科学・政策と社会ニュースクリップ

科学政策や科学コミュニケーション等の情報をクリップしていきます。

大学研究者とSNS

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★発行部数 2,542部(5月12日現在)
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         No.921 2021年5月11日号 巻頭言
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【巻頭言】
★大学研究者とSNS
2021年5月4日〜5月11日
カセイケン代表 榎木英介

 お知らせを。

 この度カセイケン代表榎木は本を上梓しました。

病理医が明かす 死因のホント
https://nikkeibook.nikkeibp.co.jp/item-detail/26454

 著名人の死因から、死とは何にかを医学的に考察したものです。Yahoo!ニュース個人に書いた記事などをまとめて加筆しました。

 死因に関してはこのようなニュースもあります。

新型コロナワクチン接種後の死亡例〜検証は十分か?病理専門医の視点から(追記あり
https://news.yahoo.co.jp/byline/enokieisuke/20210508-00236787/

 これは私が書いた記事ですが、新型コロナウイルスのワクチン接種後の死亡例の検討が不十分ではないかということを指摘しました。

★遺体解剖 新型コロナ死因が急増 大阪府監察医事務所
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210510/2000045352.html

 このように、亡くなった方の死因を調べたら新型コロナウイルスが原因だったというケースが増えています。

 死因の究明は後回しにされがちですが、公衆衛生においても重要だと思っています。

★【独自】大阪の100万人あたりの新規死亡者数がインドを上回る 「まるで姨捨山」とまらない医療崩壊
https://news.yahoo.co.jp/articles/ef9fd9e4f1b83ebbb02fd514f91e2211250b60c6

 大阪や私の住む神戸では、医療が崩壊していると言っても過言ではありません。

 テレビでは医療崩壊寸前と言っていますが、必要な患者に医療を提供できないことを医療崩壊というならば、とうにしていると思います。

★なぜ日本はコロナ病床が確保できないのか?
https://www.cbnews.jp/news/entry/20210507190434

 その原因は看護師不足とコロナ患者のゾーニングができるかだといいます。

 誰かがラスボスで陰謀を企てているわけではなく、長年蓄積した構造が影響を与えています。

 利害が絡み合い、複雑な問題です。善悪、白黒で決着できない問題です。

 だからこそ苦しいのです。

 ラスボスだと思って敵を倒していた気できたけど、大きな変化はなかったという問題は多いのが現実です。

 SNSを見ると、医療者への恨みの声を見聞きします。医療者でもある私は苦しいです。

 たしかに医療者に問題がないとはいいません。裕福な家庭から出て、リバタニアン的な医師に不快感を覚える人も多いでしょう。

 しかし医者が嫌いでも、サイエンスを無視、軽視した途端、容赦なく牙を剥くのがこのウイルスです。

★India, Brazil and the human cost of sidelining science
https://www.nature.com/articles/d41586-021-01166-w

 nature社説です。科学を軽視した国の惨状。

 考える時間をもらう間も無く事態は進行していきます。

 誰かをラスボスにするなということは、批判をするな、黙れということとは違います。

 責任は責任として問わねばなりません。それと共に、絶対的「悪」などないことを自覚しつつ、このこんがらがった社会を動かしていくしかないのです。

 そんな時、SNSは武器にもなるし、弱点にもなります。

 ある大学の通知がSNS上を駆け巡りました。

鹿児島大学ソーシャルメディアガイドライン 令和3年4月27日
https://www.kagoshima-u.ac.jp/about/210506_socialguidline.pdf

授業又は業務として利用する場合を除き、授業時間中又は勤務時間中に、ソーシャルメディアを利用した情報発信は厳に慎んでください。

 大学所属の教員、研究者は裁量労働制なので、実際のところ影響は少ないのではないかという声もあります。

 私は一昨年度は地方公務員だったので、就業規則や職務専念義務はかなり気にしました。Twitterはほとんどやりませんでした。

 会社員の方々などもそうでしょう。SNS上での発言を実名で自由に出来る人は少ないと思います。

 しかし、大学人は別です。

 大学は社会がお金を出して異端も含めた多様な考えを持ち、研究する人を、言葉は悪いですが「飼っておく」ところであり、流行や政治情勢に左右されてはいけません。

 SNS上の発言は、その大学人の意見表明の場の一つでもあります。たしかに誹謗中傷などはダメですが、大学自らがその発言の場を制限することは、かなり問題があるように思います。

 業務時間にやればいいではないかと言う人もいると思いますが、大学教員が裁量労働制である意味を考えるべきです。

 大学人、研究者は仕事とプライベートが分け難く、言ってしまえば全ての時間が仕事といえる存在です。寝ている時にアイデアが出ることがあるわけですから。

 となると、家でリラックスしている時間も業務時間とも言えるわけです。ある種屁理屈ですが、半分真面目です。

 かつてポスドク過労死裁判の証人として意見を述べたことがありますが、過労死された方はタイムカード上は過労死基準に当てはまりませんでした。

 しかし余暇を使って論文を探したり読んだりしており、仕事とプライベートが分け難かったのです。

 だから労災認定はされませんでした。民事訴訟で和解しましたが。

 日本学術会議の任命拒否問題や「反日研究」された研究者への妨害行為など、非常に危険な兆候が見え隠れしています。

 SNS業務外禁止が、その流れを追認しないか心配です。

 おりしも話題のドラマ

「今ここにある危機とぼくの好感度について」
https://www.nhk.jp/p/ts/J94YJZG3V6/

 か、大学の存在意義に切り込む内容のストーリーを扱っていました。

 大学は税金でまかなってるから役立つ研究だけしろ、という声は高まっています。

 私も大学にはいろいろな思いがありますが、多様性は死守すべき価値だと思います。

大学発ベンチャーと海外企業の協業促進へ、経産省が強化策
https://newswitch.jp/p/27130

★大学ファンド、年度内に運用開始へ 利回り3%目標
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA011AI0R00C21A5000000/

