科学・政策と社会ニュースクリップ

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歴史的転換点か破綻か〜岐路に立つ日本の科学

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         No.892 2020年10月20日号 巻頭言
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【巻頭言】
★歴史的転換点か破綻か〜岐路に立つ日本の科学
2020年10月13日~2020年10月20日
カセイケン代表 榎木英介

 日本学術会議の問題があらぬ方向に飛び火しています。先週もお伝えした中国に渡った若手研究者へのバッシングです。

 日本学術会議が中国の機関と提携を結んでいたということから、学術会議が中国の千人計画に協力しているとなり、それが千人計画に参加した若手の研究者が軍事研究に協力しているとなり、バッシングが起こっています。

 中国と日本がある種の緊張関係にあるのは事実です。とはいえ、あまりに飛躍しすぎているわけで、Yahoo!ニュース個人に記事を書きました。

★正しく恐れよ「千人計画」
https://news.yahoo.co.jp/byline/enokieisuke/20201019-00203031/

 坊主憎けりゃ袈裟まで憎いとばかりに、無関係な若手研究者を叩くのは何の意味もありません。

★「日本全体が“千人計画”に協力していたようなもの。学術会議を悪者にしても解決しない」海外流出を防ぐため、研究環境の改善が急務
https://blogos.com/article/491087/

 これは私(榎木)も出演していましたが、若手を冷遇し、職がなければ外国に行けとさえ言っていた日本の問題を直視しなければ何の解決もありません。

 グローバル化を叫んでいた人たち、若者の内向き志向を嘆いていた人たちは、全力でバッシングに遭っている若手研究者を擁護しなければなりません。

★ニューズウイーク日本版
特集:科学後退国 ニッポン
https://www.newsweekjapan.jp/magazine/295993.php

 榎木の名前もチラッと出てきます。

★「卓越」研究者でも定職なし 博士離れ加速
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65059250V11C20A0TJM000/

 こちらにも榎木のコメントが掲載されています。

 こうした状況こそ、若手が海を渡ることを背中から押しているわけで、若手を引っ張った中国だけを責めるわけにはいきません。

 学術会議の問題も含め、研究者といいますか、知識人バッシングのようなことが続いています。

 確かに研究者の中には不遜で他人を見下し、国が金を出すのが当然、飢えた人から食べ物を奪って、自分は有益だから生き残る、お前らは死ね、と平然と言い放ちそうな人がウヨウヨいます。

 正直ノブレスオブリージュのノの字もなさそうなこういう人に私は腹立って仕方ないのですが、そういう不快な人を「飼っておく」余裕がなくなったことが、バッシングの背景にあるように思います。

 何度か書いていますが、基礎研究は財政的に余裕のある国しかできませんし、あらゆる分野の基礎研究者が揃っている国はほんの一握りです。

 日本はなんとかそうした国の一つだったわけですが、もう無理と国も国民も判断しつつあるのかもしれません。

 さてどうすればいいか…。

★Tired of science being ignored? Get political
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02854-9

★Candidates from STEM and Medical Fields in the National Elections
https://www.the-scientist.com/news-opinion/candidates-from-stem-and-medical-fields-in-the-national-elections-68038

In New York, chemist Nancy Goroff is battling a Trump loyalist for a seat in Congress
https://www.sciencemag.org/news/2020/10/new-york-chemist-nancy-goroff-battling-trump-loyalist-seat-congress

Scientists and science are on the ballot
https://science.sciencemag.org/content/370/6514/283

★Why Nature supports Joe Biden for US president
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02852-x

What if Biden wins?
https://science.sciencemag.org/content/370/6514/284

★‘Very disappointed.’ Trump’s science adviser has left U.S. researchers wanting more
https://www.sciencemag.org/news/2020/10/very-disappointed-trump-s-science-adviser-has-left-us-researchers-wanting-more

Speed and American elections
https://science.sciencemag.org/content/370/6514/267

 アメリカのトランプ政権の科学軽視は、Nature誌がバイデン支持を表明するほど深刻な状態になっています。

 そして、今回も研究者が大統領選と同時に行われる議会選挙に出馬しています。

 学術会議をめぐる動きの中に、まだ自らが政治家になろうとする研究者は目立っていません。

 思えば全米科学振興協会は、研究者が自らの存在価値をアピールしないと潰されてしまうという危機感から生まれたと聞いています。

 今日本の研究者は、存続の危機という始めての経験に直面しているのかもしれません。

 今回の学術会議への政治介入が、日本の科学コミュニティをどのような方向に向かわせるのか。歴史的転換点になったと後世の科学史家から言われるのか。

 私たちも当事者としての意識を持ちながらしっかりと見ていきたいと思います。

★When Scientists Become Political Dissenters
https://www.scientificamerican.com/article/when-scientists-become-political-dissenters/

 トルコ、ロシア、パレスチナ…。政治の敵とみなされた科学者たち。

シュプリンガー・ネイチャーとドイツMPDLが、Nature を対象に含む転換契約に初めて合意
https://www.natureasia.com/ja-jp/info/press-releases/detail/8814

 ご案内いただきました。重要な契約です。

今回のMPDLとの転換契約は、4年間にわたるものであり、参加機関に所属する著者は、Nature およびNature関連リサーチ誌への掲載を認められた研究論文を、費用の負担なしに直ちにオープンアクセス(OA)で出版することが可能になります。また、参加機関は、既存ならびに今後創刊されるNature関連レビュー誌およびNature関連誌を含むNature のポートフォリオを全て閲覧することができます。

 今後こうした大規模な提携が加速していくように思います。

★Researchers face hurdles to evaluate, synthesize COVID-19 evidence at top speed
https://www.sciencemag.org/news/2020/10/researchers-face-hurdles-evaluate-synthesize-covid-19-evidence-top-speed

