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No.1172 2026年4月15日(発行19日)巻頭言
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【巻頭言】日本学術会議総会、スーパーリトラクター、ロシアの「学徒動員」
カセイケン代表 榎木英介
4月も後半に差し掛かり、2026年度が本格化してきた感じです。
第196回総会配布資料一覧|日本学術会議 https://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/sokai/siryo196.html
日本学術会議法人化で新憲章案 「政治や経済利害と距離」明記(共同通信) - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/4803bb41654a0bf5bf4d0c71aa9c57d1f7f182bf
新憲章「学問の自由危機」明記を 学術会議総会で議論(共同通信) - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/dda5163ef8e75db4f337311d9b9ddf12ff1262c8
日本学術会議 総会で新法人の基本方針を定めた憲章案を議論 | NHKニュース | 日本学術会議 https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015097041000
日本学術会議の新憲章案に「中立的な立場堅持」の文言…耳障りの良い言葉は「将来に禍根を残す」と懸念の声:東京新聞デジタル https://www.tokyo-np.co.jp/article/481545
日本学術会議総会開催。法人化後にどうあるべきか、議論が行われています。
メルマガ本誌には間に合わなかった記事ですが、気になる話題が出ています。
「スーパーリトラクター」および多数の撤回歴を持つ高被引用研究者による、撤回された無作為化臨床試験 https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2847771
JAMA Network Openに出た論文です。記事にもなっています。
多数の臨床試験の撤回に関与した6つの「スーパーリトラクター」 — 論説担当者は、著者の審査体制の強化を求めている https://www.medpagetoday.com/publichealthpolicy/generalprofessionalissues/120796
これらをリトラクションウォッチのXのアカウントが紹介したところ、大きな話題となりました。
大量論文撤回者であるスーパーリトラクターの6人のうち5人が日本人で、全員医師(トップのドイツ人麻酔科医ボルト氏をあわせれば、トップ6人は全員医師ではありますが)だったことに衝撃が広がっているのです。
このあたり、私がリトラクションウォッチのリーダーズボード
The Retraction Watch Leaderboard - Retraction Watch https://retractionwatch.com/the-retraction-watch-leaderboard/
の上位が日本人医師なのは大きな問題だ、と散々言ってきましたが、ようやくその深刻さが知られてきたという感じです。
なぜスーパーリトラクターに日本人医師が多いのか、どうすればよいのか。そのあたりはtheLetterで掘り下げたいと思います。
沖外務大臣科学技術顧問による茂木外務大臣表敬(令和8年4月8日) https://www.mofa.go.jp/mofaj/dns/isc/pageit_000001_02855.html
先端技術の流出リスク判定 研究者の海外関係把握:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO95603080R10C26A4MM8000/
研究安全保障とは 機密情報の保護や技術流出の防止:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG098FR0Z00C26A4000000/
第4回日本成長戦略会議人材育成分科会の配布資料を掲載しました
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/sonota/005/giji_list/mext_00011.html
次期指導要領「探究」自信ない2割超 課題は教員の知識と探究力? https://www.asahi.com/articles/ASV482PGRV48UTIL00HM.html
秋田県のように博士教員の活用ができればよいのですが。
近年いくつかの自治体で博士号取得者を採用する動きが出ています。
【教員採用】北海道・札幌市、要領公表…博士号枠新設など変更 | 教育業界ニュース「ReseEd(リシード)」 https://reseed.resemom.jp/article/2026/04/14/13019.html
プレプリントサーバーarXiv、2026年7月1日に独立非営利団体へ https://current.ndl.go.jp/car/277165
科学技術・学術政策研究所(NISTEP)、調査資料「論文のオープンアクセスとプレプリントに関する実態調査2024:APCと業績評価」を公表 https://current.ndl.go.jp/car/277160
東京大学のガバナンス改革に関する資料について | 東京大学 https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/z0508_00142.html
東大閉鎖文化の象徴、医学部付属病院を本部直轄に 卓越大へ窮余の策:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD0739B0X00C26A4000000/
東京大学 教職員の利害関係者からの飲食提供2020年度から 初めて全教職員約1.8万人を調査(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/7bb6c587af5f72a4c6dd271052a9489bb0debdf0
先週号のtheLetterで取り上げました。
科学と社会の接点を読む〜2026年4月12日版 東京大学の「聖域」に踏み込んだガバナンス改革 ——附属病院の本部直轄化が意味するもの | 榎木英介の科学・医療ニュース深掘り https://kaseiken-enoki.theletter.jp/posts/d93db6e6-365f-459e-93f8-a42e950bbf06
学術的不正行為はデータベース化されるべきか? 米国で提案されたデータベースが議論を呼んでいる https://www.nature.com/articles/d41586-026-01147-x
これに関しては、note記事で触れました。
