科学・政策と社会ニュースクリップ

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生化学若い研究者の会 夏の学校50周年を祝う

生化学若い研究者の会の夏の学校が今年で50回を迎える。

50年と一口に言うが、長い時間だ。赤ちゃんが50歳になる年月。

50年前と言えば、1960年。まだDNAの二重らせん構造が明らかになって間もない。分子生物学の勃興期。

そんな時期に、分野を超え、研究室を超え、若い研究者たちが集まり、情報交換をし、議論した。

それが夏の学校の始まりだ。

義務じゃない。若い研究者たちの自発的な会。なのに50年。一年も欠けることなく、脈々と続いている。

旬の研究者が安い講演料でやってくる。海のものとも山のものとも知れない若手と膝を突き合わせて議論する。

そんな若手の中から、次の時代を担う研究者が生まれ、講師となって凱旋する。そんな循環も生まれた。

政治の季節には、研究室の民主化を議論し、オーバードクター問題を議論した。そして昨今。ポスドク問題を議論している。

単なる研究会じゃない。

私が初参加したのは1995年。修士一年の時だった。

まだ研究なんて始めたばかりでよく分かっていなかったが、熱く語り合う先輩、同輩たちを見て、刺激を受けた。

科学と社会の在り方を真剣に考え始めたのも夏の学校がきっかけだ。米本昌平氏の話に目を開かされた。

大学や分野を超えた仲間もできた。そんな仲間たちとNPOを立ち上げ、今に至る。

今に至る多くのものを、夏の学校で得たと言っても過言ではない。


ただ惰性だけで50年は続かない。関わったそれぞれの時代の若手が、自分の研究や、自分の生き方を真剣に考えてきたから続いたのだ。

そんな夏の学校が50年続いたことを、心よりお祝い申し上げる。

50回の夏の学校は、いつもと違ったものになっているという。50年を作ってきたOB、OGたちが多数参加するという。

ただ昔を懐かしむだけでなく、これからの科学の在り方を考えるために、世代を超えた交流が行われる。

残念ながら私は都合で参加できないが、現役世代、OB、OG問わず、多くの皆さんが参加されることを、心より願っている。

★生化学若い研究者の会 第50回 生命科学夏の学校
http://www.seikawakate.org/natu/

日時:2010 9/3(金)〜5(日)
場所:箱根高原ホテル

参加申込み8/10まで!

※OBの方は専用枠がございます。こちらまでご連絡お願いいたします。  jimukyoku[at]seikawakate.org (送信の際は[at]を@に変えて)
※定員(200人)に達し次第、申し込みを締め切らせていただきます。