科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

長期的思考を養う、「iPS備蓄」の論点、氷河期世代のロールモデル募集

2019年11月26日~2019年12月3日

 2019年も最後の月になりました。当メルマガは発行開始から16年。ひたすらニュースクリップを続けていますが、2020年も変わることなく続けていきます。

STAP細胞事件が覆い隠した科学技術立国ニッポンの「ヤバい現実」
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68646

 カセイケン代表榎木が初めて現代ビジネスに書いた記事。今までYahoo!ニュース個人で書いてきたことの総まとめのような記事ですが、あまり知られていないようで、フェースブックで4000シェア近くいただきました。

 「研究不正と歪んだ科学」
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 でも書きましたが、一つの研究不正をスキャンダルとして消費するのではなく、振り返った上で教訓を得て次に生かしていくことが必要です。STAP細胞事件に関しては、5年経ってそれができる時期に来ています。

★岐路に立つiPS細胞備蓄事業、政府が支援縮小を検討
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/depth/00428/

山中教授インタビュー「iPS備蓄に支援継続を」 予算削減に危機感
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52753530Y9A121C1EA1000/

iPS細胞による医療 具体性欠く国の戦略https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52730070Y9A121C1EA1000/

国産iPSの海外進出、京大が支援へ ガラパゴス化回避
https://www.asahi.com/articles/ASMCW6W77MCWULBJ012.html

 iPS細胞備蓄計画の是非。

 NewsPicksが真相をえぐる連載を掲載しています。有料記事ですが、この連載で有料購読開始した人も多いようです。

【核心】日本のiPSは、何を間違えたのか?
https://newspicks.com/news/4426921/body/

 八代嘉美さんインタビュー。

 単純に「日本終わった」などと考えるのではなく、冷静な議論が必要です。それはSTAP細胞事件と研究不正対策と似ているようにも思います。

廃炉・汚染水対策チーム会合(第5回)
https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/osensui_team/2019/20191202_01.html

資料1 中長期ロードマップ改訂案について(PDF形式:1,059KB)
https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/osensui_team/2019/pdf/01c.pdf

福島第一、核燃料デブリ取り出し「2号機から」…21年内に開始へ
https://www.yomiuri.co.jp/science/20191202-OYT1T50064/

溶け落ちた核燃料、2号機から取り出しへ 福島第一原発
https://www.asahi.com/articles/ASMCY5WZ9MCYULBJ00L.html

 世代を超えて果てしなく続く廃炉作業。ロードマップが改訂されました。

★COP25

UN Climate Change Conference - December 2019
https://unfccc.int/cop25

 そしてCOP25が開催中です。

★温暖化により「破壊的影響」とUNEP警告 日本は温室効果ガス削減続くも目標には不十分
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2019/11/20191129_01.html

パリ協定の「気温上昇1.5度」達成には… 年7.6%の温室ガス削減 国連環境計画公表
https://mainichi.jp/articles/20191128/ddm/012/040/090000c

温室効果ガス濃度が観測史上最高に WMOが深刻な温暖化を警告
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2019/11/20191126_01.html

世界の主要温室効果ガス濃度は観測史上最高を更新 ~「WMO温室効果ガス年報第15号」の公表~
http://www.jma.go.jp/jma/press/1911/25a/GHG_Bulletin_15%20.html

 気候変動関する調査報告書がだされ、

★気候変動すぐ対策を
世界158カ国2400都市で行動
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-12-01/2019120101_03_1.html

「気候変えるな」 150カ国で訴え
https://mainichi.jp/articles/20191130/ddm/012/040/033000c

Hundreds of thousands of students join global climate strikes
https://www.theguardian.com/environment/2019/nov/29/hundreds-of-thousands-of-students-join-global-climate-strikes

「私には、選挙権がないから」 16歳の女子高校生が世界で、街で、声を上げる理由
https://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/global-climate-strike-11

 世界中の都市で人々が立ち上がりました。

 福島第一原発廃炉も、環境問題も、世代を超えて長期的に考えていかなければなりません。

 しかし、こうした長期的なことは、数年単位の選挙では救いとれるものではなく、今の世代が次の世代のために不利益を覚悟で行動するということがなかなかできません。

 ではどうすればよいのか。

★未来に責任をもつ“長期的思考”は、どうすれば身に付けられるか
https://wired.jp/membership/2019/12/03/how-to-practice-long-term-thinking/

 最近

The Optimist's Telescope: Thinking Ahead in a Reckless Age
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 を出版したビナ・ヴェンカタラマン氏へのインタビュー。

 難しい問題ですが、考えていかなければなりません。

安倍総理は令和元年第12回経済財政諮問会議を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201911/27keizaishimon.html

令和元年第12回経済財政諮問会議
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019r/1127/agenda.html

議事

(1) 令和2年度予算編成の基本方針(案)
(2) 就職氷河期世代支援プログラムの実行に向けて
(3) 次世代型行政サービスの推進強化

 就職氷河期世代支援プログラムが議論されています。

安倍総理は第1回就職氷河期世代支援の推進に向けた全国プラットフォームに出席しました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201911/26hyogaki.html

第1回 就職氷河期世代支援の推進に向けた全国プラットフォーム
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shushoku_hyogaki_shien/suishin_platform/dai1/gijisidai.html

 やはり思ってしまうのが、今回のプログラムの対象になっていない45歳から49歳までの無業者が、他の世代より多い(26万人)という状況をなんとかしなければ、といいうことです。

就職氷河期世代」限定の採用、2カ月で正規雇用16人
https://www.asahi.com/articles/ASMCY46TKMCYULFA01F.html

就職氷河期「自己責任」ではない 耐え難い閉塞感と社会リスク
https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20191129/pol/00m/010/010000c

 私の関心は、研究歴のあるこの世代の人たちの支援で、常々何かできないかと考えてきました。

 一ついま動き出したのが、ある出版社さんとともに、主に理工系ですが、博士号取得後に様々な多様な職を得ていらっしゃる方々のインタビューを掲載するというものです。

 ベンチャー企業立ち上げました、作家になりました、という成功例だけではなく、とにもかくにもなんとかやっていますという、いわばストラグル、サバイブしている例を積極的に取り上げようと思っています。

 いわゆるロールモデルの提示です。

 ロールモデルになってもよいという理工系博士号取得者の方がいらっしゃいましたら、enoki@kaseiken.org までご一報頂けますと幸いです。

量子計算機「実用20年後」 政府、技術開発で工程表
https://www.chunichi.co.jp/s/article/2019112701001903.html

量子計算機を「20年後実用化」 政府有識者会議
https://mainichi.jp/articles/20191128/ddm/012/040/093000c

★第2回規制改革推進会議
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/committee/20191202/agenda.html

1.当面の重点事項について
2.規制改革ホットラインの運営について

デジタル活用前面に 規制改革推進会議、重点テーマ提示
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52849610S9A201C1PP8000/

★健康成人を対象とした治験における死亡例発生事案に係る調査結果の公表について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08131.html