★大学債、高まる“存在感” 指定国立大が熱視線
https://www.nikkan.co.jp/spaces/view/0058988

 大学をめぐる状況は変化しつつあります。役に立つことを追求することに反対しているわけではありませんし、「お金を稼ぐ」努力は重要です。ただ、それだけではいけないと言いたいわけです。

★米、ワクチン特許の放棄を表明 供給増へ途上国案を支持
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0540N0V00C21A5000000/

バイデン政権「ワクチン特許権放棄を支持」
https://news.yahoo.co.jp/articles/22ac2831e6354e6d189c8a24d2006c1f4e09ab58

ワクチン特許放棄、供給増へWTOで交渉
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN063HH0W1A500C2000000/

米のワクチン特許免除「解決策にならない」 欧州委員長
https://www.asahi.com/articles/ASP58339QP58UHBI004.html

ワクチン特許停止、ファウチ博士は慎重姿勢 「法廷闘争長引くおそれも」
https://forbesjapan.com/articles/detail/41243

 特許問題が出てきました。なかなか難しい問題です。

★「後期合格者の多くが入学せず」 横国理工学部長がコロナ禍入試を語る
https://news.yahoo.co.jp/articles/16c6c671df9f9103526ffb246672b12ae6a796c9

 入試に関わった方々はさぞや大変だったと思います。

★ジョブ型研究インターンシップ(先行的・試行的取組)実施方針(ガイドライン)(案)等について
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/109/toushin/1386864_00001.htm

「ジョブ型」の誤解を正す
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD267BA0W1A420C2000000/

 ジョブ型が広がることは基本的には良いことだと思っていますが、誤解は困ります。

★大学教授が「算数の解説動画」を小学生に無料配信…これまでに1000本以上 自宅学習を支援
https://news.yahoo.co.jp/articles/ef4fd3b8548f84b9217c4bad04f5342a7e315ce7

 動く人は素晴らしいと思います。

★学術論文を無料で公開している海賊版サイト「Sci-Hub」の運営者へのインタビュー
https://gigazine.net/news/20210505-an-interview-with-sci-hub-alexandra-elbakyan/

Open access ‘excludes’ developing world scientists
https://www.scidev.net/global/features/open-access-excludes-developing-world-scientists/

 掲載費用の高騰はアフリカだけではないという指摘も。

★近大医学部を詐欺容疑で捜索 元教授1780万円不正受給か 大阪府警
https://mainichi.jp/articles/20210511/k00/00m/040/182000c

 読売新聞では実名報道されていました。

★USDA now only partially inspects some animal labs
https://science.sciencemag.org/content/372/6542/558

USDA Only Carries Out Partial Inspections of Some Animal Labs
https://www.the-scientist.com/news-opinion/usda-only-carries-out-partial-inspections-of-some-animal-labs-68738

USDA now only partially inspects some lab animal facilities, internal documents reveal
https://www.sciencemag.org/news/2021/05/usda-now-only-partially-inspects-some-lab-animal-facilities-internal-documents-reveal

 アメリカの農務省が、実験動物の環境調査を一部にしか行なっていなかったことが発覚し批判を浴びています。

★日本に数学や物理学を学ぶ女性が少ないのはなぜ? - POLICY DOOR ~研究と政策と社会をつなぐメディア~
https://www.jst.go.jp/ristex/stipolicy/policy-door/article-08.html

★非正規、孤立… 就職氷河期世代に「高齢貧困」の危機
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO67992880Y1A100C2000000

★お相撲さん→スーパーの店長→モデル→インドで人気俳優…? 元東桜山こと田代良徳さんの人生が波乱万丈すぎる件
https://news.yahoo.co.jp/articles/fb74e98928159f73076712a15ed12151c2190d1f

バンド出身起業家、ロック魂で成長 組織作りに共通点
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ241690U1A420C2000000/

★女性研究者 その力 引き出す社会に
https://www.asahi.com/articles/DA3S14897493.html

米国にもリケジョの壁「研究室の掃除、女性が多くやる」
https://www.asahi.com/articles/ASP565JBDP56ULBJ00J.html

 岩波書店の「アカデミアを離れてみたら」に登場された増田(渡邉)皓子さん
https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/3324

朝日新聞にも取り上げられて、社説にもお名前が出ました。

 実は増田さんを岩波書店に紹介したのは私で、ここまで大きく取り上げられるようになるとは思ってみませんでした。

増田さんの勇気ある発言が、 研究経験者のキャリアパス、そして研究環境がフェアなものになるための一つのきっかけになるよう、私たちカセイケンも頑張っていきたいと思います。

★「個人研究」のすすめ|勉強って何のため?|森博嗣
https://www.gentosha.jp/article/18527/

 老人は研究しようという主張。賛同します。そして老人でなくても。

★科学振興に向けた官民の対話を 馬場基彰氏
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGG0864B0Y1A300C2000000/

 日本版AAAS(仮)代表の馬場さん。

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“Science Communication News”
[SciCom News] No.921 2021年5月11日号 巻頭言
【発行】一般社団法人科学・政策と社会研究室
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創作とフェイク〜松坂桃李主演ドラマを巡って

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         No.920 2021年5月4日号 巻頭言
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【巻頭言】
★創作とフェイク〜松坂桃李主演ドラマを巡って
2021年4月28日〜5月4日
カセイケン代表 榎木英介

 あるドラマを巡って様々な意見が交わされています。

 それは松坂桃李主演の「今ここにある危機と僕の好感度について」
https://www.nhk.jp/p/ts/J94YJZG3V6/

 です。

★【再放送アリ】NHKドラマ『今ここにある危機と僕の好感度について』は今だからこそ見たいドラマ! 鈴木杏の長ゼリフが痛烈な社会風刺だと話題に
https://youpouch.com/2021/04/27/753570/

