政諮問会議や未来投資会議などとを連携させ、 「世界で最もイノベーションに適した国」の実現に 向けて、人材・予算・制度の改革なども含めて、科 学技術イノベーション政策を抜本的に強化します。 また、安保・外交、経済・財政、規制改革などを総 合戦略的な科学技術イノベーション政策と位置づ け、官邸を司令塔として、こうした政策を強力に展 開します。

「科学技術イノベーション官民投資拡大イニシアティブ」の具体化
総合科学技術・イノベーション会議の司令塔機能 をさらに強化し、官民研究開発投資を拡大するため、 「科学技術イノベーション官民投資拡大イニシア ティブ」(平成 28 年 12 月経済社会・科学技術イノ ベーション活性化委員会策定)を推進します。具体 的には、(1)予算編成プロセス改革、(2)研究開発投資 拡大に向けた制度改革、③エビデンスに基づく効果 的な官民研究開発投資拡大の 3 つのアクションを推 進します。

停滞する政府研究開発投資の拡大に向け た取組みの推進
「第 5 期科学技術基本計画(平成 28 年 1 月閣議 決定)」に基づき、ここで掲げられた幅広い取組み を着実に実行していきます。特に、諸外国が科学技 術投資を大幅に増やす中、近年、わが国の科学技術 予算が停滞しており、このままでは科学技術先進国 としての地位を失うおそれがあることに強い危機 感を持ち、本基本計画で掲げられた期間中の官民合 わせた研究開発投資の対 GDP 比 4%、政府研究開発 投資の対GDP比1%、総額約26 兆円の達成に向けて、 官邸及び政治主導で毎年の科学技術予算を確実に措置するとともに、これらの予算の戦略的な配分な どを図っていきます。

科学技術政策の強力な推進力となる「司令塔」機能の強化
資源の少ないわが国が、今後の経済成長や社会の 発展を実現していくためには、官民総力をあげて科 学技術イノベーションを強力に推進していくこと が重要です。このため、第 5 期科学技術基本計画に 基づき、「世界で最もイノベーションに適した国」 の実現に向けて、わが国の生命線である科学技術を 国家戦略として推進するとともに、イノベーション 関連の司令塔機能の強化を図る観点から、「総合科 学技術・イノベーション会議」をはじめとする司令 塔会議について横断的な調整を図る「統合イノベー ション戦略推進会議」の体制を強化し、関係府省の 連携・協力のもと、政策の重複を排除して、効率的・ 効果的な政策推進を図っていきます。総合科学技 術・イノベーション会議が中心となって重要課題を 選定し、基礎研究から出口(事業化、実用化)まで を見据えた府省の枠を越えた取組みを行う「戦略的 イノベーション創造プログラム」(SIP)を推進しま す。加えて、官民の研究開発投資拡大に向け、平成 30 年度に、政府研究開発投資を呼び水として民間の 投資を誘発する「官民研究開発投資拡大プログラ ム」(PRISM)を SIP と二本立ての施策として創設し たところであり、これらにより総合科学技術・イノ ベーション会議を司令塔とする関係府省の連携・マ ネジメント体制を抜本的に強化します。 また、今後、官邸の科学技術イノベーション政策 に関する政治決定と科学的助言の機能強化を図る とともに、一段高い立場から科学技術政策を俯瞰し、 イノベーションに関わる司令塔間の連携強化によ り、各省庁の縦割り排除をさらに進めます。例えば、 iPS 細胞研究や素粒子物理分野の大規模プロジェク トである「国際リニアコライダー(ILC)」にも資す る加速器技術のさらなる向上に日本が主導的な役 割を果たすことや、再生医療や気候変動の予測・対 策、革新的な創エネ・省エネ・蓄エネなどの重点分 野について産学の知を結集することなどを国家戦 略として強力に推進します。

未来社会創造に向けた取組みの推進
情報技術が世界的に発展し、50 年来のブレークス ルーといわれるディープラーニングに代表される 人工知能技術の大きな進展に対する関心が高まっ ており、人工知能が社会のあらゆる場で利活用され る時代が到来しつつあります。わが国は、こうした未来社会の成長の鍵となる分野の研究開発を推進 するなど戦略的に対応することにより、新たな未来 社会像を創出していく必要があります。その一つが 「Society5.0」であり、その実現に向けて、人工知 能やビッグデータ、IoT、サイバーセキュリティな どの基礎研究から社会応用まで一貫した研究開発、 とりわけ 10 年後及びその先に革新的な成果を実現 するための人工知能の基盤技術の研究開発や、それ を活かした新しい価値やサービスの創出、人文社会 科学の知見も活用した経済・社会制度の整備・構築、 人工知能技術者やデータサイエンティスト、サイバ ーセキュリティ人材といった関連する人材の育成 などを強力に推進します。 また、革新的な人工知能ビッグデータ、IoT、 サイバーセキュリティなどの情報科学技術のみな らず、ロボット技術やナノテクノロジー・材料、光・ 量子科学技術など、未来社会創造の基盤となる研究 開発などに戦略的に取り組みます。特に、超並列・ 大規模情報処理を可能とする量子情報処理(量子シ ミュレータ・量子コンピュータ)、製造現場を革新 する次世代レーザー加工などの光・量子科学技術を 強力に推進します。さらに、「ムーンショット型研 究開発」、「未来社会創造事業」などのチャレンジン グな研究開発に対する支援などを積極的に発展・展 開していきます。

学術研究・基礎研究の振興や若手研究者の 育成などの基盤強化 わが国は、2000 年以降では、米国に次ぐ世界第 2 位のノーベル賞受賞者を輩出してきました。こうし た画期的な研究成果を生み、またイノベーションの 源泉となる学術研究・基礎研究を一層強力に推進し ていきます。このため、研究者の自発性や独創性に 基づいて行われる学術研究を支える科学研究費助 成事業について、現在展開している抜本的な改革を 着実に進めながら、拡充を図ります。加えて、学術 研究から生まれた優れた成果を科学技術イノベー ションにつなげていくための戦略的基礎研究を強 化していきます。また、競争的資金について、その 多様性や連続性を確保しつつ、大幅に拡充します。 同時に、全ての競争的資金について、間接経費 30% を確保するとともに制度改善を一層推進します。ま た、こうした研究を支える大学などや国立研究開発 法人の運営費交付金などの基盤的経費を確実に措 置します。さらに、国内外の優れた研究者を惹きつ ける世界最高水準の研究環境や国際的なネットワ ーク形成に向けて、「世界トップレベル研究拠点プ ログラム(WPI)」や学術研究の大型プロジェクトを、
より推進・一層発展させていきます。同時に、ノー ベル経済学賞につながるような優れた人材の養成 に向けて、人文社会科学の研究に対する支援も大幅 に拡充します。 「卓越研究員制度」や、大学の人事制度の抜本的 改革を含む大学改革などを通じた優秀な若手研究 者の育成・確保、研究マネジメント人材などの多様 な科学技術イノベーション人材の育成・確保、即戦 力社会人や企業マインドを持つ人材の育成、女性研 究者の活躍促進に向けた支援の充実、さらには次代 を担う人材の育成などを進めます。海外に出る研究 者などへの支援や、優れた外国人研究者の受入れを 一層促進しつつ、種々の研究開発事業における国際 共同研究をさらに強化します。 世界最先端のスーパーコンピュータや大型放射 光施設などの先端的な研究施設・設備などの整備や さらなる充実を図るとともに、こうした施設などの 産学官の幅広い利用を促進します。また、科学的・ 産業的に飛躍的なイノベーション創出が期待され る次世代の軟 X 線向け高輝度放射光施設の整備を官 民地域パートナーシップにより推進します。

