科学・政策と社会ニュースクリップ

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オーバードクター問題 いつかきた道

オーバードクター問題―学術体制への警告

オーバードクター問題―学術体制への警告

 私たちNPO法人サイエンス・コミュニケーションが出した失敗しない大学院進学ガイドにも、三中信宏さんの書評を転載させていただきましたが、あらためてこの本を読んでみると、強烈なデジャブ感を感じます。

理工系&バイオ系失敗しない大学院進学ガイド―偏差値にだまされない大学院選び

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 オーバードクターポスドクに変えれば、25年前の問題は、まさに今私たちが直面している問題でもあります。

 そのときに、私たちの出身母体の一つでもある生化学若い研究者の会をはじめとする若手研究者の会が「OD問題の解決を目指す若手研究者団体連絡会」を作り、「オーバードクター白書」を刊行しました。

 ここまでの対応は、今私が想定しているポスドクアクションとだいたい似たようなものです。

 その運動の成果なのかも知れませんが、日本にもポスドクが制度化されたり、あるいは先に述べたように、好景気などの外的要因で、オーバードクター問題は一端解決しました。

 しかし、歴史を振り返ると、結局のところポスドク問題は、オーバードクター問題を先送りしただけのようにも感じます。

 ポスドク問題の解決をさぐるとき、オーバードクター問題の検証をする必要があるのではないかと強く思います。

 オーバードクター問題がどうして解決したのか、そのときに若手研究者の働きかけはどのような効果があったのか、25年前オーバードクターだった方がその後どのような人生を歩んだのか…

 そこからポスドク問題解決への糸口が見つかるかも知れません。