「治験薬と被験者 A で生じた有害事象との因果関係は否定できない」とのことです。

東京港青海ふ頭におけるヒアリの確認について
https://www.env.go.jp/press/107505.html

ヒアリ500匹超、また東京港で 小泉環境相「定着の証拠は確認されず」
https://mainichi.jp/articles/20191129/k00/00m/040/078000c

 ヒアリがまた発見されました。

★強毒ヒアリ定着を食い止めろ 港湾で駆除作戦
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52814200Z21C19A1SHB000/

 定着を阻止するため、関係者の皆さんには頑張って頂かなければなりません。そのためにも我々も関心を失わないようにしていきましょう。

★ヘリウム不足に研究者悲鳴 価格が倍増、実験中止も
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52785190Z21C19A1TJM000/

 何度か記事になっていますが、深刻な絵鏡が出ています。

★Chinese ministry investigates duplications in papers by university president
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03599-w

Top Chinese scientist faces questions about publications
https://science.sciencemag.org/content/366/6469/1060

★Academics should not need to live in fear for the pursuit of their science
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03626-w

 先週ご紹介した、学者が殺害などの迫害を受けているという事例。

 日本でも学問の自由が脅かされる事態がこないようにしなければなりません。

Quintet of study retractions rocks criminology community
https://www.sciencemag.org/news/2019/11/quintet-study-retractions-rocks-criminology-community

★Archaeology society votes to let board ban sexual harassers from meetings
https://www.sciencemag.org/news/2019/12/archaeology-society-votes-let-board-ban-sexual-harassers-meetings

★Universities move to stop passing the harasser
https://science.sciencemag.org/content/366/6469/1057

 日本ではハラスメント規制法が成立しましたが、研究現場におけるハラスメント対策が十分か、よく考えてみる必要があります。

★‘It Was Unmistakably A Directed Attack’: 4 Ebola Workers Killed In Congo
https://www.npr.org/2019/11/28/783582331/it-was-unmistakably-a-directed-attack-4-ebola-workers-killed-in-congo

Ebola responders killed as violence flares
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03667-1

 コンゴ民主共和国で、エボラ出血熱に関わる人々が殺害されるという悲しい事件が相次いでいます。非常に厳しい状況です。

★Vaccines
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03635-9

 Natureの特集はワクチン。

★Don’t demonize parents who are hesitant to vaccinate - discuss their worries instead
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03641-x

 反ワクチン運動が激化するなか、どうすればよいのか…示唆に富む記事です。

★世界で初めてヒト胚に遺伝子編集を行った中国の科学者が行方不明に、赤ちゃんの所在も不明
https://gigazine.net/news/20191127-china-scientist-missing/

1 year later, mystery surrounds China’s gene-edited babies
https://apnews.com/86e4e98f7db64d0a9448e621a298ca58

1 year later, here's what we know about the mystery surrounding China’s gene-edited babies
https://journaltimes.com/news/national/year-later-here-s-what-we-know-about-the-mystery/collection_c94c24e0-7a94-5fc7-944f-0a46dffc961c.html

Opinion: Don’t Ban the Use of CRISPR in Embryos
http://bit.ly/37VcAc7

 あの大事件から1年。謎が深まっていますが…。

★科学政策の意思決定の指針となる「研究の研究」プロジェクト
https://www.editage.jp/insights/new-research-on-research-project-to-guide-decision-makers-on-research-and-science-policy

Research on Research Institute(RoRI)について。

★In unpublished paper, former White House climate adviser calls methane ‘irrelevant’ to climate
https://www.sciencemag.org/news/2019/11/unpublished-paper-former-white-house-climate-adviser-calls-methane-irrelevant-climate

★Joint statement on EPA proposed rule and public availability of data (2019)
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03664-4

★Major journal editors blast EPA’s ‘secret science’ rule, again
https://www.sciencemag.org/news/2019/11/major-journal-editors-blast-epa-s-secret-science-rule-again

 EPAをめぐる情勢が議論を読んでいます。

★U.K. parties stake out science stances in ‘Brexit election’
https://science.sciencemag.org/content/366/6469/1058

 選挙が迫ってきています。

★PhD students in China report misery and hope
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03631-z

 中国の大学院生の実態。

★Power of connection: why the Russia-Europe gas trade is strangely untouched by politics
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03694-y

★「研究者と家族の抱える問題」実態調査
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfObAPrSBuwG-EvBt267BMp31FTE5ZCrtMCyd4UHxoQDT1RGQ/viewform

 転々と職場をかえていく研究者と家族の問題は大きな問題です。実態を知ることは重要です。

人種差別、国際共同研究、学者への攻撃

2019年11月19日~2019年11月26日

研究不正と歪んだ科学
STAP細胞事件を超えて
日本評論社 税込 2,530円
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8178.html

 Amazonからご購入の場合はこちらを。
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 某ウェブ媒体に、この本をなぜ書いたのか、その意図を解説する記事を書きました。明日公開予定です。

 なぜいまSTAP細胞事件なのか…。その理由がお分かりいただけると思います。

 さて、今週のニュースピックアップです。まずこれです。

★「中国人は採用しません」 東大特任准教授がツイート
https://www.asahi.com/articles/ASMCS7QVPMCSUTIL023.html

東大大学院特任准教授が中国人差別ツイート 大学謝罪、企業は寄付停止表明も本人は反論
https://mainichi.jp/articles/20191126/k00/00m/040/003000c

 まず最初に言っておきます。この発言はまったくアウトです。どこにも擁護する余地はありません。

東大情報学環大澤昇平氏の差別発言について
https://researchmap.jp/jo34y74lc-1820559/

 上記記事に詳しく解説されています。

 東大やマネックスグループの動きは当然ですし、それ以外の選択肢はありません。

学環・学府特任准教授の不適切な書き込みに関する見解
A message about inappropriate writings by a part-time project faculty of III/GSII
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/news/2019112411004

寄付講座担当特任准教授の不適切な書き込みに関する見解
https://www.monexgroup.jp/jp/news_release/news_release/news_release-20191124/main/00/link/20191124_release.pdf

「中国人は採用しません」投稿をした東大特任准教授の講座に寄付停止へ。マネックスグループが発表
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191125-00010002-huffpost-soci

 場外乱闘?もありました。

東大発「ヘイト書き込み」への心からのお詫び
教養の欠如、人材育成の偏りへの大反省
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58352

 当該発言者を東大の学部出身者ではないからという理由で批判したり、教授会に出られない本当の教員でないという理由で批判する人もあらわれました。

 それもある種の属性による偏見なわけで、批判が出てしかるべきです。

学歴ロンダリング、と言われて
https://note.com/ogiuechiki/n/n42ef8782d3b9

 ただ、容認できない人種差別発言とからめて、中国への警戒を口にする人はいます。

 中国の人権問題(ウイグルチベット、そして今は香港)に関しては、私達の価値観とは大いに異なるのは事実です。

★香港デモ、籠城なお100人 遺書したためる学生も
https://www.asahi.com/articles/ASMCM5CTKMCMUHBI01C.html

