科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

ブログのチカラ

 「チカラ」なんてちょっとポップな書き方をしてしまったが(本当はこういう表現は嫌い)、正直言ってブログにはそんなに期待していなかった。

 ウェブ日記というのは昔からあったし、そんな目新しいものでもないだろうと。過度な期待は禁物だ。

 しかし、サイコムメルマガ編集部員でもある立花さんの書いた記事
実はあちこちにあったサイエンスカフェ
http://blog.so-net.ne.jp/kagaku/2005-10-15

が、科学コミュニケーション関係の方の間に広まっていく様子をみて、ブログも使いようによってはなかなかだなあと思った。

 もちろん課題はあると思う。

 現在は科学コミュニケーションをスタッフとして取り組んでいる人たちの間でのコミュニケーションが始まったばかりというところ。これを一般の人たちも巻き込んで幅を広げていかなければいかないが、どうやって一般の人たちと双方向にコミュニケーションできるのか。人が増えたり、悪意を持った人が入ってきたときどうなるのか。

 柳田充弘氏のブログ
http://mitsuhiro.exblog.jp/

にコメント欄がなくなったことは、ブログコミュニケーションの難しさをあらわしているようにも思う。

 ただ、何度も編集後記に書いたが、ウェブ日記時代に森山和道さんが看破したように、
http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/ARG/rerecord-019.html

研究者が日々を書き綴ることは、研究の生の営みを伝える意味で非常に意味あることだと思う。

 5号館のつぶやきさんは、
市民と科学者が対等に参加する新しいコミュニティをつくるブログ
http://shinka3.exblog.jp/2739666/

で、トラックバックとコメントにブログの可能性を見出している。

 瀬名秀明さんは、東大の科学技術インタープリター養成プログラムの講義において、ブログを活用している。
http://senahideaki.cocolog-nifty.com/lecture/

 まだブログが科学コミュニケーションにとってどのような効果があるか見えてこないが、過度な期待を抱かず、かと言って斜に構えたりせず、ブログの可能性を考え、実践していきたい。

コメント
K_Tachibana (2005/10/17 00:25:00)
榎木さん ブログが活用できるのは,ウェブが利用できるヒトに限られているんですよね.町内会や異業種の方と関わると,ウェブどころかメールも使っていない方がまだまだ大勢世の中にはおられることに気づかされます.デジタルデバイドによってネット社会から隔絶された方々とどう交流できるか(個人的な印象ですが,こういう方々はとくにサイエンスに対して明るくない方が多いように見受けられます)がキーとなってくるような気はします.
m00106623 (2005/10/17 04:55:25)
おっしゃるとおりですね。ウェブが当たり前と思っている前提は疑わなくてはいけないですね。だから、カフェなんかは、ウェブで広報しているだけでは、同じような人しか来ない可能性があります。