2017年12月19日〜2017年12月25日
今年もあと僅かとなってきました。NatureやScience、新聞の科学欄などで、今年の科学の振り返り記事が出ています。
やはりというか、トランプ政権に関する問題は今年の大きな話題だったと言えましょう。
★著名科学2誌、米トランプ政権を批判
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO2501950024122017TJM000
サイエンス トランプ政権を批判 “政治と科学の決別”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171222/k10011267561000.html
来年はどうなるか。しっかりとみていく必要があります(毎年言っていますが、地道にメルマガ出していきます)。
★安倍総理は第34回総合科学技術・イノベーション会議を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201712/25kagaku.html
総合科学技術・イノベーション会議(第34回)議事次第
http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihui034/haihu-034.html
議事
1.統合イノベーション戦略(仮称)の策定に向けて
2.国家的に重要な研究開発の評価結果について(決定)
ばらばら政策一つに…技術革新の統合戦略策定へ
http://www.yomiuri.co.jp/science/20171225-OYT1T50072.html
首相、科技で新戦略策定指示 医療やITなど分野横断
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO25048970V21C17A2PP8000/
久々に開催された安倍総理出席の総合科学技術・イノベーション会議。
「統合イノベーション戦略(仮称)」を策定する方向に向かうようです。
★平成30年度予算政府案
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2018/seifuan30/index.htm
★平成29年度補正予算
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2017/hosei1222.htm
来年度予算案、科学技術関連は以下。
文教・科学技術予算(PDF:745KB)
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2018/seifuan30/11.pdf
概要(PDF:227KB)
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2018/seifuan30/12.pdf
国立大学や私立大学への資金配分の見直し等を通じた大学改革の推進
・ 国立大学法人運営費交付金等の再配分等の加速、国立大学経営改革促進事業の創設
・ 私学助成について、定員充足率や教育の質による配分の見直し等を通じたメリハリある予算配分の実現
生産性革命等に向けたメリハリある科学技術イノベーション
・ Society5.0 の実現に向けた重点分野への戦略的配分
・ イノベーション実現のための環境整備
・ 基幹プロジェクトの推進 等
国立大学法人運営費交付金等 10,971 億円 ⇒ 10,971 億円と増減なし。国立大学経営改革促進事業 40 億円 が新規で設けられています。
その他授業料減免の拡大、科研費の微増などがあります。
「政府全体の科学技術振興費は、対前年比+0.9%(13,045億円 ⇒ 13,159億円、+114億円)」。
科学研究費助成事業(科研費) 2,284 億円 ⇒ 2,286 億円 (+0.1%)
幅広い分野にわたり、研究者の自由な発想に基づく研究を支援する。若手研究者支
援については、オープンな場での切磋琢磨を促すための改革を進める。
Society 5.0の実現に向けた重点分野への戦略的配分
革新的光・量子技術の実現に向けた研究開発(Q-LEAP) [22億円](新規)
ナノテク・材料分野における産学連携拠点の整備・基盤的研究の推進(M−Cube) [19億円](+3億円)
革新知能統合研究(AIP)センターにおける革新的な基盤技術の研究開発等 [31億円](+1億円)
情報科学技術を核としたSociety5.0の実証・課題解決の中核拠点の構築 [7億円](新規)
官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM) [100億円](新規)
イノベーション実現のための環境整備
オープンイノベーション加速のための体制整備等 [18億円](新規) ・世界トップレベル研究拠点の構築(WPI) [70億円] (+10億円)
科学研究費助成事業(科研費)[2,286億円](+2億円) ・ハイリスク・ハイインパクトな研究開発の推進 [55億円](+25億円)
最先端大型研究施設の整備・共用の促進 [393億円](+2億円)
基幹プロジェクトの推進
H3ロケットの開発 [212億円](+21億円)、先進レーダー衛星 [15億円](+9億円)
財務省としては、これだけ予算増やしてるのに成果は…と言いたいのでしょうが…
★大機小機 教育論議に論理と実証を
https://www.nikkei.com/paper/article/?ng=DGKKZO24883280Q7A221C1EN2000
だが、交付金の減少で研究者数あるいは研究に打ち込む時間が減少している。そして全体の予算が削減される中で行われてきた「選択と集中」政策は、負の効果しかなかった。
★真相深層再生医療 日本の影薄く
iPS細胞作製から10年、競争激化 研究予算偏重、不満の声も
https://www.nikkei.com/paper/article/?ng=DGKKZO24841060Z11C17A2EA1000
