科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

先進国幻想、IWC脱退

2018年12月25日~2019年1月1日
カセイケン代表 榎木英介

 元旦に799号目のメルマガをお送りします。次号は800号です。

 メールマガジンを発行して15年。今年も変わらず科学政策や科学コミュニケーションのニュースをウォッチしていきます。

国際捕鯨取締条約からの脱退について
https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201812/26_a.html

内閣官房長官談話
https://www.kantei.go.jp/jp/tyokan/98_abe/20181226danwa.html

Japan quits global whaling body, will resume commercial hunt
https://www.sciencemag.org/news/2018/12/japan-quits-global-whaling-body-will-resume-commercial-hunt

商業捕鯨、活路見えず IWC脱退表明
需要減・操業5隻のみ、国の支援頼み続く
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO39409090W8A221C1EA2000/

 先週既報通り、政府はIWCからの脱退を表明。さまざまな反応が出ていますが、国際組織からの脱退が今後の日本の諸分野にどのような影響を与えるでしょうか。

安倍内閣総理大臣 平成31年 年頭所感
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2019/0101nentou.html

安倍総理は内閣発足6年についての会見を行いました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201812/25kaiken.html

 安倍政権が発足して6年。科学技術政策に関しては、トップダウン化の推進などが特徴として挙げられます。経済財政諮問会議などさまざまな会議が科学技術政策に影響を与えています。

★異見交論62 国民益にかなう国立大学 塩崎恭久氏(自民党行政改革推進本部長)
http://kyoiku.yomiuri.co.jp/torikumi/jitsuryoku/iken/contents/62ana.php

★幻の科学技術立国:第3部 企業はいま/5 「公費で自動車業界支援」 財務省、産学連携の内閣府事業批判
https://mainichi.jp/articles/20181227/ddm/016/040/004000c

★【新時代・第1部 日本はどこへ向かうのか】科学力 日本人が足りない 研究室は外国人が仕切る。このままではノウハウが消える
https://www.sankei.com/life/news/190101/lif1901010010-n1.html

 決して安倍政権だけの問題ではないのですが、近年日本の科学技術力が低下しているという論調が出ています。

 さまざまな論をみて思うのが、「世界有数の科学大国ニッポン」という自画像と現実が合っていないことによる苛立ちがあるということです。

 たしかに、近年のノーベル賞ラッシュなどを考えると、一時期日本の科学力は高く、また、世界を席巻した製造業の記憶は、技術力も世界をリードした時代があったことを意識せざるを得ません。

 過去よもう一度、ということはよく分かります。いまだ世界3位の経済大国である事実からみたら、まだまだ日本のポテンシャルはこんなものではないと言いたいのはわかります。

 しかし、GAFAが出てくる米や、国家主導の中のような大国を今更目指しても無理なのは、多くの人たちが理解していると思います。

 米中になれないことを嘆くのではなく、キラリと輝く中堅国としてやって行くにはどうればよいのか、現実を見据えて考えていくことが必要だと思います。

 じゃあどうすればよいか、というのは難しいところですが、人の活用しかないと思います。失敗込みで研究者に自由にやってもらう…。

 こうした仕組みはすでに具体的提案もあります。

安定性と競争性を担保する 日本版テニュアトラック制度の提案
http://scienceinjapan.org/topics/20130925.html

 失敗してしまった人はどうすればよいか…。そのあたりは一般社団法人カセイケンでも取り組んでいきます。すでに科学・研究キャリアポータル
https://career.kaseiken.info/

 というページを立ち上げ、実験的に情報の収集などを始めています。

 2019年も科学技術政策の動向をウォッチしつつ、できることを地に足をつけてやっていきます。どうぞよろしくお願いいたします。

文部科学省幹部職員の事案等に関する調査・検証
http://www.mext.go.jp/a_menu/other/1408375.htm

ロケット打ち上げ、視察で身内優先 文科省汚職巡り判明
https://www.asahi.com/articles/ASLDX00V4LDWUTIL052.html

 医学部の不正入試まで繋がった文科省汚職。報告書が出ました。

文部科学省未来検討タスクフォース
http://www.mext.go.jp/a_menu/mirai_tf/1412086.htm

 揺れる文科省。若手が忌憚なき意見を述べたとのこと。文科省は変われるでしょうか。

★医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る緊急調査について
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senbatsu/1409128.htm

医学部医学科の入学者選抜における不適切な事案の自主的公表を受けた今後の対応状況等について

 いまだ尾を引く入試不正。今年の受験生に大きな混乱をもたらしました。

★(大学入試改革)大学入学共通テストの枠組みで行う民間の英語資格・検定試験に関する受検ニーズ調査結果について
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/koudai/detail/1412173.htm

 いまの高校一年生が高校三年生になるときにはじまります。もう来年なんです。

★学習者用デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/139/houkoku/1412207.htm

★「人生会議」してみませんか
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02783.html

「人生会議」とは、もしものときのために、あなたが望む医療やケアについて前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組のことです。

 正月休みは一つのきっかけかもしれませんね。

★「労働施策基本方針」が閣議決定されました
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03094.html

★「免疫アレルギー疾患研究戦略検討会報告書 免疫アレルギー疾患研究10か年戦略 ~「見える化」による安心社会の醸成~」について
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000172968_00004.html

国際プラネタリウム協会会長に初の日本人
科学技術館の木村さん
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO39383780W8A221C1CR0000/

★住民被曝データ、同意得ず研究利用 福島・伊達市が調査へ
https://www.sankei.com/life/news/181227/lif1812270032-n1.html

★論文の撤回について
http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/other/181228-100000.html

京大、ES細胞の論文1本撤回 研究不正の元助教が著者
https://www.asahi.com/articles/ASLDX33LCLDXPLBJ002.html

京大論文不正で別論文も撤回
iPS研発表、記録十分保存せず
http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/other/181228-100000.html

★Government Shutdown Affects NSF, FDA, Other Science Agencies
https://www.the-scientist.com/news-opinion/government-shutdown-affects-nsffda—other-science-agencies-65270

 歳をまたいでしまったシャットダウン。

★The Year in #MeToo
https://www.the-scientist.com/news-opinion/the-year-inmetoo-65244