2018年9月25日~2018年10月2日
メルマガ作成中に大きなニュースが飛び込んできました。
The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2018
https://www.nobelprize.org/prizes/medicine/2018/prize-announcement/
Press release
https://www.nobelprize.org/prizes/medicine/2018/press-release/
本庶佑 高等研究院副院長・特別教授がノーベル生理学・医学賞を受賞(2018年10月1日)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/events_news/office/soumu/koho/news/2018/181001_2.html
さすがここ数年の候補だっただけあり、各報道機関も詳しい業績の紹介をしています。
私たち病理医にとっては、PD-1のリガンドPD-L1の癌細胞での発現率を調べるという仕事が日常になっており(こちらはオプジーボではなくキイトルーダの仕事ですが)、非常に身近に感じています。
また、故早石修博士以来の学問の系譜という意味でも興味深いです。
個人的には本庶博士と面識はありませんが、私の師の一人、山村博平神戸大名誉教授が、故西塚泰美博士の弟子であったので、遠い親戚みたいな感じはします。
PD-1の生理機能の解明(石田准教授)
今明かすPD-1発見の舞台裏 -みんなつながっているんだよ -
http://bsw3.naist.jp/ishida/?cate=428
PD-1の発見は、奈良先端大の石田 靖雅博士によって行われました。上の文章を読むと、この分子は石田博士の発想で発見され、本庶プロデューサーのもとで育てられ花開いたということが分かります。本当は関わった人たちみながノーベル賞に値するのでしょうけれど…。
それはさておき、私が総合科学技術会議に出席したときに、議員だった本庶博士もそこにいらしたわけですが、すでに国の科学技術政策を動かしてきた方の受賞だけに、今後本庶博士の発言はますます重みを増すものと思われます。
会見で本庶博士は基礎研究の重要性を訴えています。また、新聞各紙も、近年の日本の「研究力」低下を社説で指摘しています。日本の科学技術万歳といった素朴な感想が少なくなってきているように感じるのも、社会の側のある種の成熟なのでしょう。
とはいえ日本にとっていまだ強烈な光であるノーベル賞に照らされて、科学技術政策の問題点や、若手研究者、博士のキャリアパスの問題といった影が霞んでしまうのは警戒しなければなりませんし、トップ科学者に科学技術政策を変えることを期待するのは、君主政治を肯定するみたいなものです。
私たちとしては、草の根の視点から、科学技術政策をしっかり見ていかなければならないと思いを新たにした次第です。
★THE世界大学ランキング 東大、京大が順位を上げ、ランクイン校数は英国を抜き2位に
https://japanuniversityrankings.jp/topics/00073/
【まことのFACT】THE世界大学ランキング2019に見る、アジアにおける日本の立ち位置
http://www.cactus.co.jp/blog/theranking2019-asia/
恒例の大学ランキング。振り回されてはいけませんが、気にはなります。
★統合イノベーション戦略推進会議(第2回)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tougou-innovation/dai2/gijisidai.html
「AI戦略(案)」について
AIの総合戦略策定へ
人材育成や農業IT化、G20で世界に発信
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO35848570X20C18A9PP8000/
★若手の在外研究支援を強化
文科省、5年の助成90人に
https://this.kiji.is/418145402719945825
★科学技術・学術分野における国際活動の戦略的推進
http://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/kokusai/kouryu/1409550.htm
★特定地域内学部収容定員の増加の抑制(東京23区における大学の学部等の収容定員の抑制)等
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/teiinyokusei/index.htm
★文部科学広報平成30年9月号
http://www.mext.go.jp/b_menu/kouhou/08121808/001/1409612.htm
特集2
科学技術・学術政策研究所の調査研究から見る日本の科学技術の現状
★リサーチ・アドミニストレーター活動の強化に関する検討会
http://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/ura/detail/1409049.htm
リサーチ・アドミニストレーターの質保証に資する認定制度の導入に向けた論点整理(概要・本体・参考資料)
http://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/ura/detail/1409052.htm
リサーチ・アドミニストレーターには大いに期待しています。
★海外大学における産学連携のマネジメント・制度に関する調査
http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/sangaku/1409478.htm
★平成31年度国立大学法人等施設整備の概算要求事業の選定の考え方
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/050/gaiyou/1409560.htm
★大学分科会(第143回)・将来構想部会(第9期~)(第26回)合同会議 配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/siryo/1409589.htm
★総合政策特別委員会(第21回) 配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu22/siryo/1409393.htm
議題
