科学・政策と社会ニュースクリップ

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Speakingに基く運用力*

2012年度の青谷正妥(あおたにまさやす 京都大学国際交流センター准教授 理学博士(数学:UC Berkeley)/教育学博士(英語教育:Temple University))のTOEFL/英語学習説明会(東京)を2013年3月22日(金)と3月23日(土)(各回同内容)に京都大学東京オフィス(品川)にて開催します。非営利で無料です。最近の進化したTOEFLには、真の英語運用力が無ければ到底太刀打ち出来ません。TOEFLそのものの傾向と対策に終始する邪道では、高得点も運用力も獲得できないのは、自らの受験体験と米国/京都大学での指導経験より明らかです。実際の運用練習を示そうと思います。

ちなみに、僕の英語関係の授業も講演/説明会もかなりTOEFLに寄り添ったものに見えるそうですが、実際はむしろ逆です。過去2,30年の間に起こった第二言語習得研究の急激な進歩によって、英語教育者/英語教育研究者が効果的な訓練法や英語力測定法を発見/確立し、その教室/研究室発祥の方式をTOEFLも採用しているのです。

聴解力と発話力が読解力や作文力の伸張を促し、それが運用力全体の向上に繋がる。この方式が、効果的な英語運用力養成への正しいアプローチであり、真なる運用力を要求するTOEFL iBTで高得点を挙げる唯一の勉強法です。しかし実際には、大学入学時点で読解力が聴解力を遥かに上回る日本人ですので、特に長い聴解には読解力を大いに利用しています。序に、日本語での読解力は英語での読解力に直結しますが、そう言う話も教養的に入れておきます。僕は納得尽くの自らの学びを作るためには、こう言う「己を知る」知識が大切だと考えています。「敵を知り己を知らば、百戦危うからず」

今年は、Speakingフォーカスの説明会も7回目になりますので、特に大人の場合に何故Speakingが必要か、最近はやりの脳科学の話も盛り込んでさらに突っ込んだ説明をし、10年1万時間と言われるexpertise(英語を含む熟練)養成の話をし、実際の訓練を青谷が一つ一つ紹介します。

さて、

この表を見てください。上の3行は京大生/日本人/受験者全体のTOEFL iBTの平均スコアです。左から、Reading, Listening, Speaking, Writing, Totalですが、emailや掲示板ではテーブルのformatが崩れてしまいます。もっと綺麗な見やすい表はここです。

http://aoitani.net/TOEFL_12.html

R L S W Total
日本人 16 16 15 18 65
京大生 23 19 15 22 78
全受験者 19 20 19 20 78
Princeton 29 28 24 27 108

たとえばPrinceton大学の大学院合格者の平均点は最下行(Princeton)ですが、Reading 29, Listening 28, Speaking 24, Writing 27, Total 108ですから、日本人がどれだけ駄目かよくわかります。京大生もまったく駄目です。

典型的な日本の受験勉強は、英語の基礎知識の養成には大変有効ですが、それを発展的に運用力につなげなければ意味がありません。

本来あらゆる勉強や訓練は本人が渾身の努力をしてこそ、そして本人が自分の学習/訓練法を完成させてこそ成功するものですが、効果と効率を上げるためには、学習法の理解も欠かせません。

効果的/効率的な自学自習のためのフレームワークと教材の提示、それが当説明会の目的です。『理念に裏打ちされた具体例がひっぱる説明会』にしたいと思います。

但し、速習(1年で片付けるとか)の秘策等は、説明しません。全く/絶対に存在しないものは当然説明できないからです。速習は完全に不可能です。

速習(そくしゅう)ではなく、そくしゅう(即習:時間が掛かる物なので、後回しにせずに、直ちに勉強を始める)とぞくしゅう(続習:勉強を続け続ける)を。