科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

選挙が終わって その2

 選挙が終わり一週間あまり。自民党は着々と政権交代の準備を進めています。

 文部科学大臣下村博文氏が内定したようです。

 下村博文
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8B%E6%9D%91%E5%8D%9A%E6%96%87

 科学技術担当大臣が誰になるのか、また総合科学技術会議に安倍新首相はどの程度出席するのかなど気になります。

 安倍氏は総理だった時代に、高校の先輩であった黒川清氏を科学技術担当の内閣特別顧問にあて、イノベーション25を取りまとめたことは記憶にあたらしいです。
http://www.kiyoshikurokawa.com/jp/2006/10/post_9bfa.html

 先週書いたとおり、しっかりと政権のあり方をみていきたいと思います。

 さて、私達は今回の選挙にあたり、公開質問状を各党に出しました。
https://docs.google.com/spreadsheet/pub?key=0AkNK9F_18-hqdFYwaEdNSHhuaW8zc3pFU3I0YTRHRVE&single=true&gid=0&output=html
http://d.hatena.ne.jp/scicom/20121214/p1

 公明党自由民主党日本共産党国民新党緑の党からご回答いただきました。ご回答くださった政党のご担当の皆様には、あらためて御礼申し上げます。

 こうした公開質問状の取組は様々な団体が行なっています。

全国大学院生協議会(全院協)
http://www3.atword.jp/zeninkyo/

奨学金の会「学費・教育費および奨学金に関する質問書」を出し、自由民主党民主党日本共産党国民新党社民党から回答を得ています。

全国医師連盟
http://zennirenn.com/

自由民主党幸福実現党日本維新の会社会民主党みんなの党日本共産党から回答を得ています。

 サンプル数が少ないですが、今回自民、共産はこうした団体からの質問によく答えていたようで、その点は評価します。

 なかなか全部の政党から回答を得るのは難しいことではありますが、来年は参院選もあることですし、継続して行なって行きたいと思います。

 テクニカルなことを言いますと、私達は公明党自民党国民新党にはFAXで質問を送りました。メールでお送りして回答をいただいたのは日本共産党緑の党だけでした。ウェブページ由来で依頼した政党からは回答をいただけませんでした。

 今後は全政党にFAXもしくは郵送で送りたいと思います。ウェブ時代とは言え、通信手段はまだまだアナログが重要なのかなと思います。


 繰り返しになりますが、政治と関わる機会は選挙だけではありません。

 私達はまだまだできていませんが、科学技術政策に対する各議員の関わりなども追っていく必要があるように思います。国会での発言や投票行動も含め、追っていくことができたらと考えています。

 そのためには、まだまだ私達は力不足です。力とは、アクティブメンバーの数、資金、知識情報量のことで、不十分と言わざるを得ません。

 ぜひこの問題に関心のある皆さんが、私たちの活動に加わってくださることを希望しています。Facebook等でお声がけくだされば幸いです。


 新政権の科学技術政策のあり方について、幾つか意見が出ています。

 科学新聞では、総合科学技術会議白石隆議員が、民主党政権時代をかなり厳しく振り返り、新政権への注文を述べています。

 朝日新聞では、平川秀幸阪大准教授が震災後のエネルギー政策などの動きについて触れながら、新政権下の科学技術政策のあり方について注文をつけています。

〈あすを探る〉震災後の萌芽つぶさないで
平川秀幸大阪大学准教授)=科学
http://digital.asahi.com/articles/TKY201212190810.html

 平川氏が言うように、「政治家任せ・専門家任せだった自分を反省し、社会や政治、自分たちの未来に関心を払い、自ら考え、議論し、政治に注文するだけでなく自分たちで担えることも探り続ける人々」は確実に増えていると思います。

 この流れは止めることはできません。

 私達の公開質問状の回答の中で、自民党は「科学技術研究の方向性や優先順位、また研究や応用における規制の問題等について、誰が議論に参加するべきか」という質問の回答として、

a. 実際に研究を行う自然科学の専門家
b. 法律、哲学、社会、宗教等についての人文・社会科学の専門家
c. 国民の代表たる議員
d. 科学技術の応用に携わる産業の専門家
e. 患者団体など、広い意味での「ステークホルダー
f. その他、この社会を形成する全ての人々

のすべてに○をしました。私はこのことを高く評価したいと思います。

 これが選挙のリップ・サービスではないことを見つめていく必要があると同時に、私達も当事者意識をもって、政策に関心を持ち、行動していく必要があります。

 お任せを望んだのは、研究者であり、国民でした。

 しかし、それでは世の中は動きません。いくら総理の首をすげ替えても、クレクレと叫ぶだけでは決して誰も満足しないでしょう。

 多分民主党政権にならなくても、当事者が動くという流れは止まらなかったと思います。多少か加速した面はあるとは思いますが。

 ボールは私達に投げ返されているのです。過度な期待も絶望も意味がありません。できることを当事者としてやっていきましょう。

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