Violent campus clashes between protesters and police stir fears for Hong Kong universities
https://www.sciencemag.org/news/2019/11/violent-campus-clashes-between-protesters-and-police-stir-fears-hong-kong-universities

Violent clashes at Hong Kong universities disrupt research
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03515-2

Hong Kong protests hit universities
https://science.sciencemag.org/content/366/6468/935.full

Research Interrupted in Hong Kong Amid Protests
https://www.the-scientist.com/news-opinion/research-interrupted-in-hong-kong-amid-protests-66771

 香港のデモは研究にも大きな影響を与えています。

 トランプ政権発足以来のアメリカでも、中国を念頭に置いた外国の影響力排除の傾向が強まっているのは、これまでお伝えしてきたとおりです。今週もこれに関するニュースがありました。

★U.S. Senate panel sees a standard grant application as defense against foreign influence
https://www.sciencemag.org/news/2019/11/us-senate-panel-sees-standard-grant-application-defense-against-foreign-influence

Chinese infiltration of US labs caught science agencies off guard
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03584-3

 アメリカ上院の委員会が、中国の人材勧誘プログラムが、アメリカの研究予算や技術が中国の軍事技術や経済に使われていると警告を発する報告書を発表しました。

Threats to the U.S. Research Enterprise: China’s Talent Recruitment Plans
https://www.hsgac.senate.gov/imo/media/doc/2019-11-18%20PSI%20Staff%20Report%20-%20China's%20Talent%20Recruitment%20Plans.pdf

 もちろん、これと先の人種差別発言を結びつけることはできません。明確に区別するべきです。

 Nature Indexは、コラボレーションについての特集記事を公表しています。

★Nature Index 2019 Collaboration and Big Science
https://www.nature.com/collections/fcdggfefid

Despite political turmoil, global scientific collaboration continues to flourish
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03540-1

A guide to the Nature Index
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03545-w

★US-China science weathers political ill wind
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03541-0

 科学はオープンであるべきで、「科学に国境はない」のです。

 一方で「科学者に国籍はある」というのもシビアな現実で、理想と現実の間でやっていくしかありません。しかし、理想の旗を下ろしてはいけません。

Brexit shadow hangs over EU partnerships
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03543-y

 イギリスが直面する問題も、まさに科学者の国境問題です。

★Attacks on scholars worldwide raise concern
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03582-5

 世界中で研究者、学者、そして学生が、政府などから暴力を含めた攻撃を受けています。

 アメリカの特定国への入国規制も挙げられています。

就職氷河期世代の叫び ~女子学生は今
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191120/amp/k10012183971000.html

「3年で30万人」は絵空事か 就職氷河期世代の雇用対策に欠けた、深刻な視点
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191122-00000029-zdn_mkt-bus_all

 就職氷河期世代の問題は、研究歴のある方々が直面している問題であり、また、私自身が同世代でもあり、常にアンテナを貼っています。

 研究者の場合、大学院重点化等で増えた博士号取得者を、ポスドクや任期付き教員として研究機関が採用しました。企業でいう正社員、任期なし教員等は減っているわけではないのですが、それ以上に博士号取得者が増えました。

 1991年から2000年までに博士課程の大学院生は倍増していますが、任期なし常勤ポストが倍増したわけではありません。

 しかし、研究以外の職は就職氷河期だったわけで、任期付きポストを転々としたり、非常勤講師を専業にして生計を立てる人がその生活を抜け出すことができなくなっています。

★揺らぐ高校の役割 人間関係築く教育を
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52519250S9A121C1CK8000/

 研究者の困難の一つは「地元」に足場がないことだと思っています。

 多くの研究者は大学進学時に高校の学区や高校が含まれる市町村を離れているわけです。そこで人間関係が立ち切れてしまいます。その後もポストを求めて転々とするわけですから、いわば根無草のようなものです。

 あるいは中学進学時に地元公立中学には行かない人も多いでしょうから、その前から「地元」とは関係が希薄化してしまいます。

 もっというと、親世代も「地元」に根差した人ではないかもしれないので、地縁、血縁というセーフティネットを失った状態にある人が多いのではないかと思います。

 うまく行っている時はいいのですが、困難に直面したときに、頼れるセーフティネットがないことが、困難をより悪化させる可能性があるのではないかと思います。

 だとすると、地縁、血縁に変わるセーフティネットネットが必要ということになります。

 もちろん、最後は公的なセーフティネット生活保護等があるわけですが、その前の段階で、研究歴のある方々のコミュニティのようなものを作る必要があるのではないかと思います。

 コミュニティ?そういえば「科学コミュニティ」があったな、と思いますが、このコミュニティは科学界の外側に出ようとしている人たちには冷淡(というか関心がない)なのが現状です。

 SNSなどのサイバースペース上でなんとかならないかと思って試行錯誤はしていますが、これが解決策だ、というものはまだ見つけていません。

 ただ、試行錯誤のなかで、ある試みをしようとしています。詳細がわかればまたお伝えしていきます。

★研究現場は今:第1部 博士/7 企業勤務も一長一短 景気悪化で変わる形態 /京都
https://mainichi.jp/articles/20191119/ddl/k26/040/339000c

 論文博士号。企業研究は景気に左右されるという、当たり前といえば当たり前の現実です。

★Natureによる博士課程の学生向けの調査から、メンタルヘルス、ハラスメント、学生ローンの問題が浮き彫りに
https://www.natureasia.com/ja-jp/info/press-releases/detail/8749

 日本と現状が異なっているという指摘もありますが、重要な調査です。

★なぜいま「在野研究者」なのか
『在野研究ビギナーズ』編著者・荒木優太氏インタビュー
https://shinsho-plus.shueisha.co.jp/interview/%e8%8d%92%e6%9c%a8%e5%84%aa%e5%a4%aa%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%93%e3%83%a5%e3%83%bc/7408

 在野研究者に注目している昨今。ブーム?の火付け役のインタビュー。

★「研究力低下のほんとうの理由」文科省要請でのスピーチ〜全院協の要請行動2019に参加しました〜
https://note.mu/mkepasince2019/n/n74ab97fed44f

 動く当事者を応援したいです。

内閣府オープンイノベーションチャレンジ2019の公募開始について
https://www8.cao.go.jp/cstp/stmain/20191121openinnovation.html

★レビュー「人間中心の政策に転換 第6期科学技術基本計画策定作業進む」
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/review/2019/11/20191122_01.html

 第6期科学技術基本計画に向けて提言なども各方面から出始めました。

 提言の影響力などない、という話も聞いたことがありますが、ウォッチを続けていきたいと思います。

★論文の引用・共著関係からみる我が国の研究活動の国際展開に関する分析[調査資料-285]の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/43160

★提言「歴史的思考力を育てる大学入試のあり方について」
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t283-2.pdf

提言のポイント
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/kohyo-24-t283-2-abstract.html