 私も見ていますが、少々デフォルメされてはいますが、今の大学の在り方に一石を投じている良い作品だと思っています。

 ポスドクの女性研究者が研究不正を告発するも、問題を無かったことにしたい大学当局に阻まれて、研究室を去るというストーリーにはリアリティを感じましたし、このポスドクに共感しました。

 私自身が、大学の様々な問題を公言することで、研究室を追放されるなどした経験があるからです。

 監修にも知人の研究者の方々が加わっており、脚本家の渡辺あやさんはNHK連続テレビ小説カーネーション」を書かれるなど、意欲作を多数発表している実力派です。

 ところが、このドラマに大して厳しい意見が出ています。

「今ここにある危機とぼくの好感度について」第2話について|Masaki Nakamura|note
https://note.com/nmasaki74/n/nec99f539c157

 詳しくは中村征樹さんの記事をご覧いただきたいのですが、このほかにも、複数のシニア研究者から怒りの声が上がっています。

 問題とされるのが、研究不正の調査にリアリティがないということです。

 文科省ガイドラインにある通り、研究不正の調査は手間暇がかかるもので、調査に関わられた方々の労力は大変なものだとは理解しています。
https://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/fusei/index.htm

 多くの方々は、こうした調査を真摯に行なっているでしょう。それは認めますし、心より敬意を表明したいと思います。

 しかし、一部の大学で、例えば学長や有力研究者の研究不正調査を、一次調査で「研究不正なし」としてしまうことで闇に葬ってしまう(と少なくとも外から見える)事例が取り沙汰されています。

 具体例をあげましょう。

論文コピペで博士号…不正告発した教授を「大学が排除」のその後
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66681

なぜ?! 岡山大学の教授2人解雇
論文不正の告発から解雇処分までの4年間に起きたこと
https://webronza.asahi.com/science/articles/2016012600004.html

東京大学は不正認定されなかった医学部教授に再現実験を求めるべきだ
http://blog.livedoor.jp/pyridoxal_phosphate/archives/72114005.html

東北大元総長、依然不正認めず 
不正論文疑惑、金属学会が賞取り消し
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2020/05/18/antena-710/

弘前大学佐藤敬学長の論文不正を調査せず!ガイドライン無視!
https://blog.goo.ne.jp/lemon-stoism/e/177ed5145bcd0f1f4dbf8f1fae0a4def

 最近でも、名古屋大学の盗用疑惑に対して、大学がおざなりの調査を行なったのではないかと言われています。

5C 名古屋大学・博士論文の盗用疑惑事件:1 驚愕の判定
https://haklak.com/page_2020_nagoya_plagiarism.html

 こうした状況の中、ドラマで描かれたようなことがあるのではないかと思ってしまいます。

 創作物がデフォルメしていることは、時に問題を生み出します。

 私も医療に関する誤った情報を伝えてしまうようなドラマに警鐘を鳴らしたこともあり、創作物だから全てOKとは思っていません。

 しかし、例えば総理大臣を批判するような作品に対し、「総理は頑張っているのだから訂正せよ」というのは無粋であり、言論の自由を毀損する問題に発展しかねません。

 そして何より、視聴者はそこまでドラマに振り回されないと思います。創作物と現実の境目が分からない「愚民」ではないはずです。

 大学の管理部門には、我々外野からは窺い知れない苦労があることでしょう。しかし大学は公的な存在のはずです。批判を言う自由は誰にでもあるわけです。

 政府批判と同じです。政府の内部の人はおそらく寝る暇もないほど頑張っているでしょう。けれど、頑張っているから批判してはいけないというわけではないでしょう。個人の誹謗中傷は論外ですが。

 まだドラマは2回残っています。どのような展開になるのか、注目したいと思います。

★新型コロナ 西浦博・京大教授に聞く/上 予防接種、普及後も流行警戒 無免疫集団、前提の戦略必要
https://mainichi.jp/articles/20210428/dde/007/040/030000c

★新型コロナ 西浦博・京大教授に聞く/中 集団免疫、国際協調が不可欠 移動制限なし、流行続いた例
https://mainichi.jp/articles/20210430/dde/007/040/032000c

★新型コロナ 西浦博・京大教授に聞く/下 個人の感染、社会全体のリスクに 高齢者接種終了「終わりではない」 
https://mainichi.jp/articles/20210501/dde/007/040/021000c

★西浦博 教授が緊急報告、「第4波」が“これまでと違う”と言わざるを得ない「4つ」の理由
https://news.yahoo.co.jp/articles/10714161a18287baa6d0db26db29dabf01cf8996

★新型コロナの「重症化」とは? 人工呼吸器を装着したら、実際どうなるのか?
https://news.yahoo.co.jp/byline/kuraharayu/20210504-00235518/

★尾身茂氏が語った「マスクを外せる日」「3回目の緊急事態宣言なんて聞く気になれねぇ」への意見
https://news.yahoo.co.jp/articles/1d1423d912400f15fb4591b3b4d188dd4532d42b

 日本では連休中ですが、新型コロナウイルスの感染拡大は収まっていません。そして、観光地は賑わっています。

 インドの例を見れば、日本での感染拡大はおさまらないでしょう。

 医師が自分の利益のために人々に自粛を促しているという考えが広がっているようです。

 言動不一致な政府への信頼低下、コミュニケーションの仕方も含め、大きな問題が横たわっています。

★『はたらく細胞』(ムービングコミック)「新型コロナウイルス編」及び「感染予防編」等を通じて、感染症予防の大切さを啓発します
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18359.html

 人気のはたらく細胞とのコラボ。コミュニケーションの一つです。

★第11回科学技術予測調査 所属・年代別の比較分析[DISCUSSION PAPER No.194]の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/47223

★コロナ禍を経た科学技術の未来-第11回科学技術予測調査フォローアップ-[調査資料-309]の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/47233