★現在の感染状況に対する分科会から政府への提言 令和2年10月15日(木)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/seifu_teigen_11.pdf

新型コロナ “増加要因と減少要因がきっ抗” 政府の分科会
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201015/k10012665681000.html

新型コロナウイルス感染症対策分科会(第11回)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/corona11.pdf

★偏見・差別とプライバシーに関するワーキンググループ
令和2年10月16日
第3回資料(議事次第)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/wg_h_3.pdf

【資料1】(日本病院協会・相模原中央病院)偏見・差別とプライバシーに関するWG資料
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/wg_h_3_1.pdf

【資料2】(日本看護協会)医療現場における差別・偏見の実態、課題と対応策等日本看護協会
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/wg_h_3_2.pdf

【資料3】(全国老人福祉施設協議会新型コロナウイルス感染症に伴う偏見・差別への対応について
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/wg_h_3_3.pdf

【資料4】日本弁護士連合会資料
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/wg_h_3_4.pdf

【資料5】(立正大淞南高校)メガクラスター発生時の偏見・差別対策とプライバシー保護の取り組みについて
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/wg_h_3_5.pdf

【資料6】(三重県)偏見・差別の実態と取組等に関する調査
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/wg_h_3_6.pdf

【資料7】(法務省法務省の人権擁護機関における人権相談等の取組について
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/wg_h_3_7.pdf

【資料8-1】(文部科学省新型コロナウイルス関連の差別についてて
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/wg_h_3_8.pdf

【資料8-2】(文部科学省)201016差別・偏見啓発動画
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/wg_h_3_9.pdf

 差別の問題は非常に重要な課題です。

新型コロナウイルス感染症対策分科会 大都市の歓楽街における感染拡大防止対策 ワーキンググループ (第3回)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/kanrakugai_wg_3.pdf

★新技術の活用による新たな日常の構築に向けて
https://www8.cao.go.jp/cstp/201009shingijutu.html

令和2年度「国立大学イノベーション創出環境強化事業」の選定結果について
https://www8.cao.go.jp/cstp/stmain/20201019daigaku.html

★「第6期基本計画に盛る政策目的 各種指標に分解して進捗管理」CSTIが方針
https://sci-news.co.jp/topics/3981/

★科学技術・学術審議会(第64回)配布資料
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu0/shiryo/mext_00003.html

議題

次期科学技術・イノベーション基本計画について
最近の科学技術・学術の動向について
各分科会等の報告について
その他

★「科学技術・イノベーション基本計画」策定に向けて
http://www.keidanren.or.jp/policy/2020/099.html

 第6期科学技術・イノベーション基本計画に関する議論が進んでいます。

★来年度概算要求 科学技術関連は約4兆6458億円
https://sci-news.co.jp/topics/3967/

菅総理は第1回成長戦略会議を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202010/16seicho.html

政府 新たに「成長戦略会議」設置 元金融アナリストら8人任命
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201016/k10012666151000.html

新設の成長戦略会議、年末に中間取りまとめ-政府
https://www.cbnews.jp/news/entry/20201019142849

「日本のインターネットの父」慶大の村井純教授が内閣官房参与に デジタル政策分野を担当
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2010/13/news142.html

★第2回輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)受賞者の決定と表彰式開催について
https://www.jst.go.jp/pr/info/info1458/index.html

★ニュース「第2回『輝く女性研究者賞』に理研・坂井氏と東工大・星野氏」
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2020/10/20201015_01.html

★改訂 Society 5.0の実現に向けた規制・制度改革に関する提言
-2020年度経団連規制改革要望-
http://www.keidanren.or.jp/policy/2020/091.html

★主要政党の政策評価 2020
http://www.keidanren.or.jp/policy/2020/097.html

★21年卒での就職活動に難しさを感じた大学院生は56.4% =アカリク調べ=
https://ict-enews.net/2020/10/15acaric/

★悪循環から好循環へ若者の研究者離れを防ぐ
https://www.news24.jp/articles/2020/10/14/07741217.html

★今こそ「大学非常勤講師」の過酷な待遇の議論を
https://webronza.asahi.com/science/articles/2020101600003.html

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[SciCom News] No.892 2020年10月20日号 巻頭言
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学術会議問題 広がるフェイクニュース

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【巻頭言】
★学術会議問題 広がるフェイクニュース
2020年10月6日~2020年10月13日
カセイケン代表 榎木英介

 半日発行が遅れました。ネット番組に出演しており対応が遅れました(後述)。

 日本学術会議の問題ですが、一見すると膠着状態に陥ったままに見えます。そんな中、自民党では学術会議の在り方の検討が始まります。

菅首相日本学術会議」自民でも十分議論するよう要請
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201013/k10012661571000.html

自民「学術会議」の在り方検討し直す作業チーム きょう初会合
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201014/k10012662231000.html

 すり替えだろうという批判は強いですし、見直しは任命問題が決着してからやるべきだと思いますが、これも「シナリオ」通りなのでしょうか…。

菅首相が学術会議人事で大ナタをふるった本当の理由
https://president.jp/articles/-/39529

 そしてあからさまなフェイクニュースの流通。

Fact・Check:誤り 日本学術会議、任命拒否された6人 「ツールで低評価」
https://mainichi.jp/articles/20201011/ddm/041/010/059000c

「学術会議会員になれば年金増える」はデマ 野党ヒアリング詳報その2
https://mainichi.jp/articles/20201006/k00/00m/010/320000c

アメリカ、イギリスの「学者団体には税金は投入されていない」は誤り。日本学術会議をめぐり、橋下徹氏の発言が拡散
https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/gakujutukaigi-fact-check-2

