科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

ノーベル賞雑感

昨日、日本人2名を含む3名の有機合成科学者がノーベル賞を受賞しました。

報道の嵐が続いており、改めてノーベル賞の影響力の大きさを感じます。


昨日は人づてで、某テレビ局がニュースでクロスカップリング反応を分かりやすく解説してくれる人を探している、という連絡を受けました。

放送までわずかで、どうしたものか、と思い、知り合いの化学関係者に連絡を取りました。

なかなか適任の人が見つからず、最後はtwitterに投げかけたのですが、見つかりませんでした。

他局でも同様の人探しがあったようで、佐藤健太郎さんのところに依頼殺到したみたいです。

ここで、こういう突発事態が起きたときに、適切な解説者、専門家、科学コミュニケーターを紹介できるような何らかのネットワークは必要だなあと痛感した次第です。

あと、科学界は古館伊知郎をバカにしている場合じゃなくって、こういうときに資料や人を提供できないのも反省すべきなんじゃないかなあと思ったりしています。

もう一点。

北海道大学のHPデラウエア大学のHPを比較していて、北大はだいたい受賞決定から1時間ちょっと、デラウエア大は2時間くらいでページを設けたわけですが、デラウエア大のほうはインタビューまで載せていて、北大より充実しているなあと思いました。

北大はCoSTEPが動画入りのページを即座に作っていて、デラウエア大より充実していたわけですが、深夜まで北大の表ページからCoSTEPのページへのリンクがありませんでした。

それをみて、twitter上で、

ところで、北大 http://ow.ly/2Pkvr とデラウエア大 http://ow.ly/2PkwG
を比べると、記載内容の充実度?が違うなあ 大学広報の差なのかなあ
http://twitter.com/enodon/status/26552011226

とつぶやいたところ、阪大の菊池誠さんから

@enodon 受賞から数時間以内に「充実の内容」を公開しなくてはなりませんか?
http://twitter.com/kikumaco/status/26552563283

@enodon 日本は夜中ですが、デラウェアはそろそろ午前10時ですね。そういうことは理由にならない?
http://twitter.com/kikumaco/status/26553123032

.@enodon 北大がどうするかは、これから見守ればいいのでは。北大にはCoSTEPがあるから、今までにないきちんとしたものを見せてくれるかもしれないじゃないですか。速報は速報だから、簡素でいいんですよ。これからどれだけのものを見せてくれるか、でしょ。enodonさんは慌てすぎ
http://twitter.com/kikumaco/status/26553807345

.@enodon だから、CoSTEPのコンテンツが明日以降どこにリンクされていくか、でしょう。素材はあるのだから、期待していいのではないですか?
enosonさんが言ってるのは、大学の広報担当者を夜中に働かせようということではないですか。それは感心しませんよ。
http://twitter.com/kikumaco/status/26553992590

と批判をいただきました。

確かに大学広報を真夜中に働かせるのはいかんなあと思ったのですが(デラウエア大は午前8時に更新しているのですが)、いっぽうで

大学広報担当を夜中に働かせることの何がいけないのかわかりません。理由はどうあれ年に一度もないビッグイベント。翌日代休とれば済む話。 RT
@kikumaco: .@enodon
enosonさんが言ってるのは、大学の広報担当者を夜中に働かせようということではないですか。それは感心
http://twitter.com/twistor0/status/26556441814

ノーベル賞受賞は研究予算まで左右します。当然だと思います。 RT @enodon: 北大は広報を毎年夜まで待機させてるのですか…RT
@mhimeno: 【M姫ブログ】鈴木章 北大名誉教授 ノーベル化学賞受賞!! http://bit.ly/c4gYLJ
http://twitter.com/twistor0/status/26557670559

屁理屈になりますが、広報担当が自由裁量労働の立場であれば、働く時間は関係ないと言えます。 RT @enodon:
ご意見分かりますし、一方で、広報の人を夜まで働かせてはいかんというのも分かります…どうしたものか…RT @twistor0:
ノーベル賞受賞は研究予算まで左右します。
http://twitter.com/twistor0/status/26558408291

広報担当を夜まで働かせるかどうかについては、組織の広報戦略に依存するというのが答えになる。確実性、信頼性を組織のコンセプトにするなら、速報性にこだわらず、質・量ともに豊富な情報提供をする。他の選択肢もまたありうる。だから、組織によっては「明日9時から対応します」でもいいはず。
http://twitter.com/twistor0/status/26560808161

というご意見をいただいて、こういうとき、大学をはじめとする公的機関の広報はどうしたらいいのかなと考えさせられました。

もうしばらく、報道ウォッチなどを続けていきたいと思います。