科学・政策と社会ニュースクリップ

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【ひとこと編集後記】教育再生実行会議の大学入試改革案ほか

SSA代表榎木が本を出版いたしました

宣伝恐縮ですが、10月10日にSSA代表榎木が本を出版いたしました。

出版社ディスカヴァーの紹介ページ
http://www.d21.co.jp/products/isbn9784799313992

医療の問題を中心に扱っていますが、日本の基礎医学の危機について触れました。どうぞよろしくお願いいたします。

イムリーにも、東北で医学部新設が取り沙汰されていますが、本書のなかでも、医学部新設、メディカル・スクールの問題についても取り上げています。

東北の医学部新設「今後具体的な検討」…文科相
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20131009-OYT8T00862.htm

目次は以下です。

第 1 章 誰が医者になるべきか
 医学部人気が止まらない
 医学部には医者家系出身が多い
 医師は多彩な生き方もできる 〜めずらしい医たち
 ほんとに儲かるのか? 医師のオカネのリアル
 オイシイ? 医師のアルバイト
 外から見た医学部は眩しかった
 医学部人気の「プル」と「プッシュ」
 医者になるのにどこまで「偏差値」は必要か?
 医学部に人材が殺到する国はヤバイ
 才能ある高校生を医学部に来させ過ぎないための2つの方法
 もっと多様な人材が医者になるべき
 医師や医学生への世間からの厳しい批判
 社会人を経て医学部に入りなおす「長老」という存在
 医学部に入るのは何歳までならOK?
 長老は厄介者?
 ハンディを乗り越えて活躍する長老たち
 多様性をつくるための試み 〜メディカルスクール
 メディカルスクールの問題点
 学士編入学はメディカルスクールではない
 問題は選抜方法にあり
 医学部の教育にも問題あり 〜素材は磨かなきゃ光らない
 医師国家試験の実態
 変われるか? 医学教育
  
第 2 章 パンダと病理医 〜知られざる医師不足
 父が解剖された日
 治療のチェックをする医者が足りない
 病理医の仕事
 病理は「医者の中の医者」
 幅広い守備範囲
 病理診断は気分で変わる?
 厳しい病理専門医試験
 病理医不足はなぜ問題か
 実録・一人病理医
 アピール下手な病理医
 研究 VS 診断
 病理医だから見えてきた病院の真実
 医療現場に「議論」が足りない
 よい病院の見分け方 〜病理医のいる病院はよい病院
 なぜ病理医は人気がないのか
 病理医も変わらなければ

第 3 章 取っても食えない博士号と基礎医学の危機
 「医学博士」は存在しない?
 医学博士は簡単?
 医学博士量産のカラク
 医学部の基礎系教員に医者がいない…
 医者の研究と科学者の研究は発想が違う
 医師が研究者にならない理由
 新臨床研修制度が元凶?
 臨床研究も危機
 医師研究者不足を解決するには?
 MD-PhDコースの「失敗」
 医学修士という可能性
 日本にノーベル賞が来ない理由
 医師と非医師研究者の不適切な関係
 基礎医学臨床医学の微妙な関係
 ポスドク問題と基礎研究医不足のはざまで
 医師免許を活かして大胆な研究を!

第 4 章 医者ムラの住人はインテリヤクザ
 医者はヤクザのムラ社会
 全国に 80 の医学部
 学閥ができるメカニズム
 通過儀礼としての解剖実習
 関連病院とは何か
 「医局」という謎
 隣の医局は他大学より遠い
 城取り合戦? 関連病院を奪い取れ
 大学教授 〜ここにも学閥が
 恐ろしい教授選
 学閥、医局の功罪
 学歴の無意味
 地域医療ネットワークへ 〜学閥の再構築
 医師を勘違いさせるもの
 「コメディカル」と呼ぶな
 製薬メーカーとの怪しい関係
 医師はボールペンを買わない
 飼いならされる医師
 起こるべくして起こった? ディオバンをめぐる捏造事件

第 5 章 医療を変えるのは誰か
 それでも医療はまわっていく
 諸悪の根源か 〜新臨床研修制度
 60歳まで生きられない 〜心臓外科医の壮絶な覚悟
 過剰すぎる医療
 「はやい」「やすい」「うまい」医療は不可能
 「足りない」医師 〜大論争 医学部新設をめぐって
 真の問題は医師の人数ではない
 誰が問題を解決するのか
 動き始めた当事者たち 〜全国医師連盟の誕生
 全国医師ユニオン 〜医師が個人として加盟する労働組合の誕生
 医療を変えるために 〜ポジショントークと第 3 の案
 スーパードクターと医療否定のあいだに
 医療の主役は誰か

おわりに

★大学入試が変わる?