日本学術会議幹部が「北大総長室に押しかけ研究を辞退させた」は誤り。記事は訂正、しかし誤情報が拡散
https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/gakujutukaigi-fact-check-3

学術会議が「レジ袋有料化を提言」は誤り。ネットで拡散、実際は「海洋プラスチック」問題?
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/gakujutukaigi3

学術会議が「中国の千人計画に積極的に協力」とした自民・甘利議員、ブログをひっそり修正
https://news.yahoo.co.jp/articles/d31545462ead9252c25cea3786c5875ab78f6b08

 千人計画に関しては、推論に推論を重ねて関わった日本人研究者を叩く動きがあり、非常に問題だと思います。

日本学術会議 加藤長官「『千人計画』の支援は承知していない」
https://www.sankei.com/politics/news/201012/plt2010120004-n1.html

 ネット番組に出たのはこの千人計画についての解説で、ウェブ出演でした。スタジオの激論に言いたいことを言えなかったのが残念でした。

千人計画
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%83%E4%BA%BA%E8%A8%88%E7%94%BB

「千人計画」
https://spc.jst.go.jp/policy/talent_policy/callingback/callingback_05.html

 千人計画の懸念は、デュアルユースの問題だと思いますが、研究者が全てデュアルユース可能な研究をしているわけでは無く、基礎科学者も多くいます。

 要はシンガポール始め日本も沖縄科学技術大学院大学で行なっている、「研究力向上」を狙ったものだと思われます。

 それが大学などの研究機関のランキングを上げることにつながります。

 中国の大学のランキングをあげることが問題であるならば、日本も世界から人材を引き抜くなり流出をふせぐなりすればいいわけです。国際的人材獲得競争に敗れつつあることを他国のせいにしても何も変わりません。

 デュアルユース問題ですが、日本学術会議は大学の研究に対する声明を出しており、賛否いろいろあるものの、民間企業等の研究までは禁止していません。

 そもそも以下の声明を読まずに発言している人が多いようにも感じます。

軍事的安全保障研究に関する声明
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-23-s243.pdf

研究成果は、時に科学者の意図を離れて軍事目的に転用され、攻撃的な目的のためにも 使用されうるため、まずは研究の入り口で研究資金の出所等に関する慎重な判断が求められる。大学等の各研究機関は、施設・情報・知的財産等の管理責任を有し、国内外に開かれた自由な研究・教育環境を維持する責任を負うことから、軍事的安全保障研究と見なされる可能性のある研究について、その適切性を目的、方法、応用の妥当性の観点から技術 的・倫理的に審査する制度を設けるべきである。学協会等において、それぞれの学術分野 の性格に応じて、ガイドライン等を設定することも求められる

 中国で研究したら全て軍に使われるというのは雑すぎるわけで、論文として公開されたものは世界に公知となります。

 また、先に世界大学ランキングに触れましたが、今や日本の東大より上位の中国の大学は多々あります。論文数、論文引用などでも、日本は中国の後塵を拝しています。

 後進国中国が先進国日本から何かを盗むという認識が、現実離れしているように感じます。

 安全保障の懸念は分かりますが、それは個別に対応すべきであり、アメリカの対中政策に関わるポッティンジャー大統領副補佐官でさえ、中国人留学生は歓迎であり、40万人の留学生のうち問題にするのは1%である、「外科的アプローチ」で脅威を取り除くと述べています。

U.S. targets only one percent of Chinese students over security-White House official
https://financialpost.com/pmn/business-pmn/u-s-targets-only-one-percent-of-chinese-students-over-security-white-house-official

 中国にいる日本人研究者はすべて売国奴などというレッテル貼りは、日本の国益に反していることは認識しておくべきだと思います。あくまで個別に対応すべきです。

 ともかく、雑な議論、誤解曲解が多すぎます。

★誤解だらけの日本学術会議
https://news.yahoo.co.jp/byline/enokieisuke/20201010-00201972/

 ヤフーニュースに榎木が書いた記事です。それなりに読まれていますが、フェイクニュースよりは少ないでしょう…。一旦拡散したフェイクニュースの影響は大きいですね…。

★Why Nature needs to cover politics now more than ever
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02797-1

日本学術会議の任命拒否問題、海外科学誌も注目 英ネイチャー、米サイエンス
https://www.chunichi.co.jp/article/135180

 ネイチャーなども学術会議の問題を報じていますが、外国が報じたからどうこう、というのはあまり好ましいものではないようにも思い複雑です…。

★学術会議問題は「学問の自由」が論点であるべきなのか?
https://wirelesswire.jp/2020/10/77680/

続・学術会議問題 手続きの合理性と学問の自由は別次元にある
https://wirelesswire.jp/2020/10/77712/

 村上陽一郎氏。氏の意見としては意外に思う人が多かったです…。

★Wear your mask, but think about deaf students
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02823-2

 重要な問題。

★学術会議の問題、安易な「民営化」が解決策にならないと言える理由
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/76358

 歴史を知ることが大切です。

日本学術会議問題~会員候補6人が選ばれなかった「複雑な理由」
https://news.1242.com/article/249031

ハンガリー大学改革は違法
EU裁「学問自由損なう」
https://this.kiji.is/686372860950070369

 学問の自由は世界でも問題に。

★チームNEXTステップ
https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/COVID-19/index.html

★新技術の活用による新たな日常の構築に向けて
https://www8.cao.go.jp/cstp/201009shingijutu.html

★「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~すべての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(中間まとめ)(令和2年10月 初等中等教育分科会)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/houkoku/1382996_00006.htm

国立大学法人の戦略的な経営実現に向けて~社会変革を駆動する真の経営体へ~ 中間とりまとめ(令和2年9月)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/105/mext_00531.html