さらに再生医療には骨髄や脂肪に含まれる幹細胞の利用や、遺伝子治療を組み合わせる手法もある。だが、国内のES細胞や遺伝子治療の研究者からは「iPS細胞に研究予算を取られた」と不満の声が上がる。
日経から予算の選択と集中に対する苦言の記事が2つ出ていますが、一方で…
★ニッポンの革新力世界から考える(5)大艦巨砲で迫る中国 勝てる分野選び集中
https://www.nikkei.com/paper/article/?ng=DGKKZO24976470S7A221C1MM8000
日本の研究開発投資額は16年度で18兆円余り。21世紀に入ってほぼ横ばいだ。限られた資金を戦略のないままつぎ込んだ結果、質の高い論文を数える世界ランキングで日本の順位はあらゆる研究で下がった。
もっと集中せよ、との声も…
★IT 新戦略の策定に向けた基本方針
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20171222/siryou.pdf★安倍総理は平成29年第17回経済財政諮問会議を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201712/21keizai.html平成29年第17回経済財政諮問会議
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/1221/agenda.html議事
(1) 平成30年度の経済見通しについて
(2) 経済・財政一体改革の進捗状況について★安倍総理は第4回人生100年時代構想会議を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201712/19jinsei100.html第4回 人生100年時代構想会議
議事次第
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/jinsei100nen/dai4/siryou.html資料1−1 人生100年時代構想会議 中間報告(案) (PDF/4965KB)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/jinsei100nen/dai4/siryou1-1.pdf資料1−2 人生100年時代構想会議 中間報告 参考資料 (PDF/1,588KB)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/jinsei100nen/dai4/siryou1-2.pdf★「平成29年版消防白書」の公表(消防庁)
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/h29/12/291219_houdou_1.pdf★「千島海溝の超巨大地震は切迫の可能性高い」 「今後30年で7〜40%」と政府地震調査委員会
http://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2017/12/20171220_01.html北海道沖でM9級地震の恐れ
http://www.nikkei.com/paper/article/?ng=DGKKZO24996010S7A221C1EA5000千島海溝、M8・8級7〜40%…30年内確率
http://www.yomiuri.co.jp/science/20171219-OYT1T50038.html切迫しています。こうした情報に対して、科学コミュニティと社会のコミュニケーションはどうあるべきか、深刻に考えるべきです。
★大学,大学院,短期大学及び高等専門学校の設置等に係る認可の基準第2条第1号の規定に基づく期間について(通知)
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/secchi/1399770.htm
学校法人駒澤学園による不正行為(文部科学省への提出書類の虚偽記載)について,大学,大学院,短期大学及び高等専門学校の設置等に係る認可の基準(平成15年文部科学省告示第45号)第2条第1号に定める「当該行為が判明した日から起算して五年以内で相当と認める期間」は下記のとおりとする。
これは知りませんでした。
★平成30年度国立大学法人等施設整備実施計画協議予定事業<当初予算>
http://www.mext.go.jp/a_menu/shisetu/kokuritu/yosan/1399776.htm★平成29年度国立大学法人等施設整備実施計画協議予定事業<補正予算(第1号)>
http://www.mext.go.jp/a_menu/shisetu/kokuritu/yosan/1399787.htm★平成29年度科学技術人材育成費補助事業「卓越研究員事業」における卓越研究員の決定(平成29年11月末現在)について
http://www.mext.go.jp/b_menu/boshu/detail/1397025.htm★大学分科会(第139回)・将来構想部会(第9期〜)(第10回)合同会議 配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/gijiroku/1399599.htm議題
我が国の高等教育に関する将来構想について
大学設置基準等の改正について
専門職大学院設置基準等の改正について
その他★大学設置基準等の改正について(諮問)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1399619.htm専門職大学の整備に関して様々な基準の改正が行われました。