★令和2年10月の日本学術会議会員・連携会員の半数改選に向けて
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/senko/25senkou.html

男女共同参画に携わる研究者等との懇談
https://www.cao.go.jp/minister/1909_e_imai/photo/2019_008.html

★科学のワクワクを感性に訴える 京大初・研究のイラストレーター活躍
https://mainichi.jp/articles/20191122/k00/00m/040/042000c

 日本では新しい活躍の場ですね。

★PC1人1台へ4千億円
情報通信技術化、小5~中3に
https://this.kiji.is/570529499008664673?c=113147194022725109

 大きな決定です。

★How to manage a multi-author megapaper
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03544-x

 複数著者がいる論文の調整。

WIPO、“World Intellectual Property Report 2019”を公開
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=11635

★医者と製薬会社の「悪しき慣習」
新薬販促のため製薬会社は多額の金銭を医師にバラまき、国や保険者、患者に余計な負担を強いる。
https://facta.co.jp/article/201912027.html

★製薬会社からのギフトは処方に影響するか?
フランスではギフトを受け取ったGPのジェネリック処方率が低い
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/bmj/201911/563146.html

 製薬会社と医師の関係。ある種の共依存、悪い言葉では「タカリ」でもあります。

★Jeffrey Epstein and the Decadence of Science
https://blogs.scientificamerican.com/cross-check/jeffrey-epstein-and-the-decadence-of-science/

 故エプスタイン氏の問題が投げかけた課題は大きいです。

★Researchers sound alarm on European data law
https://science.sciencemag.org/content/366/6468/936.full

European data law is impeding studies on diabetes and Alzheimer’s, researchers warn
https://www.sciencemag.org/news/2019/11/european-data-law-impeding-studies-diabetes-and-alzheimer-s-researchers-warn

 General Data Protection Regulation (GDPR) について。いろいろなウェブサイトで、ポップアップがたくさん出てきますが、研究への悪影響も懸念されています。

★The science institutions hiring integrity inspectors to vet their papers
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03529-w

★【ドキュメント】日本のiPS細胞は、なぜガラパゴス化したのか?
https://newspicks.com/news/4406530

日本終焉レベルの大問題。iPS細胞10億円支援打ち切りという愚行
https://www.mag2.com/p/news/425347

 iPS細胞研究への支援打ち切りに関して、単純に問題だと叫ぶだけで終わってはいけません。

★「ニセ医療」情報の拡散防止、プラットフォーマー各社の対策進む ツイッター、note、はてな
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191124-00000001-jct-sci

 医療に関しては偽情報が生命に直結する可能性があります。 シビアな攻防が続いています。

無印良品が“昆虫食”参戦、「コオロギせんべい」発売へ
https://news.livedoor.com/lite/article_detail/17414645/

食用コオロギを使った「せんべい」来春発売 徳島大発ベンチャーのグリラス(徳島市)事業拡大へ
https://www.topics.or.jp/articles/-/287847

「食用コオロギ」商品化へ 研究施設が試行錯誤
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191123-00000010-kobenext-soci

 昆虫食が拡大しつつあります。

★Human germline editing needs one message
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03525-0

★Global 5G wireless deal threatens weather forecasts
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03609-x

New deal won’t prevent 5G communication networks from interfering with weather forecasts
https://www.sciencemag.org/news/2019/11/new-deal-won-t-prevent-5g-communication-networks-interfering-weather-forecasts

★Science funders gamble on grant lotteries
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03572-7

★Physics, life sciences, genetics: three big players and their top partners
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03542-z

★Researchers must unite against US environment agency’s attack on scientific evidence
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03526-z

★US academic-science mentoring falls short of best practices, say National Academies
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03598-x

★Experi-mentoring: Where to turn when your PI can’t help
https://www.sciencemag.org/careers/2019/11/experi-mentoring-where-turn-when-your-pi-can-t-help

 メンター問題。日本ではアメリカ以上にあまり話題にならないのは、メンターとして頑張っても、評価の対象にならないからなのでしょう。

★University to Students on Medicaid: Buy Private Coverage, or Drop Out
https://www.nytimes.com/2019/11/24/us/medicaid-students-brigham-young.html

★科学工学指標2020:米国における科学技術労働力の状況
https://crds.jst.go.jp/dw/20191119/2019111921609/

★Double dip
By Charles Piller
Science22 Nov 2019 : 941-943 Full Access
An NIH program pays school debt to keep scientists in academia. Many break the rules by also taking industry money.
https://science.sciencemag.org/content/366/6468/941

Financial Aid Recipients Breaking Funding Rules: Investigation
http://bit.ly/2QOnc6o

 NIHから経済支援(借金返済)を受けている研究者がルールを破って企業からお金をもらっているとの指摘。

★科学・社会科学分野における世界最高峰の研究者を選出した高被引用論文著者リスト2019年版発表
https://kyodonewsprwire.jp/release/201911193682

フリー研究者の論点

★フリー研究者をめぐる諸問題
2019年11月12日~2019年11月19日

研究不正と歪んだ科学
STAP細胞事件を超えて
日本評論社 税込 2,530円
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 好評発売中です。ご購入くださった皆様には御礼申し上げます。

 まだ詳細を詰めている段階ですが、2020年1月12日(日)に大阪にて出版記念シンポジウムを開催予定です。追ってご案内いたします。

 今週はフリー研究者について考えさせられました。

近畿大学を退職しました
https://evidence8money.hatenablog.com/entry/2019/11/12/165910

 私(榎木)と同時期に、同じ近畿大学を辞めた方のブログです。研究をしたいから大学を辞めるという方がついに現れたのだ、と思い、Yahoo!ニュース個人に記事を書きました。

「フリー研究者」の時代がやってきた?!その可能性と課題
https://news.yahoo.co.jp/byline/enokieisuke/20191115-00151003/

 Twitter上でこの記事について議論させていただきましたが、いろいろ気づかされました。

 まず、研究機関に所属しないで研究を行う人の存在は、昔からいるということ。

 むしろ職業研究者が現れるまでは、多くの研究が趣味で行われていたということです。そしてその後も人文社会科学系を中心に、在野の研究者の存在感は大きかったわけです。それは理解していましたが、その存在感は分野によっては相当大きいということです。

 そうした分野の方々からみれば、何を今更というご意見が出ても理解できます。

 一方で、私のように「ウェット」な生物学をやってきた人間からすると、バイオハッカーDIYバイオを行う人たちのやっていることは驚きなわけで、新しい時代来たなあと思いました。

 こうした分野間の違いは大きいと思います。

 とはいえ、インターネットの発達やコンピュータの性能の向上などは、あらゆる分野で在野研究を行いやすくしているわけで、軽々と大学辞めますという人が登場したのは新しいなあと思います。

 昔は、在野でいることである種のルサンチマンを感じていたというか、在野にしか居場所がない境遇を忸怩たるものと思っていた人も多かったように思いますが、いまはそういう恨めしさみたいなものもだいぶ軽減しつつあるようにも思います。