新型コロナウイルス流行の研究活動への影響等に関する調査-博士人材データベース(JGRAD)におけるウェブアンケート調査- [調査資料-298]の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/45780

★科学技術イノベーション政策関連シンクタンクの専門家ワークショップによる研究開発領域抽出[調査資料-299]の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/45832

東京港ヒアリ700匹 幼虫、さなぎも発見
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64729070X01C20A0000000/

東京港大井ふ頭及び青海ふ頭におけるヒアリの確認について
https://www.env.go.jp/press/108535.html

★Research integrity: nine ways to move from talk to walk
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02847-8

 研究公正を達成するための方法。

★Sweden's gamble
https://science.sciencemag.org/content/370/6513/159.full

 何かと話題になるスウェーデンの新型コロナ政策。

★研究支える女性技術職員知って 阪大にネットワーク発足
https://www.asahi.com/articles/ASNB56X8ZNB3PTIL01G.html

 なぜ女性だけ?という声も一部にありましたが、注目です。

 科学コミュニティはこうした方々に十分目配せしてきたでしょうか?

★「大学院生にも給付型奨学金を」「国は科学を衰退させたいとしか思えない」、若手研究者の切実な声
https://news.yahoo.co.jp/byline/murohashiyuki/20201010-00202389/

 若手の生の声。悲痛です。

 科学コミュニティはこうした声に応えなければなりません。

★「正しい医療情報に拘る人」がわかってない本質
時と場合によって「正しさ」は変わってくる
https://toyokeizai.net/articles/-/378870

★このままでは日本からノーベル賞受賞者が出なくなる? 資金不足、人材流出、逸材を伸ばせない社会
https://times.abema.tv/news-article/8627993

 榎木が出演しました。

★小手先の政府とマスコミが科学技術立国壊す:大改革の担い手は無く、日本衰退は決定的
https://blogos.com/article/490694/

Japan’s government must seek out expert scientists
Yoshiyasu Takefuji
Keio University, Fujisawa, Japan.
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02813-4

 政策に科学者をうまく活用せよとの意見。

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日本学術会議問題の論点

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【巻頭言】
日本学術会議問題の論点
2020年9月29日~2020年10月6日
カセイケン代表 榎木英介

 このメルマガの読者の方々なら、我々が地味に日本学術会議の動向を追っていたこと、提言などをピックアップしていたことはご存知だと思います。

 私もNPO法人サイエンス・コミュニケーション時代にはサイエンスカフェのイベントで学術会議と関わっていましたし、若手アカデミーのメンバーの方々とは交流がありました。

 しかし、日本学術会議がここまで一般の人々も含めた話題になるとは思ってもみませんでした。

 菅総理の新規会員任命拒否です。

 梶田会長のもと始まった25期にいきなり難題が降りかかったという感じです。

「第25期新規会員任命に関する要望書」
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/kanji/pdf25/siryo301-youbou.pdf

第25期会員名簿(新会員のみ)
http://www.scj.go.jp/ja/scj/member/pdf/25n_kaiin_meibo.pdf

第25期会員名簿(継続会員含む)
http://www.scj.go.jp/ja/scj/member/pdf/25kaiin_meibo.pdf

第25期連携会員名簿
http://www.scj.go.jp/ja/scj/member/pdf/25renkei_meibo.pdf

 以下報道など。かなり多くの報道が出ているので、あくまで一部のみです。

学術会議任命拒否
https://mainichi.jp/sciencecouncil/

#排除する政治~学術会議問題を考える:任命拒否の理由を語らない菅首相の戦略 忖度使う国民支配への道 中島岳志氏が読む
https://mainichi.jp/articles/20201003/k00/00m/040/135000c

官邸、安倍政権時の16年にも学術会議人事介入 差し替え求め、事実上拒否
https://mainichi.jp/articles/20201002/k00/00m/010/335000c

日本学術会議推薦の6人、任命されず 菅首相に任命権
https://www.asahi.com/articles/ASNB14CDTNB1UTIL01F.html

日本学術会議は「学者の国会」 科学政策を政府に提言
https://www.asahi.com/articles/ASNB166XVNB1ULBJ00K.html

日本学術会議除外された6人は 「学問への介入」と批判
https://www.asahi.com/articles/ASNB16RZSNB1UTIL03W.html

立民 枝野代表 任命見送り 「明確な違法行為」と批判
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201004/k10012647871000.html

研究者ら官邸前で抗議集会 任命拒否「不当」と300人
https://www.chunichi.co.jp/article/131297

日本学術会議、首相宛てに要望書提出 説明と任命求める
https://www.asahi.com/articles/ASNB364R9NB3ULBJ008.html

日本学術会議」をどう考えるか-個人的な見解
https://togetter.com/li/1601382

学術会議任命見送りで野党が政府の国会説明を要求
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201005/k10012648591000.html

加藤氏「構造的変更ではない」 学術会議人事の法的解釈
https://www.asahi.com/articles/ASNB545HKNB5UTFK006.html

学術会議人事、野党が官房長官出席の閉会中審査求める
https://www.asahi.com/articles/ASNB53WFFNB5UTFK005.html

学術会議・任命拒否はなぜ問題なのか?
http://tawaraotoko.blog.fc2.com/blog-entry-1895.html

菅首相 学術会議の任命見送り「学問の自由とは全く関係ない」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201005/amp/k10012649301000.html

映画監督や脚本家らが撤回求める抗議声明 学術会議任命見送り
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201005/k10012649261000.html

問題だらけの「日本学術会議」は、今すぐ「民営化」するのが正解だ
https://news.yahoo.co.jp/articles/5924719aa407193ef0040ab294263009c5473fa6

