2018年11月20日~2018年11月27日
カセイケン代表 榎木英介
昨日、生命科学を揺るがすニュースが飛び込んできました。
★EXCLUSIVE: Chinese scientists are creating CRISPR babies
Genome-edited baby claim provokes international outcry
https://www.nature.com/articles/d41586-018-07545-0
AP Exclusive: First gene-edited babies claimed in China
https://apnews.com/4997bb7aa36c45449b488e19ac83e86d
CRISPR bombshell: Chinese researcher claims to have created gene-edited twins
中国で「ゲノム編集」双子女児誕生か…AP
https://www.yomiuri.co.jp/science/20181126-OYT1T50095.html
中国で「ゲノム編集女児」誕生か 大学側は「倫理違反」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38190260W8A121C1EA1000/
中国で「HIV免疫持つ双子が誕生」と報道 ゲノム編集
https://www.asahi.com/articles/ASLCV7VV3LCVUHBI03L.html
もし本当だとしたらこれは人類史上初ということにもなりますし、生命倫理的にも問題です。
しかし、存在する技術は使われてしまうということを痛感します。
デザイナーズチャイルドが実現した社会…新しい時代をどう生きるかが問われています。
★安倍総理は第40回総合科学技術・イノベーション会議を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201811/22iskaigi.html
総合科学技術・イノベーション会議(第40回)議事次第
http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihui040/haihu-040.html
議題
1.基礎研究力強化とハイリスク研究について~ノーベル生理学・医学賞受賞を契機として~
2.特定胚の取扱いに関する指針の改正について(諮問・ 答申)
3.国家的に重要な研究開発の評価結果について
首相、若手研究者支援の拡充を指示 助成金の重点配分など
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO38089200S8A121C1PP8000/
内閣改造後初です。本庶教授が出席しています。
★ノーベル賞受賞者も続々と警鐘 ~危機に直面する日本の基礎科学 [前編]
キャリアパスや経済的な不安から有能な若手人材が研究者への道を諦める傾向が深刻化。
https://m.huffingtonpost.jp/kei-hata/fundamental-science-japanblog_a_23593157/
後編
https://blogos.com/article/339549/
畑恵氏のブログ。自民党の会にも本庶教授が出席していたようです。
★国際リニアコライダー計画の見直し案に関する検討委員会
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/ILC/ILC24.html
案
回答
国際リニアコライダー計画の見直し案 に関する所見
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/ILC/pdf/siryo2410-1.pdf
「宇宙の誕生 再現」国際実験施設 誘致への見解まとまらず
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181121/k10011718981000.html
★巨大加速器「政府間で協議を」推進派の研究者
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38007820Q8A121C1000000/
国際リニアコライダー(ILC)の学術的意義とは
日本学術会議の「所見」に、推進側は「事実誤認」と猛反発
https://webronza.asahi.com/science/articles/2018112600016.html
ILCの建設問題。日本学術会議は意見まとまらず。推進派は反発。
一方、中国が巨大加速器建設計画を。
★Asia set to take center stage in Higgs studies
http://science.sciencemag.org/content/362/6417/878
★Inside the plans for Chinese mega-collider that will dwarf the LHC
https://www.nature.com/articles/d41586-018-07492-w
★平成30年度秋のレビュー及び山形レビュー特設ページ
https://www.gyoukaku.go.jp/review/aki/H30/
先週紹介しそびれましたが、行政事業レビューが開催されていました。
11月15日には国立大学の運営費交付金が取り上げられていました。
https://www.gyoukaku.go.jp/review/aki/H30/3rd/index.html
★2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)について
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/11/1411368.htm
内容は多岐に渡っていますが
>>
国立大学の一法人複数大学制の導入
○ 一法人複数大学制の導入に向けて、 ・法人の長と学長の役割分担と選考の在り方 ・理事(役員会)・監事・経営協議会・教育研究評議会の在り方 ・中期目標・中期計画・評価の在り方 ・一法人複数大学を導入した法人における特例措置
などについて検討する。
<<
といった点が目を引きます。以下報道。
★大学連携・統合へ3方式 2040年想定、教員登用柔軟に
1法人が複数大経営・国公私大が社団法人・私大、学部単位で譲渡 中教審答申
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO38171810W8A121C1CR8000/
★平成30年第15回経済財政諮問会議
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2018/1126_2/agenda.html
議事
(1) 平成31年度予算編成の基本方針について
★経済財政諮問会議・未来投資会議・まち・ひと・しごと創生会議・規制改革推進会議 合同会議
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2018/1126_1/agenda.html
議事
(1) 経済政策の方向性に関する中間整理について
経済政策、未来投資会議が前面に 諮問会議の影響力低下
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38206420W8A121C1PP8000/
いずれにせよ、こうした閣議決定による会議が、法律に記載されている各省庁に指令を出す現状は変わりません。
★「無給医」の実態、文科省が調査へ 今年度末にも結果
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO38066520S8A121C1CR0000/
NHKの報道に端を発し話題になっている無給医。
ただ働きする医師たち~知られざる“無給医”の実態
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181102/k10011696251000.html
無給医問題、文科省が調査へ 医師の視点
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakayamayujiro/20181122-00105037/
医師の問題ではありますが、知を軽視し、労働法を無視するという点で「無給ポスドク」と通じるものがあります。
私自身は無給であった時期はありませんが、大学院生が無給で病棟業務を任されている現場を見たことがあります。