 とはいえ、大学がなくなるほど在野研究の質量が高いわけではなく、正規軍とゲリラくらいの差はあります。

 しかし、その差がどんどん縮まってきたときに、大学とは何かが大きく問い直されることになるしょう。

「趣味の歴史修正主義」を憂う
大木毅 / 現代史家
https://synodos.jp/society/23075

 もう一つ、在野の大きな問題は、研究の質です。歴史学など、いっけん参入障壁が低そうにみえる分野で、既存の研究を無視したトンデモや陰謀論を唱える人が絶えないわけですが、こうしたトンデモが既存の研究を無視して広がっていく危険性をどうするかは考えないといけません。

海外の例も参考に独立自営の人の支援を
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52310790Y9A111C1SHF000/

 もう一つ、職業を持って趣味で研究する人は別として、完全にフリーランスになった場合の、社会保障や労働環境をどうするのかという問題もあります。

 すでにフリーランス研究者の仕事サイトなども出てきています。

Hire freelance scientists and researchers
https://www.kolabtree.com/

The rise of the freelance scientist
https://www.editage.com/insights/the-rise-of-the-freelance-scientist

 ともかく、大学教員が軽々と在野に飛び出す時代が間近に迫るいま、いろいろな課題が見えてきました。

 私は在野にいますが、完全なフリーランサーではなく、職を持ちながらこうしたメルマガを作ったり文章を書いたりしているわけですが、現場に身を置いてこの問題を追っていきたいと思います。

★(思考のプリズム)災害復旧のボランティア ハードル下げる発信を 小松理虔
https://www.asahi.com/articles/DA3S14255371.html

 「新復興論」
https://genron.co.jp/books/shinfukkou/

 の小松氏。

課題の「内」が切迫するほど、その緊張感ゆえ、当事者性の低い「外」からの関わりが生まれにくくなる。こうした内と外の問題意識の乖離(かいり)は、原発事故のような特殊な課題領域だけで起こるものではない。

 という指摘は、大学や研究にも当てはまるのかなあと思います。

 在野は黙ってろ!教授になってから物をいえ!という言葉は私自身投げかけられてきました。研究ももうちょっと「外」から語ってもいいと思うのですが…。

★残念ながら大学の非常勤講師の報酬額が安いのは「侮辱」ではない
https://anond.hatelabo.jp/20191117140606

 専業非常勤講師の方々にとっては辛い状況が続いていますが、非常勤講師が専業という状態を考慮しない職である点が問題です。

文化勲章を受章した私が、83歳になっても研究を楽しめる理由
祝・甘利俊一氏受章!研究者人生を語る
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68146

 研究に年齢は関係ない!という思いと、研究を楽しめる環境にない方々が多いことにも思いをはせます。在野で好きな研究ができらたらどれだけよいか。

★異例だった今年のノーベル物理学賞 福岡伸一「地球外生命体の存在という夢に」
連載「福岡伸一の新・生命探検」
https://dot.asahi.com/aera/2019111200018.html

 今年のノーベル物理学賞ポスドクだった研究者が受賞した理由。

男女共同参画社会に関する世論調査
https://survey.gov-online.go.jp/r01/r01-danjo/index.html

★How UniversitiesBecame the NewBattlegroundsin the HongKong Protests
By K.K. Rebecca LaiNov. 18, 2019
https://www.nytimes.com/interactive/2019/11/18/world/asia/hong-kong-protest-universities.html

 ニューヨークタイムズインタラクティブなページに、起こっていることの重大さを感じます。

香港理工大で激しく衝突 警官隊が未明に突入 負傷者多数か
https://www.sankei.com/world/news/191118/wor1911180002-n1.html

香港中文大学で警察が催涙弾2356発 狙いは「国際ネットハブ」との分析も
https://news.nifty.com/article/world/china/12241-465816/

 1968年、日本でもみられた光景に近いのでしょうか。大学がバトルフィールドになったという重大事態を思います。

安倍総理は令和元年第11回経済財政諮問会議を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201911/13keizaishimon.html

令和元年第11回経済財政諮問会議
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019r/1113/agenda.html

 教育、科学技術政策が議論されています。やっぱり経済財政諮問会議が総合科学技術・イノベーション会議の上なのか、という思いを抱いていしまいますが…。

資料5-1 経済再生・財政健全化の一体的な推進強化に向けて~教育・科学技術政策~(有識者議員提出資料)(PDF形式:277KB)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019r/1113/shiryo_05-1.pdf

資料5-2 経済再生・財政健全化の一体的な推進強化に向けて~教育・科学技術政策~(参考資料)(有識者議員提出資料)(PDF形式:530KB)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019r/1113/shiryo_05-2.pdf

資料6 Society 5.0時代の教育・科学技術の在り方について(萩生田臨時議員提出資料)(PDF形式:654KB)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019r/1113/shiryo_06.pdf

資料7 科学技術・イノベーションによるSociety 5.0実現の加速(竹本臨時議員提出資料)(PDF形式:919KB)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019r/1113/shiryo_07.pdf

★令和元年10月末申請の大学等の設置認可の諮問について
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/daigaku/toushin/attach/1422587.htm

 いくつかの大学が誕生しますが、賛否のある大学もあります。

★総合政策特別委員会(第31回) 配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu22/siryo/1422091.htm

議題

最新の研究開発動向について
我が国の強みを生かした研究戦略の構築について

★ロボットの社会実装を促進するためのタスクフォースを立ち上げました
https://www.meti.go.jp/press/2019/11/20191112001/20191112001.html

山梨県におけるCSFの患畜の確認(国内49例目)について
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/191116.html

 名称が変わりCSFとなった豚のコレラ。発生が続いています。

宇宙政策委員会 宇宙産業・科学技術基盤部会 宇宙科学・探査小委員会 第33回会合 議事次第
https://www8.cao.go.jp/space/comittee/27-kagaku/kagaku-dai33/gijisidai.html

米国提案による国際宇宙探査への日本の参画について
宇宙基本計画工程表の改訂について
宇宙基本計画の改定に向けて
その他

★ポスト「はやぶさ」予算の壁
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO52146010U9A111C1EA1000/

ポストはやぶさ2、「トランプ氏の月計画」がライバルに
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52106440T11C19A1I00000/

 予算の配分という大きな課題。

★提言「持続可能な生命科学のデータ基盤の整備に向けて」
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t279-1.pdf

提言のポイント
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/kohyo-24-t279-1-abstract.html

 日本学術会議

★Society 5.0時代の人材育成に向けた義務教育の抜本的ICT化を求める緊急提言
http://www.keidanren.or.jp/policy/2019/096.html

 経団連

★The art of research
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03460-0

★「これまでに約2000本の不正論文を見つけました」
https://www.editage.jp/insights/i-found-about-2000-problematic-papers-says-dr-elisabeth-bik

 いわゆるネカトハンター。日本にはなかなかいません。

★Elsevier社、OAの対価としてデータを要求か。漏洩文書から明らかに(記事紹介)
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=11627