不信を呼ぶ不毛な力の誇示 学術会議の任命拒否問題
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64605430V01C20A0000000/

日本学術会議、どんな存在か 教育学者・佐藤学さん、科学史家・隠岐さや香さん
https://www.asahi.com/articles/DA3S14647918.html

首相に「一定の監督権」 内閣府、18年に見解 学術会議任命拒否
https://mainichi.jp/articles/20201006/k00/00m/010/077000c

官邸、前回の学術会議選考にも関与 推薦前に名簿要求
https://www.asahi.com/articles/ASNB575QZNB5UTIL04S.html

日本学術会議のこと
https://chez-nous.typepad.jp/tanukinohirune/2020/10/scj-issue.html

日本学術会議のこと(2)
https://chez-nous.typepad.jp/tanukinohirune/2020/10/scj-issue-2.html

日本学術会議会員任命拒否について、アカデミック・コミュニティはどのような態度で臨むべきか: 様々な差別と人道に関する論点を忘れない
http://blog.talktank.net/2020/10/blog-post.html

「法律論」「学問の自由」をはるかに超える大問題
学術会議の会員任命拒否には誠実な説明が必要だ
須藤靖 東京大学教授(宇宙物理学)
https://webronza.asahi.com/science/articles/2020100400001.html

学術会議の会員任命拒否の「とんでもなさ」
学術界と社会の健全な関係作りをぶち壊す菅政権
高橋真理子 朝日新聞科学コーディネーター
https://webronza.asahi.com/science/articles/2020100200004.html

会員わずか210人 「研究者の頂点」学術会議とは
https://www.asahi.com/articles/ASNB57J0ZNB5UTFK017.html

自民党日本学術会議の役割を議論へ
https://news.yahoo.co.jp/articles/517157a6820367a112cb6bab70b579d5c2f6f3bc

3教授、重ねて首相批判 「逸脱行為」「忖度働く」
https://www.chunichi.co.jp/article/132256

「学問の自由踏みにじる」 任命拒否で軍事研究反対団体
https://www.chunichi.co.jp/article/132303

学会、映画界からも批判 学術会議任命拒否
https://www.chunichi.co.jp/article/132411

もろい「学問の自由」 歴史の反省、軽んじた政治の介入
https://www.asahi.com/articles/ASNB57J43NB5UTIL04C.html

学術会議人事、野党が官房長官出席の閉会中審査求める
https://www.asahi.com/articles/ASNB53WFFNB5UTFK005.html

Japan’s new prime minister picks fight with Science Council
https://www.sciencemag.org/news/2020/10/japan-s-new-prime-minister-picks-fight-science-council

 私としては論点整理には、以下の文章が参考になりました。

日本学術会議会員の任命拒否について私の考えるところ
https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/79653/5485ca10327817ef9bb1c8b64b752d95

 全国紙の社説を見ると、予想通りの反応が出ています。

学術会議人事 説得力ない首相の説明
https://www.asahi.com/articles/DA3S14647852.html

学術会議人事 学問の自由 脅かす暴挙
https://www.asahi.com/articles/DA3S14644624.html

学術会議6氏任命せず 看過できない政治介入だ
https://mainichi.jp/articles/20201003/ddm/005/070/108000c

なぜ学者6人を外したのか
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64549470S0A001C2SHF000/

 朝日、毎日は積極的に報道していますし、日経も報道が多いです。

学術会議人事 混乱回避へ丁寧な説明が要る
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20201005-OYT1T50201/

 読売は積極的ではありません。学術会議にも問題ありという姿勢。

日本学術会議 人事を機に抜本改革せよ
https://www.sankei.com/column/news/201003/clm2010030002-n1.html

 産経は完全に学術会議に問題ありと言っています。

 実のところ、ネットやテレビを見ると、どうも誤解に基づいた議論が多いように思います。

 日本学術会議日本学士院が混同されたりしています。「なくせ」「民営化しろ」という議論もありますが、日本学術会議は各国の科学アカデミーとの交流なども担っており、どこが日本の科学アカデミーとして各国のアカデミーと交渉にあたるのか、という問題もあります。

 賛成にせよ反対にせよ、正しい知識のもとでの議論が重要です。

 2007年には私はこんな文章を書いています。

日本には代表的な科学者の職能団体(科学アカデミー)として日本学術会議が存在し,科学技術政策に意見を言える立場にある.しかし,メンバーが概ねトップ研究者に
限られており,大学院生の経済問題や,若手研究者のキャリア問題など,若手研究者を取り巻く問題に対する課題別委員会は存在しないなど,こうした問題への取り
組みに積極的とはいえないように感じる.2006年より始まった第20期で大きな改革がなされ,40代の研究者も議員に選ばれた.今後の日本学術会議の取り組みに期待
したい.ただアメリカにも全米科学アカデミーが存在しており,それと同時に民間非営利の AAASが存在していることを考えると,日本学術会議に過度な期待をするの
は筋違いかもしれない.

