科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

基幹統計ミス、政府IoT機器に無差別調査、米政府機関閉鎖ひとまず終わる

2019年1月22日~2019年1月28日
カセイケン代表 榎木英介

 国の統計が信じられないという、とんでもない事態です。

★ 毎月勤労統計調査を巡る不適切な取扱いに係る事実関係とその評価等に関する報告書について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03321.html

★基幹統計の点検及び今後の対応について(平成30年1月24日公表)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000596986.pdf

★基幹統計の点検の取りまとめ結果(追加)についての公表
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01shingi05_01000026.html

文部科学省所管の基幹統計に関する点検結果について
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/1412984.htm

政府の基幹統計、22種で手続きミス ずさんさ浮き彫り
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40426300U9A120C1MM8000/

専門性強いポスト、限られた職員往来…統計不正、裏に“硬直人事”
https://mainichi.jp/articles/20190127/mog/00m/040/002000c

(耕論)その政策、何を根拠に? 中室牧子さん、津富宏さん、上西充子さん
https://www.asahi.com/articles/DA3S13865289.html

 私たちも政府の基幹統計を見てさまざまな考察をしているわけです。それが信頼できないのは深刻な事態です。

 それは将来の研究者がこの時代を正しく把握できないことにも繋がります。

 論点はいろいろあって、統計に関わる人材の乏しさ、予算の少なさなども大いなる問題でしょう。

★「首相の記録、公文書館に一括保存を」 福田元首相が提言
https://mainichi.jp/articles/20190125/k00/00m/040/443000c

 少し異なる問題ですが、根っこは一緒のような気がします。それは記録を残すことを軽視しているということです。

安倍総理は第198回国会における施政方針演説を行いました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement2/20190128siseihousin.html

 統計問題で謝罪した首相ですが、科学技術政策関連ではSociety 5.0、AI、そして大学や若手研究者について触れています。

我が国から、新たなイノベーションを次々と生み出すためには、知の拠点である大学の力が必要です。若手研究者に大いに活躍の場を与え、民間企業との連携に積極的な大学を後押しするため、運営費交付金の在り方を大きく改革してまいります。

総務省 IoT機器に無差別侵入し調査へ 前例ない調査に懸念も
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190125/k10011791591000.html

国がIoT機器を“無差別調査”へ、改正法で容認も三上洋氏「国がやるべきことではない」
https://news.nicovideo.jp/watch/nw4738880

国立研究開発法人情報通信研究機構法附則第8条第2項に規定する業務の実施に関する計画の認可
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01cyber01_02000001_00012.html

 国主導でIoT機器に侵入して調査するという計画に懸念が広がっています。

1 特定アクセス行為等による調査
(1) ポートスキャン調査
インターネット上の IoT機器
日本国内の約2億のグローバルIPアドレス(IPv4)を対象として、それぞれのIPアドレスに係る機器への接続要求を行い、セッションを確立できるか確認。
セッション確立・認証要求 (バナー情報等取得)
(2) 特定アクセス行為による調査
ID、パスワードによる認証要求があったものについて、ID、 パスワードを入力し、特定アクセス行為を行うことができるか確認。

★次世代加速器、誘致の是非を先送り 文科相
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40471660V20C19A1000000/

CERNの超巨大衝突型加速器建設構想に対しては、資金面やその意義についてすでに激しく議論されているが、冷静で論理的な評価が必要だ。
https://www.nature.com/articles/d41586-019-00234-6

 日欧で加速器が議論されています。

科研費100周年記念誌
http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/1412721.htm

 日本の基礎研究を支えた科研費が100周年ということで、記念誌が発行されました。

★科学技術社会連携委員会(第7回) 配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/092/shiryo/1412604.htm

資料1 今後の科学コミュニケーションのあり方について(仮題)(たたき台) (PDF:444KB)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/092/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2019/01/28/1412604_01.pdf

 社会問題解決が強調されています。

科学コミュニケーターの育成機関は、従来の科学コミュニケーシ ョンに求められる能力・スキルに加え、より深く社会課題の解決に関わるため に必要となる能力・スキルの育成に努めるべきである。
国は社会課題の解決に取り組む科学コミュニケーターの育成に有効なモデ ルの構築を目指す取組を行うべきである。

★「2040年を見据えた大学院教育のあるべき姿 ~社会を先導する人材の育成に向けた体質改善の方策~」(審議まとめ)(平成31年1月22日 大学分科会)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/houkoku/1412988.htm

「博士後期課程修了者の進路の確保とキャリアパスの多様化」

などについて触れています。

★人文学・社会科学の振興に向けて(審議のまとめ)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/044/houkoku/1412891.htm

★「免疫アレルギー疾患研究10か年戦略」について
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000172968_00005.html

環境省レッドリスト2019の公表について
http://www.env.go.jp/press/106383.html

★第18回アジア学術会議(SCA)の報告(平成31年1月22日)
http://www.scj.go.jp/ja/int/sca/index.html

★What bioRxiv’s first 30,000 preprints reveal about biologists
https://www.nature.com/articles/d41586-019-00199-6

急増するbioRxivへの投稿数(記事紹介)
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=11053

★東大、5年超の非常勤講師を無期雇用 組合は広がり期待
https://www.asahi.com/articles/ASM1T423PM1TULFA00G.html

 重要な動きです。

★Toward unrestricted use of public genomic data
http://science.sciencemag.org/content/363/6425/350

★Japan’s approval of stem-cell treatment for spinal-cord injury concerns scientists
https://www.nature.com/articles/d41586-019-00178-x

 日本国内ではあまり報道されていませんが、根拠に乏しいと懸念の声があがっています。

★CRISPR-baby scientist fired by university
https://www.nature.com/articles/d41586-019-00246-2

Scientist behind CRISPR twins sharply criticized in government probe, loses job
https://www.sciencemag.org/news/2019/01/scientist-behind-crispr-twins-sharply-criticized-government-probe-loses-job

 広がる懸念。当の研究者は解雇…。

★End of U.S. shutdown won’t mean return to business as usual for research agencies
https://www.sciencemag.org/news/2019/01/end-us-shutdown-won-t-mean-return-business-usual-research-agencies

Scientists relieved but wary as US shutdown ends
https://www.nature.com/articles/d41586-019-00304-9

 トランプ大統領が暫定予算を認めて政府機関ストップはひとまず終わりましたが、懸念山積みです。

Winds fail to revive NASA’s Opportunity rover
https://www.sciencemag.org/news/2019/01/winds-fail-revive-nasa-s-opportunity-rover

 もうすぐミッション終了…。

★Number of EU research students in Britain drops from pre-referendum high
https://www.nature.com/articles/d41586-019-00240-8

 合意なきEU離脱に突き進むイギリス。影響は各方面に…。

★I Q&A: 'I emigrated when my lab was turned into barracks’
https://scidev.net/global/role-models/role-models/q-a-i-emigrated-when-my-lab-was-turned-into-barracks.html

★“年収300万40歳博士”は自業自得なのか
https://president.jp/articles/-/27250

★Dispatch: a visit to Japan from Europe
https://www.nature.com/articles/d41586-018-07869-x

★Scientists’ salary data highlight US$18,000 gender pay gap
https://www.nature.com/articles/d41586-019-00220-y

★平成の「科学研究」と「科学技術政策」のねじれた関係
https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00464/