★多彩な企画で『人間らしさ』考える 『サイエンスアゴラ2019』に5000人が参加し閉幕
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2019/11/20191118_01.html

 私たちは今年は不参加でした。

★京大のiPS備蓄で自己資金要求 自民調査会、予算減額も
https://www.chunichi.co.jp/s/article/2019111201002215.html

iPS備蓄事業、予算減額案 山中伸弥氏「非常に厳しい」
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO52219680V11C19A1TJM000

iPS研究予算「いきなりゼロは理不尽」 山中伸弥所長
支援継続を政府に求める
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO52033220R11C19A1000000

京大iPS細胞備蓄事業、国支援打ち切りか 年10億円
https://www.asahi.com/articles/ASMBX4DVRMBXULBJ006.html

「iPS細胞」実用化に時間がかかるワケ
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/17873

 iPS細胞研究に予算を出さないなんてけしからんという意見がある一方で、冷ややかにみる人たちもいます。

血液クレンジングだけじゃない……“トンデモ医療”で大金を稼ぐ「自由診療クリニック」はなぜ野放しなのか?
https://bunshun.jp/articles/-/15324

 医師たちが情報発信をするというレベルでは止められない状況。医療界がもっと本腰を入れろ、という意見も出ています。

★WHO sticks to 2020 governance plan for human-genome editing
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03474-8

★CRISPR’s unwanted anniversary
https://science.sciencemag.org/content/366/6467/777.full

 ゲノム編集。ゲノム編集ベイビーの問題が発覚して1年。

★GRADUATE STUDENTS PROTEST TRUMP LABOR BOARD’S PROPOSAL TO EXEMPT THEM FROM DEFINITION OF ‘EMPLOYEE’
https://www.newsweek.com/graduate-students-protest-trump-nlrb-proposed-rule-change-employee-definition-1471750

 大学院生を労働者として認めろという抗議。

★More Indigenous and Latin American students are joining US graduate programmes - but overall diversity remains low
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03546-9

SpaceX launch highlights threat to astronomy from ‘megaconstellations’
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03446-y

 衛星が天文学に影響するという懸念。

EPA’s ‘secret science’ plan is back, and critics say it’s worse
https://www.sciencemag.org/news/2019/11/epa-s-secret-science-plan-back-and-critics-say-it-s-worse

E.P.A. to Limit Science Used to Write Public Health Rules
https://www.nytimes.com/2019/11/11/climate/epa-science-trump.html

EPA Plans Modifications to Controversial Transparency Proposal
https://www.the-scientist.com/news-opinion/epa-plans-modifications-to-controversial-transparency-proposal-66707

 EPAが極秘研究をするというプランに批判が。

★More South Korean academics caught naming kids as co-authors
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03371-0

 子供を共著者にするというなんとも言えないやり方。入試の過度な競争が生み出しています。

★Avert catastrophe now in Africa’s Sahel
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03445-z

★Huge study documents gender gap in chemistry publishing
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03438-y

 化学の分野でもジェンダーギャップが。

★Nontenure-track researchers ratify first contract with the University of California
https://www.sciencemag.org/careers/2019/11/nontenure-track-researchers-ratify-first-contract-university-california

 大学と交渉し、権利を勝ち取った非テニュア研究者。

★学費無料のエンジニア養成機関、「42 Tokyo」が設立
https://edtechzine.jp/article/detail/2855

ついに黒船上陸──学費無料の仏発エンジニア養成機関「42」東京校が来春オープン
https://forbesjapan.com/articles/detail/30568

若手研究者支援と就職氷河期支援の陰にあるもの

2019年11月5日~2019年11月12日

 ついに発売になりました。

研究不正と歪んだ科学
STAP細胞事件を超えて
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 研究不正からみえる日本の研究の様々な問題を、六人の論客が論じました。どうぞよろしくお願いいたします。

 久々に総合科学技術・イノベーション会議が開かれました。

総合科学技術・イノベーション会議(第46回)議事次第
https://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihui046/haihu-046.html

議事

1.基礎研究と若手研究者支援について~2019ノーベル化学賞受賞を契機として~

安倍総理は第46回総合科学技術・イノベーション会議を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201911/11kagaku.html

 今年のノーベル化学賞を受賞される吉野彰博士(ここであえて博士と呼ばさせていただきます)が、若手研究者支援策について述べられました。

 吉野博士の資料はこちら。
https://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihui046/siryo1.pdf

 この資料のなかでは、吉野博士がノーベル賞の対象となった研究を33歳から始められたことか書かれています。

 吉野博士は安倍総理にも面会され、若手研究者の支援について述べられたとのこと。

安倍総理旭化成(あさひかせい)株式会社の吉野彰名誉フェローによる表敬を受けました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201911/11hyokei2.html

ノーベル賞・吉野氏、首相を訪問 若手研究者への支援強化を訴え
https://mainichi.jp/articles/20191112/ddm/005/040/113000c

 総合科学技術・イノベーション会議に戻ります。

 大臣資料
https://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihui046/siryo1.pdf

【施策の方向性】
優秀な若手研究者のポストの確保、表彰
博士人材のキャリアパス(教員、マネジメント人材、 URA、エンジニア、産業界等) の拡大(有給インターンの拡充等)
研究成果の切れ目ない創出に向け、研究者の多様かつ継続的な挑戦を支援する「競争的研究費の一体的見直し」
若手研究者の自由な発想による、挑戦的研究を

資金
研究成果の切れ目ない創出に向け、研究者の多 様かつ継続的な挑戦を支援する「競争的研究費の一体的見直し」
若手研究者の自由な発想による、挑戦的研究を支援する仕組みの強化
大学等の共同研究機能等の外部化によるオープンイノベーションの活性化

環境
マネジメント人材、URA、エンジニア等のキャリアパス の確立(URAの認定制度等)
研究機器・設備の整備・共用化促進(コアファシリ ティ化)、スマートラボラトリー化の推進等

橋本 和仁議員、上山 隆大議員の資料
https://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihui046/siryo3.pdf

1.若手研究者の研究環境、キャリアパス 世界をリードする研究者を目指す若手研究者には一定期間(例えば10年間)研究に専念できる環境を用意することが必要。
・自由な発想で挑戦的な研究に取り組む資金を確保する。
・自らの研究に専念できる時間を確保する。
・自らの研究以外の申請書執筆に時間を取らせない。
⇒実績を積んだ研究者は外部資金を積極的に獲得し、そこから生み出した財源をポテン シャルのある若手に循環させる仕組みを大学が構築すべき。
産業界をはじめ様々な分野で活躍できるよう、インターンシップや若手研究者のキャ
リアパスの拡大が必要。 ⇒産業界の研究職、起業家、リサーチアドミニストレーター、エンジニア職なども含めた施策づくり

梶原 ゆみ子議員、小林 喜光議員、篠原 弘道議員の資料
https://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihui046/siryo4.pdf