なぜ我々はAAASに注目するのか
科学技術コミュニケーション2巻 p49-55, 2007
http://hdl.handle.net/2115/28258

 その後若手アカデミーが出来るなど、色々改革があったと思います。ただ、いくつかの提言は評価するものの、提言に実効性が伴っておらず、期待ほどではないなあと思ったりもしています。

★科学技術立国支える 大学院の博士課程学生数 ピーク時の半分に
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201004/k10012648001000.html

 学術会議だけのせいではないですが、このような状態に…。

 上の文章で書いた通り、学術会議に期待しすぎてはいけません。やはり今こそ日本版のAAASのような組織が必要だと痛感しています。

 しかし、ちょっと気になるのが、異議申し立ての動きが超党派にならないことです。

 自民党の中にも船田元氏のように問題提起をする人がいます。

自民・船田氏「明らかに解釈変更」 学術会議人事を批判
https://www.asahi.com/articles/ASNB55FZXNB5UTFK008.html

日本学術会議の会員任命拒否について
https://bit.ly/34p98p8

 色々な立場の方々が超党派で問題提起できればと思うのですが、党派的な動きになっているのが残念です。

【総長メッセージ】日本学術会議会員任命拒否に関して
https://www.hosei.ac.jp/info/article-20201005112305/

 菅総理の出身校である法政大学の田中優子総長。

現在、日本学術会議の会員は、ノーベル物理学賞受賞者である現会長はじめ、各分野における国内でもっともすぐれた研究者であり、学術の発展において大きな役割を果たしています。内閣総理大臣が研究の「質」によって任命判断をするのは不可能です。

 他にも菅総理に学術業績がないから任命などできないという意見も一部にあります。また、学術会議が素晴らしい団体だから、素晴らしい人がいるから守らなければならないという意見もあります。

 それでは共感の輪が広がらないのではないかと危惧します。

 そういう業績主義が強すぎると、排他的になり、抑圧的になり、人々の反感を買ってしまうのではないか…。

 総理大臣は選挙で選ばれた議員の中から、さらに選ばれた人であり、科学的な業績がなくても大きな権限を持っています。

 そうした大きな権限は抑制的に使わなければならないと切に思いますが、人々から選ばれた人であるという意味は大きく、学術業績がないからといって無視も軽視もできないはずです。

 論点を絞り、その点に関して立場を超えて共闘できるような形にしないと、分断は埋まらないのではないか…。

 日本学術会議がどんなに腐敗していようと、逆に高貴な人たちで運営されていようと、そこは論点ではないはずです。

 私も上述の文章の通り、日本学術会議は期待に応えていないと思っています。

 架空の物語のことではありますが、「銀河英雄伝説」の主人公ヤン・ウェンリーは、自由惑星同盟が腐敗し、ろくでもないことを知りながら、自由と民主主義のために戦っていました。

 そういう方向にならないものかと思ってしまいます。

東大学長選が大混乱 「プロセスが信用失っている」、教員有志が大学に質問状
https://www.tokyo-np.co.jp/article/58028

大混乱の末ついに決着 東大の次期学長に副学長の藤井輝夫氏
https://www.tokyo-np.co.jp/article/59289

東京大 新総長選考めぐる会議の音声データを事務局が消去
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201005/k10012648621000.html

 大学にも大きな問題が…。

 ノーベルウイークです。
https://www.nobelprize.org/

 しかし、今回の日本学術会議の件で、日本学士院が混同されて不当な攻撃を受けています。

 ノーベル賞受賞者をこれほどまで待望するのだったら、学術的な業績があった人に年間250万円終身であげてもいいのではないか、と思ってしまうのですが…。

★HHMI, one of the largest research philanthropies, will require immediate open access to papers
https://www.sciencemag.org/news/2020/10/hhmi-one-largest-research-philanthropies-will-require-immediate-open-access

Powerful US research funder unveils strict open-access policy
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02793-5

 著名研究所がオープンアクセスに。

特許庁の行政手続き、全てデジタル申請可能に
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64574140S0A001C2EA4000/

★令和3年度予算(文科省
https://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/r01/1420672_00002.htm

 各省から概算要求が出揃いました。

★大学の研究支援のファンド、政府が創設へ 10兆円規模
https://www.asahi.com/articles/ASNB132VBN9YULBJ00M.html

 これは

https://www.mext.go.jp/content/20200929-mxt_kouhou01-000010168_10-2.pdf
の28ページに出ています。

★事後評価書(令和元年度実績)
https://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/kekka/1420759_00003.htm

★大学等における後期等の授業の実施方針等に関する調査結果(地域別)
https://www.mext.go.jp/content/20201002-mxt_kouhou01-000004520_3.pdf

★リサーチ・アドミニストレーター活動の強化に関する検討会(第11回)配布資料
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/035/shiryo/mext_00001.html

新型コロナウイルス流行の研究活動への影響等に関する調査-博士人材データベース(JGRAD)におけるウェブアンケート調査- [調査資料-298]の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/45780

日本企業の研究開発マネジメントとイノベーションの現状 -「研究開発マネジメントに関する実態調査」結果概要-[DISCUSSION PAPER No.189]の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/45735

★『サイバーセキュリティ体制構築・人材確保の手引き』を取りまとめました
https://www.meti.go.jp/press/2020/09/20200930004/20200930004.html

東京港ヒアリ500匹超 青海ふ頭コンテナヤード
https://www.chunichi.co.jp/article/130073

東京港青海ふ頭におけるヒアリの確認について
https://www.env.go.jp/press/108520.html

横浜港におけるヒアリの確認について
https://www.env.go.jp/press/108509.html

 ヒアリの発見が相次いでいます。関心を失わずに。

★ずさんな「ハゲタカ誌」使用を防げ 学術会議がコンソーシアム設立を提言
https://mainichi.jp/articles/20200929/k00/00m/040/287000c

 榎木がコメントをしています。

★Disgraced researchers can still reap drug industry payouts
https://science.sciencemag.org/content/370/6512/27.full

 FDAから制裁を受けた医師が製薬会社からコンサル料などとして資金を得ていたとのこと…。

★厳しいビザ制限でアメリカンドリームを打ち砕かれた若き科学者5人の証言
https://gigazine.net/news/20200930-american-dreams-shattered-visa-scientists/

