科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

安倍首相の所信表明演説

 第168回国会が開会した。

 安倍首相の所信表明演説から、科学技術に関連する部分を抜き出してみる。

(安心して暮らせる社会を実現する)
 食への信頼が揺らいでいます。正しい食品表示を徹底するとともに、水際における輸入食品の監視体制を強化します。
夜間でも必要な救急医療を受けられるよう、それぞれの地域において責任を持って対応する救急の拠点病院及びネットワークの体制を確立します。地方における医師不足の解消に向け、「県境なき医師団」を速やかに派遣するとともに、地方の大学の医学部にへき地勤務枠を設けるなど、全力で取り組みます。
 世界一災害に強い国づくりを進めます。学校などの公共施設や住宅の耐震化を進めるとともに、お年寄りに対する情報伝達、安否確認、救出など、いざという時に確実に機能する体制を整えます。地震発生時における原子力発電所の対応に万全を期すとともに、情報公開を徹底し、周辺住民の方々の不安を払拭します。

(持続的な経済成長を実現し、簡素な政府をつくる)
 急激な少子高齢化や、これまで経験したことのないような人口減少という厳しい状況下にあっても、年金や介護などの制度を維持し、雇用を生み出していくためには、経済成長が不可欠であります。科学技術など、我が国がこれまで蓄えてきた力を最大限に発揮し、持続的な成長を実現します。次の時代を切り拓く新たなイノベーションを応援するとともに、日本の空の自由化をはじめ、観光、金融など、より海外に開かれた経済をつくることにより、アジアなど外国の成長や活力を日本に取り入れます。

(環境で世界を主導する)
 地球温暖化問題は、人類の生存にかかわる、世界共通の課題です。私は、ハイリゲンダム・サミットにおいて「美しい星五〇」を提案し、すべての主要な温暖化ガス排出国が参加できる枠組みの考え方について、理解を得ました。環境に関連する技術は我が国が世界に誇るべきものです。省エネルギー技術の海外への普及促進など、環境を経済成長の制約ではなく糧とする、日本ならではの環境と経済の共存を実現します。
 来年開催される北海道洞爺湖サミットで、さらなる前進が得られるよう、引き続き、リーダーシップを発揮してまいります。

 以上。所信表明演説ということもあり、詳細はふれていないが、イノベーションについて一言言及している。

 美しい星50は、相当に力を入れているようだ。

メルマガ205号〜マイナー問題としてのポスドク問題

 APECや概算要求など、いろいろなニュースがありました。

 Editorialでは、またもキャリア問題について書かさせていただきました。

 最近キャリア問題ばかり取り上げていますが、「一部の人間だけ盛り上がっている」との批判を受けています。

 確かにポスドクは多くて1万5千人。世の中の問題からすればマイナーな問題だと思います。

 だからこそ、NPOのような組織の活動が必要なのではないかと思います。NPOは行政などが見落とすマイナーな問題を取り上げるのが得意です。

 一部で盛り上がっているだけ、という批判は、どんな問題も当事者にとっては切実だけれど、他人にとってはどうでもよい、ということをあらわしているのだと思います。それは重々自覚しないといけないと思います。

 問題を一部にとどめないために、さまざまなことを考えていかないといけないのだと思います。


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