科学・政策と社会ニュースクリップ

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【ひとこと編集後記】日本再生戦略案

■日本再生戦略 (案)が公表されました。
http://www.npu.go.jp/policy/policy04/pdf/20120711/shiryo4.pdf

エネルギーや環境、医療などに多くの記載がされていますが、私がとくに関心のある科学技術人材に関する記述を一部抜粋します。

P31
[科学技術イノベーション・情報通信戦略]

【2020 年までの目標】
特定分野で世界トップ 50 に入る研究・教育拠点を 100 以上構築
理工系博士課程修了者の完全雇用
世界をリードするグリーン・イノベーションとライフ・イノベーションの成果創出
官民合わせた研究開発投資を GDP 比4%以上
情報通信技術の活用による国民生活の利便性の向上、生産コストの低減
【2015 年度の中間目標】
国際研究拠点に世界トップレベル研究者を 180 人受入れ
理系博士課程修了者における就職者8割以上
被引用数トップ 10%の論文数の国別世界ランキング向上
官民合わせた研究開発投資を GDP 比4%以上
電子政府発展指数(国連)のオンラインサービスの範囲・品質に係る部分のラ
ンキングについて TOP 5以内

(重点施策:科学技術に係る人材育成の強化等による国際競争力強化)
我が国の研究開発における国際競争力を強化するため、我が国が強みを持つ
学問分野を結集したリーディング大学院を構築し、成長分野などで世界をけん
引するリーダーとなる博士人材を国際ネットワークの中で養成する。最先端共
同研究施設・設備や支援体制等の環境整備による国内外から優秀な研究者を引
き付け国際頭脳循環の核となる研究拠点や、つくばイノベーションアリーナ
世界的な産学官集中連携拠点を形成する。また、「独立行政法人の制度及び組織
の見直しの基本方針」に基づき、国立研究開発行政法人の制度・運用及び組織
統合について検討・措置する。
大学・大学院の理系カリキュラム改善やインターンシップ産学官連携で推
進し、大学等におけるテニュアトラック制の普及等により優秀な若手研究者の
自立的研究を支援する。科学技術基本計画に定められた人材育成に関する取組
について進捗状況を管理しながら適切に推進する

P53
[人材育成戦略]

【2020 年までの目標】
国際的な学習到達度調査で世界トップクラスの順位
日本人学生等 30 万人の海外交流
質の高い外国人学生 30 万人の受入れ
日本企業のマネジメント層の国際経験を東アジアトップレベルに引き上げ
【2015 年度の中間目標】
中高一貫教育を行う学校数 500 校
学生の学修時間の欧米並み(1日8時間前後)の水準の確保
英語による授業の倍増、外国語で教育研究指導可能な人材の 1.5 倍増
外国大学等との交流協定に基づく単位互換制度を実施している大学5割
マネジメント層の国際経験に関する国際ランキングを東アジア上位3位に上昇

新成長戦略
http://www.npu.go.jp/policy/policy04/pdf/04/06/20100917_shinseityousenryaku_honbun.pdf
http://www.npu.go.jp/policy/policy04/index.htmlより)

は基本的に引き継がれたようですが、科学技術・イノベーション戦略本部の設立などは遅れているようです(2011年までにできているはずだった)。

政権がどうなるか分からない中、果たしてこの戦略がどの程度効力があるのか分かりません。自民党政権時代の「イノベーション25」
http://www.cao.go.jp/innovation/index.html

を改めて読むと、共通した部分もありますが、目標値などは検証されていないようです。まあ、政権交代でもあまり変わりないとしたら、それはそれで議論が分かれるところかもしれません。

もう何度も書いていますが、こうしたものを批判的な目で継続して読み解くことが必要であり、私達も追い続けていきたいと思います。

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