科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

産業競争力会議、「『日本再興戦略』改訂2015」(素案)提示

2015年6月22日〜2015年6月28日

先週の記事ピックアップ。

安部総理も出席した第22回 産業競争力会議にて、成長戦略である、「『日本再興戦略』改訂2015」の素案が提示されました。

★第22回 産業競争力会議 配布資料
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai22/siryou.html

資料1−1 「『日本再興戦略』改訂2015」(素案)本文(第一「総論」)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai22/siryou1-1.pdf

資料1−2 「『日本再興戦略』改訂2015」(素案)本文
(第二「3つのアクションプラン」、第三「改革のモメンタム 〜「改革2020」の推進〜」)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai22/siryou1-2.pdf

資料1−3 「『日本再興戦略』改訂2015」(素案)工程表
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai22/siryou1-3.pdf

資料1−4 「『日本再興戦略』改訂2015」(素案)
(「改革2020」プロジェクト及び工程表)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai22/siryou1-4.pdf

参考資料1 国立大学経営力戦略(概要)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai22/sankou1.pdf

参考資料2 国立大学経営力戦略(本体)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai22/sankou2.pdf

科学技術関連を簡単にピックアップしますと

P29〜30に具体的に書かれています。

ii)イノベーションベンチャーの創出
(1) グローバル市場につながる「ベンチャー創造の好循環」の確立
〇国際的イノベーションベンチャー創出拠点の形成に向けた新たな大学・大学院制度の創設
・ 一般の国立大学に比べて高い自由度を有する収益事業等により自己収入拡大を行うことができる「特定研究大学(仮称)」制度を創設し、企業の投資対象として魅力的なグローバルな競争力を有する国立大学を創り出す。
【次期通常国会へ法案を提出】

・ IoT・ビッグデータ人工知能時代の到来も視野に、複数の大学、研究機関、企業、海外機関等が連携して形成する「卓越大学院(仮称)」において文理融合など異分野の一体的教育を促進し、イノベーティブな人材創出拠点として活用する。
【来年度より具体的取組を開始】

(2) イノベーション・ナショナルシステムの本格稼働に向けた大学改革
〇運営費交付金の重点配分導入による大学間競争の促進
・ 新たに設けられる国立大学の重点支援のための3つの枠組み(※)の中で、自己改革の評価結果を元に、国立大学法人運営費交付金のメリハリある配分を行う。
【運営費交付金の配分方法を本年末までに取りまとめ、公表】
(※)3つの枠組み(以下のいずれかを各国立大学が自ら選択)
ア)地域貢献及び強み・特色のある分野での世界・全国的な教育研究の推進
イ)強み・特色のある分野での地域というより世界・全国的な教育研究の推進
ウ)全学的に世界で卓越した教育研究・社会実装の推進
〇研究成果最大化に向けた競争的研究費改革
・ 大学改革と研究資金改革を一体的に推進するため、文部科学省及び内閣府の大学等に対する競争的研究費について、間接経費を 30%措置する。
【来年度新規案件より措置】

 先の文科省の人文社会系、教員養成系、法科大学院見直しは、産業競争力会議のこうした意向によるものであり、「文科省はけしからん」などというのはやや的外れのように思います。

また、経済財政諮問会議では、通称骨太の方針の素案が提示されています。

★第10回経済財政諮問会議
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2015/0622/agenda.html

資料1 「経済財政運営と改革の基本方針2015(仮称)」素案
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2015/0622/shiryo_01.pdf