社会・経済の変化に伴う人材需要に即応した質の高い専門職業人養成のための新たな高等教育機関の制度化については,平成28年5月30日の中央教育審議会答申を受け,「学校教育法の一部を改正する法律(平成29年法律第41号)」による専門職大学等の制度化が図られているが(平成31年4月1日施行),さらに,同答申を踏まえ,専門職大学等の趣旨を既存の大学等の中にも活かし,既存の大学等の一部の組織において実践的かつ創造的な専門職業人養成の取組を推進するよう,大学等における専門職学科の制度を創設する必要がある。
大学設置基準等の改正について(答申)(中教審第204号)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1399623.htm★第9期学術情報委員会(第6回) 配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/040/shiryo/1399465.htm議題
電子化の進展を踏まえた学術情報流通基盤の整備と大学図書館機能の強化等について★宇宙開発利用部会(第39回)の決定事項について
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/059/houkoku/1399592.htm国際宇宙探査の在り方【概要】 (PDF:279KB)
国際宇宙探査の在り方_新たな国際協調体制に向けて (PDF:396KB)★中央教育審議会(第114回) 配付資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/1399722.htm議題
新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(中間まとめ)
地方文化財行政の在り方について(特別部会まとめ)★「STI Horizon(エスティーアイ ホライズン)」誌2017冬号発行について
http://www.nistep.go.jp/archives/35335興味深い記事が出ています。
目次:2017 冬号 (Vol.3 No.4)
http://www.nistep.go.jp/activities/sti-horizon%E8%AA%8C/sti-horizon特別インタビュー
分子科学研究所 川合 眞紀 所長インタビュー
多様なセクターでの経験から展望する「これからの科学技術・学術イノベーション人材」レポート
「博士人材追跡調査」による2次分析の一例
−NISTEP ディスカッションペーパー「女性博士のキャリア構築と家族形成」より−
第1調査研究グループ 上席研究官 小林 淑恵
http://www.nistep.go.jp/activities/sti-horizon%E8%AA%8C/vol-03no-04/stih00107データにもとづいた非常に重要な情報が紹介されています。
日本はイノベーティブな国か?:
欧州委員会『European Innovation Scoreboard 2017(欧州イノベーション・スコアボード2017)』
から見た日本のイノベーション・パフォーマンス
第1研究グループ 研究員 池田 雄哉
http://www.nistep.go.jp/activities/sti-horizon%E8%AA%8C/vol-03no-04/stih00111ほか
★防衛装備の海外移転を認め得ることを確認しました〜F100エンジン部品の米国への移転について〜
http://www.meti.go.jp/press/2017/12/20171218002/20171218002.html
本件海外移転は、同盟国である米国との安全保障・防衛協力の強化に資すること等から、海外移転を認め得る場合に該当し、仕向先及び最終需要者も適切であり、我が国の安全保障上の問題はないと認められます。また、本件海外移転は、部品をライセンス元に納入するものであるため、仕向先の管理体制の確認をもって、移転後の適正な管理が確保されると認められます。これらを総合的に判断した結果、F100エンジン部品の米国への移転については、海外移転を認め得る案件に該当することを確認しました。
★平成30年度予算案等が閣議決定いたしましたので、経済産業省関連資料を公表いたします
http://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2018/index.html★「製造業の品質保証体制の強化に向けて」を取りまとめました
http://www.meti.go.jp/press/2017/12/20171222001/20171222001.html★第5回医師の働き方改革に関する検討会 資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000189095.html資料1−1 中原参考人ヒアリング資料(PDF:1,052KB)
参考資料(1) 過労死家族の戦い(PDF:241KB)
参考資料(2) 医療現場の労務管理に関する研究(PDF:1,052KB)
資料1−2 高橋参考人ヒアリング資料(PDF:589KB)
資料2 阿部参考人ヒアリング資料(PDF:5,726KB)
資料3 医師の労働時間を取り巻く状況について(PDF:4,101KB)
参考資料1 第4回検討会における主な意見(PDF:318KB)
参考資料2 労災認定基準の概要(脳・心臓疾患及び精神疾患)(PDF:301KB)
猪俣構成員提出資料 ACGMEについて(PDF:8,884KB)私は医師なので、強い関心があります。
タスク・シフティングの早期実現にブレーキ?-厚労省、医師働き方検討会に「段階的」提案
https://www.cbnews.jp/news/entry/20171225145507★「医薬品産業強化総合戦略〜グローバル展開を見据えた創薬〜」の一部改訂について(公表)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000189123.html★「医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会第2次中間取りまとめ」を取りまとめました