(3)若手研究者が研究に専念できる環境作り
若手研究者については、一定期間(例えば 10 年程度)、競争的資金の獲得や次のポストを心配することなく、「自由な発想で挑戦的な研究に集中できる環境」が 必要。大学は、優れた成果(論文やカンファレンス等)を出した研究者が、自立・ステップアップできる仕組みを、前述の自主財源等を活用して提供する。

また、経済的に不安定な博士課程学生に対し、学振、RA、TA、有給インターンシップ等の更なる生活支援を充実させるとともに、女性研究者・外国人研究者も 含めたインクルーシブなキャンパスの実現を目指す。

併せて、大学及び企業は、教員、URA、エンジニア、産業界等へのキャリアパスを確立し、研究者に対し多様な進路の可能性を提供する。

国は、若手を含む意欲のある研究者に対し、短期的な目標にとらわれず、野心的な挑戦を奨励し、多種多様な中長期的テーマに取り組めるよう、裾野の広い富士 山型の研究を支援するための競争的資金を創設する。

 若手の安定性、独立性、多様なキャリアパスがどうやら共通認識のようです。

 経済的支援についても述べられています。

 概ねこうした方向性は、多くの識者なども言っていることで、少なくとも科学技術政策の担当者サイドには伝わっているようです。

★減る博士課程進学 打開策は? 長谷川眞理子さんに聞く
https://www.asahi.com/sp/articles/ASMC75VTYMC7PLBJ004.html

★提言「第6期科学技術基本計画に向けての提言」
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t283-1.pdf

提言のポイント
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/kohyo-24-t283-1-abstract.html

 日本学術会議の提言でも、同趣のことが述べられています。

提言1 次世代を担う博士課程学生への経済的支援の抜本的拡充、キャリアパスの多様化
日本の研究力低下の最大の要因は博士課程学生数の大幅な減少(社会人・留学生を除く一般学生の博士課程入学者数は、15年間で4割も減少)であり、日本の研究力復興の最優先課題として、欧米並みの博士課程学生への経済的支援が必要である。テニュアトラックポジションの増加、リサーチ・アドミニストレーター(URA)や高度技術職員の採用枠拡大のほか、産業界や政府部門を初め社会の幅広い分野における多様なキャリアパスの提示及びそれを支援する施策も必要である。

 共通認識がここまできたわけですから、実現可能性が高い、と喜ぶのも分かります。

★若手研究者支援・最近のいい話(オンラインニュースまとめ)
https://note.mu/mkepasince2019/n/n2c532d2c36cd

 最近若手研究者のなかで、積極的に自らの意見を述べる人が増えてきました。当事者としての貴重な意見は、政策にも届いたことでしょう。

★U Missouri Grad Students Can Unionize: State Supreme Court
http://bit.ly/32BFb28

 アメリカでは大学院生が組合を作って待遇改善も含めた活動をしています。日本でも様々な団体の息の長い活動がありますが、ウェブやSNSを駆使して動き出す新たな方向性が出てきているように思います。

★教員でも職員でもない「第三の職種」研究者支えるURA
https://www.asahi.com/articles/ASMBT4GRRMBTOIPE011.html

(現場へ!)URAってなんだ:4 専門性と多様性、広がる発信
https://www.asahi.com/sp/articles/DA3S14249941.html

 URAは非常に注目を集めています。記事も増えてきました。旧知の白井さんが時の人になっています。

 とはいえ、この種の問題は総論賛成各論反対に陥りがちです。財務省という果てしなく高い壁があります。自分の分野や自らの利益を超えて、公益のために高い視野から動くことができる研究者がもっと増えなければなりません。

 そして、もう若くない人たちの苦境はそのままです。

★アルバイトで食いつなぎ、論文執筆もままならない日々…“国策“が生んだ、行き場を失う博士たち
https://times.abema.tv/posts/7027584
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191110-00010004-abema-soci

 これは九州朝日放送が制作した「テレメンタリー」で、私もコメントしています。

 就職氷河期世代対象の募集に多数の応募があるなど、話題になっていますが、1つ気になることがあります。

 この支援策が、45歳以下だということです。

氷河期支援「35~44歳」に疑問の声 国「統計上、割り切るしか」
https://mainichi.jp/articles/20191003/k00/00m/040/328000c

 団塊の世代以降最も人数が多い1973年生まれ(200万人以上)やその周辺の200万人前後いる世代が対象から外されているのです。

 今の若手に相当する年代より年数十万人も多い世代を外す意味は何か。

 それは単純で、多すぎるからでしょう。

 若手支援策などが政策課題にあがってきたのは、雇用を死守すべき団塊の世代というボリュームゾーンが引退期をむかえ、かつ、一歳の人数がかなり減ったので、政策課題にしても反発をうけないという、リアルな現実も背景にあるはずです。

https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2018np/index.html
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2018np/pdf/2018np.pdf

 もう遅いのでしょうか…。

なぜ「高学歴」なのに「低収入」になってしまうのか
https://www.shinoby.net/2019/11/16035/

 この記事には世の中の人の感覚が書かれています。つまり、大学院は勉強するところだ、という認識です。大学院は研究するところであるという認識すら社会から持たれていない現実から認識しないといけません。

 しかし、遅いも早いもありません。私は1971年生まれですが、この世代はあと数十年生きていかないといけないわけです。

 繰り返し書いていますが、これから数十年間、若手の活躍を支援しつつ、同世代の生きるすべ、ナリワイを作るべく活動を続ける覚悟です。

メガバンク「2強」 理系トップ誕生か
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52003030Z01C19A1EE9000/

 理系だから云々というわけではありませんが、多様なトップが生まれるのは良い方向だとは思います。

★研究 技術 計画
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jsrpim/list/-char/ja

 第6期科学技術基本計画特集。

★平成30年度決算検査報告の概要
https://www.jbaudit.go.jp/report/new/summary30/index.html

安倍総理会計検査院の森田祐司(ゆうじ)院長から平成30年度決算検査報告を受け取りました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201911/08kaikeikensa.html

★研究者の「働き方改革」と自由な研究時間確保の両立についての日本学術会議幹事会声明
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-kanji-3.pdf

 研究者の働き方改革。研究者の自由が第一ですが、ダイバーシティの観点から、短時間でも効率的に結果が出せる体制の必要性について述べています。

★令和元年度「全国学生調査(試行実施)」について
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/11/1421627.htm

大学教育の改善点、学生に聞く 文科省が41万人調査
https://www.asahi.com/sp/articles/ASMC73K1BMC7UTIL00V.html

★第2回 政策のための科学オープンフォーラム「科学による政策課題解決への挑戦〜たゆまぬ共創・協働〜」の開催について
http://www.mext.go.jp/b_menu/gyouji/detail/1422179.htm

令和2年1月15日(水曜日)13時00分〜18時00分
国立大学法人 政策研究大学院大学 1階 想海樓ホールほか(東京都港区六本木7-22-1)

★World Scientists’ Warning of a Climate Emergency
https://academic.oup.com/bioscience/advance-article/doi/10.1093/biosci/biz088/5610806

