科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

【ひとこと編集後記】財政制度等審議会「財政健全化に向けた基本的考え方」にてポスドク問題取り上げられる

STAP細胞関連は別項にまとめています。

★財政健全化に向けた基本的考え方(平成26年5月30日)
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia260530/index.htm

財政制度等審議会が5月30日に発表した資料です。

ポストドクターについて
これまで、少子高齢化により大学の教員ポストの増加が見込めない状況にあったにもかかわらず、「我が国の研究開発能力を強化する」との名目の下、ポストドクターの増加が図られてきた。その結果、ポストドクターの総数は、1996 年には6,274 人であったものが2009 年には17,116 人と約2.7 倍に増加した一方、大学における若手教員数は、1998 年に36,773 人であったものが2010 年には34,779 人と減少し、大量に増加したポストドクターの受け皿として不足を来している。このため、本来は「研究者のキャリアパスのステップ」として位置づけられていたはずのポストドクターの状態が、現実には継続・長期化する傾向にある。〔資料II−4−15 参照〕
また、ポストドクターの分野別の内訳を見ると、例えば、生物系のポストドクターは人数が多いにもかかわらず、他の専攻と比べて教員や研究職への転換が進んでいないなど、分野別にも偏在が見られる。〔資料II−4−16 参照〕
こうした問題を解決するため、ポストドクターが能力に応じたキャリアパスを的確に描けるようにしていく必要がある。具体的には、年俸制や混合給与の導入加速化によるシニア教員から若手研究者へのポスト振替等の推進や、産業界との連携・研究独法との人事交流・海外大学との共同研究を通じたポストドクターの進路の多様化が必要である。同時に、ポストドクターが滞留している学科については、学位授与を厳格に行い定員を抑制するなど供給の適正化を図る必要がある。こうした取組みを率先して行う大学については運営費交付金の配分において重点的に支援する仕組みを導入する一方、努力が不足している大学については縮減を図るなど、予算のメリハリのある配分を検討していく必要がある。
〔資料II−4−17 参照〕

以下、記事にもなっています。

ポスドク」就業、国が支援…研究ポストを拡大
http://www.yomiuri.co.jp/science/20140527-OYT1T50024.html

In Japan, Seeking More Jobs for “Posudoku”
http://sciencecareers.sciencemag.org/career_magazine/previous_issues/articles/2014_05_29/caredit.a1400132

Govt to help postdoc researchers find jobs
http://the-japan-news.com/news/article/0001310387

★科学技術担当大臣等と総合科学技術・イノベーション会議有識者との会合(平成26年5月29日)配布資料
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20140529.html

分・厚−1人を対象とする医学系研究に関する倫理指針について(PDF形式:405KB)
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20140529/siryomoko1.pdf

分・厚−2人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(草案)(PDF形式:303KB)
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20140529/siryomoko2.pdf

★第3回研究開発法人部会(平成26年5月21日)配布資料
http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/hyouka/bukai/3kai/haifu_03.html

資料1国立研究開発法人の目標の策定及び評価に関する指針の作成について(ポイント)(PDF形式:126KB)
http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/hyouka/bukai/3kai/siryo1.pdf

資料2国立研究開発法人の目標の策定及び評価のあるべき姿について(検討)(PDF形式:324KB)
http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/hyouka/bukai/3kai/siryo2.pdf

総務省平成26年度「独創的な人向け特別枠(仮称)」に係る業務実施機関を公募
http://johokanri.jp/stiupdates/technique/2014/05/009996.html

「和製ジョブズ」育成目指す…総務省が支援事業
http://www.yomiuri.co.jp/it/20140525-OYT1T50090.html

★第8回経済財政諮問会議
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2014/0527/agenda.html

(1)歳出分野の重点化・効率化(教育)・教育再生について
(2)歳出分野の重点化・効率化(社会資本整備・国土強靭化)
(3)歳出分野の重点化・効率化(地方財政)、行政のIT化・業務改革について
(4)その他(財政制度等審議会における議論について)

資料1−1 時代の変化に対応した教育のあり方について(有識者議員提出資料)
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2014/0527/shiryo_01_1.pdf

以下大学改革について触れられています。

大学改革について
○ 日本では、大学数の増加に加え18歳人口減少の影響もあり、90年代以降大学進学率は大幅に上昇しているが、日本の大学生の学修時間は、米国と比較すると大幅に少ない状況。大学教育において、学生数の確保といった発想では
なく、学生の人的能力を高める教育の質の向上を強化すべきである。このため、

・ 大学による厳格な成績評価や卒業認定の厳格化1を進めるとともに、企業においても中途採用枠を増やして学生の能力・スキルを重視した採用活動に転換していくべき。
・ 英語による授業の単位取得の必修化、文系・理系の垣根のないリベラル・アーツ教育の強化をすべき。

・ 人財育成は我が国産業界にとっても極めて重要であることから、産業界・大学双方の連携によって、奨学金等の支援拡充や授業内容の充実を一層図るべき。また、国立大学授業料は、各大学の学部・学科毎に柔軟に設定2し、併せて、各大学における成績優秀者への授業料免除や多様な奨学金(地元就職の場合の返済免除型等)の導入等の学生支援の取組を充実すべき。

