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「革新的エネルギー・環境戦略の策定に向けた国民的議論の推進事業」の問題点

今回の巻頭言は北海道大学の杉山滋郎さんにご執筆いただきました。

「革新的エネルギー・環境戦略の策定に向けた国民的議論の推進事業」の問題点
杉山滋郎(北海道大学

 6月22日、資源エネルギー庁が、新たなエネルギー政策の決定に向けた「国民的議論」を促す一つの方法として、新しいタイプの討論会を計画していることを明らかにしました。
 これに対し29日、科学技術の問題に関する「市民参加型討議(評価)手法」について実施経験を持ち、あるいは理論的研究を行ってきた研究者が中心になって、計画に対する「意見書」を資源エネルギー庁長官に提出しました。意見誘導
にならないようにするための方策が講じられていない、討議への参加者を選出する方法の妥当性が示されていないなど、重大な問題点があるからです。
 また、かりに今の計画のまま実施されれば、世論の誘導や形だけの「国民的議論」として厳しい批判を招くことが危惧されますし、国民の間に政府の取り組みへの不信感が強まり、国民的議論をかえって阻害することにもなりかねないと危
惧したためでもあります。
 「意見書」の全文は、次のURLに掲載してあります。
http://fox231.hucc.hokudai.ac.jp/opinion/