教育再生実行会議のページにまだ資料がアップされていませんが、報道から。

●大学入試の2次試験、人物評価重視に 面接や論文のほかボランティアなどの活動歴
http://www.huffingtonpost.jp/2013/10/11/university-entrance-examination-character_n_4082410.html

●大学入試:国公立大、2次の学力試験廃止 人物重視、面接や論文に−−教育再生会議検討
http://mainichi.jp/feature/exam/news/20131011ddm001100037000c.html

●国公立大入試:「知識偏重」より可能性発掘
http://mainichi.jp/feature/exam/news/20131011k0000m040154000c.html

●大学入試改革:教育界から提言
http://mainichi.jp/feature/news/20131014ddm013100027000c.html

●教育の質や人材育成考慮 大学入試改革の提言素案
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO61003650S3A011C1CR8000/

教育再生実行会議には、こんな批判も出ています。

★大人のリテラシー

OECD 国際成人力調査(PIAAC:ピアック)日本版報告書の公表について
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/10/1340025.htm

OECD Skills Outlook 2013
First Results from the Survey of Adult Skills
http://skills.oecd.org/skillsoutlook.html

OECD、国際成人力調査結果(PIAAC:ピアック)を公表
http://johokanri.jp/stiupdates/other/2013/10/009087.html

日本に関する調査結果の概要(国立教育政策研究所まとめ):
・日本は、読解力、数的思考力の2分野において平均得点で参加国中第1位
・ITを活用した問題解決能力については、コンピュータ調査を受けなかった者を母数に含めたレベル2・3の者の割合で見るとOECD平均並みに位置
・コンピュータ調査を受けた者の平均得点では参加国中第1位

とのことです。

★学長選廃止

話題の大阪府大、市大統合問題です。

大阪府立・市立大統合「学長選廃止を」 有識者会議提言
http://www.nikkei.com/article/DGXNASHC09021_Z01C13A0AC8000/

大阪府市新大学構想会議
http://www.pref.osaka.jp/shigaku/kousoukaigi/

東京工業大学の改革

教育改革の取り組みについて記者発表を開催
http://www.titech.ac.jp/news/2013/023652.html

ポイントは以下。

世界トップクラスの教育の質

カリキュラム・講義内容・教授法の全面刷新
カリキュラム・シラバスの世界への公開

学生が主体的に学ぶ教育環境

講義科目を学修段階によりナンバリング、科目の学修順序に従い、学生は自由な科目選択が可能
クォーター制を導入し、教育の密度を高め、学生の成績評価と修了認定を厳格化
学生の能力を引き出すため教員による学修支援体制を構築

海外留学インターンシップの推進

世界トップ大学との交流協定の締結を促進し、学生・教員の相互交流を推進する
学生が多様な選択ができる教育システムを実現し、在学中の短期・長期の留学を促す

★革新的企業

トムソン・ロイターが公表。

2013年の世界で最も革新的な企業100社を選出
〜日本企業は2012年より3社増の28社を選出。Top100企業全体の研究開発費はS&P500の同指標を8.8%上回り、各国政府による研究開発優遇措置の効果が明らかに〜
http://ip-science.thomsonreuters.jp/press/release/2013/TOP100/

★日本医学ジャーナリスト協会、第2回日本医学ジャーナリスト協会賞を発表
http://www.meja.jp/

【大賞】
◆新聞部門 毎日新聞社科学環境部 河内敏康さん、八田浩輔さん
         降圧剤「バルサルタン」の臨床試験をめぐる疑惑に関する一連の報道
◆書籍部門 六車由美『驚きの介護民俗学』(医学書院)
◆映像部門 貸し出し型DVD3部作『認知症ケア』(NHK厚生文化事業団)
NHK制作局文化・福祉番組部ディレクター 川村雄次
【特別賞】
『TIP 正しい治療と薬の情報』 医薬品・治療研究会(別府宏圀代表)
【優秀賞】
◆上原真人、八重山の医療を守る郡民の会『八重山病院 データでムヌカンゲー』(ボーダーインク
◆藤原瑠美『ニルスの国の認知症ケア』(ドメス出版) 

とのことです。

アメリカ、政府機関閉鎖の影響

科学研究に深刻な影響、政府機能停止で ホワイトハウス
http://www.cnn.co.jp/usa/35038462.html

今週も多数の記事を紹介しましたが、深刻な事態は継続しています。

★ノーベルウィーク

恒例のノーベル賞発表が行われました。

ノーベル財団
http://www.nobelprize.org/

科学3賞に日本人受賞者はいない、ということがニュースになっていましたが、社会に科学をアピールする取り組みがいろいろなことろで行われています。日本科学未来館のブログは注目を集めました。

http://blog.miraikan.jst.go.jp/


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