ポスドク問題に関して、何らかの行動を起こすべきという機運が高まっています。しかし、闇雲に行動しても無駄です。戦略的に動く必要があります。
- 作者: バリー・R.ルービン,Barry R. Rubin,鈴木崇弘
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 2002/02
- メディア: 単行本
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上記の本には、少数の集団が政策に影響を与えるためにとるべき方法が数多く掲載されています。
世論を理解し影響を与える、メディアへアドボケートする、連合体形成と運営、政策決定者を説得する、草の根の動員といった具合です。
以上のことを考え、アクションを考えてみます。
ポスドク問題は既に政策上の課題となっていて、大学院教育振興施策要綱に基づき、科学技術関係人材のキャリアパス多様化促進事業などが既に実施されています。
日本学術会議も10月18日に「研究・教育者等のキャリアパスの育成と課題」と題したシンポジウムを開催します。
そう考えると、政策のさらなる充実化や、いまとは異なった対策を考えることなどが必要になります。
その際に問題になるのが、世論の動向です。世論は「なぜ博士までとった優秀な人に支援をしなければならないのか」と、ポスドク問題の政府投資に厳しい目を向けています。たとえばこちら。
そもそも博士やポスドクといった存在が、社会にとってどういう存在なのか、どうしてポスドクの就職問題が起こったのか、それが社会にとってどのような意味を持つのかを社会に理解してもらわなければ、これ以上のポスドク対策は期待できないのではないかと思います。
そこで、ポスドク問題をまとめた本を出版し、それと同時にメディアに積極的に取り上げてもらうようにアプローチするのが効果的ではないかと思っています。
NHKがポスドク問題を取り上げたのは記憶に新しいが、読売新聞には「続・漂う博士」という連載が始まっています。朝日新聞もこの問題を取り上げています。
こうした状況は私たちにとってプラスであると思います。
ポスドク問題の解決には、政府だけでなく、大学、学会等の対応も重要になります。SNSを利用した取り組みをはじめ*1、学会が少しずつ取り込みをはじめています。こうした動きを多くの学会に促したいと思います。男女共同参画学協会連絡会のように、学会の連合体を形成するのも一つの解決策かもしれません。
私たちサイコムジャパンも、もし賛同される方がいるのなら、本の出版をはじめこうした取り組みに積極的に参加していきたいと考えています。