研究不正ロンダリング——「不正研究者データベース」論争が照らし出すアカデミアの闇|榎木英介/インディペンデント(インディ)病理医/科学ジャーナリスト賞受賞者 https://note.com/enodon/n/nc54fce8a282f
不正行為に関する透明性の向上が求められる https://www.science.org/doi/10.1126/science.aeh7187
難病や希少ながん患者の遺伝情報など集める新たな組織 発足 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20260414/k10015099151000.html
「日本ゲノム医療推進機構」設立(ABEMA TIMES) - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/798929fc216dc17fcc36a29550409fa486e2874a
「日本ゲノム医療推進機構の発足」について|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71993.html
こちらが公式ページです。
日本ゲノム医療推進機構 公式サイト https://genomicmedicinejapan.jp/
「ゲノム編集ベビー」禁止へ、政府が規制法案を閣議決定…体の特徴・能力など親が「特性」持たせる恐れ https://www.yomiuri.co.jp/science/20260410-GYT1T00232/
【第221回国会】ヒトゲノム編集胚規制法案提出|薬事日報ウェブサイト https://www.yakuji.co.jp/entry133037.html
法案の審議状況はこちら。
閣法 第221回国会 58 ヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制に関する法律案 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DE279E.htm
ヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制に関する法律案:参議院 https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/221/meisai/m221080221058.htm
ヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制に関する法律案の概要 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/001688012.pdf
ヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制に関する法律案要綱 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/001688013.pdf
「AIが論文投稿」の時代に 学術的に価値ある使い方、学会など検討へ:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA0646X0W6A400C2000000/
日本物理学会が生成AI作成の論文判定のソフト試験導入 粗悪論文「抑止力に」 https://www.sankei.com/article/20260413-WAK3F4TO3VPP5BQC6E2B6SRF6E/
人間の科学者は、複雑な課題において最先端のAIエージェントを圧倒している https://www.nature.com/articles/d41586-026-01199-z
アンケート調査「回答者」の1割がAIか 科学研究ゆがめる恐れ:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG1969C0Z10C26A2000000/
AI活用の研究費補助、対象選定に「抽選」導入へ…審査の省力化・迅速化のほか「独創的な研究」支援も狙い https://www.yomiuri.co.jp/science/20260411-GYT1T00034/
次号のニュースですが、AI for Scienceの募集が開始されました。
SPReAD 1000 - 研究の可能性を、AIで解き放つ|文部科学省 https://www.mext.go.jp/aifors_spread/
人間の科学者は、複雑な課題において最先端のAIエージェントを圧倒している https://www.nature.com/articles/d41586-026-01199-z
QS World University Rankings by Subject 2026
https://www.topuniversities.com/subject-rankings
Stop the ‘space race’: space exploration must be a shared human endeavour https://www.nature.com/articles/d41586-026-01194-4
宇宙は人類皆のもの。
トランプ政権、研究間接経費に対するNIHの支払いを上限設定する訴訟を取り下げる https://www.statnews.com/2026/04/08/trump-administration-drops-nih-indirect-costs-court-challenge/
健康コミュニケーションにおける信頼される発信者としての看護科学者
DOI: 10.1056/NEJMp2518286
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp2518286
看護師の研究者は医師よい信頼されており、医療コミュニケーションの担い手になるという論考。
「勝者総取り」の大学市場で消えゆく小規模私立大学 有名大学が学生の受け入れを断る一方で、知名度の低い何百もの学校は定員を満たすのに苦労している https://www.wsj.com/us-news/education/college-tuition-loans-budget-cuts-7d0ea05f
迫りくる大学入学者数の悪循環 数十年にわたる民主化の過程を経て、高等教育は再び「贅沢品」となりかねない。 https://www.theatlantic.com/ideas/2026/04/college-enrollment-demographic-cliff/686750/
経営難で大学が閉校。これにより、地域差、所得差により高等教育にアクセスできない人たちが現れるのではないかという懸念が。これは日本にも共通することだと思います。
ある著名な科学者が、遺伝学の授業を改善すれば人種差別を減らせることを示した。しかし、それが彼のキャリアの終焉を告げるものとなった ブライアン・ドノヴァン氏が助成金と職を失ったことは、連邦政府の資金配分の優先順位、そして学界の実情を如実に物語っている https://www.statnews.com/2026/04/07/brian-donovan-fighting-racism-with-genetics-education/