★世界的快挙の後で予算削減 困惑の天文台・水沢観測所と、研究者の思い
https://news.yahoo.co.jp/feature/1816

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“Science Communication News”
[SciCom News] No.890 2020年10月6日号 巻頭言
【発行者】一般社団法人科学・政策と社会研究室(担当 榎木英介)
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憲法違反の博士、コスタリカの科学者育成戦略

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         No.889 2020年9月29日号 巻頭言
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【巻頭言】
憲法違反の博士、コスタリカの科学者育成戦略
2020年9月22日~2020年9月29日
カセイケン代表 榎木英介

 ノーベルウィークが近づいてきて、毎年恒例の「引用栄誉賞」も発表されました。

★2020年の「引用栄誉賞」受賞者を発表
https://clarivate.jp/blog/Citation_Laureates_2020

 今年のノーベル賞は、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、式典なしとのことです。今年受賞するのは嫌、という人は…いますかね。

ノーベル授賞式、コロナで変更
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO64159370T20C20A9CR8000/

ノーベル財団
https://www.nobelprize.org/

ノーベル賞予想やめました 反響過熱、背景紹介に変更 科学未来館
https://mainichi.jp/articles/20200925/dde/007/040/022000c

 一喜一憂することはしたくありませんが、毎年この時期になると日本の「科学力」の記事が増えます。カセイケン榎木も複数の取材を受けています。一部は日本人ノーベル賞受賞者が出た場合に記事になるとのことです。

★【図解】日本の研究力が落ちた「本当の理由」
https://newspicks.com/news/5254535

★【山極壽一】日本は失敗を大学に押し付けてきた
https://newspicks.com/news/5256625

山極寿一氏「若手の声を届けて」 学術会議会長が退任前に会見
https://www.chunichi.co.jp/article/126190

★〈科技立国 落日の四半世紀〉(1)つまずきは若手軽視から
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO64269380V20C20A9TJM000/

日本の研究力低下、つまずきは若手軽視
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64202910U0A920C2TJM000/

無給博士は憲法違反、日本の研究力低迷 野依良治
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64174660U0A920C2000000/

 憲法違反とはなかなかインパクトあるなと思いました。しかし日経新聞の記事では「戦犯」とされる有馬朗人氏、若手に圧迫的な態度を取ったとされる野依良治氏が語ることに、SNS上では反発も出ていました。

★「ポストドクター等の雇用・進路に関する調査(2018 年度実績)」速報版の公表について
https://www.nistep.go.jp/archives/45706

ポストドクター等のうち、男性は、10,948 人(70.2%)、女性は、4,642 人(29.8%)であり、平均 年齢は、37.5 歳(男性 37.2 歳、女性 38.1 歳)であった。前回の調査に比べ、女性の割合が 増加し、全体の平均年齢の上昇が認められた。

 これだけ日本の科学の分析記事が出ても、根本的な問題の解決の動きがありません。ポスドクは老いてきています。

 ノーベル賞という季節に合わせるのではなく、通年で地道な努力を行なっていくことが求められています。誰がやりますか?あなたしかいません…。

 汗をかいてコミットする人が今求められています。もちろん、在野の我々も続けていきます。

★Seeking a niche
https://science.sciencemag.org/content/369/6511/1558

 サイエンス誌の非常に興味深い記事。人口500万人のコスタリカ生物多様性に富んでおり、生物学者が次々生まれています。政府がポジションを約束した上で博士号取得のために若者を世界各地に送り出しているとのこと。

 しかし、500万人程度の国では、学位を得た人が国内に職を得ることが難しい場合も多く、意に沿わない職に就いている人も多いとのことです。

 日本は中国やアメリカに並ぶ「大国」であるとの意識を多くの人が持っています。

 確かに人口1億2千万人は決して小国ではありません。

 しかし、米中に並ぶ大国とまでは言い難く、自らの位置づけを変えていく必要があるのではないかと思います。

 大国ではないけれど、コスタリカのような小国ではない。

 英独仏は人口的には日本より小さいですが、研究では存在感があります。中より大よりの国として、米中と比較するのは辞め、中規模国としての戦略を考えた方が良いのかもしれません。

★A tropical research treasure faces difficult times
https://science.sciencemag.org/content/369/6511/1561

 そのコスタリカですが、COVID-19が研究に大きな影響を与えているとのこと。

新型コロナウイルス感染症対策分科会
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/yusikisyakaigi.html#3

第10回資料
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/corona10.pdf

人の移動に関する分科会からの提言
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/hito_ido_teigen.pdf

新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種について(中間とりまとめ)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/corona_vaccine_1.pdf

別紙 新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種について(中間とりまとめ)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/corona_vaccine_2.pdf

新型コロナウイルス感染症対策分科会 偏見・差別とプライバシーに関するワーキンググループ (第2回)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/wg_h_2.pdf

菅総理は第43回新型コロナウイルス感染症対策本部を開催しました
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202009/25corona.html

新型コロナウイルス感染症対策本部(第 43 回)
https://www.asahi.com/articles/ASN9H66FLN9HULBJ00X.html

 新型コロナウイルスの動向は、連休を挟んで非常に気になる状態にあり、再び拡大する可能性を孕んでいます。今できる準備を怠らないことが不可欠です。

★Online learning cannot just be for those who can afford its technology
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02709-3

 Nature巻頭言。

 オンライン化に対応できない子供たちなどへの対策はいますぐ行うべき喫緊の課題です。

群馬県における豚熱の確認及び「農林水産省豚熱・アフリカ豚熱防疫対策本部」の開催について
https://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/200926.html

群馬の養豚場で豚熱確認 5390頭殺処分へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64294820W0A920C2000000/