★「職場のハラスメントに関する実態調査」の報告書を公表します
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18384.html

★演劇のまちづくりで揺れる? 志願者約8倍、豊岡「専門職大学」学長に聞く
https://news.yahoo.co.jp/articles/48da2fe8f78b80e33cb0c5347436ac7d226d9acd

 先週話題になった豊岡。平田オリザ氏へのインタビュー。市長選前に行われたといいますが、今後どうなっていくでしょうか。

★学術会議の改革 「議論重ね検討」 科学技術担当相
https://mainichi.jp/articles/20210501/ddm/012/010/146000c

★学術会議の組織形態を議論へ 科技相、有識者会議を設置
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA303TP0Q1A430C2000000/

 日本学術会議の問題はもう完全に論点をすり替えられてしまいました。軍事研究容認という目的まで、もう止められないのかもしれません。

★【独自】憲法記念日の講演に憲法学者起用、自治体が「政治的」理由に拒否 神奈川県鎌倉市で 識者「民主主義に逆行」
https://www.tokyo-np.co.jp/amp/article/101258

 これも一連の動きとして捉えるべきかもしれません。

★専門知と民主主義、バランスは 学術会議の論点、識者に聞く
https://digital.asahi.com/sp/articles/DA3S14889362.html

★Opinion: Include Public Outreach Plans in Grant Requirements
https://www.the-scientist.com/news-opinion/opinion-include-public-outreach-plans-in-grant-requirements-68723

★Science Advisor Nominee Faces Tough Questions from Senate Panel
https://www.the-scientist.com/news-opinion/science-advisor-nominee-faces-tough-questions-from-senate-panel-68729

Biden’s nominee for science chief issues apology, defends character at confirmation hearing
https://www.sciencemag.org/news/2021/04/biden-s-nominee-science-chief-issues-apology-defends-character-confirmation-hearing

 アメリカのサイエンスアドバイザー候補になったEric Lander博士が、Jeffrey Epstein氏との関連を取り沙汰され、厳しい状況に置かれています。

NSF, NASA sign collaborative agreement to expand activities for broadening participation in engineering | NSF - National Science Foundation
https://www.nsf.gov/news/news_summ.jsp?cntn_id=302597

NSF and NCSES release 2021 Women, Minorities, and Persons with Disabilities in Science and Engineering report | NSF - National Science Foundation
https://www.nsf.gov/news/news_summ.jsp?cntn_id=302622

 重要レポート。

★U.S. national academy picks record number of women, minorities
https://www.sciencemag.org/news/2021/04/us-national-academy-picks-record-number-women-minorities

★京大が25億円基金新設 研究志す経済苦の学生に奨学金
https://news.yahoo.co.jp/articles/3e7175a7c2038fad268301d355db083ebe0c2d60

独立した研究環境、助教に提供 東北大が若手支援強化
https://kahoku.news/articles/20210503khn000036.html

 学生や若手研究者支援の動き。重要です。

★「政治vs科学」をめぐる日米の余りに大きな差 - 須藤靖
https://webronza.asahi.com/science/articles/2021042800007.html

 問題はこの差をどうやって埋めるべきかですが、簡単ではありません。しかし、あきらめないことが重要です。

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“Science Communication News”
[SciCom News] No.920 2021年5月4日号 巻頭言
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科学のまちなんかいらないと言われる日

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         No.919 2021年4月27日号 巻頭言
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【巻頭言】
★科学のまちなんかいらないと言われる日
2021年4月21日〜4月27日
カセイケン代表 榎木英介

 兵庫県の北に位置するまち、豊岡市コウノトリの里としても有名です。

 このいち地方都市の市長選が、日本を揺るがす大きな話題を提供しました。

★兵庫の「豊岡演劇祭」市の負担減へ 豊岡市長選当選の関貫氏
https://news.yahoo.co.jp/articles/e3783d6deb80173d127ddb008e92f673d61aa478

豊岡市長に関貫氏「演劇のまちなんかいらない」 現職を批判
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202104/sp/0014274946.shtml

 今回の市長選で敗れた前市長が推し進めていた演劇のまちという構想をひっくり返す候補が当選したのです。

 おりしもこの4月に、芸術文化観光専門職大学
https://www.at-hyogo.jp

 が開講し、学生が入学したばかりだったからです。

 平田オリザ氏が学長になり、劇団員、学生が豊岡で暮らし始めています。そうしたなか、市長の交代。

 いろいろな論点があり、また、外部の人間があれこれいうことではないとは思います。

 しかし、この件は、研究にも大きな影響を与えるのではないかと思っています。

 それは「科学のまち」への影響です。

 つくばがその代表ですが、沖縄科学技術大学院大学がある沖縄もその一つかもしれません。

 地方再生を期待されて大学や研究機関などが誘致されることがありますが、そうした「科学のまち」「学術のまち」が、民意により否定されることもあり得るのではないかと思ってしまったのです。

 地方自治体にある研究機関が住民に支持される存在でなければ、それらは迷惑施設や異物になってしまう可能性があるということです。

 よく「よそもの、わかもの、ばかもの」が地域や社会を変えると言います。

 その言葉、私は好きなのですが、これら「よそもの、わかもの、ばかもの」が周囲から浮いたままであれば、排除されてしまいます。

 何かを変えたあと、周囲の人たちも変える、そのプロセスは押し付けではだめでしょう。そこに住む、前からいる人を否定するのではなく尊重し、巻き込む。それは簡単なことではありません。

 街に出て行き、人々と膝突き合わせて議論する。

 その要望を聞きつつも、要望に振り回されないで自分を貫く。

 その匙加減はかなり難しいものと思います。

 大学や研究所にいると、研究室と家との往復になり、地域住民との交流はない、となりがちです。それではいけないと、研究室公開や住民向けイベントなども開催されるようになっていますが、単なる講演会になっていないか…。