国立大学においても、教育研究の質の向上に向け、PDCAサイクルの確立が重要。
・ 可能な限り定量的な指標を用い、卒業生を雇用する企業等への調査を含め、教育、研究、地域貢献など大学の機能毎に比較可能な形で整理した上で第三者評価を交えた上で、公表すべき。
・ こうした成績評価を運営費交付金の配分に的確に反映し、教育の質の向上に努力した大学が報われるようにすべき3。また、国立大学独自の資金確保の努力を促進すべき。そのインセンティブとして、外部研究資金の確保の状況を運営費
交付金の配分に際し、積極的に評価に取り入れるべき。
・ 大学教員が研究や教育に専念出来るよう、事務スタッフの配置・増員や大学のガバナンスの見直しをすべき。

各大学の強みを活かす改革を促進すべき。具体的には、
・ 特に理工系研究について、世界トップレベルの研究を目指す大学及び大学院においては飛び入学4を実施し、若い時点から研究経験を積ませるとともに、若手へのポスト振替をすすめ、世界最高水準の研究人財を育成すべき。
・ 地域の国立大学においては、各地域の得意分野(農学、水産学、環境学、鉱山学等)を活かす優れた教育、研究拠点(リージョナルCOE)を創設・選定し、特色ある人財育成、地域貢献を果たすべき。

★大学・公的機関における研究開発に関するデータの整備−ミクロデータ分析への貢献−[NISTEP NOTE(政策のための科学) No.11]の公表について
http://www.nistep.go.jp/archives/16898

★「健康長寿社会の実現に向けた疾病の予知予防・診断・治療技術の俯瞰-生活習慣
病(2型糖尿病)を対象として-」[調査資料-227]、「課題解決型シナリオプランニングに
向けた科学技術予測調査-生活習慣病2型糖尿病)を対象として-」[NISTEP NOTE(政
策のための科学) No.10] の公表について
http://www.nistep.go.jp/archives/16786

サイエンスアゴラ2014企画出展の募集について
http://www.jst.go.jp/csc/scienceagora/

★「知的財産推進計画2014」の策定に向けた意見募集の結果について
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/ikenbosyu/2014keikaku/kekka.html

★WHO postpones decision on destruction of smallpox stocks - again
http://blogs.nature.com/news/2014/05/who-postpones-decision-on-destruction-of-smallpox-stocks-again.html

★Nine Scientists Share Three Kavli Prizes
http://news.sciencemag.org/people-events/2014/05/nine-scientists-share-three-kavli-prizes

★Six Scientists Snare Shaw Prizes
http://news.sciencemag.org/people-events/2014/05/six-scientists-snare-shaw-prizes

★米、科学教師を10万人養成 10年で35億円投じ教育強化
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2800F_Y4A520C1EAF000/

★E.U. Commission Rejects Plea to Block Stem Cell Research Funding
http://news.sciencemag.org/europe/2014/05/e-u-commission-rejects-plea-block-stem-cell-research-funding

European Commission rejects petition on embryonic stem cells
http://blogs.nature.com/news/2014/05/european-commission-rejects-petition-on-embryonic-stem-cells.html

★Inside View: Euroscience Open Forum 2014
http://www.nature.com/naturejobs/science/articles/10.1038/nj0423

★German Politicians Break Research Funding Impasse
http://news.sciencemag.org/education/2014/05/german-politicians-break-research-funding-impasse

OECDデータとの格闘終わる・・・日本の論文数停滞・減少のメカニズム決定版!!(国大協報告書草案14)
http://blog.goo.ne.jp/toyodang/e/7666f035ad385a95188332742fa332de

非常に重要な資料です。

★14歳の天才・日本人少年をカナダのトップ大学が奨学金付きで獲得合戦
http://news.nicovideo.jp/watch/nw1088459

★大学自治壊す学校教育法改悪案
若手研究者の将来奪う
廃案へ関係者らがアピール
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-05-31/2014053114_01_1.html

★--研究者時計--
http://www.kenkyusya-tokei.skr.jp/top.html

★復刊決定です!

背信の科学者たち 論文捏造はなぜ繰り返されるのか?
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062190958?tag=sciencepolicy-22

6月20日発売です。すでにamazonランクでは上位に。この問題を知りたい読者が多くいるということでしょう。

★アカデミック大爆破
博士号取って働けば死!ブラック研究室に散れ!
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/west/24107

6月14日(土)、ロフト・プラスワンWEST (なんば)にてSSA代表榎木がお話させていただきます。

★第32回国立試験研究機関全国交流集会 日時:6月20日(金)会場:つくば国際会議場101号室
集会テーマ『安倍政権の下でどう変わる?国立研究機関』    
 主催:   国立試験研究機関全国交流集会実行委員会 【 学研労協 ・ 国公労連 】
 記念講演 「STAP 細胞問題と研究者の社会的責任」
  講演者  榎木英介氏  (サイエンス・サポート・アソシエーション代表)
  パネルディスカッション
       ・「STAP 細胞問題と研究機関の社会的責任
       ・ 奨学金などで貧困に陥る若手研究者・ポスドク問題
       ・ 国立研究開発法人制度の検証など
http://gkn-rkyo.sakura.ne.jp/

★第73回 中崎北天満サイエンスカフェ
「研究現場はどうなっているのか? STAP細胞事件から考える」

2014年6月21日(土)14時〜16時

SSA代表榎木がお話させていただきます。

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