科学・政策と社会ニュースクリップ

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【ひとこと編集後記】教授逮捕 科学コミュニティの危機

京都大学辻本豪三元教授が逮捕された件が大きく報道されています。

薬学研究科元教授が収賄の容疑で逮捕されたことについて(2012年7月31日)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/120731_1.htm

これは日本の科学コミュニティに極めて大きな影響を与えるのではないかと思っています。

大学関係者の多くが懸念されているように、今後諸手続きが煩雑化する可能性が高いです。

研究自体に支障を与えることになるでしょう。

ただ、それを一部の研究者がルール違反を犯したためにとんだとばっちりを食う、という意識でいるとしたら、甘いと思います。

2007年に、当時早稲田大学の教授だった松本和子氏の事件を覚えているでしょうか。

松本和子 元早稲田大学教授に係る研究費の
不適正使用調査結果、対応措置、防止策について
http://www.jst.go.jp/pr/info/info391/index.html

あれから5年、様々な対応がなされてきましたが、研究費不正使用の事件は絶えません。これは科学者コミュニティの自浄能力がないということを示してると言われても仕方ありません。

自浄能力がないのなら、外から厳しく管理せざるを得ません。それは科学コミュニティが自治を放棄するということに等しいのではないでしょうか。

この事件の本当の影響は、科学者に対する信頼性の低下に更に拍車をかける可能性があるとうことです。

科学者がどれだけ当事者意識を持つことができるのか。結局5年前と同じことを言わざるを得ないことに深い失望を感じています。

E.E
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