こうした実態が、入試不正にもつながっていると考えざるを得ません。実態の徹底的な解明が望まれます。
★推薦入試、過疎出身者に加点 神戸大医学部「不適切」と謝罪
https://www.sankei.com/west/news/181122/wst1811220039-n1.html
神戸大医学部推薦入試 出身地域で最大25点配点 募集要項に明記せず
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201811/sp/0011842859.shtml
神戸大入試不正 文科相「合理性説明できない」
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201811/sp/0011843495.shtml
私の出身学部の一つなので、なかなか語りにくいですが、ルール違反は間違いないところです。
しかし、私がかつて勤務していた病院があった西播磨地区の出身者に加点をしていたということを聞くと、医師不足にあえぐ現場の苦労を知っているだけに複雑な思いになります。
私は、医師としての仕事は近々西播磨に移す予定ですので(科学ウォッチャーとしての仕事は変わりなしです)、医師不足の現場からいろいろ考え、行動してみたいと思っています。
★「新時代の学びを支える先端技術のフル活用に向けて ~柴山・学びの革新プラン~」について
http://www.mext.go.jp/a_menu/other/1411332.htm
大臣のプラン。
★総合政策特別委員会(第22回) 配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu22/siryo/1411265.htm
議題
総合政策特別委員会における検討の進め方について
特に議論が必要な論点について
★カマキリ先生の香川照之さん、昆虫モチーフのブランド
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO38020250R21C18A1000000
★Astronomers have an outsize passion for outreach
https://www.nature.com/articles/d41586-018-07519-2
かつて私は天文ファンでもありましたんので、こうした動きは注目したいです。
★Elsevier社による市場の独占、その問題点とは(記事紹介)
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=10924
★DEALプロジェクト、Elsevier社との契約打ち切りや、契約更新保留のドイツ国内の大学、研究機関リストを公開
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=10925
エルぜビア独占問題。深刻な影響を与えています。
★Salk Institute settles last of three gender discrimination lawsuits
Final gender discrimination case at Salk Institute ends in settlement
https://www.nature.com/articles/d41586-018-07508-5
性差別として訴えられら3件のうち最後のケースが終決。
★Duke University to settle case alleging researchers used fraudulent data to win millions in grants
問題あるデータでの研究費獲得は、研究の健全な発展を阻害します。
★AI peer reviewers unleashed to ease publishing grind
https://www.nature.com/articles/d41586-018-07245-9
ピアレビューもAIで?
★米国で、博士研究員の一部がビザの更新を引き合いに過酷な労働を強いられている現状が明らかになり、これは止めなければならない。
https://www.nature.com/articles/d41586-018-07479-7
これはひどい話です。足元をみて…なんとかしなければなりません。
★【韓国取材(2)】正当な賃金と雇用の安定求め大学院生労組結成
高学歴ワーキングプアの実態を可視化非常勤講師組合と連帯し全国組織へ
★Climate change poses major threat to U.S., new government report concludes
Climate change poses major threat to U.S., new government report concludes
Fire, drought, flood: climate challenges laid bare in US government report
https://www.nature.com/articles/d41586-018-07483-x
トランプ政権下でも気候変動は大きな問題であると…
★英国内閣がEU離脱に関する協定案を承認したが詳細はまだ詰められておらず、科学者は残された時間を生かしてEU離脱の悪影響や緩和策を訴え続けるべきだ。
https://www.nature.com/articles/d41586-018-07478-8
ブレクジットを迎える英国の大学の苦悩
拠出金を上回る研究資金をEUから得ていた英国はどうなる?
https://webronza.asahi.com/science/articles/2018111900009.html
続・ブレクジットを迎える英国の大学の苦悩
日本にとっては日英の関係を強化する好機
https://webronza.asahi.com/science/articles/2018111900008.html
How Scotland’s science minister aims to protect research from Brexit
https://www.nature.com/articles/d41586-018-07516-5
英国のEU離脱が迫っています。英国の科学界はどうなるのか、そして日本はどう対処すればよいのか…。時間は限られています。
★Universities protest life imprisonment of UK academic in UAE
https://www.nature.com/articles/d41586-018-07526-3
★In letter, researchers call for ‘fair and just’ treatment of Iranian researchers accused of espionage
UEAとイランで研究者が捕らえられています。
★Australian funding delay creates stress and uncertainty for scientists
https://www.nature.com/articles/d41586-018-07507-6
政権交代後の混乱が続いています。
★欧州研究図書館協会、“A Vision for Open Science”を公開
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=10921
★European funders detail their open-access plan
https://www.sciencemag.org/news/2018/11/european-funders-detail-their-open-access-plan
プランS問題。
★EUの次期研究・イノベーション枠組プログラム”Horizon Europe”の概要
http://crds.jst.go.jp/dw/20181120/2018112017274/
★純粋に研究したいなら大学は相応しくない、かもしれない(記事紹介)
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=10919
わからないではないという感じでしょうか…。
★Feature: Examining Grad Student Mental Health
https://www.the-scientist.com/careers/examining-grad-student-mental-health-64942