★声明「日本学術会議会員任命問題の解決を求めます」(PDF形式:222KB)(令和3年4月22日決定)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-25-s182-1.pdf

日本学術会議のより良い役割発揮に向けて(PDF形式:695KB)(令和3年4月22日決定)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-25-s182-2.pdf

第182回総会(第25期第2回)報告|日本学術会議
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/sokai/report182.html

第182回総会配布資料一覧|日本学術会議
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/sokai/siryo182.html

第182回総会(第25期第2回)報告|日本学術会議
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/sokai/report182.html

日本学術会議 任命されなかった6人 拒否の理由を開示請求
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210426/k10012997851000.html

「科学が政治の召し使いになる」 学術会議問題、学者ら声明
https://www.chunichi.co.jp/article/240126

 日本学術会議の問題はいまだ解決しません。明らかに法律違反の異常な事態なのに、世論は盛り上がらず、任命拒否などどうでもよい、学術会議は独立せよ、軍事研究を容認せよ、という声はかなり強いのが現実です。

 なぜこうなったのか。

 豊岡の「芸術のまちなどいらない」と共通する部分はないのか…。

 こういうこと言うと、被害者には被害を受ける理由があるのか、と強く批判されるのですが、それはそれとして、果たして科学コミュニティは人々から遊離した閉じた存在になっていなかったか、考える必要もあるのではないかと思います。

 「実家が太い」「上級国民」…。

 こうした揶揄が研究者に向けられ、すぐには役立たない研究なんて国の金でやる必要ないよね、役立つ研究、軍事研究をしてよね、となったとしたら…。いや、すでになっていると言えるでしょう。

★統合イノベーション戦略推進会議(第9回)
https://www8.cao.go.jp/cstp/tougosenryaku/9kai/9kai.html

議事

1.研究インテグリティについて
2.安全・安心に関するシンクタンク機能について
3.公的資金による研究データの管理・利活用に関する基本的な考え方について
4.マテリアル革新力強化戦略について

外国からの研究資金、虚偽申告で助成制限
https://www.nikkei.com/articleDGKKZO71354510W1A420C2PE8000/

 研究は富を生み出す泉源であり、それは国を富ますものである、という考えは強まっています。

 「自分たちは社会にとって有用だ、私達を排除することで損をするのは国民ですよ」

 研究者の少なからぬ人はそう思っていると思います。

 ただ、人々から研究するという行為を託された研究者の言動は見られています。

 もちろん、選挙をして文字通り民意を託されている政治家などとは異なりますし、そんなこと言われても困る、と思う人も多いと思います。

 それでも、「自分たちは支援されて当然、困るのはあなた」みたいな上から目線は反発を招きます。科学は重要でも、あなたがやる必要があるのか、と言われてしまいます。もっと別の人がいいと言われかねないわけです。

 「科学のまちなどいらない」が絵空事であってほしいと思いますが、そのために考えるべきことはあるように思います。

★酸素残り2時間分、「譲って」涙の懇願 インド医療崩壊
https://www.asahi.com/articles/ASP4W64CVP4TUHBI01N.html

India’s massive COVID surge puzzles scientists
https://www.nature.com/articles/d41586-021-01059-y

苦しむ母親、見つからない搬送先 「命の選択が現実に」
https://www.asahi.com/articles/ASP4W5T8YP4TPTIL001.html

 新型コロナウイルスの感染拡大は深刻な状況で、インドの指数関数的患者増は、非常に厳しい事態を招いています。私の住む神戸も同様です。

★コロナ禍で顔と名前を売った「感染症専門医」は本当に落ちこぼれなのか
https://m.finance.yahoo.co.jp/news/detail/20210422-00045384-president-column

 診療科に上下関係を持ち込み、見下すのは本当にやめてほしいと思います。

★ワクチン「説得」は逆効果? #健康警察 、善意の「おすすめキャンペーン」の落とし穴 カギは「共感」
https://news.yahoo.co.jp/articles/e7e2fd0195e275b54202485a692a0004c6c3dce7

 これも上から目線の説得は問題だということですね。

★医療人類学から考えるコロナ下の生と死―一度しかない最期の別れを奪っていいのか
https://news.yahoo.co.jp/articles/98b77e1532a4a01e79597a8c9ea982aabc33ac46

チェルノブイリ原発事故から35年 廃炉への具体的なめど立たず
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210426/k10012997401000.html

チェルノブイリ事故の「その後」から、いま私たちが学ぶべきこと
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/48236

チェルノブイリ原発事故の被ばく影響、子どもには引き継がれない=研究
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-56855612

チェルノブイリ、子への影響「最小限」 研究チーム分析
https://www.asahi.com/articles/ASP4T65GQP4RULBJ007.html

No Transgenerational Effects of Chernobyl Radiation Found
https://www.the-scientist.com/news-opinion/no-transgenerational-effects-of-chernobyl-radiation-found-68701

 チェルノブイリの事故から35年。子どもへの影響がないというのは朗報です。

★議事次第 令和3年4月22日 - 総合科学技術・イノベーション会議 - 内閣府
https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20210422.html

ムーンショット新目標検討に関する進捗状況報告について

★大学ファンド資金運用ワーキンググループ - 総合科学技術・イノベーション会議 - 内閣府
https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/sekai/wg1kai/wg1kai.html

議題

(1) ワーキンググループの議事運営等について
(2) 大学ファンドの概要と検討フレーム
(3) 海外運用事例~Commonfundからのヒアリング~
(4) 国内外の市場動向及び各運用資産の概要

★財政制度分科会(令和3年4月21日開催)資料一覧 : 財務省
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20210421zaiseia.html

資料2 文教・科学技術
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20210421/02.pdf

(参考資料2)文教・科学技術(参考資料)
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20210421/04.pdf

大学研究「年功序列」打破を 財制審、若手登用促す
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA20D6E0Q1A420C2000000/

