2017年11月28日〜2017年12月4日
まずは番組のご紹介から。
★NHKスペシャル 追跡 東大研究不正
〜ゆらぐ科学立国ニッポン〜
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20171210
2017年12月10日(日)
午後9時00分〜9時49分
SSA代表榎木も取材協力をいたしました。どのような番組になるのかは分かりませんが、議論のきっかけとなることを期待しています。
研究公正関係の話題が続きます。
研究公正シンポジウム RIOネットワークキックオフシンポジウム「考え、気づかせる」研究倫理教育
https://www.amed.go.jp/news/event/20171129_riosympo.html
11月29日に開催され、榎木も参加いたしました。
研究不正を防止するための「予防倫理」ではなく、責任ある研究活動を目指す「志向倫理」の重要性を改めて痛感いたしました。
非常に腑に落ちたのが、関西大学の片倉啓雄教授のご講演でした。
研究は誰もやったことがないことをやるのだから、法律やルールはない。法律やルールはいつでも後からついてくる。だから 何をやるべきか、何をやるべきでないかを研究者個々人が考えることが不可欠なのだと…
研究者の方々には、このことをぜひ考えてほしいと強く思っています。一部の特異な人が研究不正や有害な研究行為を起こすのではない、研究不正をやらなければOKではないということです。
もう一つ、研究不正とはちょっと異なりますが、広い意味で有害な研究行為の話です。
汚れたタッグ〜医師と製薬企業の錬金術を許すな
https://news.yahoo.co.jp/byline/enokieisuke/20171202-00078706/
Yahoo!ニュース個人に書きました。
この件については以下のような記事も出ています。
まったく変わらぬ「医師」「製薬企業」「官僚」癒着の実態を告発する
http://www.fsight.jp/articles/-/43071
やはり事例ごとにきちんと指摘してくことも重要だと思っています。そして、こうしたことが自分ごととして、研究者が真摯に考えるように、私たちも行動を続けていきたいと思っています。
今週のニュースピックアップです。
朝発行のメルマガには載せられませんでしたが、こんなニュースが飛び込んできました。
★「スパコン」ベンチャー企業社長を逮捕 助成金詐欺の疑い
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171205/k10011246741000.html
日の丸スパコン「暁光」開発、ベンチャー企業社長ら逮捕 4億詐取容疑 東京地検特捜部
http://www.sankei.com/affairs/news/171205/afr1712050025-n1.html
まだよくわからないニュースです。東京地検特捜部が動くとは…
逮捕された社長は来週の「プロフェッショナル仕事の流儀」に出演予定で、次週の予告をみたばかりでした。
来週号で続報をピックアップします。
★2017 John Maddox Prize
http://senseaboutscience.org/activities/2017-john-maddox-prize/
海外の一流科学誌「ネイチャー」 HPVワクチンの安全性を検証してきた医師・ジャーナリストの村中璃子さんを表彰
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/rikomuranakajohnmaddoxprize
ジョン・マドックス賞に日本人医師 村中璃子氏、子宮頸がんワクチン問題について発信
http://www.sankei.com/life/news/171202/lif1712020043-n1.html
Q&A: Japanese physician snares prize for battling antivaccine campaigners
http://www.sciencemag.org/news/2017/11/qa-japanese-physician-snares-prize-battling-antivaccine-campaigners
大きな栄誉ある賞を村中博士が受賞。
こうした事例に関しては、製薬企業と医師の不適切な関係があると思われてしまうところがあり、難しい問題です。実際先の記事のように、不適切な関係の事例は枚挙にいとまがないわけです。
薬はすべて悪、製薬企業はすべて悪、となってしまい、陰謀論のなかに埋もれてしまう可能性があります。
善悪を単純に割り切らない態度、透明性、根拠に基づく議論が重要な一方で、不安に思う人々の考えに寄り添う姿勢も重要です。
社会と科学の境界で起きていることを考える上で、村中博士の受賞は大きなことだと思います。
こうした問題についても、本音で語ることが重要だと思います。
★総合科学技術・イノベーション会議(第33回)議事次第
http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihui033/haihu-033.html
議事
1.特定国立研究開発法人の見込評価等の結果に対する総合科学技術・イノベーション会議の意見について
2.平成30年度予算概算要求における新たな科学技術イノベーション関連事業の特定について
3.官民研究開発投資拡大プログラムに係る対象施策について
★平成29年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/29/12/1398976.htm
★「科学技術への顕著な貢献2017(ナイスステップな研究者)」の選定について
http://www.nistep.go.jp/archives/35039
★「第5回 科学の甲子園ジュニア全国大会」東京都代表チームが優勝
http://www.jst.go.jp/pr/info/info1296/index.html
★『Society5.0に向けた人材育成に係る大臣懇談会』を開催、初回から白熱議論
