科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

独立行政法人はどうなるか

 選挙からだいぶ時間がたち、国会も召集されました。

 マニフェスト評価や比較は、選挙というイベントだけのものではないので、これからもきっちり国会での論戦を見ていきたいと思います。

 ところで、今独立行政法人の見直しが取りざたされています。

 「独立行政法人合理化へ方針・政府有識者会議が決定

 政府の行政減量・効率化有識者会議独立行政法人の整理合理化計画策定に向けた基本方針を決めたというもので、101ある独立行政法人を研究開発型をはじめとした6つに分類し、それぞれについて見直し基準を明記するといいます。

 独立行政法人改革については、民主党の選挙マニフェストにも言及があります。

3. 特殊法人独立行政法人等の改革

特殊法人独立行政法人等は、国からの補助金交付金を使って非効率的な事業運営をしていたり、官僚の天下りの受け皿となるなど、様々な問題点を抱えています。特殊法人独立行政法人、及びこれらに係わる特別会計は、原則廃止を前提に全てゼロベースで見直し、民間として存続すべきものは民営化し、国としてどうしても必要なものは国が直接行います。また、天下り受け入れの見返りに業務を独占するなど、実質的に各省庁の外郭団体となっている公益法人は廃止します。さらに、独立行政法人の税金のムダづかい体質を改めるため、?各府省の独立行政法人評価委員会委員及び各独立行政法人の監事の独立性向上(公務員出身者による就任を制限)、?公募による独立行政法人の長の選任、?会計監査人の監査対象となる独立行政法人の拡大、?独立行政法人の統合時における資産の鑑定の義務付け、などを行います。

 民主党は「特殊法人独立行政法人特別会計等の原則廃止」によって、3.8兆円の財源を削減するといいます。

 wikipediaの記載では、特殊法人にはいま研究関係の機関はありませんが、独立行政法人には、多数の研究機関が含まれます。

 総務省独立行政法人一覧からぬきだしてみます。

内閣府)(2法人)
独立行政法人国立公文書館
独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構


総務省)(2法人)
独立行政法人通信総合研究所
(平成16年4月に独立行政法人情報通信研究機構に移行)
独立行政法人消防研究所


財務省)(1法人)
独立行政法人酒類総合研究所


文部科学省)(16法人)
独立行政法人国立特殊教育総合研究所
独立行政法人大学入試センター
独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター
独立行政法人国立女性教育会館
独立行政法人国立青年の家
独立行政法人国立少年自然の家
独立行政法人国立国語研究所
独立行政法人国立科学博物館
独立行政法人物質・材料研究機構
独立行政法人防災科学技術研究所
独立行政法人航空宇宙技術研究所
(平成15年10月に独立行政法人 宇宙航空研究開発機構に移行)
独立行政法人放射線医学総合研究所
独立行政法人国立美術館
独立行政法人国立博物館
独立行政法人文化財研究所
独立行政法人教員研修センター


厚生労働省)(3法人)
独立行政法人国立健康・栄養研究所
独立行政法人産業安全研究所
独立行政法人産業医学総合研究所


農林水産省)(17法人)
独立行政法人農林水産消費技術センター
独立行政法人種苗管理センター
独立行政法人家畜改良センター
独立行政法人肥飼料検査所
独立行政法人農薬検査所
独立行政法人農業者大学校
独立行政法人林木育種センター
独立行政法人さけ・ます資源管理センター
独立行政法人水産大学校
独立行政法人農業技術研究機構
(平成15年10月に独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構に移行)
独立行政法人農業生物資源研究所
独立行政法人農業環境技術研究所
独立行政法人農業工学研究所
独立行政法人食品総合研究所
独立行政法人国際農林水産業研究センター
独立行政法人森林総合研究所
独立行政法人水産総合研究センター


経済産業省)(5法人)
独立行政法人経済産業研究所
独立行政法人工業所有権総合情報館
独立行政法人日本貿易保険
独立行政法人産業技術総合研究所
独立行政法人製品評価技術基盤機構


国土交通省)(12法人)
独立行政法人土木研究所
独立行政法人建築研究所
独立行政法人交通安全環境研究所
独立行政法人海上技術安全研究所
独立行政法人港湾空港技術研究所
独立行政法人電子航法研究所
独立行政法人北海道開発土木研究所
 (農林水産省と共管)
独立行政法人海技大学校
独立行政法人航海訓練所
独立行政法人海員学校
独立行政法人航空大学校
自動車検査独立行政法人


環境省)(1法人)
独立行政法人国立環境研究所

平成15年4月移行
(3法人)
総務省
独立行政法人統計センター


財務省
独立行政法人造幣局
独立行政法人国立印刷局

平成15年10月移行
(30法人)
内閣府)(2法人)
独立行政法人国民生活センター
独立行政法人北方領土問題対策協会


総務省)(1法人)
独立行政法人平和祈念事業特別基金


(外務省)(2法人)
独立行政法人国際協力機構
独立行政法人国際交流基金


財務省)(2法人)
独立行政法人通関情報処理センター
独立行政法人日本万国博覧会記念機構


文部科学省)(5法人)
独立行政法人日本スポーツ振興センター
独立行政法人日本芸術文化振興会
独立行政法人科学技術振興機構
独立行政法人日本学術振興会
独立行政法人理化学研究所


厚生労働省)(5法人)
独立行政法人福祉医療機構
独立行政法人労働政策研究・研修機構
独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園
独立行政法人勤労者退職金共済機構
独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構


農林水産省)(4法人)
独立行政法人農畜産業振興機構
独立行政法人農業者年金基金
独立行政法人農林漁業信用基金
独立行政法人緑資源機構


経済産業省)(3法人)
独立行政法人日本貿易振興機構
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
独立行政法人原子力安全基盤機構


国土交通省)(6法人)
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
独立行政法人国際観光振興機構
独立行政法人水資源機構
独立行政法人自動車事故対策機構
独立行政法人空港周辺整備機構
独立行政法人海上災害防止センター

平成16年1月移行
(1法人)
経済産業省
独立行政法人情報処理推進機構

平成16年3月移行
(1法人)
厚生労働省
独立行政法人雇用・能力開発機構

平成16年4月移行
(3法人)
厚生労働省
独立行政法人国立病院機構
独立行政法人労働者健康福祉機構
独立行政法人医薬品医療機器総合機構

平成16年7月移行
(1法人)
経済産業省
独立行政法人中小企業基盤整備機構


※  独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構経済産業省)は、平成15年度中に設立予定


 相当な割合で研究機関があることが分かります。

 与野党独立行政法人の見直しで一致しているので、研究機関についても統廃合の可能性があります。

 それは国の研究がどのような方向に向かうのかを考える上で重要になってきますし、それぞれの研究機関の研究者にとっては死活問題でもあります。

 今後も動向をみていきたいと思います。