科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

エプスタイン資金問題があぶりだすもの

2019年9月3日~2019年9月10日

 MITメデイアラボのスキャンダル、ついに伊藤穰一所長の辞任に繋がりました。

★米MIT伊藤所長が辞任へ 性的虐待疑惑の富豪から資金
https://www.asahi.com/articles/ASM982602M98UHBI001.html

エプスタイン資金問題を受け、メディアラボの総会で話されたこと
https://www.technologyreview.jp/s/161758/mit-media-lab-founder-i-would-still-take-jeffrey-epsteins-money-today/

MITメディアラボ・スキャンダル報道の「正しい」読み方
https://japan.cnet.com/article/35142368/

MIT伊藤教授、辞任へ 少女虐待の米富豪から資金
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49558560Y9A900C1EAF000/

Universities Grapple with Donor Behavior
https://www.the-scientist.com/news-opinion/universities-grapple-with-donor-behavior-66389

 科学界のタニマチとしてふるまっていたエプスタイン氏。そこから資金を得るために親密な関係を築いてきたメディアラボの上層部。

 よくアメリカには寄付文化があるだとか、巨額の資金を提供する民間機関があると褒め称える論調を耳にします。また、研究は民間の寄付を募れ、という声もしばしば聞かれます。

 もちろんそれが悪いというつもりはありませんが、資金提供者がどのような人物かを吟味しなければなりませんし、ガイドラインが必要です。

 また、エプスタイン氏のような人物が科学界のタニマチとして影響力があった背景には、STEMの世界の女性軽視があったと言われても仕方ありません。

★Gender equality report card reveals systematic underrepresentation of women in STEM
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-09/nysc-ger082919.php

Gender Inequity Persists in STEM
https://www.the-scientist.com/news-opinion/gender-inequity-persists-for-women-in-stem-66398

 大富豪からの資金提供には無縁に近い日本の科学界は、産学連携における倫理を自覚しなければなりません。

★「官民協働による新たな科学技術政策について ~産学官有識者との政策対話を通じた若手職員からの政策提案~」の公表について
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/09/1420855.htm

 文科省の若手の政策提言。まるで経産省みたいだ、と思ってしまいました…。

★第7回日中韓大学間交流・連携推進会議(於:東京)における合意内容について
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/09/1421057.htm

★令和元年度予算の支出状況等の公表
http://www.mext.go.jp/a_menu/kouritsu/detail/1421045.htm

★第3期中期目標期間における指定国立大学法人の追加指定について
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/09/1420901.htm

一橋大が「指定国立大学法人」に 7校目
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49455040V00C19A9CR8000/

★事前評価書(令和2年度新規・拡充事業等)
http://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/kekka/1420762.htm

★事後評価書(平成30年度実績)
http://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/kekka/1420759.htm

平成31年行政事業レビュー点検結果の平成32年度予算概算要求への反映状況について
http://www.mext.go.jp/a_menu/kouritsu/detail/1420856.htm

★科学技術社会連携委員会(第10回) 配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/092/shiryo/1420785.htm

第6期科学技術基本計画策定に向けた検討

★今後の幹細胞・再生医学研究の在り方について(第3版)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/046/houkoku/1420987.htm

★クールジャパン戦略
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kettei/cj190903.pdf

クールジャパン戦略(概要版)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kettei/cj190903_gaiyou.pdf

★大学受験の合間、論文執筆 高3らの研究が国際科学誌
https://www.asahi.com/sp/articles/ASM9346B6M93OHGB008.html

 ギフテッドですね。しかし、こうしたギフテッドが東大理3に集まることがよいことなのか、考えてしまいます。私は医師なので、医療に優秀な人材が入ってくることは歓迎ですが、社会が抱える問題は医療だけではないので、もっといろいろな分野に進出してほしいです。

 そう考えると理3から進学振り分けでさまざまな学部学科に進学できるという制度は悪くなく、理3に合格しましたという栄光を胸に、いろいろな分野に進んでほしいなと思ったりします。