★名古屋港におけるヒアリの確認について(令和2年9月17日の続報)
https://www.env.go.jp/press/108496.html

ヒアリの「女王」、名古屋港に多数 拡散の恐れ
https://mainichi.jp/articles/20200926/ddm/041/040/115000c

名古屋港でヒアリの女王が数十匹 既に別の場所で繁殖か
https://mainichi.jp/articles/20200925/k00/00m/040/186000c

 豚熱の拡大、ヒアリ定着の危機…。いずれも新型コロナウイルスの影に隠れたニュースになりがちですが、大きな問題です。関心を失わないようにしないといけません。

★次期科学技術・イノベーション基本計画の共創に向けた全国キャラバン
https://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/caravan2020.html

 複数箇所でキャラバンを行い、意見聴取するとのことです。

★外国の資金協力、科研費にも開示義務 経済安保で厳格化
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64345400Y0A920C2PP8000/

文部科学省内閣府などは当初、資金源の開示を義務付ける対象から科研費を外していた。政府系4機関と対応が異なり、政府・与党内から「同じ税金を使う科研費を除外するのは理屈が立たない」との意見も出た。

 気になる動きです。アメリカの動向にも影響を受けています。

★AI人材獲得・人材育成及び研究環境整備に関するアンケート調査 御協力のお願い
https://www8.cao.go.jp/cstp/stmain/20200928aijinzai.html

 10月16日まで。

★規制改革・行政改革ホットライン(縦割り110番)について
https://form.cao.go.jp/kokumin_koe/opinion-0009.html

 オフィシャルサイトでの意見募集です。

★諸外国の教育動向2019年度版
https://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/gaikoku/detail/mext_00936.htm

 重要資料発売。

★大学院部会(第98回) 配付資料
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/004/gijiroku/1422801_00003.htm

議題

大学院設置基準の一部を改正する省令について(報告)
「ジョブ型研究インターンシップ」について
大学院の国際化について
大学院レベルの履修証明プログラムについて
「科学技術ワクワク挑戦チーム博士進学ワーキンググループの活動報告および省内若手有志からの問題提起」について
その他

大学院部会(第98回) 議事録
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/004/gijiroku/1422799_00003.htm

 なかなか興味深い議論が展開されています。ジョブ型研究インターインシップは一つの突破口になりうるのかなと思ったりもします。

★「STI Horizon(エスティーアイ ホライズン)」誌2020秋号公開(9月25日)について
https://www.nistep.go.jp/archives/45681

★コロナ禍受けムーンショットの新目標チームを公募 JST、未来担う若手に期待
https://scienceportal.jst.go.jp/news/newsflash_review/newsflash/2020/09/20200928_01.html

★2020年 9月28日
提言「学術情報流通の大変革時代に向けた学術情報環境の再構築と国際競争力強化」(PDF形式:2,200KB)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t297-6.pdf

 非常に重要な提言です。以下が提言の見出しです。

学術誌購読費用と APC の急増に対応する国家的な一括契約運営組織の創設
トップジャーナル刊行を核とする学術情報発信の機能強化と国際競争力向上
理学工学分野のオープンデータ/オープンサイエンスの発展を支える組織の創設
学協会の学術情報発信の機能強化に向けた共同刊行組織の創設

 学術会議はハゲタカジャーナルと表現していますが、捕食ジャーナルについても触れられていて、ホワイトリストの作成が挙げられています。

 問題は組織を作るとして、誰がやるのか、財源は何か、という具体的な部分です。

2020年 9月25日
提言「我が国の子どもの成育環境の改善にむけて-成育空間の課題と提言2020-」(PDF形式:5,075KB)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t297-5.pdf

2020年 9月25日
報告「情報教育課程の設計指針-初等教育から高等教育まで」(PDF形式:2,408KB)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-h200925.pdf

2020年 9月23日
提言「性的マイノリティの権利保障をめざして(II)―トランスジェンダーの尊厳を保障するための法整備に向けてー」(PDF形式:1,308KB)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-t297-4.pdf

Twitter followers’ details reveal the power of a paper
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02711-9

★被曝データ不正利用で研究者批判〜伊達市議会で中間報告
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2520

★Health-care inequality could deepen with precision oncology
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02678-7

★私たちはどんな「遺伝子改変社会」を望むのか
遺伝性ヒトゲノム編集に、英米の学術団体が警告
https://webronza.asahi.com/science/articles/2020092400002.html

★What Trump’s Supreme Court pick could mean for science
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02747-x

★Science and the US presidential election: what do you think?
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02710-w

★嘘連発のトランプ大統領に、科学者が次々蜂起
政治的発言を封印してきた老舗科学誌までバイデン支持表明
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/62185

★Trump White House recruited climate science critics to work at NOAA
https://www.sciencemag.org/news/2020/09/trump-white-house-recruited-climate-science-critics-work-noaa

The visa woes that shattered scientists’ American dreams
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02746-y

 大統領選が近づいてきました。政治的な動きが目まぐるしいなか、アメリカの科学界はバイデン支持で固まりつつあるようです。

★Diversity in science: next steps for research group leaders
https://www.nature.com/articles/d41586-020-02681-y

★科学 2020年10月号
https://www.iwanami.co.jp/kagaku/

特集
新型コロナウイルス感染症
コミュニケーション

緊急事態宣言から分科会「6指標」提示までのタイムライン (作成:尾内隆之・調麻佐志)
https://www.iwanami.co.jp/kagaku/eKagaku_202010_timeline.pdf

リニア中央新幹線南海トラフ巨大地震活断層地震で損壊する……石橋克彦
https://www.iwanami.co.jp/kagaku/eKagaku_202010_Ishibashi.pdf

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“Science Communication News”
[SciCom News] No.889 2020年9月29日号 巻頭言
【発行者】一般社団法人科学・政策と社会研究室(担当 榎木英介)
【編集者】Science Communication News編集部
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