2015年11月30日〜2015年12月7日
大学関係者を震撼させた財政制度分科会(平成27年10月26日開催)
http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia271026.html
の議事録が11月26日に公開されていました。
★財政制度分科会(平成27年10月26日開催)議事録
http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/proceedings/zaiseia271026.html
文教・科学技術担当の奥主計官が資料を説明しています。
疑問の3点目、教員の数が増えれば教員の多忙は解消されるのか。先生方が忙しいのは確かだと思っております。ただ、お忙しい先生方のお仕事の中で、右下の円グラフにありますように、教えるということ、授業や授業準備そのものに割く時間がイギリスと比べてみると半分くらいしかないということでありますので、先生方が忙しい理由の大きな部分が、学校運営、生徒指導、部活動、保護者対応といったことにあるようです。そういった問題、そういった事柄に対応するために、先生方、教えるプロの数をたくさん確保する、あるいは増やすといったような解決策が妥当なのかどうかということであります。
ただ、左側にありますような、国立大学法人の薄い青色の運営費交付金に5割以上、過半を頼っている姿というものは、今後の財政事情などを考え、また、学生数の減少が見込まれる可能性が高いことを考えますと、この構造が持続的に続けられるものかどうかというのは、かなり疑問かと思いますので、自己収入の割合をより増やしていただきたいというふうに考えます。
23ページ、ここは国立大学の授業料についての資料です。国立大学の授業料の水準につきましては様々なご議論があるとは思いますが、自己収入というものを引き上げていく上で、現在の授業料がどういう状況にあるかということは示してありますが、現在、国立大学の授業料は、標準額が年額53万5,800円と定められており、その2割増しまでは各大学が学則で増やすことができる。
ちなみに、下限はありません。そういう状態になっており、各大学はそれぞれの判断で上げることができるという制度はできておりますが、この標準額と異なる額を設定している大学は、右に掲げてある7つの大学しかなくて、そのうち、引き上げの方向で設定されておられるのは、一番下にある2つの大学、学部しかないという状態であります。従いまして、授業料を直ちに引き上げるべきであるというような、べき論を申し上げるわけではありませんが、自己収入を引き上げる努力というものが何もない、手は尽きているという状態とはまだなかなか言えないのではないかという一例として申し上げました。
そこで、私どもとしては、今後15年間程の時間をかけて、国立大学が収入のうち運営費交付金に依存する割合、自己収入で稼いでくる割合を同程度とするということを目標とされてはどうかと考えます。運営費交付金の依存度は15年間をかけて同程度ということでありますと0.5%ずつということになるわけです。一例としまして、例えば、運営費交付金を毎年1%減少させることにしますと、自己収入を毎年1.6%ずつ増加させることが必要になってくるということでございます。
そこで、28ページは、我が国の科学技術関係予算におきましては、量的拡大は非常に難しい状況でありますので、質を改善していただくということが不可欠かと思います。左にありますように、予算の額と論文の数はかなり相関しており、お金を増やせば論文の数は増えるという傾向はかなりはっきりしているように思われますが、右側のトップ10%論文数という目で見ますと、これだけで質を判断するわけではありませんが、このトップ10%論文数の割合を見ると、日本の水準は諸外国と比べて低いということ、それから、予算が拡大期に増加していないというように見えるといったことでありますので、予算をたくさん投入することによって質のいい論文が排出される、次々に生まれるというわけではないのではないかということを申し上げたいと思います。
現行の第4期科学技術基本計画におきましては、政府研究開発投資の総額規模約25兆円とするというようにインプット目標が明記されております。私どもとしては、こういったインプット目標は、ほかの政府の基本計画にはもはやありませんので、こういうインプット目標を次期科学技術基本計画に盛り込むべきではないと考えておりますし、そこは様々な議論があるかもしれません。仮にそのインプット目標を置かざるを得なくなるとしても、成果目標、アウトカム目標にもっときちんとコミットしていただくような計画としていただく必要がぜひともあるというふうに考えます。
こうした指摘に多くの大学が、地元自治体や企業とともに反論しています。
●北海道大学、国立大学法人の機能強化に向ける国による財政支援の充実を求める声明
http://www.hokudai.ac.jp/news/mc_statement.pdf
●岩手大学、財政制度等審議会における財務省提案に関する声明
http://www.iwate-u.ac.jp/attention/seimei_zaisei.pdf
●秋田大学、財政制度等審議会における財務省提案に関する声明
http://www.akita-u.ac.jp/honbu/event/img/pro1948_01_dl.pdf
●山形大:授業料増か教員減に 交付金削減で試算
http://mainichi.jp/articles/20151202/ddl/k06/100/244000c
●運営交付金削減方針に山形大学長が異議、財政制度等審議会の意見書受け
http://yamagata-np.jp/news/201512/02/kj_2015120200027.php
●「授業料の値上げ危惧」と福大学長 運営費交付金削減継続で
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20151203-032734.php
●お茶の水女子大学、財政制度等審議会財政制度分科会における財務省提案に関する声明
http://www.ocha.ac.jp/news/h271120/zaimu_keiei_seimei.pdf
●横浜国立大学、国立大学の財政基盤の強化を求める声明
http://www.ynu.ac.jp/hus/somu/14849/30_14849_1_0_151125023551.pdf
●滋賀大学、国立大学に対する予算の充実を求める声明
http://www.shiga-u.ac.jp/wp-content/uploads/2015/12/seimei_201511.pdf
●京都大学、財政制度等審議会における財務省提案に関する声明
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/publication/conference/report/administrative_council/documents/seimei.pdf
●大阪大学、財政制度等審議会の審議内容に関する声明
