科学・政策と社会ニュースクリップ

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人材を生かす投資

 いまだ補正予算の見直し内容が発表されず、どうなるのか不明だが、10月7日発表という話もある。

政府、補正見直し7日に公表=鳩山首相「一層の努力必要」
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2009100500563

はたして留学や理科教育関連が見直されるのか、最先端研究開発プログラムがどうなるかなど、注視したい。

 ところで、人材へのお金の投入に、批判的な声は根強い。それは理解できる。今の時点では負でしかないから。持ち出しになってしまう。

 しかし、ちょっと視点をずらすと、見え方も違ってくるのではないかと思う。

 教育は未来への投資だから、今という時間では負だ。短期的には投資が回収できない。だから、長期的に考えないといけない。

 人はダムや建物と違って持続的に価値を生み出しうる。価値を生み出してもらわないと、負のままだ。だから、投資を回収するために、価値を生み出す環境を整えたりすることが必要だ。

 「救う」とか、「かわいそう」とかいう感情ではなく、投じた金額以上の成果を社会にもたらしてもらうという意味で、若手研究者への支援が必要だということだ。国の予算を使って育成した以上、活躍してもらわないと、今まで投じた額が負債になる。それは困る。失業対策、弱者対策ではないのだ。

 教育や若手研究者支援は、個人のキャリアやスキルアップという視点ではなく、彼らの能力を社会にどう貢献させるか、どのような価値を生み出させるか、という視点で考えないといけない。社会も、研究者自身も、意識を変える必要があるように思う。研究者自身も、救ってもらうではなくて、自分の能力をどうしたら社会に役立てることができるのか、という観点で、必死に活躍の場をさがさないといけない。活躍できないということは、社会に対する背信なのだと思う。

 価値とか成果とか貢献が何を意味するのかはとりあえずおいておいて、メモ程度に書いた。新しい団体の目指す方向として。