気候変動の危機的状況は「明らか」、最新報告書、科学者1.1万人が支持表明
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-50312350

科学者1万1千人が気候変動対策訴え 「計り知れない苦しみ」生じる
https://www.cnn.co.jp/world/35144997.html

More than 11,000 scientists from around the world declare a ‘climate emergency’
https://www.washingtonpost.com/science/2019/11/05/more-than-scientists-around-world-declare-climate-emergency/

 トランプ政権の気候変動軽視、パリ協定離脱など、懐疑論の激しい攻撃の中、科学者たちが最新報告書に支持を表明。

 懐疑論に苦しむ分野がもう一つあります。

★Top Israeli immunologist accused of promoting antivaccine views
https://www.sciencemag.org/news/2019/11/top-israeli-immunologist-accused-promoting-antivaccine-views

Top Israeli immunologist's views on vaccines trigger furor
https://science.sciencemag.org/content/366/6466/675.full

★David Robert Grimes: Vaccines-how can we counter misinformation online?
https://blogs.bmj.com/bmj/2019/11/06/david-robert-grimes-vaccines-how-can-we-counter-misinformation-online/

 反ワクチン運動に関する混乱は続いています。科学を正しく伝えるだけでは対応できない、科学や科学者、医師など体制への反発などもあり、非常に厳しい局面にあります。

 双方向のコミュニケーションを地道にやっていくしかないのでしょうか。

★科学は、この150年間にいくつもの大きな変化を経験してきたが、証拠と透明性がかつてないほど重要になっている。
Nature at 150: evidence in pursuit of truth
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03304-x

★焦点:米の月探査計画に日本参加 巨額負担懸念 科学的意義、不透明
https://mainichi.jp/articles/20191109/ddm/002/010/121000c

 巨費を投じる科学には、批判的な視点でみていくことは重要だと思います。

★金づるにされた入試、知性なき“改革”
https://www.iwanami.co.jp/kagaku/koukaikiji.html

 岩波書店「科学」の記事が公開されました。

★新校舎は大阪城そば、大学統合の勝算 注がれる厳しい目
https://www.asahi.com/articles/ASMC15S10MC1PTIL02L.html

 大阪府大、大阪市大の統合。

ヒアリ国内定着の恐れ、繁殖力高く根絶困難に
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51857220W9A101C1TJN000/

 重大局面にあるヒアリ

★New funds needed to cover open-access costs
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03389-4

★エルピクセル,公正な研究を目指す研究者と研究機関に向けた科学論文の不正画像自動検出システム「ImaChek(イマチェック)」をフルリニューアル
https://www.innervision.co.jp/sp/products/release/20191218

★Trainees Often Ghostwrite PIs’ Peer Reviews: Survey
http://bit.ly/2rsdDiO

 これは「あるある」問題かもしれません。

★貴重なヘリウム、再利用求める 供給危機で物理学会が声明へ
https://www.chunichi.co.jp/s/article/2019110601001779.html

ヘリウムの安定供給求め 関係学会が緊急声明発表へ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191105/k10012164001000.html

★ジェフリー・エプスタインのような高額寄付者は、「科学をむしばむ」危険性をもちあわせている
https://wired.jp/2019/11/10/the-problem-with-rich-people-funding-science/

Beyond vetting donors
https://science.sciencemag.org/content/366/6466/667.full

 幸いか不幸にもか意見が分かれそうですが、日本の研究機関に「タニマチ」のような人はいませんが、よくよく注意する必要があります。

★製薬マネー年2000万円以上受領 医学部教授ら7人 文科省見直しへ
https://mainichi.jp/articles/20191106/k00/00m/040/229000c

文科省が「製薬マネー」2,000万円以上の医師7人を確認
https://www.wasedachronicle.org/articles/docyens/e10/

1,500万円超29人、糖尿病・循環器病の専門医に集中: 文科省調査
https://www.wasedachronicle.org/articles/docyens/e11/

 国会で議論に。利益相反については、新刊の「研究不正と歪んだ科学」でも詳しく論じています。

https://amzn.to/2NEWFVR

★Journal stands by paper facing misconduct allegations, but expresses concern about related images
https://www.sciencemag.org/news/2019/11/journal-stands-paper-facing-misconduct-allegations-expresses-concern-about-related

★Health at a Glance 2019
http://www.oecd.org/health/health-at-a-glance-19991312.htm

医療費の伸びは2030年までにGDP成長率を上回る
https://www.oecd.org/tokyo/newsroom/2030gdp.htm

日本、医学部卒業生が最少 OECD調査
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO51938740Y9A101C1CR0000?s=3

日本の医学部卒業生、人口比最少 35カ国中、OECD調査
https://www.chunichi.co.jp/s/article/2019110701001990.html

日本の医師先細り、卒業生は35カ国中で最少 女性割合も最低 OECD報告
https://mainichi.jp/articles/20191109/k00/00m/040/099000c

 私は医師なので、もっと医師がいないといけないのではないかと思うことが多々あります。ただ、ほかの分野にいけばより社会に貢献できそうな人まで医学部に行く風潮はよいものではないと思っています。

 かつて本にも書きましたが、医師とそれ以外の理工系の分野の格差が大きすぎるという問題でもあると思います。日本の「研究力」にも影響を与えているように思います。

★CRISPR Approach To Fighting Cancer Called 'Promising' In 1st Safety Test
https://www.npr.org/sections/health-shots/2019/11/06/776169331/crispr-approach-to-fighting-cancer-called-promising-in-1st-safety-test

★ゲノム編集食品、有機農産物と認めず 農水省が規格改正方針公表
https://mainichi.jp/articles/20191108/k00/00m/040/215000c

農水省 有機認証からゲノム編集除外で意見公募
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201911091435436

有機農産物の日本農林規格等の一部改正案についての意見・情報の募集について
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=550002996&Mode=0

★独学でAIをDIYする愛好家たち──
ホームブリューAIクラブへようこそ
https://wired.jp/membership/2019/11/12/diy-tinkerers-artificial/

 DIYでAI。在野科学。

★A judge said police can search the DNA of 1 million Americans without their consent. What’s next?
https://www.sciencemag.org/news/2019/11/judge-said-police-can-search-dna-millions-americans-without-their-consent-what-s-next

★Contingency plans for elite UK research funder fleshed out
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03444-0

★South Korea clamps down on academics attending ‘weak’ conferences
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03372-z

★Cold-war lessons for European science
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03451-1

★The Science of Effective Mentorship in STEMM
https://www.nap.edu/catalog/25568/the-science-of-effective-mentorship-in-stemm

★Too Little, Too Late
Graduate student's suicide at UW Madison is a devastating cautionary tale about abusive lab environments.
https://www.insidehighered.com/news/2019/11/04/graduate-students-death-uw-madison-devastating-cautionary-tale

★The women who cracked science’s glass ceiling
https://www.nature.com/articles/d41586-019-03362-1