科学・政策と社会ニュースクリップ

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国家戦略会議、民間議員が大学リストラを提言

■4月9日に開催された第3回の国家戦略会議が話題になっています。

●大学はリストラ、高専は増設を 国家戦略会議
http://www.nikkei.com/news/article/g=96958A9C93819481E2EBE2E08A8DE2EBE2E6E0E2E3E09797E3E2E2E2

●大学統廃合を推進=「6・3・3制」見直しも−国家戦略会議
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120409-00000135-jij-pol

資料から、実際どのようなことが書かれているかみてみます。

平成24年 第3回 国家戦略会議 議事次第
http://www.npu.go.jp/policy/policy04/archive05_09.html

▼資料1 次世代の育成と活躍できる社会の形成に向けて
http://www.npu.go.jp/policy/policy04/pdf/20120409/shiryo1.pdf

大学に関する記述は以下です。

大学の統廃合等の促進を含む高等教育の抜本改革
産業界が求める人材像と大学が育成する学生像のミスマッチを解消するため、以下の高等教育改革をパッケージで実現すべき。
・86 の国立大学法人について、今日的な意義や今後の役割等に照らして必要な見直しを行い、新時代に適応する研究・教育を行う特色ある国立大学法人への運営費交付金の抜本的にメリハリをつけた配分などの見直し等を進める。
グローバル化や地域貢献など特色ある取組を進めるには大学間の競争が必要であり、私学助成の配分方法について、第三者評価結果の活用等により、抜本的にメリハリある配分を実施するための基準を平成 24 年度中に策定する。
・我が国の産業競争力の高い分野やグローバルアジェンダの解決に貢献し世界をリードすべき分野で活躍が期待される学生を対象とした授業料減免等の重点的強化(学生が社会貢献を行うことを支援の要件とすることの検討を含む)や、多様なニーズに応える大学間連携の推進や履修証明制度の活用による社会人教育を推進する。
・運営費交付金や私学助成に加え、優れた取組に対するファンディング等も活用しながら、統廃合等の促進を含む大学改革を促進するとともに、成長産業に対応した高等専門学校を増設するなど、高等教育の抜本改革を行う。その際、例えば学長のリーダーシップの強化や教授会を含む大学内の意思決定の透明化などによるガバナンス改革が促進されるようにする。

この資料は大学に言及しているだけでなく、若手研究者に関しても以下のように述べています。

若手研究者の切磋琢磨“夢プロ X ”
政府は、我が国が強みを有する戦略的な成長分野を選定し、若手研究者と外国の優秀な研究者が対等な関係で切磋琢磨しながら自立して研究を行う取組について支援すべき。併せて有望な学生に集中的な教育を実施し、研究拠点間の研究者や学生、産業界との交流を推進すべき(研究拠点間のコンテスト等の実施)。
研究費の審査員の充実など、研究計画書の申請・審査方式を改善。研究費配分のメリハリを効かせ、若手の優れた研究の安定的な継続が可能になるよう、若手研究者向け研究費の基金化や研究期間中の中間評価結果を次期申請の評価に生かすなどの改善等を実施すべき(平成 24 年度から)。また、ポストドクターに対し、企業との人材マッチング、長期インターシップの実施等の多様なキャリアパスを開拓するような取組を強化すべき。

その他の資料は以下です。

資料2 人材のイノベーションによる日本再生の
実現に向けて
文部科学省
平成24年4月
http://www.npu.go.jp/policy/policy04/pdf/20120409/shiryo2.pdf

資料3 次世代の育成と
活躍できる社会の形成に向けて
http://www.npu.go.jp/policy/policy04/pdf/20120409/shiryo3.pdf

資料4 女性が活躍できる経済社会の構築に向けて
平成 24 年4月9日
内閣府特命担当大臣
少子化対策男女共同参画
中川正春
http://www.npu.go.jp/policy/policy04/pdf/20120409/shiryo4.pdf

資料6 フロンティア分科会の中間報告に向けた論点整理
http://www.npu.go.jp/policy/policy04/pdf/20120409/shiryo6.pdf

 こうした提言は注目しますが、過去の政権が出した戦略との関係や整合性がどのようになっているのか、正直よくわかりません。

 具体的な政策へのおとしこみはどうなるのか、実行されているのか…誰かが「ツッコミ」を入れ続けなければならないと思います。私達もウォッチを続けます。