報告事項 今後の高等教育の将来像の提示に向けた中間まとめについて
文部科学省における第5期科学技術基本計画の進捗状況の把握と分析結果(中間とりまとめ案)について
★第4期中期目標期間における独立行政法人国立高等専門学校機構運営費交付金の在り方について(審議まとめ)」の公表について
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/090/gaiyou/1409180.htm
★NISTEP創立30周年記念国際シンポジウム「科学技術イノベーション政策の形成と共に進化する政策研究を目指して」(11/1開催)
http://www.nistep.go.jp/archives/37797
★研究費属性と大学の技術開発の関係について[DISCUSSION PAPER No.161]の公表について
http://www.nistep.go.jp/archives/38312
分析結果によれば、「競争的研究資金」は「先駆的発明」を生み出す傾向が最も高い一方で「普及度」が最も低く,対照的に、「企業からの研究費」は「競争的研究資金」と正反対の結果を示しました。つまり、「企業からの研究費」は「先駆的発明」を生み出す傾向が最も低い一方、「普及度」が高いことが示唆されます。また、「政府から交付された研究費」は両者の中間的な結果を示す傾向があることが分かりました。
とのことです。理解できます…。
★「STI Horizon(エスティーアイ ホライズン)」誌2018秋号発行について
http://www.nistep.go.jp/archives/38223
★第11回科学技術予測調査 2040年に目指す社会の検討(ワークショップ報告)[調査資料-276]の公表について
http://www.nistep.go.jp/archives/38097
★「平成30年版 労働経済の分析」を公表します~分析テーマは「働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について」~
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_01633.html
★国公立大にベンチャーの果実 株売却益を研究資金に
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35837390X20C18A9EE8000/
★チェックリスト「Think Check Submit」であなたの論文に最適なジャーナルを選ぶ
いわゆる捕食ジャーナルを選ばないためには…
★AI研究者が大手学術誌に投稿拒否、論文はだれのもの
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35881360Y8A920C1TJM000/
昨今議論されている問題。
★The ambassadors for open access standards in the global South
https://scidev.net/global/feature/the-ambassadors-for-open-access-standards-in-the-global-south.html
★歴史的に興味深いガリレオ・ガリレイの手紙の発見は、デジタルアーカイブのみならず、実物を保管するアーカイブの重要性を示している。
https://www.nature.com/articles/d41586-018-06825-z
長く失われたと考えられていたガリレオの手紙が見つかり、彼が異端審問対策として自らの主張の表現を書き換えていたことが明らかに。
https://www.nature.com/articles/d41586-018-06769-4
先週既報。大発見ですね。実物の重要性。
★Biologists irate at NSF’s new one-proposal cap
https://www.sciencemag.org/news/2018/09/biologists-irate-nsf-s-new-one-proposal-cap
★Trump administration to review human fetal tissue research
https://www.sciencemag.org/news/2018/09/trump-administration-review-human-fetal-tissue-research
★ヨーロッパの科学には、英国のEU離脱の悪影響がすでに現れている。
https://www.nature.com/articles/d41586-018-06826-y
Six months to Brexit: how scientists are preparing for the split
https://www.nature.com/articles/d41586-018-06781-8
あと半年で英国のEU離脱が迫っています。すでに影響が…。
★France seeks slim rise to research budget amid spending cuts
https://www.nature.com/articles/d41586-018-06828-w
★Argentina’s economic crisis could trigger scientific ‘collapse,’ researchers warn
★Tired of male-ominated meetings, leading cancer conference makes nearly all of its speakers women
★Breaking the silence around mental health
http://www.sciencemag.org/careers/2018/09/breaking-silence-around-mental-health
★Applying for a Ph.D.? These 10 tips can help you succeed
http://www.sciencemag.org/careers/2018/09/applying-phd-these-0-tips-can-help-you-succeed
★異見交論56 「東大が高大接続改革の扉を開く」五神 真氏(東京大学学長)
http://kyoiku.yomiuri.co.jp/torikumi/jitsuryoku/iken/contents/56.ph