以下抜粋です。

[3]イノベーション・ナショナルシステムの実現、IT・ロボットによる産業構造改革
「世界で最もイノベーションに適した国」の実現を目指し、未来の成長の源泉であるイノベーション創出を担う企業・大学・研究機関の人材・知・資金の好循環を誘導する
イノベーション・ナショナルシステムを構築する。
イノベーション・ナショナルシステムの実現)
総合科学技術・イノベーション会議の下、「第5期科学技術基本計画」を策定するととともに、「科学技術イノベーション総合戦略2015」を強力に推進する。
産学官からなるオープンイノベーションの推進、多様な研究主体を引き寄せる「場」の設定支援、民間資金とのマッチング・ファンドの導入促進、革新的技術シーズを事業化に結び付ける橋渡し機能強化、若手研究者・起業家の育成と人材流動化、「特定国立研究開発法人(仮称)制度」の可能な限り早期の創設等を戦略的に実施する。
イノベーション創出の基盤を担う大学について、機能強化の方向性に応じた三つの重点支援の枠組みの新設を通じたメリハリある配分、ガバナンス確立とマネジメント改革等を強力に推進する。また、大学改革と競争的研究費改革を一体的に推進する。
世界最高の「知的財産立国」を目指し、知的財産戦略や標準化戦略を推進する。

[4]文教・科学技術、外交、安全保障・防衛等
[1]から[3]の主要歳出分野のほか、文教・科学技術、外交、安全保障・防衛等を含め、歳出改革を聖域なく進める。
次世代のための「人への投資」を行って、「富の継続的創造」を図るという観点から財政の「質の改善」を図り、現下の課題に対応するための長期的な成長を見据えたワイズスペンディングとし、メリハリをつける中で、必要な課題に対応する。

(文教・科学技術)
文教・科学技術分野については、(1)少子化の進展を踏まえた予算の効率化、(2)民間資金の導入促進、(3)予算の質の向上・重点化、(4)エビデンスに基づくPDCAサイクルの徹底を基本方針として、以下の改革を進める。
少子化の進展を踏まえた予算の見直しについては、地域コミュニティの核としての学校の役割並びに統合困難な小規模校等の活性化や休校した学校の活用・再開の観点10に留意しつつ、学校統廃合については時限的な教員加配等を通じた支援の拡充、ICTを活用した遠隔授業拡大、国立大学法人運営費交付金等の重点配分による大学間の連携や学部等の再編・統合の促進を図る。また、少子化の進展及び小規模化した学校の規模適正化の動向を踏まえ、国が各都道府県等に教職員定数の見通しを示し、これに基づき計画的に教職員を採用・育成・配置する。
民間資金の導入促進については、民間資金の獲得割合の上昇を一つの指標として、国立大学法人運営費交付金を重点配分するインセンティブを導入するほか、全府省の応用研究向けの研究費制度について企業の拠出を求めるマッチング・ファンド型制度の適用を加速し、大学について民間との共同研究など財源の多様化を図るとともに、国立大学法人に対する個人からの寄附金について、国立大学法人運営費交付金等の効率化・重点化と併せて、所得控除と税額控除の選択制を導入することについて検討する。また、クロスアポイントメント制度を通じた有能な人材の流動化、大学・研究機関と企業をつなぐマッチングプランナー制度等の活用を推進する。
予算の質の向上・重点化については、大学改革と競争的研究費改革を一体的に推進するとともに、総合科学技術・イノベーション会議の司令塔機能を強め、各府省の予算の重点化、重複排除と連携による効率化を徹底する。また、研究者等による研究設備の共用を原則化するとともに、府省を超えた複数の研究費の合算使用を促進することにより、研究費の効率的使用を推進する。
政策の効果について科学的な手法に基づき予算と成果をチェックするなど、エビデンスに基づいたPDCAサイクルを徹底する。

先ほど閣議決定された科学技術イノベーション総合戦略2015

★科学技術イノベーション総合戦略2015を閣議決定
http://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2015/06/20150624_01.html

や、

★知的財産推進計画2015
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kettei/chizaikeikaku20150619.pdf

、そして文科省から出された

★研究成果の持続的創出に向けた競争的研究費改革について(中間取りまとめ)の公表について
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shinkou/039/gaiyou/1359306.htm

などもあわせて、科学技術政策のあり方を見つめていく必要があります。

★科学技術政策担当大臣等と総合科学技術・イノベーション会議有識者議員との会合(平成27年6月25日)配布資料
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20150625.html

資料がまとまっています。

調-1-1研究資金改革に関する今後の進め方(PDF形式:27KB)
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20150625/chou1-1.pdf

