科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

札幌にて

 現在、北大の科学技術コミュニケーター養成コースの卒業発表会に参加するため、北海道に来ている。
http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/symposium.html

 私は、受講生の卒業発表にコメントを述べる役だった。私なんぞにつとまるのかな、と不安に思いつつも、いち科学ファンとして率直なご意見を述べさせていただいた。

 初日は受講生の発表を拝見させていただいたあと、懇親会に参加した。

 各作品はそれぞれ力作で、甲乙つけがたいほど充実したものばかりであった。わずか半年の講座としては、大成功の評価を与えたい。

 何よりよかったのは、発表を見ていて楽しかったことだ。笑いの発表会。これだけでも参加した意義はあった。

 私たちも学ぶとろこがあった。観光MAPとか、ウェブを使った広報誌作りとか、なるほどな〜とうならされた。

 ただ、あえて言わさせていただくと、ちょっと物足りなさも感じた。

 それぞれの作品は、実践としては完成度が高い。問題は、その実践を何のために使うということだ。

 楽しい科学、科学推進…それは第一歩としては素晴らしい。第一歩はそれがなければならないと思う。しかし、二歩目はもうちょっと科学を取り巻く問題にも切り込んでいってほしいな、と思う。

 それは、各受講生が北大を離れてから問われることだろうし、また、北大も2年目、3年目と年度が経つにつれて、内容が問われていくことだろう。

 発表会の場でもコメントさせていただいたが、受講生が自分の生活に戻って、それぞれの場で活動をはじめること、そして、北大はこの実験的なコースで蓄積されたさまざまなノウハウを発信することが重要だ。それができれば、内輪での盛り上がりを超えて、社会を変える力になる。

 科学コミュニケーターは、自分で資金や仲間を集めてきて、交渉をし、場所を見つけ、活動を実行するという、さまざまな力が必要になる。CoSTEPがこうした企画力、運営力をつけるトレーニングの場となってほしいし、なりつつあると思う。

 もちろん、資金の調達や人材マネジメントなど、私たちのようなNPOでさえ悩む問題だから、簡単にはいかないと思うが、そのあたりもCoSTEPで学べるようになればよいかな、と思う。

 今後の受講生、そして北大CoSTEPの活躍を楽しみにしたい