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博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか?発売

博士漂流時代  「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)

博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)

2010年11月16日に、ディスカヴァー・トゥエンティワンから、「博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか?」を出版します。

これは、DIS+COVERサイエンスシリーズの一冊で、オーバードクター問題から始まる博士、ポスドクのキャリアの問題をデータをもとに扱い、わたくしなりの解決策を提案しました。

一年前、ディスカヴァーの干場社長からtwitter経由で執筆依頼を受けました。

その間、行政刷新会議事業仕分けなど、様々な出来事があり、また、私自身も政府の会に呼ばれて発言をするなど、状況も考え方も変わってきました。

過去10年以上の活動と、この一年の状況をまとめ、ようやく本という形になったのが本書です。

この問題では、すでに

高学歴ワーキングプア  「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)

高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)

ホームレス博士 派遣村・ブラック企業化する大学院 (光文社新書)

ホームレス博士 派遣村・ブラック企業化する大学院 (光文社新書)

といったインパクトの強い本が出ているので、本書では、理工系の博士を中心に、データや文献をなるべく引用することを目指しました。

単に悲惨さを訴えるだけでなく、また、単に責任を追及するだけでなく、博士の能力が活用される社会を提案したつもりです。

ご意見や反論など多々あることと思います。

賛否を問わず、本書がこの問題に一石を投じることができたら嬉しく思います。

以下目次です。

はじめに
第1章 博士崩壊
第2章 博士はこうして余った
第3章 「博士が使えない」なんて誰が言った?
第4章 博士は使わないと損!
第5章 博士が変える未来

付録 博士の就職問題について識者に聞く
橋本昌隆さん 「ポスドク問題―文科省と大学の共同謀議」
Vikingjpn氏「ポスドク問題は日本の基礎研究体制の構造的問題」
小林信一さん 「このままでは大学院が見捨てられる」
奥井隆雄さん 「博士の問題は「専門性」「指向」「能力」に分けて考えよ」

なお、ここで語りきれなかった多数の問題があります。最後の校正で涙を吞んで削った部分もあります。

また機会があれば、続編など書けたらいいなあ、などと妄想しています。