調-1-2「競争的研究費改革に関する検討会」中間取りまとめ(概要)(PDF形式:93KB)
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20150625/chou1-2.pdf

調-1-3研究成果の持続的創出に向けた競争的研究費改革について(中間取りまとめ)(PDF形式:623KB)
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20150625/chou1-3.pdf

調-2独立行政法人国立大学法人等の科学技術関係活動に関する調査 1(PDF形式:685KB)
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20150625/chou2_1.pdf

2(PDF形式:647KB)
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20150625/chou2_2.pdf

平成26年度文部科学白書の公表について
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/27/06/1359412.htm

★文部科学広報平成27年6月号
http://www.mext.go.jp/b_menu/kouhou/08121808/001/1359096.htm

特集
 「ロードマップ」に基づく学術研究の大型プロジェクト
               /文部科学省研究振興局学術機関課

平成27年度就職・採用活動時期の変更に関する調査(5月1日現在)の結果について
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/27/06/1359340.htm

★公正な研究活動の推進に関する有識者会議(第1回) 配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/024/shiryo/1359062.htm

資料3_研究活動における不正行為への対応等に関するガイドラインに基づく調査及び措置に関する要項(案) (PDF:59KB) PDF
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/024/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2015/06/24/1359062_03.pdf

★公正な研究活動の推進に関する有識者会議(第1回) 議事要旨
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/024/gijiroku/1359056.htm

★高大接続システム改革会議(第3回) 配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shougai/033/shiryo/1359126.htm

議題

中間まとめ構成(イメージ)について
新テストワーキンググループにおける審議の進捗状況について
三つのポリシーを通じた大学教育の改善について
その他

★「医学保健分野における研究生産の効率性とその要因についての実証分析 ―女性研究者割合、外部資金割合との関係―」[DISCUSSION PAPER No.124]の公表について
http://www.nistep.go.jp/archives/21660

その結果、研究生産の効率性は近年向上している傾向がみられ、効率的な大学群とその他大学群との研究生産の効率性の乖離は、次第に小さくなっていることが分かりました。また、女性研究者割合と外部資金割合が増加すると研究生産の効率性に正の影響を与えることが分かりました。

★つくろう、科学とともにある社会 -サイエンスアゴラ10歳。あなたの力がほしい-
http://www.jst.go.jp/report/2015/150629.html

★「わが国におけるデータシェアリングの あり方に関する提言」(科学技術情報委員会)を公開しました。
http://www.jst.go.jp/report/2015/150622-02.html

★研究成果から想像される未来の生活 短編アニメ「日本未来ばなし」を公開
http://www.jst.go.jp/report/2015/150622.html

★「水銀に関する水俣条約を踏まえた今後の水銀対策に関する技術的事項について(合同会合第二次報告書(案))」に関する意見募集(パブリックコメント)について(お知らせ)
http://www.env.go.jp/press/101146.html

温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度による平成24(2012)年度温室効果ガス排出量の集計結果の公表について(お知らせ)
http://www.env.go.jp/press/101109.html

★「国際薬事規制調和戦略〜レギュラトリーサイエンス イニシアティブ〜」をとりまとめました
〜我が国の知見をアジアをはじめ世界に発信し、国際規制調和・国際協力に貢献〜
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000089693.html

★What happens after a retraction?
Retractions, whether for honest error or misconduct, diminish future citations to researchers’ old papers by 10% to 20%, a study says.
http://sciencecareers.sciencemag.org/career_magazine/previous_issues/articles/2015_06_23/caredit.a1500161

★ 「研究開発体制の革新に向けて―大学改革を中心に」
21世紀政策研究所第114回シンポジウム
http://www.keidanren.or.jp/journal/times/2015/0625_11.html

経団連タイムス

★学術分野ごとの「文化」の比較調査について
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/events_news/department/gakusai/news/2015/150623_1.html

★研究新興国と研究先進国の格差縮小、Nature Indexの報告
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=8108

先週既報

★CRISPR: Science can't solve it
Democratically weighing up the benefits and risks of gene editing and artificial intelligence is a political endeavour, not an academic one, says Daniel Sarewitz.
http://www.nature.com/doifinder/10.1038/522413a