経済的・社会的・国家的な重要課題への対応 エネルギーの安定的な確保と効率的な利用に向 けて、省エネルギー技術などの研究開発や、再生可 能エネルギーの高効率化・低コスト化技術、水素や 蓄エネルギーなどの研究開発、さらには化石燃料の 高効率利用、原子力の利用に資する研究開発、核融 合などの革新的技術の研究開発などを進めます。資 源や食料の安定的な確保に向けた研究開発にも取 り組みます。 また、気候変動の予測やその影響・対策の評価を 行う技術の研究開発、地球環境情報をビッグデータ として捉え経済・社会的課題の解決に活用するため の情報基盤の構築、革新的なエネルギーデバイスな どの研究開発を強力に推進します。 健康長寿社会の実現に向けて、健康・医療戦略推 進本部のもと、国立研究開発法人日本医療研究開発 機構を中心に、わが国の強みを最大限に活かし、画 期的な医薬品創出・医療機器開発や、医療技術創出 拠点の整備、再生医療やゲノム医療など世界最先端 の医療の実現、がん、認知症精神疾患、新興・再 興感染症、難病の克服、超高齢化社会を見据えた老 化研究開発などを強力に推進します。地震津波、 水害・土砂災害・火山噴火などの大規模な自然災害 の防災・減災対策の一層の促進に向けて、観測・予 測・対策の一体的な取組みを進めます。 さらに、宇宙空間や海洋・サイバー空間、テロ・災害対策も含めた国家安全保障への対応を強化し ます。インターネットや GPS を生み出した米国の国 防高等研究計画局(DARPA)を参考に、国家安全保 障に関する研究が先端的・挑戦的な研究開発を牽引 し、成果が社会に還元されていることを踏まえ、わ が国でも技術の多義性や両義性(いわゆるデュアル ユース性)も念頭に、研究開発支援(ハイリスク研 究支援)を強化します。このため、「ムーンショッ ト型研究開発」をはじめ、長期的視点からインパク トの大きな革新的研究テーマを選定し、プログラム マネージャーの責任のもとで、独創研究を大胆に推 進する仕組みを展開します。

持続的なイノベーションの創出に向けた システム改革 世界的なオープンイノベーションの潮流に対応 し、分野・組織・セクター・国境を越えた研究活動 や企業活動を促進する持続的なイノベーション・ナ ショナル・システムを構築することが不可欠です。 このため、大学などにおける産学官連携マネジメン ト力を飛躍的に向上させ、競争領域を中心とした大 型共同研究を集中的にマネジメントするオープン イノベーション機構を整備するとともに、非競争領 域における産学共同研究などの推進や、産学官の人 材、知、資金が結集し共創を誘発する「場」の構築 などを通じて本格的な産学官連携を推進します。さ らに、ベンチャー企業の創出支援や起業人材の育成 支援などを推進します。 また、地域発のイノベーション創出に向けて、地 域の様々なプレイヤーが事業化に向けたチームと して活動を行い、事業化の成功事例を蓄積する取組 みを推進します。さらに、先端研究施設などを核と して大学・研究機関・企業が集積した研究開発・実 証拠点(リサーチ・コンプレックス)を形成し、研 究から事業化までを行う取組みを強力に推進し、科 学技術イノベーションを駆動力とした地方創生を 実現します。 わが国の人材育成及び学術研究の中心的役割を 担う国公私立大学の抜本的改革を確実に進めると ともに、運営費交付金や施設整備費補助金、私学助 成などの基盤的経費を確実に措置します。特に国立 大学については、客観的な成果指標に基づく資源配 分の仕組みを通じた資源配分の仕組みや財務基盤 の強化などの大学改革を断行するとともに、「指定 国立大学法人制度」により世界最高水準の卓越した 教育研究活動を行う大学を支援します。 「研究成果の最大化」を使命とする国立研究開発 法人の基盤的経費を充実するとともに、産学官の技
術・人材を糾合したオープンイノベーションハブの 形成及びその機能強化を進め、研究活動の支障とな り得る規制・制度改革を先導します。特に、2025 年 までに大学・研究開発法人などに対する企業の投資 額を 2014 年の水準の 3 倍とする目標を踏まえ、600 兆円経済の実現に向けて科学技術イノベーション の活性化を図り、経済の好循環を実現するため、昨 年の臨時国会で成立したイノベーション創出活性 化法に基づく国立研究開発法人による出資業務を 推進します。さらに、研究開発税制や寄附金税制を はじめとするイノベーション促進に向けた税制改 革や、革新的な技術シーズの事業化のためのリスク マネー供給などの政策金融の改革、特許などの知的 財産の迅速な保護及び円滑な利活用を促進するた めの知的財産制度の改革、イノベーションの隘路と なっている規制や社会制度などの改革や新技術に 関する優先的な政府調達の実現、中小企業などに対 する産学官連携などを強力に推進します。国際標準 の獲得を目指す各国の動きが一層活発化している ことから、官民協働による戦略的な国際標準化活動 を着実に推進します。また、わが国が優れた先端技 術を持つ基幹インフラについて、建設から運用、人 材養成への寄与までを一体システムとして捉え、官 民協働による海外輸出・展開活動を大幅に強化しま す。

科学技術外交の戦略的展開 科学技術イノベーションを積極的に平和外交や 経済外交に活用し、「科学技術のための外交」及び 「外交のための科学技術」の双方に取り組みます。 このため、先進国・新興国・途上国との重層的な連 携・協力の構築や、自然災害や感染症など、地球規 模で発生する深刻な課題の解決に向けた共同研 究・人材育成の推進、ODA を活用した科学技術イノ ベーションに関する支援・協力などを推進します。 特に、新興国・途上国との間では、相手国との相乗 効果と相互裨益の実現を念頭においた新たな協力 の枠組みを構築します。国連「持続可能な開発目標 (SDGs)」の達成に、科学技術イノベーションが大 きな役割を果たすとの認識に基づき、国内外の社会 的課題の解決に科学技術を一層活用していきます (STI for SDGs の推進)。 また、外務省科学技術顧問などが主導して、科学 技術イノベーションに関する国際会議におけるア ジェンダ設定や政策誘導などに取り組むとともに、 国際会議の誘致や主催などによる対外発信・ネット ワークの強化に取り組みます。 優秀な若手研究者の海外との間の戦略的な派 遣・招聘や、国内外に研究拠点を構築することなど により国際的なネットワークを強化します。さらに、 海外動向の収集・分析体制を確立するとともに、安 全保障に関わる技術などの管理を強化します。国際 的な核不拡散体制の強化に向けて、わが国の技術を 積極的に活用し、これに貢献します。

国民に信頼される文部科学行政の体制確立 組織的な再就職など規制違反や国家戦略特区に 係る文書調査での混乱などにより低下した文部科 学行政に対する国民の信頼を回復するため、文部科 学省のコンプライアンス体制を確立させるとともに、「人づくり」などの施策を総合的かつ強力に推 進する組織へと改革し、国民に信頼される文部科学行政の体制を確立します。

改正教育基本法に基づく教育改革 誰もが日本に生まれたことを誇りに思える品格 ある国家を目指して、平成 18 年の「教育基本法」 の改正以降、人格の完成を目指し、国家及び社会の 形成者を育成するという理念を踏まえ、いわゆる教 育 3 法の改正や、教育振興基本計画の策定、学習指 導要領の改訂による伝統・文化に関する教育や道徳 教育の充実など、教育再生を総合的に推進し、教育 内容の抜本的な改善・充実や、切れ目のない教育費 負担の軽減、次世代の学校・地域の創生を行ってき ました。今後は、「Society5.0(超スマート社会)」 を目指して、新学習指導要領の着実な実施や学校に おける働き方改革、高大接続改革、教育費負担軽減 や人生 100 年時代におけるリカレント教育の推進な ど、新時代に対応した教育改革に取り組みます。

世界トップの人間力と学力を実現するた めの教育投資の充実と安定的な財源確保策の検討 「教育基本法」の理念に基づき、「自助自立する 国民」「家族、地域社会、国への帰属意識を持つ国 民」「良き歴史、伝統、文化を大切にする国民」「自 ら考え、判断し、意欲にあふれる国民」を育成しま す。そのため、「教育基本法」に則り策定した「第 3 期教育振興基本計画」や学習指導要領など、教育再 生実行会議の提言を踏まえ、これまで進めてきた教 育再生の歩みを緩めることなく着実に実行します。
「家庭の経済状況や発達の状況などにかかわら ず、学ぶ意欲と能力のある全ての子供・若者・社会 人が質の高い教育を受けることができる社会」を実 現します。また、少子化を解決し、「格差の再生産」 を食い止めることは、わが国にとって喫緊の課題で す。これらの課題解決に向けて、OECD 諸国など諸外 国における公財政支出など教育投資の状況を参考 とし、教育投資をこれからの時代に必要な「未来へ の先行投資」と位置づけ、その抜本的拡充と財源確 保、民間資金のさらなる活用などに取り組みます。

若者の夢や志を実現する学校教育への抜本的転換
変化が激しく先の予測が困難な時代の中で、全て の若者が夢や志を抱き、チャレンジし、それを実現 していくことができるよう、学校教育のあり方を抜 本的に見直すことが必要です。このため、一人ひと りの状況に応じた質の高い教育を提供するための 教職員など指導体制の充実に取り組むとともに、未 来の創り手となる子供たちに必要な資質・能力の育成を目指す新しい学習指導要領の着実な実施に取 り組みます。併せて、高等学校教育、大学入学者選 抜、大学教育の一体的な改革を進め、知識・技能だ けでなく、思考力・判断力・表現力や主体性をもっ て多様な人々と協働する態度、リーダーシップ、企 画力や創造力、豊かな感性や優しさ、思いやりなど を備えた人間を育成します。