http://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/topics/2015/12/files/.pdf
●神戸大学、財政制度等審議会における財務省提案に関する声明
http://www.kobe-u.ac.jp/NEWS/info/2015_11_30_01.html
●和歌山大学、財政制度等審議会における財務省提案に関する声明
https://www.wakayama-u.ac.jp/news/2015113000043/files/20151201statement.pdf
●佐賀大学、地方国立大学に対する予算の充実を求める声明
http://www.saga-u.ac.jp/koho/wp-content/uploads/2015/11/20151130_seimei1.pdf
●国立大学法人鹿児島大学経営協議会学外委員
「財政制度等審議会における「国立大学運営費交付金に関する財務省提案」に対する
声明」
(平成27年11月26日)
https://www.kagoshima-u.ac.jp/important/2015/11/post-41.html
こうした声明では、予算を減らさないでほしいという明確な意思は出せるものの、財務省が指摘した部分への反論にはなっていません。反論するなら、がっぷりよつに組んで、きちんと反論していかないといけないように思います。
★COP21
http://www.cop21.gouv.fr/en
第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ch/page24_000541.html
が、このメルマガ編集時点で現在進行形で議論が進んでいます。途上国と先進国の対立は解消されていません。
★International Summit on Human Gene Editing
http://nationalacademies.org/gene-editing/Gene-Edit-Summit/index.htm
On Human Gene Editing:
International Summit Statement
http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=12032015a
生殖目的のゲノム編集「使用禁止を」 米英中の科学者団体
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM04H1I_U5A201C1EAF000/
生命科学、生殖医学を劇的に変えつつあるゲノム編集で重大な動きです。
文科省
★パブリック・コメント(意見公募手続き)の実施−共同利用・共同研究拠点の認定等に関する規程の改正案−
http://www.mext.go.jp/a_menu/kyoten/1364990.htm
平成27年12月4日(金曜日)〜平成28年1月4日(月曜日)
★科学技術イノベーション政策のための科学推進委員会 中間評価報告書
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/016/houkoku/__icsFiles/afieldfile/2015/12/01/1362704_01.pdf
★科学技術・学術審議会 学術分科会長声明について
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/toushin/1364855.htm
学術研究の持続的発展と卓越した成果創出のために(声明)
−ノーベル賞連続受賞を祝して−
今後の国立大学法人等施設の整備充実に関する調査研究協力者会議(平成25年度〜)(第9回) 配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/031/shiryo/1364794.htm
★次期国立大学法人等施設整備5か年計画策定に向けた最終報告(素案)
〜機能強化等に対応し、安全・安心を確保する〜(案)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/031/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2015/11/30/1364794_03.pdf
★iPS細胞研究ロードマップの改訂について
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/046/houkoku/1364984.htm
科学技術・学術政策研究所です。
★「STI Horizon(エスティーアイ ホライズン)」 誌の創刊について
http://www.nistep.go.jp/archives/24758
NISTEP、「STI Horizon」 誌を創刊
http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/sti_updates/?id=8371
★「NBDC RDFポータル」運用開始
〜生命科学のデータを分野横断的に活用するために〜
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20151130/index.html
農水省
★南極海における新たな鯨類調査(新南極海鯨類科学調査計画(NEWREP-A))の実施について
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/enyou/151130.html
諸外国ではかなり大きく報道されています。
Japan to resume whaling in defiance of international court ruling
http://news.sciencemag.org/environment/2015/11/japan-resume-whaling-defiance-international-court-ruling
厚労省
★「平成27年度雇用政策研究会報告書」を公表します 〜「人口減少下での安定成長を目指して」をテーマにとりまとめ〜
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000105744.html
その他
★Got just a single observation? New journal will publish it
http://news.sciencemag.org/scientific-community/2015/12/got-just-single-observation-new-journal-will-publish-it
★Annotating the scholarly web
Scientific publishers are forging links with an organization that wants scientists to scribble comments over online research papers.
