★新刊「医者ムラの真実」引き続き好評発売中

- 作者: 榎木英介
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2013/10/12
- メディア: 新書
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本を出版したことで、新たな出会いもありました。また、旧著である博士漂流時代も一緒にお買いただく方も多いようで、ランキングがアップしています。

博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)
- 作者: 榎木英介
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2010/11/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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★サイエンスアゴラ2013
先週の巻頭言でもご紹介したように、サイエンスアゴラ2013が東京お台場で開催されました。
http://www.jst.go.jp/csc/scienceagora/
私は「いいんじゃない? 話してみれば。「みんなでつくる7連続ワークショップ」」
http://www.jst.go.jp/csc/investigation/hirakawa/scienceagora.html
の最初の3つのワークショップに参加しました。
社会が抱えるどんな問題を、誰が関わり、どのような科学技術が問題解決に使えるか、ということがテーマであり、「問い」を考えることを目的としたワークショップでした。
与えられた問題を解くのではなく、問題、つまり問いを考えるというのは、今の世の中に非常に重要だと思います。問われること、たとえばある病気に名前が与えられること、クライテリアを発見することで、その病気が研究され、治療法が開発されることというのは、いろいろな分野であることだと思います。「ワーキングプア」「婚活」なども、名前が与えられて、クローズアップされた問題だと思います。
私が書いた本は、いずれも、科学技術や医療の問題を、専門家だけでなく、多様な人たちが対話をすることによって考えていこうという内容であり、まさに今回のワークショップに関係していました。
多分売れる本というのは、問いを著者が与えてしまい、しかも解決策も「こうだ」と著者が押し付けてしまっているのだと思います。それは考えなくてよいから楽だし、しかも物事を単純化するから痛快です。
けれど、それでは問題は解決しません。今回のワークショップでは、多様(といってもある程度限定されていましたが、それでも私が普段交流のない方々でした)な人たちが集い、「フューチャーセッション」という手法を用い、問いを考えてみることで、社会がかかえる問題に、いわば名前を与える作業を行いました。
問いが明らかになれば、自分たちが何ができるかを考えることができる。
今回のワークショップで何かが劇的に変わるということはありませんが、人々の行動を促す問いが生まれたと思います。非常に刺激を受けました。
★大学改革の現状
国立大学法人・大学共同利用機関法人の改革推進状況(平成24年度)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kokuritu/houkoku/1341084.htm
★研究者に年俸制
政府、トップ研究者に年俸制 理研など新法人移行で
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS09004_Z01C13A1MM0000
★日本版NIHの成功を確実にする
Takashi Kadowaki
http://www.sciencemag.org/content/342/6159/670.short
東大の門脇孝教授がサイエンス誌巻頭言に書いています。
★労働契約法問題
先週お伝えした、研究開発力強化法の改正案
研究者有期雇用延長へ 自民、研究開発力強化法の改正案
http://digital.asahi.com/articles/TKY201310310755.html
ですが、まだ、全容が分かりません。
赤旗には以下のような主張が掲載されています。
大学での有期雇用/正規雇用への転換こそ急務だ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-11-10/2013111002.01_1.html
私の現段階での印象としては、ポスドクや若手研究者にとっては、現労働契約法よりは「まし」になる可能性があると思っています。10年あれば、研究者としての見極めはつく可能性は高く、それだけの時間的猶予を与えるという点で、学問有期契約法のあるドイツに近い印象です。ただ、あくまで「まし」というだけで、若手研究者の過度な不安定雇用という根本的な問題はあまり変わりません。
研究支援者や非常勤講師にとっては、単なる先延はしでしかないでしょう。
研究者や研究支援者、非常勤講師の能力が発揮され、高いレベルの研究成果、教育の成果が出るかという観点から、競争と安定のバランスをどうすればよいかを考えていかなくてはいけないと思います。
★このことにも関連していますが、以下のような資料が公開されています。
科学技術にまつわる課題の議論は、この日、此所で完結する!
http://scienceinjapan.org/topics/20131106.html
日本分子生物学会大会で議論するべきことの叩き台を、京大の宮野公樹さんが出してくれました。文科省の科学技術タスクフォースが作成した資料とのことです。
議論の議論が完結し、行動のフェーズに移るためにも、注目したいと思います。
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