 またまた財務省年功序列が問題なのはその通りですが、単純に筆頭著者だけを比較しても本質を見誤ります。また、研究の生産性の問題は、使われる研究費のなかに直接研究に関係がないものが含まれるという問題を考えずして先に進めません。

国立大学法人等の修学支援事業・研究等支援事業に対する個人からの寄附に係る所得税の税額控除について
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/houjin/1376267_00002.htm

 寄付を促す控除制度。

★「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(答申)(中教審第228号) 【令和3年4月22日更新】
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/079/sonota/1412985_00002.htm

菅総理はオンラインで開催された気候サミットに出席しました
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202104/22kikou.html

菅総理温室効果ガスの削減目標及び緊急事態宣言等について会見を行いました
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2021/0422kaiken.html

菅総理は第45回地球温暖化対策推進本部を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202104/22ondanka.html

菅首相 2030年の温室効果ガス目標 2013年度比46%削減を表明
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210422/k10012991191000.html

気候変動サミットに世界の首脳40人参加と発表 アメリカ政府
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210422/k10012989571000.html

菅首相 気候変動サミット出席へ 温室効果ガスの削減目標が焦点
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210422/k10012989501000.html

★「学長暴走」容認システムをどう変えるか。国立大学法人化後「17年間で“150度”変わった」制度の歪み【国会審議中】
https://www.businessinsider.jp/amp/post-233437

★「彼の自由研究はすでに科学論文」“カブトムシは夜行性”の常識覆した小6男子、共同研究の大学講師も脱帽
https://maidonanews.jp/article/14336399

日本の小学6年生の研究が学術誌『Ecology』に掲載される 「カブトムシは夜行性」の常識を覆す大発見
https://news.yahoo.co.jp/articles/a6bc67e3d1bf1ac62ee95d17dbcf493b36292015

 非常に大きな話題に。筆頭著者になるに十分な研究を行っていた小学6年生。こうした才能を伸ばしたいですね。

★Is MDPI a predatory publisher? - Paolo Crosetto
https://paolocrosetto.wordpress.com/2021/04/12/is-mdpi-a-predatory-publisher/

 オープンアクセスジャーナルを出しているMDPI社。
https://www.mdpi.com/offices/japan

 捕食出版社ではないかとして以前から話題になっていました。

MDPIはハゲタカジャーナルか?MDPIのインパクトファクター(JCR2018)(2019年6月発表)
http://scienceandtechnology.jp/archives/31893

がん診療連携拠点病院等 院内がん登録生存率集計結果閲覧システム初公開 2007・08年10年生存率(初)、2012・2012-13年5年生存率、2014・2015年3年生存率集計公表
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2021/0427_3/index.html

卵巣がんの診断・治療例、ステージIが半数弱-院内がん登録の19年集計、国がん
https://www.cbnews.jp/news/entry/20210427135650

がん10年相対生存率59.4%-院内がん登録で初集計、国がん
https://www.cbnews.jp/news/entry/20210426123151

EU、初のAI規制案 公共空間の顔認証「原則禁止」
https://news.yahoo.co.jp/articles/afed2a0695b7a85b96d18df21da9a2eaf4937fa1

EUのAI規制案、リスク4段階に分類 産業界は負担増警戒
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR229E50S1A420C2000000/

欧州が提案した「AI規制」の流れは、世界へと波及する可能性がある
https://wired.jp/2021/04/26/europes-proposed-limits-ai-global-consequences/

★How a historic funding boom might transform the US National Science Foundation
https://www.nature.com/articles/d41586-021-01076-x

★【中国の給料事情】アルバイトや新卒の平均時給・月収は?物価と比較すると…
https://www.recordchina.co.jp/b875256-s34-c30-d0000.html

「博士号になると月収は一気に跳ね上がり、平均値26,523元(約42万4,000円)」とのこと。流石に多すぎるのでは?特定の分野では?という声がありました。

★Restore autonomy for Pakistan’s Higher Education Commission
https://www.nature.com/articles/d41586-021-01073-0

Pakistan: anger mounts over threat to higher education
https://www.nature.com/articles/d41586-021-01119-3

 パキスタン

★「アカデミアを離れてみたら」特別編(最終回) 丸山宏さん(Preferred Networksフェロー)に聞く〈アカデミアを離れてみたら〉 | アカデミアを離れてみたら | web岩波
https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/4892

 ついに最終回。出版される予定です。

★大学飛び入学に「高卒資格」創設へ 制度利用を後押し
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE15ASX0V10C21A4000000/

 高校2年で中退して京大医学部に入った学生が話題になるなどしていました。

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“Science Communication News”
[SciCom News] No.919 2021年4月27日号 巻頭言
【発行】一般社団法人科学・政策と社会研究室
【制作・編集】サイエンス・サポート・エージェンシー合同会社
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人間の"脆弱性"と新型コロナ

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★発行部数 2,543部(4月21日現在)
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     ◆◇◆  Science Communication News ◆◇◆
         No.918 2021年4月20日号 巻頭言
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【巻頭言】
★人間の"脆弱性"と新型コロナ
2021年4月13日〜4月20日
カセイケン代表 榎木英介

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。

 私は兵庫県(神戸市)を中心に、大阪も含め西日本で仕事をしていますが、まさに感染の拡大のど真ん中にいるわけで、かなり危機感を持っています。

 変異株は感染力が高いうえに基礎疾患のない若い人も重症化する率が高まっています。別のウイルスか、と思うほどアグレッシブであり、今までの対応では全く間に合いません。

 幸いにも私は先週2回目のワクチン接種を受けることができ、副反応も大したことなくすぎました。県をまたいで仕事をしている医療関係者としては助かりましたが、まだまだ患者さんに接する医療関係者すら接種がすんでいない状況のところもあり、非常に心が痛みます。