http://www.nature.com/news/annotating-the-scholarly-web-1.18900
★Artificial intelligence called in to tackle LHC data deluge
Algorithms could aid discovery at Large Hadron Collider, but raise transparency concerns.
http://www.nature.com/doifinder/10.1038/528018a
★New director for U.S. Office of Research Integrity
http://news.sciencemag.org/scientific-community/2015/12/new-director-u-s-office-research-integrity
★日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に
〜601種の職業ごとに、コンピューター技術による代替確率を試算〜
2015年12月02日
株式会社野村総合研究所
https://www.nri.com/jp/news/2015/151202_1.aspx
あなたの仕事がなくなる?
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2015_1203_2.html
次第に危機感が高まってきました。これは私たち誰しも無縁ではありません。
★研究の生産性向上、科学出版大手がITで後押し
編集委員 滝順一
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO94624830R01C15A2000000/
★科学技術立国20年目の模索(2)「ポスドク」受け皿 民間にも
若手の対話能力 育成図る
http://www.nikkei.com/paper/article/?ng=DGKKZO94831680W5A201C1TJM000
★男女共同参画会議(第46回)議事次第
http://www.gender.go.jp/kaigi/danjo_kaigi/gijisidai/ka46-s.html
第4次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方(概要)[PDF形式:402KB]
http://www.gender.go.jp/kaigi/danjo_kaigi/siryo/pdf/ka46-1-1.pdf
男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の基本的な考え方について(答申)(案)[PDF形式:630KB]
http://www.gender.go.jp/kaigi/danjo_kaigi/siryo/pdf/ka46-1-2.pdf
★全国大学院生協議会
〈声明〉学問の自由と大学の自治の破壊に反対し、高等教育政策の抜本的転換を求める
http://zeninkyo.blog.shinobi.jp/zendai/%E3%80%88%E5%A3%B0%E6%98%8E%E3%80%89%E5%AD%A6%E5%95%8F%E3%81%AE%E8%87%AA%E7%94%B1%E3%81%A8%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E3%81%AE%E8%87%AA%E6%B2%BB%E3%81%AE%E7%A0%B4%E5%A3%8A%E3%81%AB%E5%8F%8D%E5%AF%BE%E3%81%97%E3%80%81%E9%AB%98%E7%AD%89%E6%95%99
●「奨学金の返済に苦しむ若者増加 その実態は」
大内 裕和さん(中京大学 教授)
https://www.nhk.or.jp/hitokoto/sound15120202.html
★How to build a better PhD
There are too many PhD students for too few academic jobs - but with imagination, the problem could be solved.
http://www.nature.com/doifinder/10.1038/528022a
★Make the most of PhDs
The number of people with science doctorates is rapidly increasing, but there are not enough academic jobs for them all. Graduate programmes should be reformed to meet students’ needs.
http://www.nature.com/news/make-the-most-of-phds-1.18915
Natureが博士号の特集です。
★Employment terms: California postdocs win new rights
Career development a priority in university contract.
http://www.nature.com/naturejobs/science/articles/10.1038/nj7580-156a
重要な動きです・
★大手企業技術者、四則計算の正答6割切る 神戸大など調査
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB01HFH_S5A201C1EAF000/
このうち「9―3÷1/3+1」という計算問題では、四則計算の優先順位がわからない技術者が多く、正答率は6割を切った。
★「開かれた科学」で国の研究投資を効率よく
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO94836100X01C15A2PE8000/
日経社説
★「フカシギおねえさん」がLINEスタンプに SSH高校生との交流がきっかけ
http://www.jst.go.jp/report/2015/151203.html
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