トランプ政権に翻弄され職を失った研究者。40代で看護師を目指すそうです。
アメリカで看護師が注目を集めている状況は、note記事にしました。
看護師の時代が来るのか——米国の熱狂と日本の現実の間で|榎木英介/インディペンデント(インディ)病理医/科学ジャーナリスト賞受賞者 https://note.com/enodon/n/n248639dfab58
[スキャナー]米宇宙計画 視界不良…月着陸船 開発遅れ 歳出減で人材流出 https://www.yomiuri.co.jp/science/20260414-GYT1T00321/
アルテミス計画という大きな成果を成し遂げた米国ですが、トランプ政権の影響は大きいようです。
NSF names record number of graduate fellows, rebounding from 2025 dip https://www.science.org/content/article/nsf-names-record-number-graduate-fellows-rebounding-2025-dip
NSF awards record number of coveted PhD fellowships in surprise move https://www.nature.com/articles/d41586-026-01119-1
Boycott of major AI conference exposes a growing US-China divide https://www.nature.com/articles/d41586-026-01058-x
China discontinues prominent journal ranking list https://www.nature.com/articles/d41586-026-01216-1
中国科学院が学術誌ランキングリストを終了。
When career anxiety becomes gameplay: lessons from China’s ‘young-faculty simulator’ https://www.nature.com/articles/d41586-026-00224-5
マックスプランク協会、女性研究者の指導的ポスト登用で目標超過 2030年目標達成に向け進展
https://crds.jst.go.jp/dw/20260410/2026041044960/
What Orban’s fall from power means for research around the world https://www.nature.com/articles/d41586-026-01225-0
オルバン敗北は吉報として捉えられているようです。
To Fill Drone Force Ranks, Russia Targets a New Demographic: Students
https://www.nytimes.com/2026/04/13/world/europe/russia-ukraine-war-recruitment-students.html
‘Colossal’ pressure: How Russia is targeting university students for military recruitment
https://www.cnn.com/2026/04/14/europe/russia-students-military-recruitment-campaign-intl-cmd
ロシアが「学徒動員」をするというニュースです。成績不良の学生をターゲットにしているとのこと。
「経済的徴兵」という言葉を思い出しました。
技術職員の人事制度等に関するガイドライン:文部科学省 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu10/toushin/mext_00006.html
大学などの技術職員の処遇改善 研究力強化へ ガイドライン策定 | NHKニュース | 文部科学省、教育 https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015097341000
これは以前theLetterで取り上げました。
科学と社会の接点を読む〜2026年3月1日版 研究を支える「縁の下」の危機——大学技術職員ガイドライン案が問うもの(正式決定したので追記しました) | 榎木英介の科学・医療ニュース深掘り https://kaseiken-enoki.theletter.jp/posts/27cdc365-7d83-4473-943b-18a7c8706728
博士人材産学協議会合シンポジウム (2026年4月9日 No.3725) | 週刊 経団連タイムス https://www.keidanren.or.jp/journal/times/2026/0409_01.html
クラスの女子比率がSTEM分野への大学進学に与える影響 https://www.rieti.go.jp/jp/publications/nts/26j019.html
私たちの博士課程の指導教官が正しく行っていた14のこと、そしてそれがなぜ重要だったのか 博士課程の学生たちが、指導教官がどのように自分たちに大きな影響を与えたかを振り返る――ささやかな気遣いから、キャリア形成に役立つ助言まで。 https://www.nature.com/articles/d41586-026-00853-w
32万件の職歴を分析した大規模な調査によると、生産性の高い研究者はその状態を維持していることが示唆されている 初期の出版実績、チーム規模、国際的な共同研究は、将来の出版頻度を予測する上で最も有力な指標の一部である。 https://www.nature.com/articles/d41586-026-00744-0
これについては、note記事で考察しました。
早咲きの花だけが咲き続けるのか——研究者キャリアの残酷な現実と、その先の人生|榎木英介/インディペンデント(インディ)病理医/科学ジャーナリスト賞受賞者 https://note.com/enodon/n/nd4e4b0538236
人生とキャリアの中盤:2つの試みを同時に両立させる 若手研究者向け助成金の対象外になったと知ったとき、私は少し立ち止まり、家庭生活と仕事について考え直しました。 https://www.nature.com/articles/d41586-026-00195-7
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"Science Communication News"
[SciCom News] No.1172 2026年4月15日(発行19日)巻頭言
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