★ワクチン接種受けてない医師が高齢者に接種 現場から不安の声
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210419/k10012984401000.html

 接種のロジスティクスの問題など、数え上げたらきりがありませんが、何かちぐはぐな気がしています。

★コロナで重症化 約半数の人がイメージ持てず 東大など調査
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210420/k10012985441000.html

★「全国同時ノーマスクピクニック」に批判殺到 自治体は困惑の声
https://mainichi.jp/articles/20210419/k00/00m/040/230000c

 この新型ウイルスは、人間の脆弱性をついて広がっているように思います。

 それは、人間が「ドーダ、すごいだろう」と言いたいという生き物であること、身体感覚として、指数関数をイメージできないこと、そして何より、群れで生きる動物であることなどです。

 ほんとは逆の話で、そうした脆弱性にうまくフィットしたからこれだけ感染が拡大しているということであり、意図や意味があるわけではありませんが、その戦略があまりに「見事」だと言わざるを得ません。

 「ドーダ」は鹿島茂氏が、東海林さだお氏の著書から着想を得て広げた概念で、まあ、お遊び的要素が強い言葉ですが、様々な現象を非常にうまく説明するように思います。

 多くの研究者や医師が合意している事項に、あえて「逆張り」したり、異説を唱えるのもドーダ、異説を売り込むのもドータ。人々の間に新型コロナはただの風邪がはびこるのも、説明は単純ではありませんが、政府の要請なんか意味ないよ、従わない自分はドーダすごいだろう、の一種なのかなと思います。

 もちろん世の中そんな単純なものではないのですが、若い人が活動的で行動範囲も広いという点も、うまく利用されています。

 若い人が軽症や無症状というのは、ウイルスにとってみれば、自らを広げるうえで極めて好都合です。そんな若い人たちに行動制限などの負担を負わせないと広がりを止められないというのは、感染拡大を防ぐ上で難しい課題を突き付けます。

★リスクコミュニケーションで皆が望む社会をめざす
https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2021/3417_01

 武藤香織さん、田中幹人さん、奈良由美子さん。

 個人的にはいずれもお会いしたことのある方です。

奈良 複数の若者にグループインタビューを実施した時のことです。ワクチンを接種するかという問いには,若者全員が様子見すると回答しました。それではどういう状況になったらワクチンを接種するか聞いてみました。すると,家族がワクチンを接種したら自分も接種する。その理由は「自分より感染リスクの高い親が接種しているのに,自分が接種せずに感染して家族を罹患させたら大変だから」というのです。さらに,COVID-19に対応する医療従事者のストレスや医療体制のひっ迫を心配しており,この状況が早く改善されることを望んでいました。

 つまり,自分がワクチンを接種することと,それによって感染者数が減少して医療従事者の負担が軽減されることが結び付いていないのです。

 リスクコミュニケーションが立ち向かうべき課題はとても大きいと感じざるを得ません。

接触確認アプリ「COCOA」の不具合の発生経緯の調査と再発防止の検討について(報告書)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18108.html

 感染が広がっている国には、それぞれ違いがあるわけですが、社会システムの違いすらウイルスの広がりに寄与しているように思います。

 稟議書の印鑑に代表されるような合意形成では、なかなか迅速に対応できない部分があるのかもしれません。

 ちょっと話を拡大しすぎましたが、感染はこれからしばらく広がっていきます。長年持ち越された課題を一気に解決するには時間がありません。この状態のなかやっていくしかないのです…。

三重県における豚熱の確認及び「農林水産省豚熱・アフリカ豚熱防疫対策本部」の持ち回り開催について
https://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/210414.html

栃木県における豚熱の患畜の確認(国内66例目及び67例目)及び「農林水産省豚熱・アフリカ豚熱防疫対策本部」の開催について
https://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/210417.html

 豚熱が発生しました。感染症新型コロナウイルスだけではなく、そして人間だけの問題ではないことを改めて意識させられました。

トリチウムのキャラ化に批判 復興庁、公開休止し修正へ
https://www.chunichi.co.jp/article/236502

トリチウム ゆるキャラのように描き批判相次ぐ 平沢復興相陳謝
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210420/k10012985291000.html

[寄稿]信頼ではなく不信感招いた日本政府のトリチウム「キャラ化」
https://news.yahoo.co.jp/articles/f8c1ce64dc08b2770014085c335a2f6e4eecf6af

 これは人々を馬鹿にしすぎた出来事でした。どうして無知な市民を導くエリート的な発想を超えられないのでしょうか?

★総合科学技術・イノベーション会議 第2回 世界と伍する研究大学専門調査会
https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/sekai/2kai/2kai.html

 現段階は諸外国の財政状況等を検討している段階のようです。

★第182回総会(第25期第2回)日程
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/sokai/nittei182.html

「科学が政治の召し使いになる」 学術会議問題、学者ら声明
https://news.yahoo.co.jp/articles/7c3809642ca77c6aa763ed1d433cd53789791a7c

科技相「自民PTの意見尊重」 学術会議の組織見直し
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA163GW0W1A410C2000000/

日本学術会議 “組織見直しを” 自民が井上科学技術相に伝える
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210416/k10012978511000.html

「任命拒否撤回を」 97歳元学術会議会員、6万2000人署名提出
https://mainichi.jp/articles/20210419/k00/00m/010/264000c

97歳、任命拒否撤回の署名提出 学術会議元会員、戦争協力を反省
https://www.chunichi.co.jp/article/239418

 日本学術会議の総会が開かれています。改革案も含め、自民党や一部世論の学術会議を見る目は厳しく、ある種研究の諸問題の「ラスボス」的扱いを受けています。

 しかし、日本の研究体制は、学術会議をラスボスにして叩けば(つぶせば)よくなる、という単純なものではないと思います。そのあたりリアルに考える人が少ない印象です。

★ポスト・コロナを見据えた新たな大学教育と産学連携の推進
採用と大学教育の未来に関する産学協議会 2020年度報告書
http://www.keidanren.or.jp/policy/2021/040.html