http://www.mext.go.jp/b_menu/activity/detail/2017/20171201.htm
★月面探査に日本も参加 政府方針、米宇宙基地に技術協力
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO24133810R01C17A2000000/
「月面に日本人」目指す、米構想に参加検討へ
http://www.yomiuri.co.jp/science/20171201-OYT1T50059.html
日本人、いつ月へ?日本の宇宙計画、背景に米国の月回帰
http://www.asahi.com/articles/ASKD13PHGKD1ULBJ006.html
「日本人を月へ」は明記せず 日本、有人月探査に参加へ
http://www.asahi.com/articles/ASKCY5V9BKCYULBJ00G.html
有人月探査実現には厚い壁 基地構想なお時間、巨額負担ずっしり 検討着手、宇宙開発埋没に危機感
http://www.sankei.com/life/news/171202/lif1712020023-n1.html
政府、有人月探査を検討 米国の基地構想への参加念頭
http://www.sankei.com/life/news/171201/lif1712010010-n1.html
★熊本地震の観測データに不自然な点 大阪大が本調査へ
http://www.asahi.com/articles/ASKC95TKVKC9PLBJ00D.html
★約400回引用されているのに実は存在しない幻の論文”The art of writing a scientific article” 正体はElsevierの執筆ガイドラインのコピー(記事紹介)
http://current.ndl.go.jp/node/35043
これはびっくりな話です。
★博士の学位授与の取消しについて
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_291130_j.html
論文で盗用、東大が博士号取り消し…北大准教授
http://www.yomiuri.co.jp/national/20171130-OYT1T50089.html
盗用で博士号取り消しです。FFP(ネカト)なら当然です。
★東北大、無期雇用採用試験で131人不合格 雇い止めか
http://www.asahi.com/sp/articles/ASKCX54MRKCXUNHB00G.html
<東北大雇い止め>「限定正職員」合格669人 推薦ない職種は6割落ちる
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201711/20171129_13014.html
本学における准職員・時間雇用職員の雇用制度について
http://www.bureau.tohoku.ac.jp/jinji/open/gentei_seisyokuinn/2.(sanko1)_koyouseido.pdf
★Health agency reveals scourge of fake drugs in developing world
http://www.nature.com/doifinder/10.1038/nature.2017.23051
★産業界は連邦研究開発予算の削減の穴埋めすることができるか
http://crds.jst.go.jp/dw/20171204/2017120414830/
政府の研究開発投資は、産業の基礎、補完、触媒として役立つ場合がある。政府の研究開発投資の増加は、民間の研究開発費を押し出すのではなく、民間による追加の研究開発投資のインセンティブをもたらすという証拠がある。政府の支援がなければ、なかったような研究開発プロジェクトを発足させたり、また、規模が小さかったり、開発速度が遅かったであろうプロジェクトを、拡大させたり、加速させたりする場合がある。通常、イノベーション・プロセスにおける政府と産業界の役割は、代替できるものではない。
これは日本においても重要な指摘だと思います。
★United Kingdom relies on science to revive flagging economy
Long-awaited industrial strategy pins hopes on commercial gains from research.
http://www.nature.com/doifinder/10.1038/nature.2017.23043
★Disability a top priority for new UK development minister
http://www.scidev.net/global/health/news/disability-a-top-priority-for-new-uk-development-minister.html
★PICKUP:科研費さらに狭き門 国立大交付金削減も影響
https://mainichi.jp/articles/20171130/ddm/016/040/010000c
★土台から崩れゆく日本の科学、疲弊する若手研究者たち これが「科学技術立国」の足元 http://wedge.ismedia.jp/articles/-/11186
★BREAKTHROUGH PRIZE - “THE OSCARS OF SCIENCE” - CELEBRATES TOP ACHIEVEMENTS IN PHYSICS, LIFE SCIENCES & MATHEMATICS, AWARDS $22 MILLION IN PRIZES AT GALA TELEVISED CEREMONY IN SILICON VALLEY
https://breakthroughprize.org/News/41
シリコンバレーのノーベル賞、細胞研究の森教授
http://www.yomiuri.co.jp/science/20171204-OYT1T50043.html