成長戦略に資するグローバル人材の育成
日本人としてのアイデンティティ、日本の伝統や 歴史、文化に対する教養などを備え、グローバルに 活躍できる人材を育成する観点から、伝統や文化に 立脚し、高い志や意欲を持つ自立した人間として他 者と協働しながら価値の創造に挑み、未来を切り拓 いていく力を付けることを重視し、国際的共通語と なっている英語のコミュニケーション能力を身に 付けることは、わが国の一層の発展のためにも、非 常に重要な課題です。令和 2 年からの小学校におけ る英語教育実施学年の早期化・教科化や、中学校に おける英語による英語授業実施、高等学校における 発表・討論・交渉などを通じて英語教育を充実しま す。また、これを実現するための教師の資質向上に 加え、少人数英語指導を徹底するための教員配置や 指導体制の充実、中学校における英語の全国的な学 力調査の実施、英語を母国語とする外国語指導助手 (ALT)などの外部人材の活用を促進させるなどに より、小・中・高等学校における英語教育を抜本的 に改革・強化します。 イノベーティブでグローバルに活躍できる人材 を高等学校段階から育成するため、拠点となる高等 学校が、国内外の高等学校や大学、企業、国際機関 等と協働して高校生へより高度な学びを提供する、 WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシ アムの構築を支援するとともに、希望する生徒全員 が海外留学できるよう、留学支援の充実を図ります。
高等学校において共通必履修科目となる「地理総 合」「歴史総合」を設けるなど地理歴史や伝統・文 化に関する教育の充実を図ります。 理数教育については、将来、イノベーションの担 い手として世界を牽引していくリーダーとなるよ うな明確な目的意識を持つ子供の育成に向けて、子 供の多様性を尊重し、創造性を育むとともに、優れ た資質を伸ばし、育てる才能教育を強化します。理 数好きな子供を増やすため、体験活動や実験教室の 充実、理工学部の学生や企業関係者などの外部人材 の活用、さらには理数教育に携わる教師の指導力向 上など、初等中等教育段階での理数教育を大幅に充 実します。また、全国学力・学習状況調査で、国語・
算数(数学)に加え、理科の調査を定期的に実施し ます。 理科専科教員の増員や理科設備などの環境整備、 先進的な理数教育を行う「スーパーサイエンスハイ スクール(SSH)」や、学校を超えた才能教育の場を 確保するための「グローバルサイエンスキャンパ ス」と「ジュニアドクター育成塾」を推進するとと もに、中学・高校生の「科学の甲子園」などの活躍 の場の充実などを推進し、国際科学オリンピックに 参加する児童生徒数の大幅な増加を促進し、国際的 な交流機会を拡大します。また、高等教育段階にお いて、入学時に必要な学力として文系においても理 数の力を重視する取組みや、文理横断型教育プログ ラムの開発理工系専門職業人材を育成する職業教 育システムの構築などを支援します。 グローバル人材の育成に有益な国際バカロレア は、国際的に通用する大学入学資格を取得すること が可能であり、論文作成など一部のカリキュラムを 日本語でも実施可能にするプログラム(日本語 DP) の開発・導入、大学入試における活用や、全国的な コンソーシアムによる国際バカロレアの導入・運営 に係る環境の整備を通じて、国際バカロレア認定校 などを令和 2 年度までに 200 校程度に増加させます。 さらに、英語による授業の拡大や、外国人や海外で 学位を取得した若手の積極的採用を行うなど、徹底 した大学改革と国際化を断行する「スーパーグロー バル大学」を継続的に重点支援します。 また、高等教育段階への入学時に必要な学力とし て文系においても論理的思考力や表現力などの理 数の力を重視する取組みや理工系人材の育成を支 援します。

教育の情報化の推進
Society5.0 の時代において、子供たちが未来社会 を切り拓くために必要な資質・能力を育むため、プ ログラミング教育や情報モラル教育の充実など、情 報活用能力の育成を推進するとともに、遠隔教育な どの ICT を活用した先端技術の導入を進めることで、 子供たち一人ひとりの力を最大限引き出す教育環 境を実現します。その前提として、児童生徒一人一 台端末の環境を目指して、学校の ICT 環境を抜本的 に改善します。また、教師の働き方改革を進め、子 供たちと向き合う時間を確保するため、統合型校務 支援システムの全国的な導入を推進します。

激動の時代に対応する、新たな教育改革 世界トップの教育立国とするため、結果の平等主 義から脱却し、社会状況や子供の多様な成長の実態 などに応じた、学校制度の多様化・複線化、教員免 許制度を含めた義務教育改革、普通科の抜本見直 し・文理分断からの脱却を図る高校教育改革、高大 連携の推進、社会変革の原動力となる高等教育改革、 大学院の充実、産学連携、社会人の学び直しなど、 学校制度全体を通じて、「令和の学制改革」に取り 組みます。 平成 28 年 4 月に制度化された小中一貫教育を地 域の実情に応じて積極的に推進するとともに、フリ ースクールやインターナショナルスクールなどの 学校外教育の環境整備、夜間中学の設置促進・教育 活動の充実、小学校 5・6 年生への教科担当制の導 入、飛び級の制度化など、個人の志や能力・適性に 応じ、様々な挑戦を可能とする学びの保証システム を実現します。 また、高校生の学習意欲を喚起し、能力を最大限 引き出すための普通科のあり方の見直しや、地域に おける人材の定着・還流に向けた高等学校と地元の 市町村や産業界等との連携強化など、高等学校教育 改革を推進します。 さらに、後期中等教育の複線化を図り、若者が自 らの夢や志を考え、目的意識を持って実践的な職業 能力を身に付けられるようにするとともに、産業構 造等の変化に対応するため、専門高校と専攻科を活 用した 5 年一貫の職業教育や、専門高校と専門学校 との連携接続を促進し、「地域との協働による高等 学校教育改革推進事業(プロフェッショナル型)」 を通じて支援を強化します。自動車や造船をはじめ とした地場にある産業界との連携を強化して、実践 的な職業教育を推進していきます。 何歳になっても、スキルアップ、職種転換、子育 てからの復帰などに役立つ学び直しができるよう、 意欲のある学習者への経済的支援を充実するとともに、放送大学の機能強化などにより、学びやすい 環境整備を推進します。また、大学・大学院・専修 学校などにおいて、「職業実践専門課程」や「キャ リア形成促進プログラム」、「職業実践力育成プログ ラム(BP)」の認定拡大や、社会人や企業などのニ ーズを踏まえた実践的・専門的な教育プログラムの 提供及び費用支援や情報アクセスの改善など、社会 人が再び大学・大学院・専修学校などで学べる環境 を整備し、産業構造の変化に対応したキャリアアッ プの機会保障と再チャレンジを促進します。特に女 性については、大学などにおける保育環境の整備を 含め、子育てなどで離職した女性の学び直しと再就 職やリカレント教育を一体的に行う仕組みづくり など、地域と教育機関などの連携によるキャリア形 成支援を充実します。高齢者については、地域にお ける関係機関が連携し、学び直しが地域活動や就 労・起業などと連動する仕組みづくりを推進します。

格差克服のための教育の推進 貧困の連鎖を断ち切り、「一億総活躍社会」や「地 方創生」を実現するためには、教育における格差を 克服し一人ひとりの能力を向上させることは喫緊 の課題です。そのため、学校が全ての子供に基礎学 力を保障できるよう、学力課題校の解消やいじめ・ 不登校・中退などの課題を抱える子供への支援に取 り組みます。また、幼児期から高等教育段階まで切 れ目なく教育費負担の軽減を図るため、幼児教育の 無償化、就学援助に係る補助の充実、私立高校授業 料の実質無償化など高校生等への修学支援の充実、 高等教育段階における新たな修学支援制度に基づ く授業料減免や給付型奨学金の着実な実施など、経 済的支援の充実を図るとともに、「卒業後拠出金方 式」を検討します。さらに、困難を抱える家庭に寄 り添った伴走型の家庭教育支援員の養成・配置促進 による訪問型家庭教育支援の充実や親の相談・交流 の居場所の提供、原則無料の学習支援の充実や図書 館を活用した読書や自然体験活動を通じた親子の 学びの推進などにより、学校だけでなく、家庭や地 域の教育力向上を図ります。 これらの取組みが真に実効性のあるものとなる ように、国及び基礎的自治体に、教育支援も含めた 貧困家庭に対する支援を行う総合的なワンストッ プ窓口を整備するとともに、「教育格差克服モデル 都市」を設け、教育格差の克服を図るモデル的な取 組みを確立・発信していきます。また、格差克服が 様々な社会的便益をもたらすというエビデンスを 整備し、教育財源を確保するとともに、民間資金を 含む多様な資金を活用するため新たな制度の導入 も検討します。