 経団連。なかでもインターンシップを採用に結び付けてもよい、という方針が話題です。

Society 5.0に向けた産学連携による新たなインターンシップの実現
(1)産学協議会としてのこれまでのインターンシップに関する合意事項
(2)中長期的な視点に立った新たなインターンシップのあり方
(3)産学連携による新たなインターンシップ実現に関わる課題

★6 tips to help you detect fake science news
https://www.washingtonpost.com/health/seeing-through-fake-science/2021/04/16/4697caea-86a8-11eb-82bc-e58213caa38e_story.html

Tip 1: Seek the peer review seal of approval.
Tip 2: Look for your own blind spots.
Tip 3: Correlation is not causation.
Tip 4: Who were the study’s subjects?
Tip 5: Science doesn’t need “sides.”
Tip 6: Clear, honest reporting might not be the goal.

中学理科、2021年から遺伝用語「優性・劣性」が「顕性・潜性」に “劣性遺伝”は間違いになる? 文科省に聞いた
https://news.yahoo.co.jp/articles/69a534ac34bf92da36bb693b2116ad068e0f8cab

★Opinion: The Rise of Preprints Is No Cause for Alarm
https://www.the-scientist.com/news-opinion/opinion-the-rise-of-preprints-is-no-cause-for-alarm-68667

★カブトムシは夜行性じゃない?小学生が根気で“常識”くつがえす発見、アメリカの専門誌に掲載される
https://m.huffingtonpost.jp/amp/entry/story_jp_607e271ae4b03c18bc28383d/

★【プレスリリース】外来植物がカブトムシの活動リズムを変化させる | 日本の研究.com
https://research-er.jp/articles/view/98528

 小学六年生が筆頭著者ということで話題です。

 これが「小学生ですら論文出すのに、なぜおまえらは出せない、無能め」などという言説につながらないことを祈りますが…。

★Fifteen journals to outsource peer-review decisions
https://www.sciencemag.org/news/2021/04/fifteen-journals-outsource-peer-review-decisions

NAS Considers Expulsion of Two Scientists for Sexual Harassment
https://www.the-scientist.com/news-opinion/nas-considers-expulsion-of-two-scientists-for-sexual-harassment-68668

 セクシャルハラスメントが研究不正であることは、日本では意識がまだまだ乏しいように思います。

生活保護の有無など学生の個人情報 30国立大で外部提供対象に
https://mainichi.jp/articles/20210420/k00/00m/010/308000c

★Federal agencies expanding disclosure requirements for scientists
https://physicstoday.scitation.org/do/10.1063/PT.6.2.20210413a/full/

 外国との関係を開示せよ、という方向性。日本も同じ方向性ではあります。

 ただ、読売新聞のなんでも「千人計画」に結び付ける論調はいただけません。切り分けて論じる必要があるでしょう。

研究者の中国「千人計画」参加、国立大の3割が把握せず…政府指針がないことなど理由
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210417-OYT1T50298/

★Support Myanmar’s embattled scientists and students
https://www.nature.com/articles/d41586-021-01025-8

 ミャンマーの状況は非常に厳しいものがあります。多くの死者が出ています。日本人ジャーナリストも拘束されました。

★新たな履歴書の様式例の作成について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_kouseisaiyou030416.html

1. 性別欄は〔男・女〕の選択ではなく任意記載欄としました。なお、未記載とすることも可能としています。
2.「通勤時間」「扶養家族数(配偶者を除く)」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の各項目は設けないことにしました。

 非常に重要な決定だと思います。

★「院だけ東大」で陰口も…“学歴ロンダリング”と揶揄される人たちの憂鬱
https://news.yahoo.co.jp/articles/8dd718d0a28769e280aaf044496b44f6984c423e

 学歴ロンダリングという言葉は、大学名が単なるシグナリング効果を示すものでしかなく、その中身を問わないという古い観念です。高学歴を単に偏差値が高い大学という意味で使うこととつながっています。

 いいかげん変えていかなければならないなあと思います。

★「親が貧乏だと就職も結婚もできない」日本の若者を待ち受ける地獄のルート
https://news.yahoo.co.jp/articles/c4f8b3161b8f2dece47932810bc3e207bd8e232d

★収入低い世帯、大学進学率10ポイント上昇 制度後押し
https://digital.asahi.com/sp/articles/ASP4F528HP47UTIL04H.html

低所得世帯の進学率が上昇 昨年度、新制度で
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO70968250T10C21A4CR8000/

 所得がキャリア形成に大きな影響を与えていることは知られるようになりました。

 どんな家庭の人にもチャンスを、というのがきれいごとではなくなる社会を作らなければなりません。

★How junior scientists can land a seat at the leadership table
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00956-6

 意思決定に若手研究者を関与させるための様々な動き。

若手科学者は特定の科学的方法論やプロセスにあまり固執せず、自分の研究を超えた仕事への取り組みが少なく、努力に高レベルのエネルギーと創造性をもたらします。「そのエネルギーは絶対に本物です」

★「食べていかないと…」でもポストがない、研究室の元助手が飛び込んだ「SF翻訳」の世界
https://www.yomiuri.co.jp/culture/20210413-OYT1T50222/

 多様なキャリアパスの実例です。

伊藤淳史佐々木希桐山漣がドラマ共演 日本の科学の問題をサスペンスフルに描く
https://www.oricon.co.jp/news/2191050/full/

伊藤淳史主演 プレミアムドラマ「白い濁流」制作開始!
https://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/30000/447790.html

 研究に関するドラマ。8月とまだ先ですが、ぜひ観てみたいと思います。

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“Science Communication News”
[SciCom News] No.918 2021年4月20日号 巻頭言
【発行】一般社団法人科学・政策と社会研究室
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