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000189013.html
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000188999.html重要です。
★第3回検体検査の精度管理等に関する検討会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000188857.html★平成30年度 厚生労働科学研究の概要
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188666.html★平成30年度農林水産予算概算決定の概要について
http://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/yosan/171222_6.html★世界の年平均気温が歴代3位となる見込み 〜2017年(平成29年)の世界と日本の年平均気温(速報)〜
http://www.jma.go.jp/jma/press/1712/21d/worldtemp2017.html世界各地で異常高温が発生 〜2017年(平成29年)の世界の天候(速報)〜
http://www.jma.go.jp/jma/press/1712/21c/worldclim2017.html★分子細胞生物学研究所における研究不正に関する追加調査報告
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_291225_j.html追加調査の9本は改ざん認定せず 東大論文不正
https://www.asahi.com/articles/ASKDT4W6MKDTULBJ016.html渡辺教授の件は決着ということでしょうか。シロ判定が出た医学部の件は…
★ニュース解説 - 「スパコン開発を粛々と進める」、創業者不在のPEZYグループ
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/346926/122301257/スパコン助成詐欺、別の助成事業でも不正認める
http://sp.yomiuri.co.jp/national/20171224-OYT1T50089.html巨額資金ずさん管理、社長ら2人起訴 スパコン助成金詐取
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO25047960V21C17A2CC1000/研究費用6億円水増し=スパコン会社社長ら起訴−助成金詐取、捜査継続・東京地検
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017122500528&g=soc技術的な問題と、現在操作が進んでいるお金の件は切り分けるべき、と思いますが…
★内閣参与・斎藤ウィリアム浩幸氏辞任の謎 華々しい経歴も一部訂正…関係者「専門家の間では全く知られていない」
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/171225/soc1712250004-n1.htmlYahoo!ニュース個人で「切り込み隊長」こと山本一郎氏が追求し、大きな問題となりました。
怪しい人間が政府の要職に食い込んだということは、日本のセキュリティにとって由々しき問題です。
★雇い止め問題
先週も雇い止め問題が大きな話題になりました。きっちりフォローしていきたいと思います。
●理研:有期職員雇い止め、労組が撤回要求
https://mainichi.jp/articles/20171219/k00/00m/040/100000c●「5年雇い止め」規則撤回へ 東大、無期転換に道
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2482381019122017CR8000/●東大 パート職員などの雇用期間の上限撤廃
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171219/k10011264331000.html東大の非正規教職員「5年上限ルール」撤廃へ
教職員組合「金が無ければ無期雇用に出来ないというのは都市伝説」
https://news.careerconnection.jp/?p=46772●室蘭工大 無期に転換 職員組合に方針を説明
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-12-22/2017122205_01_1.html●東大雇い止め 撤回は共闘の勝利
東職、全大教が共同会見
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-12-20/2017122005_01_1.html●日大雇い止めに指導を
文科省要請 畑野氏・非常勤講師組合
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-12-24/2017122404_02_1.html★Facebook billionaire pours funds into high-risk research
https://www.nature.com/articles/d41586-017-08795-0★Could Bitcoin technology help science?
https://www.nature.com/articles/d41586-017-08589-4★US government lifts ban on risky pathogen research
https://www.nature.com/articles/d41586-017-08837-7