子供たちの夢を徹底的に支援するための教育費負担の軽減
家庭の経済状況にかかわらず、次代を担う全ての 子供たちが共通のスタートラインに立ち、誰にでもチャンスがある社会を実現するため、各学校段階で 教育費負担の軽減のための取組みを強化します。小 学校就学前段階においては幼児教育の無償化を実 現します。義務教育段階においても、就学援助に加 え、家庭の経済状況に左右されることなく、国公私 立を通じて、子供たちの意欲や能力に応じた学校選 択が可能となるよう、私立小中学校児童生徒への授 業料負担の軽減などに取り組みます。高等学校段階 については、令和 2 年 4 月から、高等学校等就学支 援金を拡充し、年収 590 万円未満世帯を対象とした 私立高等学校授業料の実質無償化を実現するとと もに、授業料以外の教育費を支援する高校生等奨学 給付金の充実を図っていきます。 また、高校等専攻科について、実態を踏まえた教 育費支援のあり方を検討します。 高等教育段階においては、国公私立大学などの授 業料免除を充実するとともに、大学等奨学金事業に おける「有利子から無利子へ」の流れを加速すると ともに、返還月額が卒業後の所得に連動する「所得 連動返還型奨学金制度」を導入しました。さらに、 専門学校生も含め、新たな修学支援制度に基づき授 業料減免や給付型奨学金を着実に実施するととも に、「卒業後拠出金方式」を検討します。また、博士課程学生へのフェローシップティーチング・ア シスタント及びリサーチ・アシスタントの充実など 経済支援を検討し、学生全員が安心して学べる環境を整備します。

高等教育政策・大学政策の積極的な推進 (大学ビックバン)
「大学力」は国力そのものであり、質・量両面の 充実・強化が必要です。大学の持つ教育機能を抜本 的に強化し、学生を鍛え上げ社会に送り出していく ための教育改革を加速します。そのためアクティ ブ・ラーニングの推進など授業方法を質的に転換し、 学修成果の可視化や大学教員の教育能力の向上、学 修環境の整備など、教育改革に取り組む大学や教員 への支援を強化します。 すなわち、大学教育の質の保証を徹底するための 全体的な制度(設置基準や大学評価など)を充実す るとともに、大学教育の改革に取り組む大学への資 金の重点配分を行います。 また、今後の 18 歳人口の減少と、地域における 質の高い高等教育機会を確保する観点を踏まえつ つ、大学の連携・統合・撤退などの改革構想を明確 にします。加えて、社会人の学び直しなど、社会か らのニーズに大学が的確に対応できるよう、大学改 革への支援を推進します。 国立大学については、地方創生への貢献、グロー バル化への対応やイノベーション創出等の社会か らの期待に応えるため、学部・研究科などを越えた 予算や人材などの学内資源配分の最適化、年俸制や クロスアポイントメント(混合給与)の導入、年功 序列などの現行人事・給与システムの抜本的改革、 戦略的な施設マネジメントの取組みを進めるとと もに、運営費交付金や施設整備費補助金などを通じ た戦略的・重点的な支援を強化することで、国立大 学の有する教育研究・社会貢献の機能を強化します。
また、開かれた教育と研究体制をつくり、学長の リーダーシップを強化するため、抜本的なガバナン ス改革を行うこととし、学長と教授会の役割の明確 化や、学長を支えるスタッフ(理事、副学長、財務
などの専門スタッフ)の抜本的強化、学長裁量経費 の充実などを行います。 私立大学は、全大学の約 8 割を占め、学生数は全 学生数の 7 割を超えるなど、わが国の学校教育に大 きな役割を担っています。少子化の進展など、私立 大学を取り巻く環境が厳しさを増す中で、私立大学 が社会から信頼され、健全な発展を遂げていくよう、 私立大学のガバナンスの強化や戦略的財政支援な ど、私立大学の総合的な振興を図ります。私立大学 の収入の約 8 割は学生納付金であり受益者負担が重 いので、国公私立大学の設置形態論・経費の受益者 負担論の見直しなどを行い、多様な財源の確保によ る安定的な経営を可能にするため、寄附の拡大や受 託研究・共同研究の受入れの促進など、企業などの 協力も得ながら、民間資金を自主的・積極的に調達 するための環境整備を推進します。 大学同士だけでなく、地域共創(大学と地方・地 域社会、産業の連携)運動を積極的に推進するとと もに、大学の多様な取組みについて情報の国内外へ の発信を推進します。さらに、学生の学修時間の確 保や留学などの多様な機会を確保し、大学などが社 会の要請に応える人材の育成を行うため、適切な就 職活動時期の定着に取り組みます。また、地域や産 業界のニーズを踏まえた実践的・創造的技術者教育 の充実やグローバルに活躍する技術者育成の強化 などの改革を進める高等専門学校を重点的に支援 します。

新たな時代を生き抜く真の学ぶ力を育成する高大接続改革の推進
新たな時代に向けて国内外の大きな社会変動が 起こっている中、確実に学力を身に付け、人生を自 ら切り開き新たな価値を創造していける力を培う 教育が重要です。これに対応するため、時代に沿っ た柔軟かつ機敏な視点を持ち、学力の 3 要素である 「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性」 を確実に育成する高等学校教育、大学教育、大学入 学者選抜へ抜本的・一体的に改革します。 高等学校教育改革では、①これからの時代に求め られる資質・能力を育成するという観点に立った教 育課程の見直し(高等学校学習指導要領の改訂)を 行い、②課題の発見と解決に向けて主体的・対話的 で深い学び、(いわゆる「アクティブ・ラーニング」) の視点からの学習・指導方法を充実するとともに、 ③生徒の日々の活動を通じた幅広い資質能力の多 面的評価の充実を図るとともに、多様な学習成果を 測定するツールの一つとして「高校生のための学び の基礎診断」を導入しました。これらを引き続き推進し、高等学校教育の質の確保・向上に取り組みま す。 大学教育改革では、各大学において、教育理念に 基づき、①どのような能力を身に付けた学生に卒業 を認定し、学位を授与するのかについての「卒業認 定・学位授与の方針」、②卒業認定・学位授与の方 針を達成するための「教育課程編成・実施の方針」、 ③こうした方針を踏まえ、どのように入学者を受け 入れるかについての「入学者受入れの方針」のそれ ぞれの方針が一貫性を持つ明確なものとして策定 されるようにするとともに、これらの三つの方針に 基づく充実した大学教育の実現を推進します。 大学入学者選抜改革では、各大学の個別選抜を、 入学者受入れの方針の明確化と、その内容の入学者 選抜方法への具現化を通じて、学力の 3 要素を多面 的・総合的に評価する選抜方法をとるものに改善し ていきます。また、共通テストである大学入試セン ター試験に代えて、記述式問題などを通じて、より 思考力・判断力・表現力を評価できる「大学入学共 通テスト」を導入するとともに、その着実な実施と 受験が促進されるために必要な環境整備に取り組 みます。 これにより、学力の 3 要素をもって多様な人々と 協働する態度を養い、リーダーシップ、企画力や創 造力、豊かな感性や優しさ、思いやりなどを備えた 人間を育成します。さらに、これらの改革を推進す るための体制の整備・強化など財政支援に取り組み ます。

成長戦略のための高等教育改革 グローバルな競争激化や人口減少社会の到来に 対応し、日本社会・経済の活力を維持するためには、 イノベーション力・クリエイティビティの強化や労 働生産性の向上が不可欠です。このためには、文理 を横断したリベラルアーツ教育やデータサイエン ス教育を進めることにより、幅広い知識と深い専門 性をもった人材を育成する大学教育を実現すると ともに、高度専門職業人養成を目的とする専門職大 学院が、サービス産業などの生産性向上に一層貢献 できる人材を輩出するなど、成長戦略の拠点となる ことが求められます。特にビジネススクールについ ては、今後のわが国の経済社会を牽引する高度経営 人材を輩出するために、産業界と連携し新たなビジ ネス教育モデルの創出やステークホルダーの視点 を取り入れた評価の導入などにより、教育の質的向 上を図ります。 さらに、人生 100 年時代の到来に備え、大学など における社会人や企業などのニーズを踏まえた実践的・専門的なプログラム(職業実践力育成プログ ラム(BP))を認定することにより、社会人のキャ リアアップや学び直し(リカレント教育)を推進します。

