科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

社民党選挙公約

社民党の選挙公約です。

 エネルギー政策、原発政策は除いた科学技術政策と思われる部分の抜粋です。

○改正労働契約法は、雇用の入り口の規制(有期労働を一時的・臨時的業務等、合理的な理由がある場合に限定)が見送られ、出口規制は入ったとはいえ、5年を超えて反復更新している労働者に対して、無期契約への転換の申し出権を与えるに留まっています。また、空白期間(クーリング期間)6 か月で有期雇用契約がリセットされ、無期雇用への申し出ができなくなること、雇い止めの誘発を抑制できないなど問題があります。法のさらなる改正とともに、それぞれの労働運動のレベルで、5年を短縮して無期転換するしくみを作るなど、現場の運動を強めていきます。

○地域防災計画や防災マップを東日本大震災阪神大震災の経験と反省点、将来の南海トラフでの巨大地震津波や首都直下型地震等の被害想定、過去の災害の痕跡を示す地形や地域の言い伝え等も踏まえて抜本的に見直すとともに、住民への周知・啓発を強化し住民参加の避難体制、防災・救援計画の徹底をはかります。災害時の情報システムの整備、地震津波・台風・集中豪雨・竜巻等の観測・研究体制の強化を進めます。

食品安全委員会は、消費者代表の参加を促進、リスク管理機関からの独立性を高め、評価や勧告機能の強化、消費者の意見反映、予防原則にたった情報提供を進めるようにさせます。

○米国産牛肉の輸入条件緩和(月齢20ヵ月以下→30ヵ月以下)や国産牛肉のBSE対策緩和(検査対象月齢引き上げ、特定危険部位の縮小)は認めず、現行のBSE対策(全頭検査・トレーサビリティ・全ての特定危険部位の除去・飼料規制)を継続します。

口蹄疫鳥インフルエンザの監視・診断・防疫体制の強化および迅速化、農家への補償、自治体の負担軽減などに万全を期します。国外からの水際対策を強化するため検疫官などを増員し、予算確保、機能強化をはかります。
○改正された家畜伝染病予防法を生かし、監視の強化、早期通報・診断体制の改善、消毒や殺処分・ワクチンなど防疫措置のあり方検討、埋却地の確保、出荷減少対策、国と自治体の役割と責任の明確化、被害農家への手当金の拡充、重要家畜の飼育方法や大規模で密集化した畜産業のあり方検討、東アジアでの研究体制確立など、対策を強めます。野鳥への防疫措置を検討します。

○総合的な化学物質対策を進めるため、予防原則の徹底、総量削減、情報公開、ライフサイクル管理、市民参加、国際的協調を柱とした「化学物質管理基本法」を制定します。

戦略的環境アセスメント(SEA)を早期に本格導入します。「環境アセスメント法」はSEAの対象を政策・立案・構想などの上位計画段階にも広げ、対象事業の範囲も広くし、ゼロオプション(中止)という代替案も義務づけます。手続き面では透明性や市民参加・情報公開を徹底するとともに、生物多様性保全も組み入れ、基地建設もふくめてすべて対象とすることを明確化します。

○産官学連携や大学を拠点とした知的クラスター形成は、環境や農林水産、医療や福祉などの分野において新たな試みとして、研究開発による起業、人材育成をもたらす地域経済活性化の効果的な方法であり、これらを推進します。

○地域の暮らし・防災・みどり・環境・教育・農商工連携・公共交通を重視した「身近な公共事業」を増やし、中小企業の仕事づくりや雇用創出につなげます。特に自然エネルギーや省エネ技術の普及など環境経済産業への投資を増やし、中小企業の技術や人材を活用します。

○がんの予防と早期発見の推進、がん検診の質の向上、がん医療の均てん化の促進に取り組みます。専門的な知識や技能を有する医師等の育成、医療機関の整備を推進します。
がん対策基本法にもとづいて制定された「がん対策推進基本計画」を着実に実行します。

○高等教育(大学、短期大学、大学院等)の漸進的な無償化を定めている国際人権規約社会権13条)の理念にそって、将来的な無償化をめざし負担の軽減に努めます。
○国立大学・高専運営交付金、私学助成費のシーリング・マイナスの方針を転換し、義務的経費の減額は行ないません。
○教育の機会均等を保障するため奨学金・育英制度を充実させます。無利子奨学金の拡充をはかるとともに、選考基準については経済的条件のみとする改善も行ないます。返還義務のない給費奨学金を創設します。日本学生支援機構奨学金事業の運営を見直します。
就学援助制度対象を大幅に拡大し、保護者負担の軽減をはかります。