CRISPR: Move beyond differences
Researchers and ethicists need to see past what can seem to be gendered debates when it comes to the governance of biotechnology, says Charis Thompson.
http://www.nature.com/doifinder/10.1038/522415a

US Congress moves to block human-embryo editing
http://www.nature.com/doifinder/10.1038/nature.2015.17858

CRISPER/cas9の問題は継続して報道がなされています。

【科学】ゲノム編集 生命の設計図を自在に操作 広がる応用、倫理面で議論も
http://www.sankei.com/life/news/150622/lif1506220015-n1.html

★日本の博士論文を一元的・網羅的に検索でき、本文も参照できる無料サービス「CiNii Dissertations」
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20150625_708666.html

国立情報学研究所です。

「CiNii Dissertations」
http://ci.nii.ac.jp/d/
プレスリリース
http://www.nii.ac.jp/news/2015/0624

★女性活躍加速のための重点方針2015
概要
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/brilliant_women/pdf/20150626gaiyou.pdf

本文
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/brilliant_women/pdf/20150626honbun.pdf

すべての女性が輝く社会づくり本部(第2回)
議事次第
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kagayakujosei/dai2/gijisidai.html

★「医学保健分野における研究生産の効率性とその要因についての実証分析 ―女性研究者割合、外部資金割合との関係―」[DISCUSSION PAPER No.124]の公表について
http://www.nistep.go.jp/archives/21660

その結果、研究生産の効率性は近年向上している傾向がみられ、効率的な大学群とその他大学群との研究生産の効率性の乖離は、次第に小さくなっていることが分かりました。また、女性研究者割合と外部資金割合が増加すると研究生産の効率性に正の影響を与えることが分かりました。

平成27年度就職・採用活動時期の変更に関する調査(5月1日現在)の結果について
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/27/06/1359340.htm

就職活動の時期等の変更による影響が出ています。

以下報道。

●「就活終了強要」の相談45%に 「他社面接受けないで」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG25H8Q_V20C15A6CC1000/

●「就活かえって長く」6割 文科省が大学に調査、卒論など支障
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO88544610W5A620C1EA1000/

●就活改革、不満あり 選考4カ月遅く 実質長期化「勉強、身が入らない」
http://www.asahi.com/articles/DA3S11819681.html

ポスドクの就職支援、横浜国大が主導 全国の大学連携
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB18H6X_U5A620C1MM0000/

関西では夕刊一面でした。これは文科省のポストドクター・キャリア推進事業のひとつです。

★2015年版
小学6年生の「将来就きたい職業」、親の「就かせたい職業」
男の子は理系職への関心高まり、女の子は興味が分散
〜小学校入学時からの夢の変化を追う〜
http://www.kuraray.co.jp/enquete/occupation/2015_s6/

クラレ。研究者が上位にきています。

★アスリートの為末大が、テレビで引っ張りだこなわけ
http://blogos.com/article/119190/

その際に「最近の大学では博士号を取得しても3年任期の研究員にしか就けず、年齢を重ねるとそれすらもかなわない『ポスドク問題』(ポストドクターの処遇問題)が増えている」と話したところ、為末はこう応じた。

「それは競技スポーツの世界でも同じです。その道だけを追求したが第一人者になれずに就業環境も狭まり、現役引退後の仕事に困る人も多い。そこでセカンドキャリアも含めた『アスリートソサエティ』の活動を続けています」

各務は「常に自分が当事者意識を持ち、困難を乗り越え物事を切り拓くのは起業家に共通する特質。為末さんは世の中を変えていく起業家能力が高い人」と評価する。

★Focus on Gender: Sex, power and scientific influence
http://www.scidev.net/global/gender/analysis-blog/gender-sex-power-scientific-influence.html

★Judge by actions, not words
Sexist comments made by my former boss Tim Hunt are not an indication that he is biased against women, argues Alessia Errico.
http://www.nature.com/doifinder/10.1038/522393a

Tim Hunt博士の問題。

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