地方大学などの活性化を通じた人口減少克服
若年層人口の東京一極集中を解消するためには、 地方の大学・高等専門学校が一層魅力ある存在とな ることが不可欠です。このため、「地(知)の拠点 大学」が自治体や地方企業などと連携して行う人材 育成などの取組みを支援するとともに、国立大学や 私立大学に対する地域の強みを活かした教育研究の機能強化の取組み支援、公立大学の教育・研究・ 社会貢献機能のより一層の強化を図るための取組みを推進します。さらに、大学生が地方企業へのイ ンターンシップなどに参加する取組みを支援する とともに、都市部の優れた大学が行う授業を地方に おいても受講できるようにするための取組みへの支援を行います。加えて、初等中等教育段階においても、地域に愛着と誇りを持って地域を支える人材を育てるとともに、地域学校協働活動など、学校を核として、学校と地域の連携・協働により地域力を強化する取組みを推進します。

国立大学法人運営費交付金などの安定的な確保
わが国の基礎科学の中核を担っているのは、多様な人材が集い、教育活動や研究活動を行っている大学です。近年、その安定的な教育研究活動を支える 基盤的経費(国立大学法人運営費交付金及び施設整 備費補助金、私学助成)が減少傾向にありましたが、 国立大学法人運営費交付金について平成 28 年度予 算以降、前年度同額程度を確保しており、令和元年 度予算においても対前年度同額を確保しました。平成 31 年度予算においては、私立大学等経常費補助 金について対前年度比 5 億円増を確保しました。 しかしながら、教員数の維持や施設・設備の管 理・運用などで、多大な困難が生じているとの指摘 は未だ解消されていないため、わが国の基礎科学を 強化する観点からも、これらの基盤的経費を安定的に確保します。その上で、各大学の機能強化の方向 性に応じた取組みをきめ細かく支援するため、「地域のニーズに応える人材育成・研究を推進」「分野 ごとの優れた教育研究拠点やネットワークの形成を推進」「世界トップ大学と伍して卓越した教育研究を推進」など国立大学法人運営費交付金の中に創設した重点支援の枠組みを通じて評価に基づいた メリハリある配分の実施、客観的な成果指標に基づく新たな資源配分の仕組みの導入、学長裁量経費を 通じたマネジメント改革を促進するほか、新たな社 会経済を展望した大胆な発想の転換のもと、学問の 進展やイノベーション創出に最大限貢献する組織 へと自ら転換する国立大学を実現します。 私学助成についても、総額の確保はもちろんのこ と、努力する大学へのインセンティブとなるような 戦略的かつ厳格な評価に基づいたメリハリある配 分を行います。

評価制度の抜本的改革と情報公開
大学の教育研究活動の質を保証し、向上させてい くためには、評価制度を抜本的に改革することが不可欠です。大学が自律的に改革を行うインセンティブを働かせるため、学修時間や卒業生の満足度をはじめとする成果指標を定め、教育成果の「見える化」、 情報公開を進めます。

大学院教育の抜本改革
大学院について、研究活動のみならず教育活動を 一層重視し、文系・理系それぞれの設置目的に応じ た多様性を確保して、体系的かつ組織的な高度人材 の育成の取組みへの支援を強化します。特に、社会 の多様な場で活躍する人材を育成・確保するため、産業界などとの密接な連携・協力を推進し、専門分 野の枠を超えた体系的な博士課程の構築や、社会人 が学べる環境の整備など、大学院における教育活動 を強化します。 新たな知の創造と活用を主導する博士人材を育 成するため、複数の大学、民間企業、国立研究開発 法人、海外のトップ大学・研究機関などが連携した 「卓越大学院」を形成します。そのため、優秀な若 手教員を惹き付けるための環境整備や、優秀な大学 院生への経済的支援などの資金の重点的支援を行 います。

若手研究者の活躍促進
若手研究者への支援に重点化して安定的なポストを大幅に増やすとともに、大学院生への多様な財 源による経済的支援を行います。また、優秀な研究 者が大学や公的研究機関、産業界の枠を超えて活躍 できる環境を整備します。加えて、キャリアパスを 多様化するため、産業界と連携した若手研究者や大 学院生に対する企業家・イノベーション人材育成を実施するとともに、産業界の研究職や知的財産管理 などの研究支援に携わる専門職などでの活躍を促進します。公的研究機関などにおける、ポスドクな どを対象とした専門人材育成の取組みを支援し、活躍機会を拡大します。若手研究者が自立して研究に専念できるようにするため、プロジェクト雇用における専従義務の緩和や研究以外の業務の負担軽減 等を進めます。

「留学生 30 万人計画」と学生・研究者の 国際交流の積極的推進」
特定の国・地域に偏ることなく、優秀な留学生を 戦略的に獲得します。世界的な外国人留学生の獲得 競争の中で、日本で学ぶ留学生や研究者が増えるよ う、海外拠点を活用した教育研究活動に関する情報 発信の強化や現地入試などを促進するとともに留 学生の適切な在籍管理を行います。また、地方自治 体や大学、民間団体、NPO などが連携したインター ンシップの実施、卒業・修了後の就職支援など産業 界をはじめとする社会の受入れの推進を図ります。

日本経済を再生するには、グローバルに活躍でき る「強い」日本人の育成が必要であり、意欲と能力 に富む全ての学生に留学の機会を与える環境整備 を進めます。このため、海外留学促進キャンペーン 「トビタテ!留学 JAPAN」による留学機運の醸成を 図るとともに、必要な留学などの経費の支援に係る 官民が協力した海外留学支援制度の運用や就職活 動への影響の回避、語学力の向上など、留学しやすい環境を整備します。 世界水準の教育研究活動を展開するためには、海 外から優れた研究者を受け入れ、協働で研究活動に 取り組むことが不可欠であり、奨学金の充実や受入 れ機関の体制整備、周辺の生活環境の整備などを推 進し、優秀な留学生や海外からの研究者の受入れを 大幅に拡充します。また、柔軟なアカデミック・カ レンダーの導入や留学支援体制の充実など、学生交 流を促進する体制作りの取組みや、わが国にとって 戦略的に重要な国・地域の大学との国際教育連携の 促進などを通じて、大学の徹底した国際化を推進し ます。

自然科学のみならず人文・社会科学の振興 を 世界的に活躍する学者や文化人を顕彰するノー ベル賞。日本人の受賞が続き、世界の中でわが国の 基礎科学、自然科学に対する評価は高いものがあり ます。その一方で、経済学賞だけは日本人が受賞し ていません。世界第 3 位の経済大国として、また長 引きデフレ不況を経験し、また世界の中で一番少子 高齢化が進み、それを克服しようとする中で、経済 学の知見を活かした金融財政政策の立案や、世界経 済が直面している不況の原因究明など、日本人によ る研究は貴重で重要だとの指摘があります。 そこで、今まで以上に自然科学のみならず人文・ 社会科学の振興を図るべきです。政府は優れた学者 の研究成果を取り込み、官民との共同研究を推進し、 クロスアポイント制度を活用し政府に社会科学者 を採用し、官民との人事交流を積極的に行います。 また、社会科学関係の研究費を充実し、対外発信力 を強化していきます。

(キラリと光る地方大学づくりなど地域における 若者の修学・就業の促進等) 地域における若者の修学・就業を促進するため、 地方大学・産業創生法に基づき、産官学連携により、 地域の中核的産業の振興や専門人材育成等を行う 優れた取組みを地方大学・地域産業創生交付金によ り支援し、「キラリと光る地方大学づくり」を進め ます。また、地方における地元企業等に就職した者 に対する奨学金返還支援制度の促進や、自分の住む 地域に誇りと愛着を持つことを促進する教育を強 化するとともに、地(知)の拠点である大学や高等 専門学校、専修学校、高等学校における地方公共団 体や企業等と連携した取組みを強化することによ り、地域産業を担う高度な専門的職業人材や、地域 に貢献する人材を育成します。

