科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

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(3)医療―「治療中心から予防重視」へ転換
■「がん対策基本法」に基づき、治療の質や情報の地域格差を是正し、がん登録制度の導入も進めつつ、全国どこでも最適ながん治療を受けられる体制を整備します。
○治療の初期段階からの緩和ケア(痛みをとる)を実施するため、5年以内に、がんを担当する全ての医師に緩和ケアの研修を行います。
放射線治療の普及とともに、放射線療法・抗がん剤療法の専門医の育成を進めます。
○気軽にセカンドオピニオン(別の専門医の診断)が受けられる環境整備を進めます。
○全国のがん医療水準の引き上げ、治療が難しいがん患者の受け入れや、予防・診断体制を推進する一環として、「がん診療連携拠点病院」の整備、がん検診の拡充、新たな治療方法・治療薬の開発、禁煙の推進などに取り組み、がん罹患率、死亡率の低下を実現します。
■80歳になっても自分の歯を、20本以上保つために、歯科健診と自己管理を通じて、健康づくりを行う「8020(ハチマルニイマル)」運動を推進します。
後期高齢者医療制度のスタートに向けた体制整備、生活習慣病対策を中心とする医療費適正化対策等を強力に推進するとともに、在宅を含めた地域における医療提供体制の整備を図ります。
※進捗状況:2006 年6 月がん対策基本法が成立。2007 年6 月には「がん対策推進基
本計画」が策定。
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医療保険者による特定健診の義務付けを踏まえ、メタボリック症候群の予防・減少の取り組みに対
し、関係機関の連携強化を図ります。
■医療や介護に係る自己負担を家族で合算し、負担が高額な場合に軽減を図る新たな高額療養費制度を実施します。
■女性専門外来の全都道府県での開設をめざします。
■生涯を通じた女性の健康支援を充実させます。
骨粗しょう症や貧血、乳がん、子宮疾患等の予防と早期治療のために、成人女性に対する健診の普及と充実を進めます。
乳がん検診の精度向上のため、マンモグラフィー検診に加えて超音波(エコー)検診の導入・併用を進めるとともに、読影医の養成・確保など検診体制の充実・強化、受診率の向上を図ります。
思春期外来における相談や無料健診を実施します。
■アレルギー疾患対策を抜本的に強化します。
国公立病院のアレルギー科の増設、全都道府県における公立・民間のネットワークの強化などを図ります。
■温泉を活用した健康づくりの推進を図ります。
温泉療法医、温泉利用指導者(員)などの人材を確保します。
温泉施設、旅館を「健康増進施設」として活用します。
特定疾患治療研究事業の安定的な運営の確保や対象外疾患の救済策の検討、小児難病対策の充実など、総合的な難病対策の充実を図ります。
■肝炎対策の充実を図るため、地域における専門治療施設の整備など検査・治療体制を強化するとともに、治療費の負担軽減に取り組みます。
(4)医師不足対策等の推進
医師不足地域に対する国レベルでの緊急的な医師派遣システムを構築するとともに、病院勤務医の過重労働を解消するための集約化や交代勤務の推進など、総合的な対策を迅速に進めます。
■新生児から思春期までを対象に保健と医療の包括的な支援体制の充実を図る「小児保健法」を制定します。
■出産分娩等に伴う無過失の医療事故を救済するため「無過失補償制度」を創設するとともに、医療事故の裁判外紛争処理制度の創設を進めます。
育児休業取得や短時間勤務の推進、院内保育所の整備、女性医師バンクの体制強化など、女性医師が働き続けられる環境整備を進めます。