科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

新しい公共をつくる市民キャビネットに期待する。

明日、以下のような会が開催される。

「新しい公共をつくる市民キャビネット」設立協議会開催

開催日時
2010年1月29日(金) 13:00 - 16:00

開催場所
星陵会館
地下鉄有楽町線半蔵門線南北線 永田町駅下車6番出口 徒歩3分
地下鉄千代田線 国会議事堂前駅下車5番出口 徒歩5分
地下鉄南北線 溜池山王駅下車(国会議事堂前駅5番出口) 徒歩5分
地下鉄銀座線、丸の内線 赤坂見附駅下車 徒歩7分

新しい公共を掲げる政権に対してNPO等の側が結集して政策提言をする機能の必要性から、昨年11月10日設立準備会を発足し、以下の設立の趣旨に基づき、来たる1月29日に新しい公共をつくる市民キャビネットを設立する運びとなりました。

とのこと。昨日、政府の「新しい公共」円卓会議が第一回の会合を開いた。

新しい公共」円卓会議とは、第173回国会における所信表明演説に基づき、「新しい公共」という考え方やその展望を市民、企業、行政などに広く浸透させるとともに、これからの日本社会の目指すべき方向性やそれを実現させる制度・政策の在り方などについて議論を行うことを目的として開催する会議。

だという。所信表明演説では、以下のように述べられている。

(「新しい公共」)

 働くこと、生活の糧を得ることは容易なことではありません。しかし、同時に、働くことによって人を支え、人の役に立つことは、人間にとって大きな喜びとなります。
 私が目指したいのは、人と人が支え合い、役に立ち合う「新しい公共」の概念です。「新しい公共」とは、人を支えるという役割を、「官」と言われる人たちだけが担うのではなく、教育や子育て、街づくり、防犯や防災、医療や福祉などに地域でかかわっておられる方々一人ひとりにも参加していただき、それを社会全体として応援しようという新しい価値観です。
 国民生活の現場において、実は政治の役割は、それほど大きくないのかもしれません。政治ができることは、市民の皆さんやNPOが活発な活動を始めたときに、それを邪魔するような余分な規制、役所の仕事と予算を増やすためだけの規制を取り払うことだけかもしれません。しかし、そうやって市民やNPOの活動を側面から支援していくことこそが、二十一世紀の政治の役割だと私は考えています。

 新たな国づくりは、決して誰かに与えられるものではありません。政治や行政が予算を増やしさえすれば、すべての問題が解決するというものでもありません。国民一人ひとりが「自立と共生」の理念を育み発展させてこそ、社会の「絆」を再生し、人と人との信頼関係を取り戻すことができるのです。
 私は、国、地方、そして国民が一体となり、すべての人々が互いの存在をかけがえのないものだと感じあえる日本を実現するために、また、一人ひとりが「居場所と出番」を見いだすことのできる「支え合って生きていく日本」を実現するために、その先頭に立って、全力で取り組んでまいります。

こうした流れのなかで、政府には「新しい公共」円卓会議が開催された。

また、これを受けて、民主党は「『新しい公共』づくりをめざした市民と民主党の政策形成プロジェクト」を開催した。
http://www.dpj.or.jp/news/?num=17607

そして、NPO側では「新しい公共をつくる市民キャビネット」を設立することになった。

私は、この団体の設立趣旨に賛同する。

グローバル化が進み賭博的な金融為替操作など錬金術的な経済によって、お金至上主義の傾向が強まる一方、貧困層の拡大、雇用の不安定化、中小企業や地域の弱体化など、生活は経済の犠牲となり、われわれの社会は根底から崩れかねない状況に陥りました。世界と日本の趨勢、財政の危機などを考えると、この生活と社会の立て直しは、「私」と「公」をつなぎ、助け合い、協力、連携を基にする「新しい公共の創出」によってこそ行うべきではないでしょうか。

 具体的には、NPO/NGO 等の市民団体、生協や労働組合等の非営利組織、社会的企業等が結集し、次のことを進めます。

 1.分野別および総合的に政策提言を策定し、政府・政権等と交渉・協議し、市民政策を実現する。

 2.新しい公共政策の受け皿として、新しい公共サービスを担い、これを実施する。

 3.市民的立場から広く施策・行政・関連法人等を点検・評価する。

科学技術政策において、こうしたことができないか。

新しい団体では、こうした動きに加わっていけたらと考えている。