技術的優越の確保と技術基盤の強化・産業 基盤の強靭化
わが国の技術的な優越を確保し、技術基盤の強化 と産業基盤の強靭化に取り組みます。このため、ゲ ームチェンジャーとなり得る最先端技術などに対 して「選択と集中」による重点的な投資を進めます。 さらに、新たな「研究開発ビジョン」の策定等によ る予見可能性の向上を通じ、企業の先行投資を促進 するとともに、安全保障技術研究推進制度(ファンディング制度)の活用等を通じ、先進的な民生技術の積極的な活用を推進します。 また、有償援助(FMS)調達の合理化を含め、装備調達の最適化を図るとともに、企業間の競争環境 の創出に向けた契約制度の見直しやサプライチェ ーンのリスク管理の強化を促進します。さらに、防 衛装備移転三原則のもと、防衛装備庁を中心に、官民連携を深化させつつ、装備品の海外移転を戦略的 に推進します。

公明党
参院選2019 マニフェスト
https://www.komei.or.jp/campaign/sanin2019/policy

公明党

大学等の教育費負担の軽減

●学ぶ意欲のある若者が経済的理由で進学 を断念することがないよう、2020年4月 からの授業料等減免および給付型奨学金 の拡充により、大学等の教育費負担軽減 を推進します。また、多子世帯や中間所得 世帯の教育費の負担に配慮した取り組み を進め、希望すれば誰もが大学等へ進学 できる社会の構築をめざします。

奨学金返還の負担を軽減するため、所得 連動返還型奨学金既卒者に適用するこ とや企業・自治体による返還支援を促進す るなど、柔軟な奨学金返還を支援します

●障がいのある方の大学等への進学を進め るため、PCを活用した入試の推進並びに 学習環境の改善、校内のバリアフリー化 を進めます。

大学生や高校生等がグローバルな環境で 学べるよう、海外留学への経済的支援の 大幅な拡充、大学の国際化への支援、留学 生の受け入れ拡大や留学生との交流を強 力に推進します。

新学習指導要領に基づき、子どもたちが SDGs(持続可能な開発目標)やESD(持 続可能な開発のための教育)について学 び、取り組む機会の充実を図ります。ま た、大学など高等教育におけるSDGsの 普及にも努めます。

若者を伸ばし、Society5.0社会 を切り拓く知の拠点としての大学 改革 ●大学教育において文理の垣根を越えた、リ ベラルアーツ教育やデータサイエンス教 育を実現し、すべての学生がSociety5.0 社会において活躍できる環境を整備する とともに、国際的に卓越した博士人材の 育成を推進します。 ※Society5.0:最先端技術をあらゆる産業や生活に取り入 れることで、経済発展と社会的課題の解決を両立させる 人間中心の未来社会の構想
●地方創生を担う人材の育成や大学を核と した地域産業の活性化の観点から、基盤 的経費等による財政支援や大学と地域と の連携体制の構築を通じて、社会的基盤 の役割を果たして地域の発展に貢献する 大学を支援します。
●若者を伸ばし、Society5.0社会を切り拓 く「知の拠点」としての機能強化を加速す るため、基盤的経費である国立大学運営 費交付金や私学助成を拡充し、特に教育・ 研究・ガバナンス改革を進める大学を重点 的に支援します。
●優秀な若手研究者ポストの拡充や独創的 かつ挑戦的な研究への支援の強化などに より、安心して自らの研究に打ち込める 環境を整備し、若手研究者の活躍促進に 向けた重点支援を行うなど、基礎研究の 振興を推進します。
●女性や高齢者を含めた社会人が学び直し のできる環境を充実するため、大学にお ける学び直し機能の強化など、リカレン ト教育を推進します。また、誰もが Society5.0に対応したスキルを身に付け られる教育環境を整備します。

科学技術、イノベーションの推進 ●世界に先駆けてSociety 5.0の実現に向 けて、「統合イノベーション戦略」を確実 に反映、実現するために必要な施策を推 進します。基礎研究から出口(実用化・事 業化)までを見据え、規制・制度改革や特 区制度の活用等も視野に入れて推進して いく「戦略的イノベーション創造プログ ラム(SIP)」や民間の投資誘発効果の高い 分野の研究を加速する「官民研究開発投 資拡大プログラム(PRISM)」等を引き続 き着実に推進します。さらに、基礎研究の 段階から多くの人々を魅了する独創的な 知見・アイデアを取り入れた挑戦的研究 開発である「ムーンショット型研究開発」 を積極的に推進し、「世界で最もイノベー ションに適した国」をめざします。
●喫緊の課題である人手不足の解消に向け て、AIやIoT(さまざまなモノのインター ネット)、ロボット等といった第4次産業 革命がもたらすイノベーションを中小・小 規模事業者を含むあらゆる産業に取り入 れつつ、企業全体の省力化・生産性向上を 図ります。
●AIやIoT、ロボット等の先端技術を取り 入れることにより、地域の足となるコミ ュニティーバス等の自動走行やオンライ ン診療・遠隔診療の普及、スマート農業等 を推進し、地域における生活の質の向上 や産業の育成に努めます。
●Society5.0の推進に当たり、産業界や企 業に対するSDGs経営への取り組みや、 SDGsに取り組むスタートアップ事業者 に対する支援を強化します。特に中小・小 規模事業者に対するSDGsの認知度向上 と具体的な取り組みを後押しします。
●現行の1億倍の速度で膨大なデータを処 理する量子ニューラルネットワーク(QNN) によって、ゲノム(遺伝子情報)と先端技術 を組み合わせた個人用の薬剤開発などを 通して、健康寿命の延伸をめざすなどの社 会実装を進めます。
●2023年度をメドに準天頂衛星7機体制 の確立と機能・性能向上およびこれに対 応した地上設備等も含めた着実な開発・ 整備を行うとともに、国際競争力強化を めざしたH3ロケットの開発(2020年度 初号機打ち上げ)、情報収集衛星の機数 増、技術試験衛星(通信、観測)の開発、宇 宙データ利用の推進および宇宙探査に係 る重要プロジェクトを着実に推進します。
●将来の宇宙利用の拡大を見据え、宇宙資 源の探査・開発について国際動向を収集 しつつ、将来の取り組みについて研究を 進めます。特に、スペースデブリ(宇宙ゴ ミ)対策について、官民で取り組みを推進 します。

世界最高水準のICT環境の整備 ●Society5.0時代に向けて、地域限定型 「規制のサンドボックス」制度を創設し、 その基盤となる5G(第5世代移動通信シ ステム)、光ファイバー、8K等のICT環境 整備を進めます。
●訪日外国人等への情報提供や災害時の連 絡手段の確保、通勤通学時に使用するス マートフォン等のインターネット通信環 境向上と通信費負担の軽減を図るために、 駅や鉄道車両・バス等の公共交通機関で の無料Wi-Fiの整備を促進するとともに、 5Gの導入拡大を推進し、通信環境先進 国をめざします。
●児童生徒等が地域でプログラミング等の ICTを学び合う「地域ICTクラブ」や、高 齢者等がICT機器の操作等について気軽 に相談できる「ICT活用推進委員」を各地 域に創設し、新たな地域コミュニティー をつくります。
●過疎・離島地域など条件不利地域におけ る光ファイバー敷設や携帯電話がつなが らない地域の環境改善など、ICT基盤整 備を促進します。
●IoTや5Gの導入などで、急激に増大する 通信量に対応する超大容量の光ファイバ ー通信網やローカル5Gの整備等、地方の Society5.0を支えるICTインフラの整備 を計画的に進めます。

日本全国や世界中から学生が集まるよう な「キラリと光る地方大学づくり」を全国 的に展開し、産学官連携によるイノベー ションの創出、地域の専門人材育成や産 業振興を進めます。

地域イノベーションの好循環を作り上げ るため、政府関係の研究・研修機関等の地 方移転を進めます。

立憲民主党
立憲ビジョン2019
https://special2019.cdp-japan.jp/assets/pdf/rikkenvision_0704.pdf

国公立大学の授業料を半額程度に引き下げ、私学助成金を増やします
給付型奨学金と無利子奨学金を拡充し、過去の有利子奨学金の利子分を補填します
基礎研究や研究開発の助成を拡充し、AIなどの先端技術の研究開発を促進します