★第25回ICOM(国際博物館会議)京都大会2019
https://icom-kyoto-2019.org/jp/

「アジア美術や文化に関する知識の共有」決議など採択 国際博物館会議が閉会
https://mainichi.jp/articles/20190907/k00/00m/040/243000c

★学術的評価に依然として影響力を持つインパクトファクター
https://www.editage.jp/insights/impact-factors-continue-to-influence-academic-evaluation-reveals-a-recent-survey

欠点が指摘されるも、RPTにジャーナルインパクトファクターを重視する機関・研究者は根強く(記事紹介)
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=11523

 h-indexなどはまだインパクトファクターに取って代わる段階にはないようです。

★岐阜に迫る、豚が消える日 感染続く豚コレラ、飼育半減
https://www.asahi.com/articles/ASM977GGQM97OIPE00N.html

 豚コレラの蔓延が止まりません。深刻な事態です。

ワシントン条約第18回締約国会議
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ge/page22_003296.html

ワシントン条約会議が終了、8つの要点まとめ
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190904-00010000-nknatiogeo-sctch

野生のゾウ、使って守るか、使わず守るか
象牙国内市場の完全閉鎖」が見送られたワシントン条約締約国会議の背景
https://webronza.asahi.com/science/articles/2019083000003.html

★Replication challenges
https://science.sciencemag.org/content/365/6457/957.full

Editorial expression of concern
https://science.sciencemag.org/content/365/6457/991.1.full

 今週のサイエンスに、2016年に掲載された論文の再現実験に関する論文が3報掲載されました。最初の実験結果と後の実験結果は異なったものになっています。サイエンスのこうした動きは、研究のあり方を変えていくでしょうか。

★First-ever picture of a black hole scoops US$3-million prize
https://www.nature.com/articles/d41586-019-02659-5

 ブレイクスルー賞。

★Restrict use of riot-control chemicals
https://www.nature.com/articles/d41586-019-02594-5

★New memo offers first glimpse of how Trump’s science adviser would like to shape spending priorities
https://www.sciencemag.org/news/2019/09/new-memo-offers-first-glimpse-how-trump-s-science-adviser-would-shape-spending

★No safe haven for the Thirty Meter Telescope
https://science.sciencemag.org/content/365/6457/960

 ハワイの望遠鏡問題。

★US funding scramble leaves science agencies in limbo
https://www.nature.com/articles/d41586-019-02662-w

★「天才数学者」パリ市長選に出馬へ フィールズ賞受賞
https://www.asahi.com/articles/ASM95216BM95UHBI001.html

ポスドク・企業橋渡し 経産省、共同研究の半額補助
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49552560X00C19A9MM8000/

★(多事奏論)プロ選手の再就職 「やり抜く力」もっと生かそう 山脇岳志
https://www.asahi.com/articles/DA3S14168565.html

Jリーグは2002年、「キャリアサポートセンター」を発足させ、再就職のあっせんに踏み出したが、10年ほどで頓挫した。「引退後もサッカー関係の仕事をしたいという人が多く、求人側とニーズがあわなかった」と関係者は明かす。

 Jリーグのキャリアサポートセンターは以前より注目しており、本に書いたこともありましたが、なかなかうまくいかないですね。

★Science needs mentors
https://www.nature.com/articles/d41586-019-02617-1

 日本はもっとメンターを称えるべきです。でないと奴隷ラボの蔓延を止めることができません。メンタリングをインセンティブにしないといけません。

★For academic parents, work travel can be costly-but some universities are stepping up their support
https://www.sciencemag.org/careers/2019/09/academic-parents-work-travel-can-be-costly-some-universities-are-stepping-their

中央公論 2019年10月号
https://www.chuko.co.jp/chuokoron/newest_issue/index.html

崖っぷちの科学立国

★世界 2019年10月号
https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b480059.html

特集1 AI兵器と人類

 オピニオン誌が元気です。