SDGs(持続可能な開発目標)の17のゴール達成を目指します

★国民民主党
国民民主党新しい答え2019
https://www.dpfp.or.jp/election2019/answers

第4次産業革命

世界で進行中の第4次産業革命(IoT、ブロックチェーン、ロボット、人工知能ビッグデータ、自動運転等の多岐にわたる技術革新)については産官学・中小企業と大企業・国内外の企業家など異分野のプレーヤー同士を結び付ける手法(オープン・イノベーション)を積極的に活用し、日本発の「世界で戦える産業」を育成します。同時に国の研究開発のあり方を質・量ともに変革します。科学研究費補助金科研費)をさらに増やし、ITやIoT分野(特に、ソフトウェア、サイバーセキュリティ等)の予算を重点的に拡充します。また、交通事故の削減、高齢者等の移動支援や渋滞の解消などに資する自動運転の実現に向けて、特定条件下における完全自動運転(レベル4)を可能な限り早期に実現します。

ソサエティ5.0の実現

先端技術を、物流や介護など、あらゆる産業や社会生活に取り入れ、誰もが快適で活力に満ちた質の高い生活を送ることのできる人間中心の社会「ソサエティ5.0」を実現します。

EdTech(エドテック)*の推進

人工知能・IoT・VR・ブロックチェーン等の先端技術を活用して、学習・教育効果の向上、自動化・効率化、価格破壊、市場創出等、従来の教育の仕組みや産業構造に大きな変革を起こします。

*Education(教育)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせた造語。

給付型奨学金の拡充

親の収入など家庭の状況にかかわらず、安心して大学や専門学校等に進学できるようにするため、返済のいらない給付型奨学金を拡充します。

SDGs(持続可能な開発目標)2030アジェンダの推進

「人間の安全保障」の理念に基づき、気候変動対策、クリーンエネルギーの推進、人権の保護、ジェンダー平等と女性・女児のエンパワーメント、包摂的で公正な社会の構築などに取り組みます。

国際リニアコライダー(ILC)誘致

被災地東北発、ものづくり大国・日本の再生に向けた次世代の科学技術・産業の「土台」づくりとするためにILCを誘致します。

政策INDEX 2019
https://www.dpfp.or.jp/election2019/policies

科学技術イノベーション・情報通信

我が国が強みを持つ学問分野を結集したリーディング大学院の強化を図り、成長分野などで世界を牽引するリーダーとなる人材を国際ネットワークの中で養成するなど、産官学の知識を結集して世界トップレベルの研究開発及び成果の還元を推進し、技術革新を促進します。

民間企業と大学、国立研究所などが研究の外部連携効果を実現するための横断的な取り組みを誘導・推進します。ICTについて、世界をリードする技術とサービスの革新を目指し、国際的な競争や連携を視野に入れた新しい競争・規制政策を確立します。

産官学の強力な連携体制により、ロボット開発、IoT(モノのインターネット)の推進、ビッグデータの利活用などを図り、国民生活のあらゆる分野で課題解決型の先進的なサービスの提供と質の高い雇用の創出を実現し、国民の暮らしを世界一豊かにしていきます。

基礎研究への公的支援の充実、応用・実用化研究への民間企業による投資拡大の仕組みづくりを進めます。

第4次産業革命

世界で進行中の第4次産業革命(IoT、ブロックチェーン、ロボット、人工知能ビッグデータ、自動運転等の多岐にわたる技術革新)については産官学・中小企業と大企業・国内外の企業家など異分野のプレーヤー同士を結び付ける手法(オープンイノベーション)を積極的に活用し、日本発の「世界でたたかえる産業」を育成します。

国の研究開発のあり方を質・量ともに変革します。科学研究費補助金科研費)をさらに増やし、ITやIoT、ロボティクス、データ解析、サイバーセキュリティ、ヘルスケア、教育、宇宙などの分野を重点的に強化します。

ソサエティ5.0」の実現

先端技術を、物流や介護など、あらゆる産業や社会生活に取り入れ、誰もが快適で活力に満ちた質の高い生活を送ることのできる人間中心の社会「ソサエティ5.0」を実現します。

ものづくり・人材育成

日本のものづくりの現場を支える人材の育成を強力に後押しします。高校への多様な専門科の導入、高等専門学校専修学校、工業高校等への支援を拡充します。大学等においても研究、開発やものづくりの基盤を支える高度人材の育成を推進します。また、社会人の職業訓練を支援するとともに、セーフティネットを強化した上で成長分野への人材移動と集積を進めます。

人材育成にあたっては、高度な専門領域に精通する人材育成に加え、技術の複合化が求められる中にあって、複数の専門領域を学べる環境整備を進めます。また、即戦力の育成や働く場の確保につなげるために、教育機関と企業等との連携も視野に入れた人材育成に取り組んでいきます。

さらには、同業者、異業種企業、大学、研究機関、政府等との交流、連携を促進することによって産業全体の総合力を高め、日本のものづくり競争力を強化していきます。

人材の育成、就労支援

情報・通信技術やAIの活用、ロボット等の導入により、仕事と私生活の境界が曖昧になったり、職場における「人間」の役割が大きく変わったりすることが想定されるため、こうした変化の中でも、ゆとりのある働き方ができるよう働き方のルールを見直すとともに、職場環境の変化に対応した人材を育成するため、学校教育や職業訓練の見直しを進めます。

グローバル人材と高度技能人材の育成のため、まず人的資源の裾野を広げることに注力し、その上で、産官学の連携による体制の強化を図ります。

若者の就労支援を拡充し、未来を担う人材を育てます。若者が夢と希望をもって働ける社会を実現するため、新卒世代を中心に、学校における職業教育やカウンセラーによる進路指導、ハローワークでの職業相談など就労支援をさらに拡充し、若年者雇用を促進します。

高校、大学等における職業教育・訓練やキャリア教育を大幅に拡充するため、企業に協力を求め、その企業規模に応じて、職業教育・職業訓練インターンなど生徒・学生の受け入れを行い、様々な仕事を実際に体験する制度を展開します。

(大学授業料減免と奨学金制度改革)

やる気と能力があれば誰でも大学に進学できる社会を実現するため、大学等の授業料減免を拡大し、将来的には大学の無償化を目指します。

大学や専門学校等に進学を希望する若者が、親の収入など家庭の状況によらず入学でき、奨学金による借金を背負わずに卒業できる環境をつくります。そのために、先進国では当たり前の、返済のいらない給付型奨学金を拡充します。同時に、全ての奨学金の利子をなくすことを目指します。

奨学金を借りている人については、所得に応じて無理なく返済できる所得連動返還型無利子奨学金や、返還猶予制度などをより柔軟に運用します。

(私学助成の充実)

建学の精神や大学の個性と多様性を尊重するとともに、多様な教育の機会を確保するために私学助成の充実を図ります。


教育機関が、急増した非正規雇用、女性、高齢者をはじめ再チャレンジを求める方々に学び直しの機会を提供し、複線型のキャリアパスの形成を支えていくことを可能にするため、社会人の学び直しに対応した入学・履修制度、カリキュラム、人員体制を整備しつつ、「教育訓練給付制度」の拡充を図るなど、「学び直し」の最大の課題である経済的負担の軽減を図ります。

大学における社会人学生比率が非常に低いことを踏まえ、大学と企業との連携による再教育機会の推進や通信教育・放送大学の拡充などを進めます。社会人のキャリアアップ促進のための対策を大学・企業等に求めます。同時に大学等高等教育機関における社会人特別選抜枠の拡大等の編入制度の弾力化、夜間大学院の拡充、科目等履修制度・研究生制度の活用、通信教育の拡充を進め、社会人の受け入れを促進します。

国公立大学改革)

地域における教育機関地場産業地方自治体の協力と連携を強化し、教育・研究・地域産業・地域再生の拠点としての国公立大学高等専門学校づくりを進めます。大学学部改革はあくまでも大学内の議論と方針に拠るものとし、文部科学省や財政当局が介入することを厳に戒めます。

(大学運営費交付金

大学運営費交付金減額の議論については、授業料の値上げ等につながらないよう、維持増額を図ります。

(寄附税制)

教育・研究への支援拡充を図るため、寄附文化を醸成し、大学等への寄付にあたっての税額控除の拡充などを推進します。

(入試改革・研究活動支援)

より充実した教育の質の保障、研究開発能力の向上、大学の国際化、入試改革、少子化による大学再編などを、国民的な議論を深めながら積極的に進め、日本に世界的な高等教育・研究センターを構築していくことを目指します。

文部科学《科学技術政策》

研究の中核となる大学の研究力を強化し、世界で戦えるリサーチユニバーシティ(研究大学)を増強します。

世界最先端の研究基盤の整備・共用を推進し、世界の研究者を惹きつける国際的な研究拠点を充実させます。

研究者の処遇改善を進めます。大学などの理系カリキュラム改善やインターンシップ産学官連携で推進し、またテニュアトラック制(任期付き研究者が審査を経て専任となる制度)の普及などにより優秀な若手研究者を支援します。また、研究者が研究に専念できる環境を整備するため、補助員の配置などに対する支援を検討します。

女性研究者が能力を最大限発揮できるようにするため、研究環境の整備を行います。女性研究者の育成・支援に取り組み、欧米諸国などに比べ低い女性研究者の割合を引き上げます。

研究開発型の独立行政法人について、世界の第一線で競う研究開発の特性に応じ、研究開発成果を最大化するための制度構築・運用改善を行います。

イノベーション(技術革新)を促す基礎研究成果の実用化環境を整備します。

国際リニアコライダー計画(世界最大級の電子・陽電子衝突型線形加速器の開発計画)の研究拠点の日本誘致に取り組みます。

オープンイノベーション促進の一環として、産学連携をさらに強力に推進します。

研究開発税制の中身について、企業が大学と連携する投資の控除率をさらに高めることによって、産業界から大学への研究費の拠出割合を増やしていきます。

技術革新の多くは、複数分野の知見が結合することであるため、大学における同時専攻を推進することが重要です。手始めに、文科省の「リーディング大学院」事業などのモデル事業を拡充し、他の大学院に早期に適用していきます。

国の研究開発のあり方を質量とともに変革します。

我が国の研究費における政府の負担割合が小さく、どうしても民間における短期的な改良型の研究に偏るため、政府の研究開発予算をさらに増やし、「夢のある研究開発」を推進します。とりわけ、科学技術予算に占めるIT分野の比率は小さいのみならず、減少傾向にあるため、ICTやIoT分野(特に、ソフトウェア、サイバーセキュリティ等)の予算を重点的に拡充します。

政府の研究予算の分野間の配分が硬直的である中、今後の社会経済の課題を解決するために、研究予算の一割程度を総合科学技術イノベーション会議が機動的に重要分野に振り向けるなど改革を進めます。

複数省庁が連携する研究事案については、全体を統括するプログラム・ディレクター(PD)を置くとともに、執行機関も統一することにより、真の連携を図るとともに、効率化を促進します。

政府の審査委員会における事前・中間・事後の評価方法を見直して、できるだけ多様で革新的な事案を生む評価を推進します。
具体的には、案件の採択時には、

① 一つの審査委員会で決めるのではなく、複数の委員会で選びます。

② 評価する項目の合計点だけではなく、ある項目の点数が極端に高いものを認めます。

③ 政府が求める最終的な目標を実現できるものであれば、形式ばった基準にあっていないものも積極的に認めます。

④ 評価時には、論文発表件数や特許出願件数等によらない評価も認めるとともに、特許出願については国際特許を目指すものを重視する基準を設けます。

⑤ 研究開発の商品化が実現した際に、関係省庁での調達をはじめどのように市場に出していくのか、あらかじめ道筋を明確にすることを求めます。

基礎研究については、研究費予算の充実はもとより、各大学や研究機関の研究分野の重複が多くみられることに鑑み、それぞれの強みや特性を踏まえて、競争を残しながら選択と集中を図ります。

IoT、AI、自動運転、ビッグデータブロックチェーン技術、ロボット等の活用などを通じて、実生活に貢献する技術開発を積極的に支援します。

医療・研究現場における男女共同参画

医学部入試において女性差別が行われていたことが明らかになりました。女性医師が圧倒的に少ない現状に鑑みても、女性差別的慣行があったならば是正し、再発防止措置を徹底します。女性医療従事者の就業継続・再就業支援、就労環境整備等を強化します。

女性研究者が能力を最大限発揮できるよう、研究環境の整備を行います。女性研究者の育成・支援に取り組み、欧米諸国などに比べ低い女性研究者の割合を引き上げます。

雇用形態・給与等の処遇や研究資金等、女性研究者の研究環境について男女共同参画の観点から点検し、見直しを促します。研究活動と子育ての両立を実現する体制整備を進めます。

教育・研究現場でのアカデミックハラスメントなどハラスメント対策を推進し、意識、慣行の見直しを促進します。

妊娠・出産などで高校への進学や卒業を諦めざるを得なかった女性の高等学校卒業程度認定の取得支援、リカレント教育(学び直し)の支援など、家庭の様々な事情に沿った施策を行います。

日本維新の会
マニフェスト概要版
https://o-ishin.jp/sangiin2019/common/img/manifest2019_outline.pdf

詳細版
https://o-ishin.jp/sangiin2019/common/img/manifest2019_detail.pdf

機会平等社会を実現するための教育完全無償化

日本共産党
2019年参議院選挙公約と政策
https://www.jcp.or.jp/web_policy/2019/06/2019-sanin-index.html

51 大学改革、科学・技術
大学の危機打開へ、「学問の自由」を尊重する政策に転換し、基礎研究を重視した科学・技術の振興をはかります
https://www.jcp.or.jp/web_policy/2019/06/2019-bunya51.html

日本共産党は上記ページがほぼ全て関連の政策なので、見出しのみ抜粋しました。

国立大学の運営費交付金の傾斜配分や「類型化」を廃止し、教育・研究をささえる基盤的経費として十分に確保します
私立大学への「公費負担」原則を確立し、「経常費の2分の1助成」を実現する
公立大学への国の財政支援を強める
21世紀の日本を担う豊かな社会人へと成長できる大学教育に
国が各大学の改革を誘導する資金を廃止し、独立した配分機関を確立する
年俸制や任期制の導入に歯止めをかける
有期雇用の5年・10年経過後の無期転換を促進する
大学職員を増員し、教育・研究・診療への支援体制を充実させる
留学生に魅力ある環境を整備する
国立大学附属病院の基盤整備をすすめ、債務の軽減をはかる

授業料をただちに半額にし、若手研究者の支援を充実させます
大学・専門学校の授業料をすみやかに半額にし、段階的に無償化にする
“学生ローン”でなく、まともな奨学金に。月額3万円(年間36万円)の給付奨学金を70万人に
大学・研究機関の人件費支出を増やし、若手研究者の採用をひろげる
博士が能力をいかし活躍できる多様な場を社会にひろげる
若手研究者の待遇改善をはかる
研究費支援では、若手研究者に
専業非常勤講師の処遇を抜本的に改善する

女性研究者の研究条件の改善をはかり、ジェンダー平等を推進します
大学の「生命」といえる“自治と民主主義”を保障するルールを確立します
大学への公費支出を欧米並みにひきあげます
経済効率と軍事利用の科学技術政策から、非軍事・学術発展へ調和のとれた振興策に切り替えます
基礎研究を重視し、科学、技術の調和のとれた発展と国民本位の利用をはかります
公正で民主的な研究費配分を行い、研究における不正行為の根絶をはかります
産学連携の健全な発展をうながします

社民党
選挙公約
http://www5.sdp.or.jp/election_sangiin_2019

高等教育(大学、大学院等)の学費は、将来的に無償化をめざし、段階的に引き下げます。奨学金は無利子を原則とし、給付型奨学金の対象・水準を拡大します。返還中の方の負担軽減・免除策を導入します

★れいわ新選組
https://www.reiwa-shinsengumi.com/policy/

奨学金チャラ
555万人を奨学金政令で救います。
返済に充てる予定のお金は、必要な消費に廻していただきます。

幸福実現党
主要政策
https://hr-party.jp/files/pdf/2019-policy.pdf

科学技術の振興を図ります。
■ 未来産業の創出に向けて産学連携を促進するととも に、世界をリードする先端研究を実施する大学などへ の支援を強化します。■国際標準競争への参画推進 を含め、IoT 社会の到来に向けた環境整備に努めます。 ■ 産業競争力の向上に向けて、先端技術に対する研究 支援を拡充します。 ■ 応用研究のみならず、基礎研究 にも十分な資金が行き渡るよう大胆な支援を進めます。

幼児・高等教育の無償化に反対します。
増税による無償化はバラマキ政策であるほか、教育 の質の低下を招く恐れがあるため反対します。 ■ 教育 無償化の憲法への明記には反対します。
無利子や給付型など高等教育に関する奨学金制 度 を 拡 充 しま す 。 ま た 、 奨 学 金 の 原 資 と な る 寄 付 への税制優遇措置を拡大します。

オリーブの木
https://oliveparty.jp/policy/

 自由国民党:科学技術振興

★労働者党
http://wpll-j.org/gikaisennkyotousou/sennkyotousou-5.html#39

 科学技術政策に関する記載なし。

NHKから国民を守る党
http://www.nhkkara.jp/

 科学技術政策に関する記載なし。